マッピングすると自分に合う政党が見えてくる

高橋:いいですか、じゃあ、次いきます。これ(スライド)を見て、例えば今言った被選挙権年齢のところだけを見ても、こういうふうに言えるかなと思っていて。

縦軸は年齢で。「どれぐらいの年齢がいいよというのを言っているか」みたいなので良し悪しを見る人は、こういうところで考えればいいかな。

やっぱり大阪(維新の会)とかは18歳ってはっきり言ってるから、そういう政党ですよ。逆に、社民とか民進は20歳とか25歳とかって言っているので、そこでいうと、躊躇してる感じの印象ありますよね、という感じですよね。

それが上下になります。そこで決めるなら、そこで決めてください。

もう1個は、検討か実施かというラインもあります。真ん中にいる3つの政党は、何歳というのははっきり言っていて。それぞれが「実施する」と断言してるところと、さっき言った「目指す」とか「検討」してる言ってるところがわかりますよ。

こういうふうに表にしてみると、どこが自分の応援する政党なのかなというのは見えてきて。こういうのを自分の興味のあるところとか、この分野のことだけ見て決めようってことでこうやってくれるといいんじゃないかなって思います。

ちなみに若者参画のところでいうと、僕はポイントが3つぐらいあるかなと。細かくいうと4つなんですけど。

1つは、さっきの非選挙年齢引き下げもそうなんですけど、「選挙を通じて若い人の声を聞きましょう」というところに、比較的どの政党が声を上げてるのかなというのが見えてくるんじゃないかなという気がします。

ここに出てない政党もあるんですよね。8個のなかで。8個のなかでここに出てこない政党というのは、逆にいうと、若者の声を聞こうということにはあんまり熱心じゃない政党だと言えるのかもしれないです。

それ以外に、右側のところでいうと、「選挙だけじゃ投票行けるようにならないから、もっと教育とかも大事じゃない?」って言ってる政党があったりとか。

あとは「教育だけじゃダメだよ。高校生でもう主役なんだから、もっと高校生が政治に参加できるようにしたほうがいいよ」と言ってる政党なんかもあったりとかですね。

たかまつ:おもしろいですね。若者政策を担当する大臣とかね。

橋本:そうです、そうです。

たかまつ:うん。

政策を実行できる政党かどうかを判断

橋本:一番下のオレンジのところを、詳しくそっち(右下)で出してきたんですけれども。

「選挙だけじゃないでしょう、若い人の声を聞かないといけないのは。もっと選挙じゃない、直接政治家や日本という国の政府だったりとか、あとは官僚とか省庁とか、そういう人たちが直接若い人の声を聞くということもやっていいんじゃないの?」と言ってる政党もあるんです。

具体的には、今たかまつさんが言ってくれたけれども、「若い人を担当する大臣を作って、その人たちは常に若い人の味方なんです、という大臣がいれば変わるんじゃないの?」とか。

あとは全部の町に「若者議会」というの作って、町のことを決める時に若い人の声を聞くようにしたらいいんじゃないのとか。

そういうのがちょっとずつ出てきてるので、ぜひみなさんにも参考にしてもらいたいなと思います。

で、被選挙権年齢引き下げのときに、こういうふうに選挙のことだけじゃなくてね。選挙以外のやつもあるよって言ったんですけど。

選挙以外のことにけっこう積極的なのは(スライドで)あっちにいる政党。右側にいますよ。選挙による若者の声を聞くのに熱心なのは上にいますよ、みたいなのをプロットしてみました。

これはまあ僕の印象もあるんですけれども。みんなで読みながら、どのへんにいるかなとか置いて見ると、自分なりの応援したいとかが出てくるような気がします。

そういう軸だけじゃなくて、もう1個大事な視点を今日紹介したいなと思っていて。それが、これ(スライド)絵描くのすごい難しかったんですけど、わかるかな。

たかまつ:立体的になってる。

高橋:そうそうそう。これ平面なんだけど、こっちに飛び出してる感じ。わかる? この赤いやつ飛び出してる。前に来てるって感じ。

参加者2:そっち?

たかまつ:奥だと思いました(笑)。

高橋:奥? 僕的には手前に飛び出してるイメージで描きました。

要はなにかというと、政策としてどこにいますよというのをやるのはいいんですけど、やっぱり実際にそれが本当にできる政党なのか、できない政党なのかというのも加味する基準としてあるんじゃないかなということです。

さっき「いろんなチームがあります」って言ったけれども、日本の政府を守ろうっていうか、そこを担いましょうって言っている実際に日本政府として動いている政党と、そうじゃなくて政府に対して「本当にそれでいいの?」とチェックをする政党とに分かれているんですね。

今、日本の政府側のことを与党というんですけど、与党の役割をしてるのが、中心は自民党という政党で。その自民党の仲間でいるのが公明党という政党なんですね。

やっぱり政権を担っていると、いろんなところであんまりリップサービスすぎることを言いづらかったりするので、どうしても大胆な政策というのは野党のほうが言いやすいんです。

なぜかというと、自分が本当に政権取ることにならない可能性がある政党もあるので。そうすると、「本当にならないから、なんでもスゴそうに言っとけばいいんじゃないの?」というノリもあるということです。

どの政党も今まで以上に同じことを言っている

たかまつ:それはずるいですね。

高橋:なので、そこも加味をして評価してあげないと評価が平等じゃないよねということです。

でも、じゃあ、与党で実現ところだけがいいかというと、そうじゃなくて。政府を守ってる政党だけがいっぱいになっちゃうと、好き放題やれちゃうよね。

そういうときに、それちょっと心配だからチェックをする人たちを強くしていかないといけないよね、という考え方もありますよね。

そうすると、チェックをする人たちはどういう考え方でチェックをしてほしいのか、自分の味方ってどれだろうというのを探す。これも判断の仕方です。

つまりは、自分がどういう日本にしたくて、今どっちが勝ってて負けててとか、どっちが応援したほうがいいかなってというのを考えながら、入れる政党を選ぶのが大事です。

ここでは1つは、さっき言いましたけど、実現性とかこういうこと、政策のレベルやほかにも政党による実現性とか、それから与党・野党の関係性とか、パワーバランスとか。

そういうものを全体的に判断して、みなさんが応援しなきゃいけない政党はどこなのかなというのを決める、というのが政策判断としては重要じゃないかなと思います。

ここから、これが今日のベースなので、これ聞いてくれると、1個の政策でしか説明してないんだけど、だいたいどの政策も見方がわかってくるんじゃないかなと思います。

同じように、労働・雇用の問題なんかも……。ごめんなさい、これ眠くなる話かもしれないですけど。今回、政策を読んでると、今まで以上にどの政党も同じこと言ってるんです。

さっきの話も、被選挙権ってみんな言ってるし。労働雇用政策のところの半分ぐらいは、みんなどの政党も「同一労働同一賃金」を言っています、とか。あとは、教育政策ではみんな「奨学金」って言っててとか。

どの政党も、今まで以上にみんな同じことを言っているということになっているので。そういう意味では、さっきの語尾っていうのがすごく大事になります。

で、同一労働同一賃金というのを説明すると、これちょっと難しいんだけど、サラリーマンの正規雇用されてる人と、あとアルバイトみたいに非正規雇用で働いてる人というのが今日本にはいるんですね。

で、正規雇用の人はちゃんといっぱいお金をもらえるんだけど、アルバイトの人ってすごい安い給料で働かされるんですよ。そうすると、なんかすごいかわいそう。

どういうことが起こるかというと、例えば、9時5時とかいうんだけど、朝9時から5時まで一緒に働きました。で、同じ仕事します。

なのに、正規雇用で働いてるたかまつさんはすごいいっぱい給料がもらえるのに、非正規雇用で働いた僕はほとんどもらえませんでした。たかまつさんの半分の給料です。

同じ仕事したのに、同じ時間やったのに、能力はもしかしたら僕のほうがあるんじゃないかと僕は思ってる。

たかまつ:そんなことないよね(笑)。

(一同笑)

高橋:だけど、たかまつさんが給料は倍。こういうことがけっこうあるんですよ。

で、なんかやりきれないなと思ってたら、6月ぐらいに「やったー。ボーナス出た」とか言い出すわけですよ。「えーっ、給料高いのにボーナスも出てるの? こっちボーナスない」ってね。

こういう不公平をなんとかしないといけないというのが、この同一労働同一賃金です。できるだけ、同じ仕事をしたら、同じだけお金もらえますってするようにしましょうという考え方なんです。

同じことを言っていても詳しく見ると違っている

だけど、これの見方なんですけど。同じこと言ってるんだけど、これも実は詳しく見ると違うことを言っていて、大きく分けると2つのタイプがあります。

ほとんどのタイプは、「非正規雇用で働いてるパートとかアルバイトで働いてる人を正社員に変えてあげられるようにしましょう。そうすることで、なるべく幅広い人が損をしないようにしたらいいんじゃないの」ということを言っていて。

正規社員と非正規社員を同じようにするんだけど、とくに非正規で正社員になりたい人はみんな正社員にさせてあげるようにしましょうって言ってるグループがあります。

そういうグループが圧倒的に多いです。例えば一番上に書いてあるのとかもそうですし。2番目に書いてあるところもそういうふうに言ってますし、という。

3番目に言ってるところも「正社員に転換する」と言ってますし。1個飛ばして最後のところも、正社員への雇用機会を与えて、なるべく正社員にしましょうって言ってるんですね。

だから、ほとんどのところは、正規の社員と非正規の社員を一緒にしますよと言っておきながら、全員正社員になりたかったら正社員にしてあげますよと言ってるんですけど、1個だけ違うところを言っていて。

非正規なんだけれども、給料をいっぱいにしましょうとか。非正規の人だけがクビになるんじゃなくて、正規の人もクビになっちゃえばいいんじゃないのとか。そういうふうに言っている政党が1つだけあります。

だから、同じようなようなことを同一労働同一賃金と言ってても、非正規を正規にしますという政党と、非正規のままなんだけど、それを正規並みの給料に変えますよと言ってる政党があります。

こういう違いを読み取れるようになりましょうというのがまず1つと。みなさんはどっちのほうが言ってることが正しいと思いますか。これはもう好きずきです。だから、どっちのほうが好きかということを決めればいい。

この好きずきというのがけっこう政治では大事で。政治の話をしてると、いいところと悪いところがあって、「悪いところ絶対応援しちゃダメ。いいところに入れなきゃ」って思うかもしれないですけど、これね、違うんですよ。

みんな基本的にはいいことを言っていてというか、自分たちがこういう社会にしたいと思うことを言っていて。Aという社会がいいと思う人と、Bという社会がいいと思う人というので、タイプが違うんですよね。

だから、どっちもいいことを言ってるんだけど、どっちのほうがいいかということを見極めるようにしてもらいたいなと思います。ただ、悪いから入れないということではないんです。そんなことを見極めてもらいたいと思います。

あともう1個。ごめんなさい。あと2、3分だけもらっていいですか? あともう1個、これから話をするのは税と社会保障のところが。あとはそれから、そのあとの教育とか子育てのところをまとめて話をしたいと思うんですけど。

これ、税金の話と社会保障の話なんですけど、これも1つ問題で。今、言ってるところは全部ほとんど一緒になっちゃったんですよ。

というのは、得をする人と、みなさんは損するって言ったんですけど。これなにが一番問題かというと、借金ばっかりしてるんですよ、日本って。これが一番大事で。

要はなにかというと、今60万円弱しか収入がない家で、毎月ね、ちょっともらいすぎか。まあいいや。6,000円の小遣いをもらっている女子高生が毎月1万円使ってる感じなんです。

足らないでしょう? それを毎月毎月使ってるんだよね。その人たちってなにしてると思う? なんで1万円使える?

鈴森:借金してる?

高橋:そう借金してるということなんですよ。で、借金って誰が払うのというと、すぐ死んじゃう人って払わなくていいじゃないですか。これ言い出すとまたクレーム来る(笑)。

(一同笑)

要は、長く生きる人のお金を勝手に今使っちゃってるということなんですよね。

お小遣いが6,000円だけなのに、1万円の支出を1万2,000円に

たかまつ:先送りって言われてますけど、これから生まれてくる人だって負わなきゃいけない。

高橋:そうそう。この話をあとでしていこうと思うんですけど。

だから、「消費税増税ってなんかけしからん」ってみんな国民のほとんどが言ってるんですけど、実は消費税を増税して、今いる人たちからいっぱいお金をぶんどっといたほうが、将来の人的にはいいんだよね。要は勝ち逃げさせないということなんですよ。

と思うんですけど、今の日本の主要政党って、全部が「消費税は先送りしましょう」とか、「消費税なんてあげるべきじゃない。そもそも」って言ってる政党がほとんどだっていうのが今回の選挙の特徴で。「消費税上げましょう」という政党が1つもなくなっちゃいましたということがある。

それからもう1個大事なことがあって。お金を増やしましょうという、収入増やしましょうということを言ってる政党が1個もないんですけど。ほぼ全部の政党が社会保障というのをどんどんばらまく量を増やしましょうって言ってるんですね。

たかまつ:収入が増えないのに出ていく?

高橋:そうそう。だから、6,000円しかお小遣いないのを「お小遣い増やしましょうよ」という政策の人はいなくて。

6,000円なんだけど、1万円しか使わないんじゃなくて、「もっと1万1,000円とか、1万2,000円とか使ったほうがいいじゃないの?」って言ってる。「どう?」って思うでしょう?

結城:やだー。

高橋:そんなお母さん、そんなお父さん嫌ですよね。女子高生が6,000円の小遣いなのに、毎月1万円使ってました。「あなたね、もっと使ったほうがいいんじゃないの? お小遣いは6,000円しかあげないけど」。

(一同笑)

これちょっと意味わかんないですよね。そういうことになってるというのが税と社会保障の問題で。

みなさんから考えると「1万円も使ってるのまずいから、もうちょっと9,500円にしようよ」とかね。「来月は9,500円にして、再来月は9,000円にして」という。ちょっとずつ減らしながらゆくゆく6,000円で成り立つ生活に戻していこうかみたいなこと考えるじゃないですか?

そういうことになってないよというものは、ちょっと勉強してみてもらうといいかなという気がします。このへん難しいので飛ばします。

あともう1つは、子育て政策なんですけど。大事なのは、保育園作りますというのが今一番トピックになってますね。もう1個はお金を配ります。子育てが大変な人にお金をあげます。

これ大事なことなんですけど。「でも、お金をあげるだけでいいんだっけ?」というのが1つのポイントとしてあります。

もう1個、教育政策。教育政策はぶわーっていっぱい並んでるんですけれども。教育政策の半分は、教育を受けにくい人とかお金がなくて受けられない人にお金を配りますとか、奨学金をいっぱい出します。

要するにお金の話が教育の話と半分になってる。要するに「未来の教育をこうします」って話は実は少なくて。かわいそうな人にお金をあげますみたいな話が教育政策のほとんどになってる。これも1つの特徴で、「みんなこんなでいいのかなあ」と思います。

誰が得をするのかを考える必要がある

考え方なんですけれども。政策の考え方のポイント3。これは要するに今誰が得をするのかというのをベースに考えなきゃいけないですよね。

だから、ジャストナウで考えたときに、高齢者ばっかりいっぱい取ってる。若い人に対するお金がいっぱいない。これどういう感じがします? 若い人、損な感じがしますよね。

鈴森:うん。

高橋:だから、それを変えたいと思うわけですよ。変える方法の1つとしては、高齢者にいっぱい配るのはいいけど、若い人にもいっぱいお金配って。

いいですね。なんかよくなってきた気がしますよね。バランスが取れてくると、不公平じゃなくて公平な感じがするでしょう?

だけど、1個考えなきゃいけないのは……。だから、1つは今どっちが得してるから、若い人たちが少ないんだったら、今私たちにもらえるお金増やして。これがポイントの3個目です。

だけど、よくよく考えると、お財布って限られてるのね。だから、今まで高齢者にいっぱい配っていて、もうお金すっからかんどころか借金してました。さらに若い人にお金配ってというと、そのお金どこから出てくるんでしたっけ? さらに借金。

参加者2:借金。

高橋:そうだよね。という話になりますと。

要するに「さらに未来に借金をして、みんなにお金もらえれば、それでいいんだっけ?」という話をしなきゃいけなくて。

そうすると、「あっちがいっぱいもらってるんだから俺たちももらおうよ」という話だけじゃなくて、やっぱり「あっちもちょっと減らして、こっちのちょっと減らそうか」とかね。

そもそも「あっちもだいぶ減らして、こっちもだいぶ減らして我慢しようか」ということを考えないと成り立たなくなっているんですよね。ここも考えなきゃいけないことで。

なんでここが大事かというと、例えばすぐ死んじゃう人は未来のことあんまり関係ないでしょう。だから、借金して借金たまったって言っても、「あと10年ぐらい絶対大丈夫だから」ということなんですよ。

そうすると、あと10年したら死んじゃうかなと思う人は「いや、俺たち勝ち逃げですね」って思うと、「じゃあ今また借金してさ、俺たちもっと金もらえればいいんじゃないの?」とか。

若い人に文句言われたら、「若い人にもあげてさ、俺たちまたもっともらえればいいんじゃないの?」みたいな話になるんですよね。

だけど、みなさんみたいな世代の人というのは、その借金返さなきゃいけなくなるから、やっぱりもうちょっと長く続けられるようにしなきゃいけないですよね。

そうすると「私たちも我慢するから、あなたたちもだいぶ我慢して」とか、そういうことを考えていけなきゃいけないんですけど。

「そういうことを考えてるのはどこかな?」ということも考えないと、お金くれます。「この政治家が言ってるようにしたら、私、お金もらえるらしい」。こういうので選んでしまって大丈夫かなというのもちょっと心配なんです。

ここもけっこう日本人って、みんなお金配るとそこに入れちゃうみたいな傾向があって。そういうところがそれでいいのかなというのが、ぜひみなさんには考えてもらいたいなと。

ちょっと長くなりましたけど、こういうところをポイントにしながら、自分の興味のあるところを、政策でね、ぜひみなさんには選んでもらいたいと思います。ありがとうございました。