アルコールを飲むと熱く感じる理由

ハンク・グリーン氏:今まで一度でもアルコールが入った食べ物を食べたことがあるなら、飲み込む時に焼けるように熱くなるのを知ってますよね。

エバークリアかなにかを飲み干したなどの極端なケースでは、口や喉が剥がされるように感じるでしょうね。

おそらく、目からは涙が溢れ、鼻からは鼻水が流れてくる。気楽な飲み会だったはずなのに、あなたの周りの飲酒が許されている年齢の友人や知人は、あなたを見て笑うでしょうね。

でもアルコールがそんなにも威力を発揮するのには理由があります。そしてそれにはアルコール度数は関係ないのです。

テキーラを飲み干すと熱く感じるのは、人間の口や喉の熱受容体に干渉するからです。とくにVR1と呼ばれる受容体にね。なにかアルコール度数の高いものを口にすると、この受容体を刺激して、熱いものを感知したと神経に伝えるわけです。

その伝達内容は脳に送られ、口にしたものが熱くておそらく痛みを与えるだろうということも感じます。

比較的飲むことが安全なアルコールであるエタノールは、そういった受容体と結合するのです。これは辛い料理にも入っていて、口のなかが焼けたようになるカプサイシンでも同じです。

ただ、カプサイシンは受容体を直接刺激します。「おお、このチリはめちゃくちゃ辛いぞ」と伝えるわけですね。一方でエタノールは受容体をただ敏感にするだけです。普通、VR1受容体は約42度の温度で活発になります。言い換えると、42度以上のものはなんでも熱いと感じるのです。

しかし、エタノールはその分岐点を34度まで下げてしまいます。あなたの体温は? 37度くらいですよね。だから突然、それがあなたの身体を焼いているように感じるというわけです。

アルコールはちょっと変わったものなんですね。だから次に飲む時には、目から涙が出るでしょうね。ただ、これだけは覚えておいてほしい。熱いのはお酒ではなくてあなたなんですよ。