「オススメ株」は実際儲かるのか?
「財テク」ってあるよね。株とか不動産投資とか、いろいろあるじゃない。
さっきみたいなものじゃなくて、これはもっと巷にあふれてる話だよ。証券会社や不動産屋を使っての投資。
財テクなら、けっこう考えている人もいるかもしれないよね。これで騙されたという人はあまりいないと思うんだよね。じゃあ、この投資ってやつが、実際儲かるかどうかという話。
まずは株について。デイトレーダーとか毎日マメに売買してる人もいるけど、これはまったく別の世界だからオレもよく分からない。だから今回は一般的な株式投資についてね。
株の世界では「女、子どもが株を始めたら逃げろ」って言われることがある。要は「素人が株を買い始めたら売れ」ってこと。
俺が1年くらい前に見たテレビで「今、投資セミナーに人々が殺到してます。お年寄りや若い女性など、一般の人たちが参加しています」とやってた。
大きな会場で、「今、株が上がっているので投資の時期です。投資はこういうふうにやりましょう!」みたいな説明会をやるわけよ。
でも普通ね、みんなが上がってるなと思ってる頃というのは、もう終わりのときだからね(笑)。そこが一番高いときだと思ったほうがいいよ。
昔から株価なんてものは上がったり下がったりしてると思うけれども、アベノミクスとかで右肩上がりのときに、身近な人が「俺、ちょっと株で儲けちゃった」とか「たまたま買ったのがこんなに上がった」とか、そんな話を聞くじゃない。
それで、今までやったことのない人たちが「そんなら俺もやろうかな」と思って、ちょっと勉強しようかなと、別にたいした勉強もしてないんだけどね(笑)。
本読んだり投資セミナーとか行って、勧められた株を買うっていうのは、よくある話だよね。
ちなみに、オススメ株なんてどの程度オススメかといえば、勧めてる人たちが自分では買わない程度のオススメだからね。
通常そういった一般の人が買おうってときは、過去の価格より高いときが多いよね。すでに出遅れてるわけ。
もし、(お茶を指して)この価値が過去は100円だとして、110円、120円と上がっているとき、その先も130円、140円になるように思うかもしれないけど、別に日本の会社が最近、いきなり儲かりだしたってわけじゃないからね。
PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)
そもそも会社の価値っていうのは、いろんな見方があるんだけど、例えば年間1億円稼いでいる会社があったら、ざっくりと20倍の20億円の価値があるんじゃないかという考え方がある。これをPER20倍っていうんだけどね。
というのは、20億円で会社を買って、毎年1億円の利益が貰えたとしたら、年利5%になるじゃない。配当か資産かはともかく、それくらい貰えたら、まあ文句ないよって考え方。
仮にそのへんが目安だとしようか。利益1億の会社が20億の価値というのが、正しいとしたときに、この株価が40億、60億の株価になるのはどんなときかと言うと、「1億の利益が来年には、2億、3億と伸びるんじゃないか」と思うときなのよ。みんながそう期待したときに上がっていく。
でも実際、今は1億の利益しかないわけ。将来どうなるかはわからないけど、「上がるんじゃないかな?」とみんなが思っただけで高くなる。逆に「この会社は先ないなぁ」と思われたら、10億になっちゃうこともあるね。
もう1つの目安は、この会社を潰して財産を売っぱらったときに、いくらになるかという価値。