世界に認められたBABYMETAL

山田玲司氏(以下、山田):さきにこれは片付けちゃおうと。

乙君氏(以下、乙君):ほう。

山田:これ、あれですよ。これはね、片付けないとダメですよ!

乙君:いや、おれは別に片付けるとか片付けないとか、もう……。

山田:はい。

山田:前から言われてたんですよ、BABYなMETALちゃんたちが大人気らしいじゃないですか。

乙君:(笑)。

山田:で、LadyなGaGaさまに呼ばれて。LadyなGaGaさまはあれだよ、CRAYON POPも呼ぶからね。

乙君:ほう……。

山田:知らないだろ(笑)。

乙君:そうなんだ。

山田:韓国代表CRAYON POP。で、日本代表がこのBABYたちなんだよ。だったって話で。これ、たいへんなことになってるらしいじゃないですか。BABYたちがさあ。

乙君:らしいですね。ビルボードでもどうのこうのみたいな。

山田:おれたちの知らないところでたいへんなことになってて、「ヤンサンでも扱ってくれれば、会員になってやるぜ」みたいな奴が来て。なってくれよな(笑)。約束守ったからな!

(一同笑)

BABYMETALはメタルなのか問題

山田:っていうさあ、BABY問題。BABY問題は何がおもしろいかって、あのね、これまさに、BABY METALつってるけど、「メタルなのか?」っていう問題があったらしいじゃないですか。

乙君:うーんうん。

山田:サッチー問題みたいなやつでさ。

乙君:え?(笑)

山田:ベッキー問題みたいなさ。小保方問題みたいなさ。物議だったわけじゃないですか、これが。

乙君:そうなんすか?

山田:そうらしいじゃないっすか!

乙君:はい。

山田:そんなになにがBABYでもめてるのかなと思って、やっぱWikiで見ますよね、そしたら。

乙君:Wikiで見ます。とりあえずね、今の時代だからWikiで見ますよ。

山田:とりあえずWikiで見ますよ!

乙君:Wikiってみますよ。

高円寺ロック親父めんどくさいっすよ問題

山田:そしたら、……超おもしろいっすね。

乙君:超おもしろかった?

山田:だってさ(笑)。『BURRN!』とケンカしてるんでしょ?

乙君:え?

山田:『BURRN!』だっけ?

乙君:あ、『BURRN!』!

山田:『BURRN!』っていうメタル専門誌がさ、怒ってる。

乙君:認めてない。

山田:「あいさつに来やしねえ!」って怒ってるかんじ。

(一同笑)

山田:だいたいそこからすごくおもしろくって、あ、これは、いわゆる「高円寺ロック親父めんどくさいっすよ問題」っていう。

乙君:あー、それそれそれ!

山田:そしたら、うちの番組にいたよ、高円寺のめんどくさいロック親父(笑)。

乙君:高円寺ではないけども(笑)。

山田:あなた、江古田のめんどくさい親父じゃん。

乙君:(笑)。

山田:江古田のめんどくさいハードロックメタル親父じゃん。こんなん着てさ、AC/DCとか着てさ、それで世界中の人と友達でさ。

乙君:まあね。

IRON MAIDENのTシャツがユニフォーム

山田:そういうさ、なんか。

乙君:これユニフォームなんだよね。

山田:なに?

乙君:おれたちの。これ着てたら、世界中の人から声かけられるんだよ。

山田:だからあの、メタリック・ステイツ・スピリッツみたいな。

乙君:そうそうそう!

(一同笑)

乙君:ヘビーメタルキングダムっていうのがあるんですよ。

山田:国でしょ? 国民なんでしょ?

乙君:その民族音楽なんですよ、これは。

山田:そうでしょ。その国の方でしょ?

乙君:いや、そうですよ。

山田:その国の方が彼女たちを、「ちょっとあいさつもねーのに、こいつらはちょっと入れるわけにはいかねーよ」みたいなっていうかんじで。

乙君:はいはいはい。

山田:一番おもしろいのが、そのなかでですね、「まあ、一応、歌謡曲みたいなもんでしょ」みたいなさ、なかでさ、彼女たちが不在なまんま、一応落としどころをつけてるところがすごいおもしろくて(笑)。

乙君:あー。

山田:「まあ、ああいうこともあるよね」みたいなさ、相手にされないまんま、大人の結論を『BURRN!』なりに出してるっていうのが、すごいおもしろくて(笑)。だけど、一方、『BURRN!』と同じ版元のギターマガジンだっけなんだっけ。

乙君:はいはい、ギターマガジン。

山田:あのあたりは、もう積極的にインタビューにいってるのね(笑)。だから、なにこれ、内部分裂ですか?

乙君:いや、『BURRN!』ってすごい特殊な雑誌なんですよ、あれは。

山田:あんたの雑誌でしょ!?

乙君:いや、まあ、おれはもう、読みあさってましたけどね。

山田:ほらほら!

(一同笑)

山田:だから、怒ってるんでしょ?

乙君:古本屋に『BURRN!』の昔のやつ買いに、高円寺、下北とか、ブワー回って。

山田:そうだろ!

乙君:うん。

山田:モトリー特集とか、絶対買うでしょ?

乙君:もちろんもちろん。もう今は買ってないっすよ、さすがに。

山田:はいはい。まあ、彼らのなかでは、「いやいやいや、そんなん好きだったら、IRON MAIDENとか聞いてりゃいいじゃん」みたいな、そういう大人の人もいて。これに怒るのはちょっとどうかみたいなね。

乙君:いや、怒ってる人は、それはちょっと間違ってますけど。

山田:お願いします!

乙君:え?

山田:いやいやいや(笑)。

乙君:おれは別にBABY METALに関して、とくに何も言うことはないんですよ。

山田:えー!

乙君:これは、はっきり言って、メタル風アイドルなんですよ。

山田:はい。

乙君:だから、別にそうならいいんじゃないって思うんですよ。それで売れましたと、良かったねって思うし。これをきっかけに、メタルに入ってくれる人が増えればいいなと思うし、っていうだけの話なんで。

ただ、それを「メタルだ!」って言われたら、「うーん、ちょっと違うかな」って。

山田:カチーン!

乙君:カチーンとは来ない(笑)。

(一同笑)

乙君:カチーンとは来ないよ!

山田:カティーン!

神様が「このガキはメタルじゃない」って言うならそうなんです

乙君:もうね、僕もね、さすがに30超えたんで、そんなことでいちいちカチーンとは来ないですよ。

山田:おっと。『BURRN!』のライターみたいなこと言いましたね。

乙君:だからもし、Judas Priestのロブ・ハルフォードが「このガキはメタルじゃない」って言ったら、もうメタルじゃないってことになるんだよ。

(一同笑)

山田:えーと、なんかすごい……。

乙君:神様がそう言うならそうなんです。

山田:神様の話してたのね。

乙君:だけど、たぶん、ロブ・ハルフォードは絶対聞いてるんですよ。あの人、世界中のメタルとつくものは、全部聞いてるんですよ。

山田:マジで?

乙君:だから、絶対BABY METAL聞いてるんですよ。

山田:だって彼女の名前、SU-METALとか。

乙君:そうそうそう。

山田:なにMETALとか、こう……、METALがつくでしょ。

乙君:だから、Ramonesみたいなもんなんですよ、それ。

山田:おっと、Ramonesですか。

乙君:そうでしょ!

山田:Ramonesはメタルじゃないじゃん。

乙君:Ramonesはメタルじゃないよ。でも、ロックンロールじゃないですか。

山田:うん。あ、じゃあ、その孫たち、孫娘たち?

乙君:だから、別にジャンル分けでね、おもしろいんだけど、そこまで目くじら立てるようなことでもないっていうのを、まず前提としたうえで言わせていただきたいことは。

山田:はい、お願いしますよ!

(一同笑)

乙君:これを聞いてメタルにハマる人って、音楽としてのメタルっていうものにハマる人だと思うんです。

山田:おー。

乙君:それは非常にすばらしいんですよ。

山田:ほう。

乙君:でも、それってアニソンでもいいんです。

山田:おっと!

乙君:アニソンの、たぶんね、アニソンのなんか……。

山田:アニソンディスですか?

乙君:ディスじゃないです。アニソンっておれね。

山田:これからアニソン王子が来るのに!

(一同笑)

メタル好きの人たちがアニソンを作ってきた

乙君:アニソンってね、たぶんね、うしろで作ってた奴って、めっちゃメタル好きの人らだと思うんですよ。なんかもう、そういうお約束の展開と、ギターソロと、あと歌。歌の質が、とにかく……、なんて言えばいいのかなあ、もうブリティッシュなメロディなんですよ。

山田:うん。

乙君:(Tシャツを持って)こんなかんじの。

山田:こんなかんじのね(笑)。

乙君:ニューウェーブ・ブリティッシュ・ヘビーメタルを通過した、あの当時のメタルキッズたちが、90年代にスタジオミュージシャンとかにもなりつつ、あとプロデューサーとかにもなりつつ。

アニメっていう広い架空の世界、おとぎ話の戦いとかがある世界に、ようやくおれたちが好きだったドラゴンと戦うとか、誰かを守るために戦うとか、ヒロイズムとか、そういうロマン主義みたいなものを、ようやく日本ではアニメっていう媒体で出せたんですよね。

だから、それがアニソンになったから、アニソンのもとはたぶんメタル、ハードロック、メタルから入った人がやってるから。

だから、今、アニソン好きな人が「この音いいね」とか、「この疾走感」「このコード進行」ってなったときにメタルを聞いたら、たぶんハマると思うんですよ、音楽的に。で、BABY METALもハマると思う。

山田:うん、両方ね。

乙君:なんだけど、それは日本人はそうなんですよ。

山田:はい。

乙君:で、向こうは、また別なんですよ。で、向こうは別なんだけど、その向こうに関しては、ちょっと宗教学者の人からもメール来ましたよね。

山田:来ましたよ! BABY METALの、はい。

乙君:来てましたけど、なんかBABY METALって、高木さんっていう……。

山田:それいかなきゃ、いかなきゃ。ちょっと待って。それ、じゃあちょっと、しみちゃん、探しといてくれる?

しみちゃん:はい。

乙君:まあ、だから、かいつまんで言うと、どういうふうに向こうで受け入れられてるかっていうと、「あれは日本のフォックスゴッドだ」と。

山田:あ、じゃあ、その話にいきますか。

乙君:あ、ちょっと待って。

山田:いいっすよ。

乙君:えー、ちょっと……。その話する?

山田:その話いいっすよ。

乙君:あー、深いなあ! こんな話……。

山田:違うよ! おれたちに分析しろって言われたら、何そんな浅いところで許されるような番組じゃないっすよ?

(一同笑)