食事のバランスが取れているならサプリは必要ない

最近のマルチビタミンサプリメントは、カラフルなものからグミのように噛んで食べられるもの、人気のキャラクターの形をしたものなどバラエティが豊富ですよね。人々は毎年たくさんのお金を健康補助食品へとつぎ込み、健康向上をはかります。

しかし、こういった製品のボトルの裏を注意深く読んでみると、実際には必要以上の量のビタミンが含まれていることがあり、人が1日に必要な量の5倍から20倍に及ぶ場合もあります。

こんなにも多すぎる量のビタミンがぎゅうぎゅう詰めにされているのは一体どうしてなのでしょう? そしてこういったサプリメントを摂ることは本当に体にいいことなのでしょうか?

もしあなたが健康でバランスの取れた食事を心掛けているとしたら、体に必要なビタミンは当然食事から摂れているはずです。なのでサプリを摂ることはあまり意味がないのかもしれません。意味がないだけならまだいいのですが、最悪の場合、サプリメントはあなたの体に悪影響を与えているかもしれません。

ビタミンは私たちの体の成長や機能をよくするためになくてはならない存在です。私たちは体内では精製することができない、または不足しがちなさまざまな栄養素を食べ物から補う必要があります。

ビタミンには、私たちの脂質へ溶け出し吸収されるビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどの脂溶性ビタミンと、ビタミンB群やビタミンCなどの水溶性ビタミンの2種類があります。それぞれ異なる食べ物から摂ることができます。

例えばビタミンKはブロッコリーなどの深い緑色をした野菜に多く含まれますし、ビタミンCはシトラス系のフルーツから摂ることができます。そしてビタミンDは太陽光に当たることによって体内で精製されます。

これらのビタミンが不足してしまうと私たちの細胞や酵素はきちんとした働きをすることができなくなってしまい、病気にかかりやすくなってしまいます。

脂溶性ビタミンは摂りすぎ注意

こういった状態になるのを防ぐために私たちはサプリメントを摂るわけですが、必要以上に摂取することはかえって私たちの体への悪影響へと繋がりかねません。

実際には、普段売られているマルチビタミンサプリメントには1日あたりの推奨摂取量(RDA)以上のビタミンが含まれています。RDAの水準は食べ物や栄養素に関する調査を行っている国家的機構によって定められています。

この団体は人々が健康であるために必要な栄養素の量を推量しているわけですが、同時に同じ栄養素をどれだけたくさん摂ることができるのかというデータも出しています。

UL(Upper Intake Level)と呼ばれるこのデータは、それぞれの栄養素が摂りすぎによって体に悪影響を及ぼす一歩手前の量を集計しています。

一般的には水溶性ビタミンの許容量は脂溶性ビタミンよりもはるかに大きなものです。私たちの体は、必要以上に摂取された水溶性ビタミンを尿から排出することができますが、脂溶性ビタミンは体内の脂質へと溶け出して吸収されているのでそう簡単にはいきません。

もし推奨摂取量を上回る量のマルチビタミンを摂取し続けた場合、体がビタミンを消化吸収しなくなる可能性だってあります。

ここで問題なのは、ビタミンのオーバードーズです。もしあなたが何週間、何ヵ月間も大量のビタミン、とくに脂溶性ビタミンを摂り続けた場合、その余分なビタミンはあなたの体内に蓄積されていきます。そして最終的に中毒を起こすか、なんらかの健康被害を及ぼすでしょう。

例えば、ビタミンDは適量を摂ることでカルシウムの吸収を補助しますが、摂りすぎてしまった場合血液に余分なカルシウムを蓄積してしまい、高カルシウム血症を引き起こす恐れがあります。最悪の場合は心臓へのダメージへと繋がります。

ビタミンは私たちの体に必要不可欠なものですが、マルチビタミンサプリメントをバランスの取れた食事と置き換えることはできませんし、摂りすぎると体に負担になってしまうことだってあります。

とくに、もしあなたが持病持ちであったり、妊娠していたりするならドクターの言うことをきちんと聞いて、彼らが勧める補助食品を摂るようにすべきです。

でもね、いろんなマルチビタミンをたくさん摂ったとしても実際にはあんまり効果はいですよ。