親子の個性によって取り入れられる教育は変わる

ムーギー・キム氏(以下、ムーギー):なにかご質問いただけるようであれば教えてください。

質問者1:5歳と3歳の息子がいます、○○と申します。今日は貴重なお話をありがとうございました。今日は私、もちろん1人で来まして、妻が来てないんだけど。私、読書オタクで、先生の本も前回の本も読ませていただいて。

ムーギー:ありがとうございます。

質問者1:図書館で。

ムーギー:図書館なんだ。

(会場笑)

質問者1:妻にこの内容をぜひ自分で噛み砕いて伝えたいんですけど、そのときにやっぱり一貫性を持って良心で話し合って伝えないといけないと思うんです。そういったときに、私と妻の役割分担をどうしたら子供に一番伝わるのかなと思って。その辺を、夫と妻で、より効果的な育て方にするにはどうすればよいか。そういうことを教えていただければ。

ムーギー:ご質問ありがとうございます。あと、1冊目の本を読んでいただいてありがとうございます。おもしろかったですか?

質問者1:はい、おもしろかったです。

ムーギー:ということなんでみなさん、もしよかったらぜひ1冊目も。

(会場笑)

一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる

ムーギー:役割分担ということに関しては、端的に答えると、「知らないよ、そんなもの」っていうことなんですけども。つまり、ここに書いてあることは、けっして教育に、全部に当てはまる一般ルールはないというのが前提なんです。

例えば、「この人賢いから通用するやつでしょ」とか「おたくのところはもともとできるから通用してるやつでしょ」とか。親の個性、子供の個性によって、取り入れるべきものも取り入れられるものも違うと思うんです。

例えば、ご両親がどう役割分担して伝えるのがよいかってことに関しても、やっぱり奥様のキャラクターとか、お子さんの個性とかそういったものを知らないと、いい加減なことは言えないです。最終的には、個別の事情を一番ご存知のご両親でジャッジメントをしていただきたいです。

夫婦で厳しさと優しさのバランスをとる

ただそのジャッジメントをするとき、たいていの家は自分の親から受け継いだ家庭教育法を引き継いじゃうというのがほとんどだと思うんです。本章で少しでもお役に立てればなと思うのは、これだけ多くの人の参考になる育て方を載せていますので、そのなかで奥様とコンセンサスがとれるものを見つけてほしい。

もしくは、「俺はそうだと思うけど、奥さんは賛成してない」ということに関しては、ひょっとするとそれは子供が両方に聞く耳を持つ柔軟性のある方だったら、「パパこう思う」「ママこう思う」「自分はどっちがよいか選べ」っていう柔軟性のある対応ができるかもしれない。

ミセス・パンプキン氏(以下、パンプキン):(本書の数あるエピソードのうちの)1つは、学生さんで、父親がすごく厳しかったって。理不尽なことで感情的によく叱られて。だけど折れそうになったとき、母親がいつもそれをフォローしてくれて、包んでくれて。母親にはわかってもらえる、自分の気持ちをわかってもらえる。そういう役割を果たしてくれたおかげで、グレずにすんだ。その厳しさにめちゃくちゃ反抗せずに。そういうような回答があったんです。

ほかには、「絵本読み聞かせるのはこれだけ大事だと初めて気付きました」と。もしご夫婦がそう思われたら、夜寝るときは交代で読み聞かせをしましょうとか。その邪魔をしないように協力する。そういう役割分担も1つですね。

また、どちらかの親がすごく叱ったときは、必ずフォローする。「お父さん、ほんまはこういう気持ちで怒ったのよ」って。「あなたが本当に大切だから」っていうフォローの仕方を必ずすること。ママが怒ったときはパパが代わりにそれを。そのような役割分担が大事なんじゃないでしょうか。

質問者1:ありがとうございます。

ムーギー:ありがとうございます。ちょっとだけ補足しますと、アンケートのなかでも実際に(両親が)「good cop, bad cop」の役割を果たしているというのは多くの方が書いていました。

両親が両方厳しくすると、子供の逃げ場所がなくなる。両親が両方優しくても、単に甘えた子になっちゃう。だから、片方が強く言うときは、片方がフォローしてそのバランスを取るんです。

これはシングルファーザー・シングルマザーでも、例えば今回は強く言ったけど次回はフォローするみたいにできる。やっぱりバランス感覚を持つということを、当然のことながら子供は求めています。

お金との付き合い方を子供に勉強させることが重要

質問者2:(子供が)大変お騒がせしました。声をかけていただいて、ありがとうございます。2つあって、1つは相談というか。最近すごくアンパンマンが好きで、ずっとアニメを見たがるんですけど、そろそろ僕もうんざりしてて。それを少し減らすためのなにかいいアイデアがあれば教えてほしいっていうのと。

もう1つは、まだ2歳なんですけど、貯金を覚えさせようかなと思って。大きい貯金箱をもらったんですけど、それでなにかいいことしたりしたら、100円ずつ入れてあげるっていうのをやってみようかと思ってまして。これはちょっと賛否両論あるんです。それについてどう思うかというのを、教えていただけたら。

ムーギー:わかりました。端的に申し上げますと、アンパンマンは勝手にやってください。貯金のことなんですけど、これは非常に重要なことだと思います。とくにこの本のなかでも、親が金銭感覚をいろいろ教えてくれたことに感謝してるって書いてあって。「子供が親に不満に思っているアンケート」のなかで、こういう回答がいくつかあるんです。

1つは、「子供のときから、お金のことについてなにも勉強しなかった」と。「これは親がやる問題だから、お前は知らなくていいんだ」と言われつづけた。儒教文化圏の影響がちょっとあると思うんですけど、「お金のことを子供が心配するな。はしたない」みたいなところありますよね。それに対して不満を持ってる子がけっこう多くて。

自分が大学生になって独り立ちしたときに、「ガス代どうやって払うのか」とか、「生活費どうやって払うのか」とか、「そういったものがぜんぜんわからなかったから、生活で独り立ちするのに苦労した」っていうのがあります。

もう1つは、お金のやりくりのことぜんぜんわからないのに、「塾へ行く」って言ったらお金出してくれて、「これ欲しい」って言ったら親が出してくれて。全体の数字を知らずにそういったことをやってもらうと、なんでもかんでも言ったらいいんだ、と。金銭感覚の歯止めが効かなくなるって言ってる子が多かったです。

先ほども申しましたけど、一番すごい例だと、大学入ったときに4年分の学費と生活費全部渡されてやりくりさせられたっていうのがあったんです。さすがにここまでやるかっていうのは各家庭の個別の判断だと思いますけど。やっぱり子供のときから自分でフィナンシャルプランニングをする習慣をつけておくのは、ものすごく重要なことだと思います。

とくに日本のような、今後、間接金融から直接金融に変わっていかなくちゃいけない。とくに今まで貯めたお金をよりリスクの取れるいろんな金融商品にしていかなくちゃいけないという社会的ニーズがある国であればあるほど、お金との付き合い方を子供のときから勉強させるっていうのは、非常に重要なことだと思うんです。

例えば我々、日本の教育を受けてると、長い間一生懸命勉強しますよね。ただ、長い間勉強させられるわりに、社会に出てものすごく重要なことで勉強した記憶がないことって、ものすごく多いと思うんですね。その1つの最たる例が、お金のマネジメントです。だから、日本みたいに低金利でもマイナス金利でも、お金を預けたら損する銀行に、とにかくお金を預けるわけです。

これはほかの国からしたらものすごくあり得ないことで、そうすることで社会の成長分野に貯まったお金が回らず……。このなかで銀行で働いている方がいらっしゃったら、今から言うことは耳をふさいでいただいて。

(会場笑)

ムーギー:銀行で働いてる方います? いつもお世話になっております。

(会場笑)

ムーギー:いろんな金融業界の発達とか産業の変革っていうのを遅らせるのが、日本の金融教育の欠如が、永遠にあると思ってるんですね。そういった意味で、お金の感覚を極めるための教育というのは、なさればいいんじゃないかと思います。

質問者2:ありがとうございます。

親の学習習慣が子供にそのまま伝播する

ムーギー:ほかはなにかございますか? なければ、残りで私がとくに重要だと思う2、3点ぐらいをお話しようかな、と。どうですか、熱心に頷いてくれてるお母さん?

質問者3:お願いします(笑)。

ムーギー:まさにね、「Grit(グリット)の伸ばし方は何ですか?」ってきたらどうしようかと思ってました(笑)。

先ほどダイヤモンドの担当の方と打ち合わせの時間が5分くらいあったんです。ちょうどその担当の方が30、40歳くらいでお子様がいる年齢で、この本を買われる方と同じ年齢層の方なんですね。

それで、「一番興味あること何ですか」って聞いたときに、2つの違う答えが返ってきました。1つは、冒頭で申し上げた「主体性を伸ばすにはどうすればいいんですか」っていうお話でした。

もう一方は、「今、子供が1歳2歳なんだけれども、将来子供が勉強しなくちゃいけなくなったときに、勉強を自分でやる子にするにはどうしたらいいんですかね」と。そこにものすごく関心があるご様子だったんですね。

みなさん、関心ないですか? なかったら次話していいんですけど。ひときわ大きい頷きがありました。ありがとうございます(笑)。一言で言いますと、「大多数の子供は強制しても放任してもダメ」ということなんです。一番多かった答えが、「子供は親が強制しても勉強しません」っていう言葉だったんです。

逆に、放任するだけでもダメなんです。放任しても頑張る子供っていうのは、放任の裏で親が目に見えない、あるいは気付いていないところで、いろんな努力をしてるんです。

一番多いのは、「親自身がすごい勉強家、読書家だった」と。アンケートのなかにあったんですけど、「子供は親の言うことは聞かないけれども、真似はする」っていうことなんです。これ、なかなか名言じゃないですか。

お母さん、お子さんを思い出して。言うこと聞かなかったでしょ。でも、結局真似をするんです。お父さんの悪い癖とか、全部移っちゃったり。

(会場笑)

ムーギー:まさに私は、ミセス・パンプキンが「勉強しろ」って言ったときに絶対やらなかったんです。ただし、うちのお父さんが深夜に大きい音でテレビをつけたりだとか、寝っ転がりながらビール飲んでご飯食べたりだとか、そういう悪い癖は全部移っちゃったんです。

パンプキン:寝っ転がりながらご飯? 人聞きの悪い。

(会場笑)

ムーギー:要するにポイントは、親の学習習慣が、そのまま伝播するんです。一番重要なポイントはここなんですけど、ミセス・パンプキンが書いてるくだりで、世の中の親で一番ダメなのは、勉強させたいときに「勉強しなさい」と言うけど自分は勉強しないっていう。

あと、勉強の環境を整えるとは、よい部屋を用意して塾代払って、なんでもかんでも参考書を買い与えることではなく、身近にいる人たちが学習習慣を持ってること。それを見せることが、勉強の環境で一番大切なことなんです。

多くの人が言ってるんです。私の業界のなかでも、いわゆる頭がよい人たちのなかでも、とくにお前はいつも勉強やってるなっていう人に、「どんな両親やったんや」っていうことを聞くと、両親が東大の教授だったとか阪大の教授だったとか研究者だったとか、そういうことがけっこう多かったんです。

別に立派な大学の教授じゃなくてもいいんです。大切なのは、いつもそばにいる親が学習習慣を持っていること。それを、自然と真似するようになると。

たぶん、会社の上司がぜんぜん勉強頑張らない人が「お前勉強が足らんな」って言っても、「お前や、お前」っていうところありますよね。会社での人の伸ばし方と家庭での子供の伸ばし方って、本質的には同じだな、と。

ビジネスでも教育でも動機付けが一番重要

私がものすごく尊敬してる上司がいるんですけど、その方はやっぱり、背中で見せるからみんながついてくるんです。私が感動したのは、その人は総資産何百億も持ってるような会長なんですが、私トイレで強く怒られたんです。

「ムーギー、こんなだらしのない使い方をしちゃダメだよ」と。手を洗う時にお水が飛ぶじゃないですか。それを自分で拭くんです。「次の人のことを考えなさい」と。

「うちの会社は会長がトイレ掃除する」と感動して。「これは俺の仕事じゃない」とか、「俺はもっと高給な仕事するんだ」とか、そういうせこい発想がすっぽり抜けて。会長がこれを身を持ってやるわけだから、私もやらなきゃってなるわけです。

それと同じことが、やっぱり子育てでも言えると思うんですよね。やっぱり、親の言葉じゃなくて背中を見て育ってるんだなと思います。それが学習習慣に関しても同じことだな、と。それが、学習習慣で一番思うことです。

もう1つが、強制でも放任でもダメだったら、やっぱり動機付けです。この動機付けっていうのも、ビジネスでも一番重要なことだと思うんです。だって社員にしても、役職があるからやるわけじゃないですよね。日本の企業で一番の問題点は、「これをやれ」って言って、戦略作る人はいくらでもいるんだけど、それを実行する人がいないこと。

とくに今みたいにトップダウンで組織が動くんじゃなくて、ミドルマネジメントの人、下の人たちに納得して動いてもらうのが重要な社会だと、ますますこれが重要になってくるんですけれども。

そういうときに動いてもらう上で重要なのが、納得感を調整することだと思います。この学習習慣のための動機付けで一番重要なのは、「なんでこれが必要なのか」をちゃんと伝えること。戦略を実行するときに、「これをやれ」って言うだけだとやる気は起こらないけど、「これはこういう理由で必要なんだ」っていう納得感があると、やっぱり動機がわいてくる。それが、勉強でも同じことが言えると思うんです。

いろんな方のアンケートを集約していると、勉強の動機付けのところでみんなが感謝してることが、「なんでこれを勉強することでよいことがあるのか」っていうことを、ちゃんと説明してくれた、と。もう1つは、実はうちのミセス・パンプキンもそうだったんですけど、世の中の人は「勉強しなさい」って言うんですけど、「勉強したらどんなにいいことがあるか」っていうのを知らないんです。

パンプキン:知ってると思ってたんです。説明しないとわからないことですのに。どうせそんなもん知ってるだろうって。

それで、この子はずっと親のために、親の見栄のために勉強させられてるって思ってたらしいんです。

ムーギー:町内のおばさんに、「うちのムーちゃん、洛星高校入ったんやで」って言いたいだけだと、本当に思ってたときがあったんです。親の偉大な愛情や努力は、子供の時にはわからないものですから。

好きなことをやらせることが人生の幸福度に影響する

パンプキン:先ほどの……。

ムーギー:パンプキンがどうしても、先ほどのアンパンマンについてなにか言いたいらしいので。

(会場笑)

パンプキン:好きなアニメを持って育つというのは、大きくなっても、アンパンマンが大好きだったっていうよい思い出を残すっていうこと。アンパンマンを見ることで育つ夢が、いっぱいあると思うんです。だから十分に見させたらよいと思います。

この子だったらよい絵本を選んであげて、読み聞かせをしてあげたら、ひょっとしたら「アンパンマンよりこっち読んで」って言うかもしれません。アンパンマンを見せないことに力を注ぐよりは、この子がもっと興味を持つことをいっぱい用意して。そんなゆったりした気持ちでいいんじゃないと思うんです。そんな悪いことじゃないです。以上です。失礼な言い方してすいません。

ムーギー:私がものすごい失礼な人みたいな言い方で、ねえ?

(会場笑)

パンプキン:失礼やったもんねえ?

ムーギー:実は、最後の最後にアンパンマンの話をしようと思ってたんです。今から15分間、アンパンマンの視聴量を減らすにはどうしたらよいかを話そうと思います。

(会場笑)

ムーギー:実は、アンパンマンのことを聞いていただいて本当に私は感謝をしていて。ほんまかいなって。このアンケートにあった非常に重要なテーマと、共通しているところがあるんです。

子供って、好きなことを目一杯やらしてあげるっていうことが、その人の人生の幸福度にものすごく影響を与えるんです。自分が幸せだったらほかのことも頑張れるみたいに、生きがいになるみたいなことがあると思うんです。

私、恥ずかしながら子供の時、一生懸命情熱を燃やしていたのが、熱帯魚の飼育だったんです。グッピーとかに餌をあげて大きくなっていくのがかわいくて。それがよかったのは、どうしても好きなことがあるもんだから、ほかのことがインセンティブで釣られる要因になるんです。例えば、私勉強絶対やりたくなかったんですけど、母が私を勉強させるためにあの手この手を使うわけで。

ある時、「これでよい得点を取ったら、熱帯魚のエサ代だけは出す」「塾で一番、京都で5番以内に入ったら、大きい水槽買ってあげる」とか。このニンジンで馬を走らせる作戦っていうのを、私が熱帯魚に夢中だったからこそできることで。もしも基本的に何にも関心を示さなかったら、釣るエサがないんです。

そういう意味で、子供がアンパンマンが好きだということは、それが将来、「この勉強頑張ったらアンパンマンあと1時間見せてやるから」とか、アンパンマンが巨大な原動力になって大出世を遂げるかもしれない(笑)。

申し上げたかったのはこのポイントで、好きなことを自由に追い求めさせるっていうことが、人生のなかでものすごい重要なんです。それがいろんなインセンティブに使える局面がある。これが、私の答えです。

育て方の目線を上げる

最後に、私が1分間で、強調したいポイントが3つあるんです。これは、本書のフィードバックで頂いてることです。1つ目が、「子供が今まで我慢してきたことが見えてきた。子育て、反省することばかり」と。やっぱり「子供の気持ちがわかった」というフィードバックが多いです。

2つ目は、「日本を代表するエリート学生が親に感謝してるっていうことを知れただけでも、価値がある」と。アンケートにユニークな価値を見てくださる方がけっこう多いです。そのなかで一番多かったのが下に続くやつなんですけれども、「このアンケートに書いてあることを見て、自分の親を思い出した」「親に感謝した」「親の愛情を思い出すっていう本であった」と。

そして最後、「これは本当に育児書のように見えて、人の育て方全般にまつわることである」ということを見てくださいました。

逆に、ネガティブなレビューもあります。それを簡単に言いますと、「ビジネスでずば抜けて活躍できる子に育てる方法というより、これは学生のアンケートでしょ」と。このコメントを私は非常に歓迎していて。

申し訳ないのは、アンケートの役割は「将来子供がこういうふうに育ててくれてありがとうと感謝する育て方を明らかにするための位置づけです」と。ビジネスに成功するかどうかっていうのは、各章の頭で私が、ビジネスリーダーに「どういう育て方が今のあなたに繋がってますか」っていうインタビュー結果の部分で、ビジネスとの関連性を担保してる、と。

あと、本書の7大方針。「主体性を強める」「コミュニケーション能力を持つ」「信頼を大切にする子供」「最後にやり抜く力」。これらすべてが、ビジネスで成功するために、またビジネスじゃなくても自己実現するために、大切なテーマだと思うんです。だから、そういったところを汲みとっていただければ、本書の意図がわかっていただけるだろうなと思います。

最後、20秒話して終わろうと思いますけど、今日一番持って帰っていただきたいなと思うのは、私は「これが一流の育て方だ」って押し付けるわけじゃなくて、「育て方の目線を上げるんや」と。自己啓発にしても、自分の部下を育てるにしても、自分の子供を育てるにしても、この7大方針を意識して育てられてるかな、と。

自分の子供の主体性を上げるためにこういうことできてるかな。自分の子供の視野を広げるために、自分の部下が最後までやり抜く方法を掴むために、自分で挑戦させること、目標を立てさせることっていうのを応援できてるかな。人の育て方に対する目線を高める、それを考える契機になれば、著者として冥利に尽きるところがあります。

「本書の用途及び対象とは」っていうところで、いささかしつこいんですけれども、やっぱり子供とか孫の育て方に役立ててくれるとありがたいです。そして、ビジネスとかスポーツとかいろんな分野でコーチングやリーダーシップの本として、お役立ていただければ本当にうれしいです。

最後に、すべての子供、もしくは子供じゃなくても全員に言えることなんですけど、こう育てられたから自分はこういう行動パターンがあるんだなって、自己啓発、自己分析にも使っていただけると非常にありがたいです。長らくお話させていただきましたけれども、今日はお忙しいところをお集まりいただきまして、本書を買っていただきまして、本当に感謝しています。どうも、ありがとうございました。

(会場拍手)