人がまだ到達していないところに飛び込むのは楽しい

司会者:今回、本田圭佑選手が、第1回『デジタルガレージ ファーストペンギンアワード』受賞となりました。

先ほども説明がありましたけれど、この賞は海のなかにいる獲物を得るために、自らを危険にさらすことを覚悟して、氷床から真っ先に海に飛び込むペンギンになぞらえまして、科学技術・芸術・スポーツといった分野で、世界を舞台に独創的な挑戦を続ける方をたたえるものとなっているんですが、最初に受賞をお聞きになったとき、「すごくびっくりした」とおっしゃっていましたけれど。

本田圭佑氏(以下、本田):ええ。僕は、今もしょっちゅうJoiさん(伊藤氏)に話させていただいてるんですけれど、すごくアナログな人間なんですよ。それで、いわゆるデジタルガレージという会社に、こういうかたちで評価していただけるのは本当にうれしいことですし、もっと勉強しようと率直に思いますよね。

司会者:ペンギンになぞらえているんですけれど、1番最初に飛び込むというのは、リスクのあることですよね。本田選手の語録のなかにも、「リスクのない人生なんて……」(注:「リスクのない人生なんて、逆にリスクだ。僕の人生なんてリスクそのものなんで」)という言葉がありますけれども、まさにそれを体現してる方だなと、私は感じたんですが。

本田:楽しいですよね。人がやらない、まだ人が到達していないところに最初に、もちろんリスクはあるのかもしれないですけど、飛び込んでみるというのは。なんとか今も生きれてるので、それが大事なのかなと思います。

プレッシャーは「もっと味わってやろう」

司会者:では、選考していただいたお二人にうかがわせていただくんですが、まずは、林さん。本田選手を選ばれた理由をお聞きしたいです。

林郁氏(以下、林):伊藤と、さっき言ってましたけど、栄えある1回目ということで。多少我々としても接点があって、一般的に見ても「ああ、やっぱり彼だな」「彼女だな」という人がいいよねと、2人でブレストしたんですよね。そしたら、まず本田さんの名前が出て。それで満場一致というか、2人しかいないんだけども(笑)、そういう感じで。

本田:ありがとうございます。

:それで、先ほどリスクテイクの話が出たんですけど、リスクテイクとはただ危険を取りにいくんじゃなくて。ペンギンはやはり、エッジのところでタイミングを見てるんですよね。ですから、かなりちゃんと意思を持ってリスクテイクをして。それで、僕らもやってきたつもりなので。ただ単純に危険なところだけに行っていると、必ず地雷を踏んでしまう(笑)。

本田:うれしいです。

伊藤穰一氏(以下、伊藤):べつに、後ろから押されてるわけじゃない(笑)。

(会場笑)

伊藤:でも、本田さんほどプレッシャーに強い人を知らない。

本田:僕、同様のことをJoiさんに思ってますけどね(笑)。

プレッシャーだったり、いわゆる自分が不安になるときに言い聞かせてる言葉があって。「このプレッシャーは今、日本でおそらく自分だけが感じられてる」と、ポジティブに言い聞かせているだけなんですよね。でも、実際はもちろん強くなくて。ただ、「あ、すごい。僕、しっかりこのプレッシャーを感じられてない?」と思うと、前向きになってきたな、と。「もっと味わってやろう」と昇華してます。

この記事は無料会員登録で続きをお読み頂けます

既に会員登録がお済みの方はログインして下さい。

登録することで、本サービスにおける利用規約プライバシーポリシーに同意するものとします。

SNSで会員登録

メールアドレスで会員登録

パスワードは6文字以上の文字列である必要があります。