「コピペのスカウト文は読まれない」4ヶ月で20人の正社員を採用した“恋文”の送り方

ネットマーケティング宇田川奈津紀氏 #2/2

第5回 人事担当者向け勉強会
に開催

2016年3月29〜30日、株式会社LIGのいいオフィス@上野で「人事担当者向け勉強会」が開かれました。イベント初日に登壇した、株式会社ネットマーケティング・宇田川奈津紀氏は、データベースから抽出したピンポイントの人材に、会社の魅力を伝えるスカウト文(恋文)の送り方を紹介しました。

「スカウト=恋文」 会社の魅力を伝えるには

宇田川奈津紀氏(以下、宇田川):第2章では、恋文についてご説明させていただきたいと思っています。

「恋文=スカウト」なんですね。「魅力をどう伝えられますか?」「キャリアビジョンとステージはできていますか?」ということです。恋愛も採用も、一方的だとNGなんです。

例えば、面接の段階では「こういうことを任せますから」と言って入社いただいて、それができなかったら離職になっちゃうんです。

これを恋愛に置き換えて考えてみましょう。自分の理想のタイプを「Omiai」で見つけました。会いたいなと感じました。

ドライブ好きと映画を観に行きたいということは合致してます。問題なのは、かたや女性はお酒が強い、男性はお酒が飲めない。ここが問題なんです。

この問題をメスライオンだったらどう埋めるかというと、私はプライベートだったらこんなことを言います。

私がお酒を飲めないとしたら「私お酒強くないんですけれども、嫌いじゃないんです」と。「だからあなたの知っているおいしいお酒を教えてくれませんか?」と。人間は、自分が得意なこととか好きなことに興味があると言われると、うれしくなりませんか? 

なので、合致していないからダメだとマイナスに捉えるんじゃなくて、プラスに考えて伝えてみてくださいということですね。一目惚れしちゃった人、簡単に諦められないですよね? 採用だって同じなんです。

ピンポイントの人材は、現場担当者と口説く

じゃあ、これを採用に置き換えるとどういうことが起きるかというと、まず、ピンポイントの人材を見つけちゃいました。

これだったら絶対決まる、スカウト打ちたい、年収は出せる、ベンチャー希望、ガチのベンチャー、ここ合致ですよね。なんの問題もないです。

一番問題なのは、本人がマネジメントを望んでいるということ。ただ、マネジメントというのはうちの会社だと、入社後で実績を出してからになるんです。

でも、ここで諦める必要はないんです。ここを埋めるのが問題なんです。なので、ここをどうやって埋めていくかというと、まずは1人で考えないでくださいということです。

現場の責任者に聞きに行けばいいことだと思ってるんですね。なので、やっと見つけたから諦められないということを現場責任者に伝えればいいのです。

こことここが合致してるし、こんな人はいないし、この人のスキルだったらマネジメントいけませんか、ということを相談したところ、そのビジョンが可能かどうかヒアリング、どうしたら可能になるのかを一緒に現場と見つけ出せばいいんです。現場と一緒に見つけ出すことによって、一緒に採用してるんだぞ感を出せばいいんです。

そうすると、現場も絶対人ごとにならないというか、「私だけじゃどうにもならないんです」「やっと見つけた人なんです、諦められないんです」という感じで、CTOに言っちゃったりします。

なので、そこで現場の責任者が話してくれたことを恋文(スカウト)に落とせばいいと思っています。

私だったらどう書くかというと、「あなたの経験とスキルに大変興味を持っております。転職において、あなたが重要としていることを理解いたしました。あなたのスキルは当社の即戦力としてご活躍していただけるかと思います。あなたへの裁量やマネジメントは、責任者より直接お伝えさせていただきたいと思っております」と。

これがエンジニア採用の場合には、「私とCTOが直接面接でお話しさせていただきます。一度お会いさせていただきませんか? CTOからあなたの技術力をうかがった上で、どのくらいの裁量をお渡しするのか面接でお話をさせていただきたいと思っております」ということを文面に書いちゃいます。

そうすると、会いに来てくれる人もいます。なので、ズレがあっても諦めないでください。ピンポイントの人材であれば、それがどうしたらクリアになるか現場と話しあって、面接でどう落とし込むかということを考えてみてください。

採用したい人にテンプレメールなんて送れない

じゃあいよいよ、私がなぜこんな恋文を書き始めたのかの核心に迫っていきたいと思っています。

恋愛で想いを伝えるのが恋文なんですね。採用で想いを伝えるのがスカウトです。私のメスライオンの記事をみなさん見ていただいたかと思うんですけれど、私はすごく好きな人、愛している人に、どこかの文章をコピペで打てないんですね。自分の言葉で伝えたいと思っています。

でも採用だと、テンプレで打っちゃったりしたこと、みなさん1回はあると思うんです。でも、本当に伝えたい人だったら特別な文章を書いてみましょう。

恋愛だと「あなたに会いたいんです」「あなたに振向いてほしい」「あなたに興味がある」「あなたを知りたい」「でも私も知って……」これって恋愛だとLINEとかメッセでものすごいアプローチしますよね? でも、なんで採用だとテンプレなんでしょうと思ったんです。

メスライオンは思うんです。この気持ちは、恋愛でも採用でも一緒じゃないですか? ただ1人を見つけたと思ったら、この人にテンプレで打てないんです。

グッとくる恋文(スカウト文)を書く方法

次は、恋文の心得をお伝えいたします。まず、私は本がすごく好きです。音楽も大好きです。自身を取り巻くすべてのものからインスパイアされてください。

愛の伝道師のOmiaiの会社の人事は、文章であったり、ミュージシャンからインスパイアされます。

ミリオンセラーを世の中に出した人たちって、なにか理由があるから万人に受け入れられたんですよ。その言葉にインスパイアされて人の心を動かしちゃいませんか? と私は思っています。

そのまま書いてしまうと、痛い人かなと思われてしまいます。自身の体験、心理に基づいた言葉こそ相手の心をつかむことができると私は思います。恋文を書くのに必要な公式、まずはインスパイアされてください。

その次にオリジナリティです。そのあとプライオリティつけてください。この公式で人の心は動いちゃいます。

以前の経験からお伝えすると「英語、中国語、韓国語、IT業界経験、20代じゃないと決めない。一歩も譲れない」と言われたときは、データベースから抽出したのが7人しかいなかったんです。期間を外して。

その7人に向けてこの方式でスカウトを書いたところ90パーセントの返信率があったんです。

なので、自分がインスパイアされて、私なりのスパイスでオリジナリティを加えてその人へのプライオリティをアドオンすると返信率がグッと上がってきます。

みなさんたぶん、いろんな転職サイトにご登録されていろいろな会社から、スカウトが来ると思うんです。でも、テンプレだとスルーしませんか? しちゃいますね?

なので、いろんな会社様がテンプレートを打たれてるんで、こういう本人を特定したプライオリティが付いた内容を書くとすごい返信率上がっちゃうんです。

なんで、「僕にこんなこと書いてくれたんですか?」とか、「こんなこと書かれちゃったら、もうこの会社入りたくなっちゃうでしょう」とか。「こんなふうに自分のスキルを思ってくれる人がいるんだな。人事の見る目変わりました」と言ってくれたんで、私は一生人事でいる限りこれを続けようと思ってます。

面接辞退者を減らすちょっとした工夫

第3章はデートですね。私、面接はデートと一緒だと思ってるんです。

スカウトが成功して返信が来たんです。デートの約束だったらテンプレで送らないですよね? テンプレでLINEで送らないですよね? でも、「何月何日に履歴書・職務経歴書をお持ちください」とテンプレでやっていませんか? 

でも、「何月何日に履歴書・職務経歴書、当社ビル何階まで人事の宇田川を訪ねてお越しください」ってやっちゃうとダメなんです。なんでかというと、スカウトを打った人の情熱と、テンプレの差が激しすぎて「会いに行かなくてもいいや」となっちゃうんです。

自分が愛を伝えて、その愛が届きそうな人に、プライオリティをつけてあけてくださいってことです。

デートだったら相手の気持ちを汲みながら書くのに、なかなか採用の面接の設定だとテンプレになっちゃってます。これを全部真似してくださいということじゃないんですけど、私はこう書いてます。

「ご連絡ありがとうございます。人事の宇田川です。3月29日の19時に当社にてお待ちしております。当日はあなたのビジョンをうかがいたいと思っております。志望動機、聞かないので安心してくださいね。当日あなたにお会いすることを心より楽しみにしております」。

テンプレじゃないってことが相手に伝わるんですよね。そうしたら、心理作戦しちゃってください。

プライオリティがつくからこそ、相手を思っちゃうからこそ、テンプレが減るんです。なんで? そもそも日本人は、情に厚くて約束を守る人種なんです。

なので、これを実際に実践をして、面接の辞退が減りました。手間かもしれないですけど、一手間加えると会いたい人会える数が増えます。

「デート=面接」なんですね。なので、自分に会いに来るその人のことを思ってください。恋愛だと「20分前に到着して下見してみよう」「寒いから待たせない」「会えたらなにを話そうかな」と真剣に考えるんですけど。

採用だと「この人が面接に来るから、何時だから何時に終わって、そしたらこれを事務処理して……」。なんかぜんぜんその人のことを考えられなくなるんです。でも、来る前からおもてなしは始まってますということです。

例えば、「ご来社したら私が迎えに行こう」私がスカウトを打った人なんです。私、入口で待ってます。「寒いからお茶を入れよう」あとは「緊張してるだろうな、共通点を探そう」と相手のことを想います。

私、面接でお会いする前とデートの待ち合わせの状況を比べて考えてみたんです。これは、私の恋愛体験からなのですが、待ち合わせ場所でムッとしたことがありました。

待ち合わせ場所で彼氏を待ってたんですね。彼氏を見つけたんですね。そしたら、携帯見ながら歩いてきたんです。

私のこと気づいてもくれなくて...…。出会った当初はそんなことしなかったのに。これテンション下がりますよね。でも、これが逆に私がどこにいるのろうと、彼氏がキョロキョロしてます。発見して「あー!」なんて手振られてみてください。男性も女性もこれ、キュンキュンしませんか?

しますよね? これは面接でも一緒じゃないですか? なので、面接のお出迎えからその人の心を動かす1つの手段として、このおもてなしを使ってみてください。

私、入り口でスカウト打った人を待ってます。最高の笑顔です。お出迎えの挨拶です。そうすると、スカウトで来た方は、「待っててくれた、いい人そうだな、スカウト通りの人だな」と思ってくれるんですね。

なので、求職者様に対して「おっ、待っててくれた」「あれっ、いい人そうだなあ」「やっぱり、この人がスカウトをくれた人だ」と安心させてあげてください。なので、「おっ」「あれっ」「やっぱり」で少しでも信頼関係を作っていきましょう。

面接でひと目惚れは起こせる

あと「面接でひと目惚れは起こせちゃうんですよ」ということです。絶世の美女や美男じゃなくてもできるんです。恋愛においてのひと目惚れの原理は、次になります。視覚、聴覚、嗅覚です。

視覚(恋愛)=ルックス、今「そんなルックスがいい人事じゃないし……」とかみなさん考えましたよね?

私だってそんなにルックスいいわけじゃないですけど、容姿とかの話をしているわけじゃないんです。

なにを言いたいかというと視覚(採用)=会社や将来のビジョンを見せてあげてください。自分がスカウトで見せたビジョンを、現実のものだということで見せてあげてくださいということです。

次に、嗅覚(恋愛)=良い匂いをさせる。面接時に香水をつけるとかのことじゃないですよ。嗅覚(採用)=タイプを嗅ぎ分けてくださいということです。みなさん、人事のスペシャリストの方ですからすごく嗅覚が鋭いと思います。

相手がどういうタイプで、どういうこと言ったら響くのかというのを嗅ぎ分けてください。

最後に聴覚です。聴覚(恋愛)=声のトーン、これは面接でいい声を出してくださいということではありません。

もちろん、いい声だと素晴らしいですが。聴覚(採用)=相手のビジョンに耳を傾けてあげてください。ビジョンを聞かせてくださいと言ってるんで、会社概要を立て続けに喋らないでください。

耳をすませて相手がどういう考えなのか、それがうちの会社でできるのかできないのか、ちゃんと聞いてください。聞いてあげてください。

恋愛におけるひと目惚れは、アディクト。惹きつけるものだと思っています。私は採用におけるひと目惚れは、相手に寄り添うことだと思っています。

人事に会って会社のビジョンを聞き、寄り添った面接をしてもらい、将来どうなりたいのかのビジョンを聞いてくれた人がいたならそこで初めてひと目惚れする人だっています。私は、面接に来られた方に「初めて御社を知ってひと目惚れしちゃいました」と言われたことがあります。

内定を後押しするとどめのサプライズ

面接の最後に、とどめのサプライズをしてあげてくださいということを思っています。

予測もしないことが起きると、ギャップに萌え死にします。例えば、恋愛において花束。いきなり好きな男性がバラの花束を持ってたら、女性感動しません? 私はすごい感動しちゃうんです。

この花束のプレゼントを採用で置き換えたらなにかというと「もしよかったらオフィス見に行きません? 今営業部のメンバー戻ってきてるんですよ。ぜひうちの営業部の雰囲気見てください」とサプライズをしてあげてください。

あと、誕生日だと相手になかったのにレストランに行って、いきなり花火がついたケーキが出てきちゃったら、女性はもうドキドキしちゃいますよね。これは採用で置き換えたらなにかというと突然の責任者の乱入です。

前もってこういう人と会うんですよ、と事前に責任者に話をしておいて「相手がとても興味をもってくれたらメッセするんで、空いてたら来てください」と伝えておくと、「バンッ!」と乱入してきたりします。

「うちの宇田川が会うって聞いたんで、すごく興味がある職歴の方だったので僕も会いにきちゃいました」。なんて興味のある会社の責任者から言われちゃったら、相手はもうびっくりしますよね。

あとは、「家に帰ってカバンを見るとお手紙が入っていた」。これを実際に採用に置き換えると……。

帰宅時に感謝のメッセージです。

私、何千人の中からあなたのことを見つけたんです。お会いできてよかったんです。だって、会いたい人が目の前に現れるって普通じゃないじゃないですか。

ピンポイントのスキルの人が目の前に現れたら、その感謝の気持ちは面接だけで終わりじゃないですよね。

私はこれをやり続けて、4ヶ月で20人正社員採用しました。なので、もしよかったらみなさんも参考にしていただければと思っております。

それでは最後に、私の方からみなさんにお伝えしたことがあって、最後にメスライオンがみなさんに伝えておきたいことなんですけれども。

私は、人事は誰にでもできるお仕事じゃないと思っています。一期一会を結ぶすてきなお仕事なんです。

1通のスカウトが会いたい人に届き会社とその方の運命が変わっていくことだってあります。そうしたら1通のスカウトを大事にしたくなりますよね? 会社と求職者。最高の出会い、最高のマッチングをお願いしますと私は思っています。

では、ご静聴ありがとうございました。

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