恵比寿を奴隷ルックで引き回し

セブ山:次の年のブラック企業(ネタ)。あれは大変だったんじゃないですか?

シモダ:衣装、けっこう……。

原宿:服飾関係の友達に、奴隷に見える衣装がほしいんだって発注して、用意してもらって、それを着ただけじゃまだ汚さが足りないっていうので、それを泥水にバシャーンと浸して乾かして……。

シモダ:そう、天日干しして……。

原宿:踏みまくった。めっちゃ汚くしたのをかぶった。

セブ山:ええー!

シモダ:ドロドロのくっさ~いのを全身身にまとって、ドロとか(顔に)塗って。

セブ山:たしかにすごい汚なかったですもん。しかも、室内で撮るんじゃなくて、ちゃんと外に出て行って、いろいろ撮ってたじゃないですか?

シモダ:恵比寿で。

セブ山:あのカッコのまま歩き回った?

シモダ:電車にのるのはあれやったんで、歩いて中目黒から恵比寿まで……。僕がピシーっとしたスーツなのに、後ろに奴隷3人引き連れて……。

原宿:現代の奴隷商人のように、恵比寿中を引き回し。

シモダ:当時カメラマン役で入りたてだった永田くんも、ばっちりパンチパーマあたってて。スーツのやつと、奴隷三人と、ばっちりパンチパーマのカメラマンが……。

セブ山:怖っ!

原宿:なんの撮影だろうな~(笑)。

セブ山:あとは、ケーキ食べてるところなんかも、気づかない人は気づかないと思うんですよ。

シモダ:「社員の誕生日にはなんと水をプレゼント!」で、山口君が「数カ月ぶりの水だ!」って嬉しそうに飲んでる。その後ろで僕がワンホールのバースデーケーキを、(クリームを)ほっぺたにつけながら食べてる。

セブ山:あれ、本当に山口さんの(誕生日に)あげようって買ってたケーキだと聞いたんですけど……。

シモダ:そうそう。ほんまに2、3000円したケーキなんですよ。けっこういいやつ。でも、たまたま撮影もあったんで、しょうがなくそこにあったのを「これいいんじゃない?」って。

セブ山:(笑)。

シモダ:撮影後はぐちゃぐちゃになったケーキを山口が食べてるっていう。でも、やっぱりビジュアル、絵面としてはすごく僕気に入ってるんです。

セブ山:だいぶこだわって作ってるわけですもんね。

シモダ:あれは今まで作ってきた中のやつでも、かなり上位。

セブ山:全部通して?

シモダ:かなり好きな方ですね。まだ残ってるなら見てもらいたいです。

サイトはこちら

セブ山:でも、かなりの犠牲の上に成り立ってる企画ってことですよね。掃除したりとか、丸一日かかってね。

シモダ:恵比寿で撮影終わった帰りに、奴隷3人いたから、もうみんなめっちゃ疲れてて、裸足で歩いたりするからさ。

セブ山:そうですよ。

シモダ:だからもう、「タクシー乗って帰り」って。

セブ山:奴隷に?(笑)

シモダ:そう。奴隷に千円渡して。それで、奴隷が3人ともタクシーに、東京無線かなんかに、乗り込んでいくんよ。バーっと走りだした時に、窓ガラス越しのみんなの疲れた表情ってのが、凄まじいインパクトがあって、「やっと保護されたんや……」。

原宿:タクシー乗れんのが嬉しかった。

人骨も模型ではなくリアルにこだわった

セブ山:そうですよね。はー、すごいな。それがあって今年ですよ。今年はガラッと変わりまして、薬物防止の啓蒙を。

原宿:大事なことなのでね。

セブ山:あれは、苦労した点とかあるんですか?

シモダ:体から薬抜くのに1番時間かかった。

セブ山:だから!

原宿:髪の毛から出ちゃう。

シモダ:そうそう。

セブ山:エイプリルフール終わってますよ。4月1日じゃないですよ。

シモダ:柿次郎が1番、なかなかやめられなかった。

原宿:すごかったですね。シ●ケンかってくらい……。

セブ山:出すなよ名前! 違いますよ。制作の裏側ですよ。それは本当なのか嘘なのか、ここでは聞かないでおきましょう。

シモダ:はいはい。

セブ山:制作の裏側。制作で大変だった部分。

原宿:制作ね。画像にリアリティを求めたかったんで、警視庁が押収した覚せい剤の画像を使いたい。それで、警視庁に許可を取ろうと思って、押収した覚せい剤の画像を会社のホームページで出したりしても大丈夫ですか? って聞いたら、「ダメだ」と……。

セブ山:なんでなんですか?

シモダ:啓蒙してるのにね。

原宿:いいことやろうとしてるんですけどね。権利関係かわかんないですけど……。

シモダ:誰が権利もってんねん。

セブ山:(覚せい剤)持ってた奴でしょ。

原宿:「それはやめてください」って言われたんで、しょうがなく探しまくって、あったんですよ。クリエイティブ・コモンズのライセンスフリーの覚せい剤っていうのがあったんですよ。

シモダ:あと、ドクロの写真とかもそうなんすよ。人骨の写真ってないじゃないですか? どこで買っていいのかもわからない。

セブ山:たしかに言われたらそうですね。

シモダ:あんなんもフリーとかで落ちてるんですよ。そいつ、どういうアレなんかわからないですけど……。

セブ山:え!? それ、模型とかじゃなくて?

シモダ:模型じゃなくて、正真正銘の……。

セブ山:えー! そんなフリー素材のサイトがあるんですか。

シモダ:エイプリルフールはお祭りというか、好き放題できるのは嬉しいですよね。

セブ山:これ期待できますよね、来年も。

シモダ:来年か……。

原宿:来年、どうしますかね?

セブ山:乞うご期待! ということで。

原宿:来年は刑務所に入っている死刑囚・セブ山との手紙のやり取り。

シモダ:すぐにでも事件を起こしてもらって。

セブ山:それ、エイプリルフールってことですよね。そういう設定ってことですよね? 「設定」ってことですよね!?

原宿:ちょっと何言ってるかわからない……。

セブ山:エイプリルフールの話をしてるんじゃないか!

原宿:セブ山が「えん罪だ~! やってない~!」って叫んでるのがエイプリルフール。

シモダ:絶対やってる。証拠は揃ってる。

原宿:本当はやってる。

シモダ:DNAも現場に残された精子と一致……。

セブ山:おれ、何やってん! 俺なんの犯罪犯したんや!

嘘でも言ったらダメなこと、の見極め

セブ山:というわけでね。いつもここからが案件のネタが、どういう時にできたのか? 聞いてくんですけども、今回自社のことなので、どんなボツネタがあったのか? そっちのほうを掘り下げたいんですけども。

原宿:今年、実はあったんですよね。

セブ山:麻薬の?

原宿:ドラッグの警鐘を鳴らした時に、ドラックの危険性が書いてあって、大麻はこういう風になるからダメですよって。

原宿:コカインはこうなっちゃうからダメですよ。

原宿:で、ヘロインは……

原宿:OK!

セブ山:(笑)。

シモダ:ってサイト。なんの問題もない。気持ちよくなれるし……。

セブ山:嘘ですよね? 嘘ですもんね。

原宿:それをやるか? やらないか? ですごく悩んだんです。

セブ山:モメたんですか?

シモダ:そこだけ「OK!」みたいな感じにしちゃうと、嘘でも言ったらダメなことをやっている。

セブ山:そうですね。けっこうネタ自体危険ですけどね。

シモダ:そういうことやりたいって衝動もすごくあったんですけども、結局でも「嘘やん」っていう感じでやめたんでしたっけ?

原宿:今年は「嘘をつかない」がコンセプトでいこうってのがあったんで、コンセプトから軸がずれるんで、迷ったんですけどヘロインもダメだよって。

シモダ:あくまでも普通に啓蒙しようって。

「給料ゼロ・年間休日2日・過労死は2階級特進」でも100件以上の応募が

セブ山:今年、去年、前の年と3つやってきたんですけど、その反響の部分を聞いていきたいのですが。自社でエイプリルフール企画出すことによって、どんな反響がありましたか? 今までに。

原宿:2012年の新卒採用は、けっこうムチャクチャ書いてたじゃないですか。ブラック企業って。年に休みが2日しかないとか、過労死で死んだら2階級特進だとか。

シモダ:給料もゼロよ。

原宿:いっぱいムチャクチャ書いて、最後に採用はこちらって書いておいたんですが、それでも結構応募がきてた。びっくりした。

シモダ:100通以上来てたんですよ。

原宿:採用応募が。奴隷なのに……。

セブ山:実際、最後は応募できるようになってましたもんね。

原宿:なってるんだけど、完全にこの条件に合う人しかダメですよって言ってるのにもかかわらず、100通ぐらい応募が来ちゃって……。

セブ山:それは、ほんとにその条件でいいってことなんですか?

シモダ:絶対に、最初はそんなノリで「でもどうせ上がるんでしょ?」って思ってるやつやがな。そんなうまい話ありますか? こっちは、過労死してもいいんでしょって言ってるのに、何ちょっと夢に瞳をキラキラさせながら……新卒ボーイたちが……。

セブ山:なるほどね。それも嘘だけど、募集はしてるんでしょ? みたいな。

シモダ:その「みたいな」ってのが多かったんですかね?

セブ山:「僕はそこに乗っかれますよ」みたいなことなんですかね? ちょっと嫌な言い方しましたけど。

シモダ:だいぶ嫌な言い方してましたよ。

原宿:嫌味だね。ほんとうに。

シモダ:まあまあ、ありがたい話ですけどね。そうやって興味持ってもらえるのはね。

原宿:応募していただいたのはね。

セブ山:今後もまだ続けていきますか? 毎年。

シモダ:う~ん。来年のは2日前ぐらいになったら、また考えればいいかな。

セブ山:ウチのやつ作ってくれ、みたいのはやります?

シモダ:全然やります。

セブ山:ご依頼OK?

原宿:やりたいです。

シモダ:嘘ついていい日なんだから、変にこうイメージを気にしたりするよりも、「嘘だから」で全部流しちゃいましょう、みたいな覚悟が決まってる方がいいですね。

セブ山:そのクライアント様がいらっしゃったら本気でいきますよって……。

シモダ:本気でいきますよ。

セブ山:わかりました。見てる方もぜひ、クライアント様、広報担当の方とか、エイプリルフール(企画)をオファーしたいってあれば、お願いします。

原宿・シモダ:よろしくお願いします。

セブ山:というわけで、本日はシモダさんと原宿さんにエイプリルフール企画のことをお伺いしてまいりました。ありがとうございました。

原宿・シモダ:ありがとうございました。