政治資金については一切問題なし

記者6:読売新聞のナカハラと申します。1点教えていただければと思うんですけれども。自民党議員として出馬とおっしゃっていましたが。

立候補の際に、例えば前向きな意味で、自民党を離党するとかというようなことも視野にいれてらっしゃるのか。それとも自民党党員のままで出ることにこだわっていらっしゃるのか、教えていただければと思います。

小池百合子氏(以下、小池):あくまでも現時点で私は自民党議員でございます。党員でもございます。そして、これからさまざまな流れが出てくるのかなと、このように思っておりますけれども。それをしっかりと見極めていきたいと、このひと言につきてまいります。

記者7:すいません。朝日新聞のコバヤシといいます。前回の都知事選で、小泉元首相や細川元首相と脱原発というのを掲げて出られたんですけれども。

今回は小泉元首相や細川元首相と連携されたりとか支援を受けたりとか、そういったご予定とかお話しというのは今のところあるんでしょうか?

小池:あの……ございません。

記者8:すいません。テレビ東京のシノハラです。先ほど、政治と金の件がありましたが、小池さんとしては、自らの政治資金についてはまったく問題がないという自信はおありでしょうか?

小池:テレビ東京の池上さんの番組でも収支報告を提示をさせいただきつつ、ご説明いたしました。とくに飲食費というのは、飲食代は、誰と食べて、それが会議なのか、公なのか、私的なことなのかというのは非常にわかりにくいことは事実であります。

よって、私は、飲食代は計上しないと、自腹と、やせ我慢でいくということにしておりますので。今回問題になりましたような会議代であるとか、そういった飲食にまつわることについては一切ございません。

記者8:総務省の前の事務次官の桜井俊氏、この人物については小池さんというのはどういうふうに感じてらっしゃいますか?

小池:それはもう事務次官まで務められた、たいへん立派な方だと、このように思います。

出馬を決意したきっかけ

記者9:フジテレビです。昨日まで先生は知事選の立候補については、「いろんな状況を見極めながら考えていきたい」とおっしゃっていたと思うんですけれども、それが今日になってこうやって会見をされて出馬を表明されたと。その決意されたきっかけになったようなものはなにかあったんでしょうか?

小池:はい。ご要請をいただいたこと。街を歩いていて女性の方から、男性の方から「早く表明してほしい」と、そのような声を本当に多数頂戴をいたしました。

そのなかにおいて、7月14日からもう選挙戦は始まるわけでございます。そのためには政策を磨き上げたり、物理的にポスターの準備であるとか、実際問題として、もうすでに遅い状況ではないかと思うんですね。

そういう意味で総合的に本日発表させていただくことといたしました。

記者10:読売新聞のテシガワラと申します。よろしくお願いいたします。

石原(伸晃)都連会長は、候補者に関しては「出たい、出たい」という人よりも混乱を平定できる人とおっしゃっておりましたけれども。今回、出馬を表明するにあたりまして都連側の理解とか支援はどうなっているのでしょうか?

小池:さまざまなところでしかるべき方にはお伝えはしてまいりました。一方で、議員バッジをつけているとダメということでございます。

しかしながら、私は一人ひとり、議員には出馬を表明する、という権利はあろうかと思います。そういったことから、都連についても説得をしてまいりたいと、お願いをしてまいりたいと、こう思っております。

記者10:ということは、今段階では都連から正式に「支援する」という声、了解は出ていないということですか。

小池:いっさいございません。

環境大臣の頃の経験を活かす

記者10:今度は政策のほうなんですけれども、東京五輪に関しては、今、負担割合について協議中だと思いますけれども。その負担割合については、例えば、都の負担が急激に増えるということだったり、どのように考えておりますか。

小池:まず費用全体の観点から、いろんな工夫がなされるべきだと思っています。ただただ、これだけかかるから積算をした、ということで、都がどれくらい負担をするかということではなく、もう一度、そういった点を、知恵を出していくという過程は必要じゃないかと思います。

その精査の上、東京都で負担できる、また都民の負担が得られるのはどういったことなのかというのを判断していくということになろうかと思います。

記者11:読売新聞です。先ほど冒頭の発言のなかで、東京都職員16万人のなかに行政官を1人加える必要はないじゃないかということをおっしゃったのと。東京五輪パラリンピックについて、都民の共感、日本国民の共感を得られるようにやっていきたいとおっしゃっておりましたけれども。そのあたりについて、もう少しご説明をいただければと思います。

小池:まず国会議員、議員関係はNGであるということでございますけれども。そして実務経験、行政からということで、そのように情報として、メディアの情報として受け止めております。

私も環境大臣、小さな所帯ではございますけれども、しかしながらそのなかでこれまでにできなかったような発想で切り開いてきて、環境省はそのときに非常に大きな役所になったのではないか。地球温暖化対策についても、国民の意識はがぜん高まったものと、このように自負しております。

私は環境大臣に就任したときの思いは、プロである実務家の方々に、そのなかの1人に埋没してしまうと、大臣の意味がないんじゃないかということでございまして。実務については、職員の士気を高めつつ、彼らの能力、彼らの知恵、経験を引き出すということが最高司令官の役目じゃないかと思いつつ、そのなかの1つとしてクールビズがみなさんにわかりやすい例でいうと、クールビズのキャンペーンを始めたわけでございます。

役所からすれば、さまざまなこの思い切った策を出すためには、課題が多いこともあり、あのときも非常にたいへんいろんな課題がございました。しかしながらそれを突破力でやっていくというのは、私はビジョンを持った政治家でないかと思います。

また、各47都道府県を見ておりますと、だんだん中央官庁からの、ある種の天下りのようなかたちの方々が多いわけでございます。

大変能力があって、そしてすばらしい職責をはたしている方もおられます。しかしながら、やはりこの首都東京というのは、一国に匹敵するわけでございます。実務能力は当然のことながら、今求められるのはパッションであったり、それからビジョンであったり。そういったことが都民のみなさま方の、やる気につながったり、希望につながったり、安心につながったりするのではないかということは確信を持って申し上げたいと思います。

「女性が輝く」を体現できるのは女性知事

記者11:オリンピックはどうなんですか?

小池:オリンピックも同じことでございまして、やはりメッセージが都民に共感を持てるようなものではなく、むしろその逆方向に行ってしまった時期がございましたよね。ですから、同じように明確なリーダーシップ、その透明性の確保、そしてその近代化、こういったことをしっかり続けていくことが、都民にとってのオリンピック・パラリンピックにつながるのではないかと。

今ちょっと、遠いところでのオリンピック・パラリンピックにつながっているような気がしている都民のみなさま方、多いんじゃないかなあと思います。

記者12:今の会見のなかで、アベノミクスを東京から発信すると触れられたと思うんですけども、安倍総理大臣とは相談はされていらっしゃるのでしょうか?

小池:知事選立候補については、直接はお話はしておりません。しかし、参議院選挙で闘うなかにおいて、これまで党の要職を重ねさせていただき、そういった役割からして、しっかりと今アベノミクス、とくに第3の矢「成長戦略」、これを率いていくのは東京だと、私は思います。

例えば、金融。金融の中心、いつの間にかシンガポールに移り、香港に移りというかたちになってしまいましたが、そしてまたロンドンのシティも揺らいでいるわけでございます。

そういうなかで、私はテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」の初代キャスターでございますけれども、金融の重要性はよく存じ上げているところであり、それについても知恵も若干ございますので、そういったところからアベノミクスの「成長戦略」を引っ張っていく。

もう1つが「女性」でございます。女性が輝くということで、進めておられますけども、それを体現できるのが、東京の「女性知事」ではないかと思っています。

今、液体ミルクの国内製造をお訴えしております。日本は粉ミルクの国であります。第一に母乳でありますけども、液体ミルクは、そのまま赤ちゃんが飲めるということで、東日本の大震災、そして今回の熊本にも大変重宝されたと聞いております。

小さいことかもしれませんけども、消費者の気持ちをしっかりとつかむ、消費者のニーズをつかむ、都民のニーズをつかむ、都民の希望をしっかりとつかんでいく、企業でいえばマーケティングかもしれませんが、政治こそ最大のマーケティングであり、それが必ず「成長戦略」につながって、そして国民のみなさんが共感を得られるアベノミクスにつながっていくと私は確信しております。

記者13:五輪の期間に選挙がかぶるので、任期を3年半にするとおっしゃってましたけども、それはどういった方向で可能になるのですか?

小池:先ほど申し上げましたように、それは知事として言い切るということであります。証人は、都民全員でございます。そのことを約束を守らずにだらだらと続けるというのではなく、何日までかは今は申し上げられませんけども、まずは東京オリンピック・パラリンピックのすべての面での環境を整えるという意味で、そこで次の都知事選が足を引っ張るのは避けなければならないというなかで、そういった考え方をもったというわけであります。

記者13:3年半で1回辞職するというかたちになるんですか?

小池:そういうかたちになるかと思います。条例を作ったり、法改正などの必要はございません。都知事として、候補として公約とし、それを実行する。それを実行しなければ、都民からブーイングが出るのはもう明白なことだと思っておりますので、さまざまな考え方で、都民目線で進めていくと。そして、国政・都政の混乱につながらないようにするというのは、当然のことだと思っております。

司会者:では以上で会見を終わらせていただきたいと思います。みなさんありがとうございました。