ネットで老後をハッピーに
79歳の"ネット老人会"幹部が語った、シニア×インターネットの可能性

若宮 正子 at TEDxTokyo 2014 #1/2

エクセルと手芸を融合した「エクセルアート」の創始者であり、ネット老人会「メロウ倶楽部」の幹事を務める79歳・若宮正子氏が、インターネットで外とのつながりを持つことにより、老後を明るく過ごすことが出来ると訴えました。

60歳から始めたデジタルライフ

若宮正子氏(以下、若宮):みなさんこんにちは。私は若宮正子といいます。是非マーちゃんと呼んでください。私は今79歳です。今日は私はICTの伝道師です。ICTというのは情報技術コミュニケーションのことです。

高校を卒業してからは、ずっと銀行勤めをしていました。定年が近づく60歳位になりますと、なんだかちょっと憂鬱な気分になってきたのです。退職後は90歳になる母の介護をしなければならず、あまり外出もできそうもありません。それでなくてもおしゃべりでお出かけ好きな私。なんだかうんざりしていました。

そんなある日、ふと見た雑誌に「パソコンがあると、家から一歩も出ないでいろんな人とおしゃべりができる」と書いてあるんですね。そんな記事を見つけたんです。「これだ!」と思っちゃいました。そして早速、当時はすごく高価だったパソコンを衝動買いしてしまいました。ところがこのたった一つの買い物が、私の第二の人生を大きく変えたのでした。

接続設定に3カ月を要す

若宮:とは言っても、パソコンを買ってからの毎日は苦難の日々でした。と言いますのも、当時のパソコンというのは、パソコンを自分の思い通りに使うこと、それがすなわち究極のパソコンゲームであると真面目に言われていた時代だったのです。

おまけに私ときたら、メカにめっぽう弱いんです。しかし、介護とおしゃべりを両立させたい、そのためにはなんとしてもと頑張って、なんとか面倒な設定とかいうのも自力でやり遂げました。

そして、3カ月経ったある日曜の朝。そうなんです、「マーちゃん、ようこそ」というメッセージが出てきたんです。

接続に成功したんです。

(会場拍手)

「やったー!」思わず叫んだ私の顔は汗と涙でグチョグチョでした。

(会場笑)

ネット上の老人クラブとの出会いが、暮らしを充実させた

若宮:入会したのは、当時はまだインターネットというのは普及していなかったので、パソコン通信上の「エフメロウ」という、早く言えば老人クラブだったんですが、そこに入会しました。そこはインターネット時代を迎えて今「メロウ倶楽部」という名前になって活発に活動しています。

一番嬉しかったのは、ウェルカムメッセージに「人生60(歳)を過ぎるとおもしろくなります」って書いてあったんです。じゃあ70過ぎたらどうなるのかしら。

(会場笑)

それで私もすっかり良い気分になりました。そして、本当に生涯の大切な素晴らしい友達がたくさんできました。今もその方々と一緒にお友達になっていただいてます。私の人生の宝です。それからいろいろな勉強もしました。

なにしろ老人クラブですから、チャットといってもつぶやきばっかりじゃないんです。人間が歳を取って病を得て、そしてあちらの世界に旅立って行く、そういうズシーっと重いような内容のものがじっくり語られている、そんなシーンもあるんですよ。

(会場拍手)

そして、楽しいこともいっぱいありました。俳句の部屋に入れていただいたり、都々逸の部屋で丁々発止とおじい様たちと渡り合ったり、またビデオの編集なんかも覚えて、嬉しがってやってました。要するに、私の生活は楽しい充実したものになったのです。

そうなのです、私は翼をもらったのです

(会場拍手)

「手芸+エクセル」!? シニア向けのパソコン教材とは

若宮:その翼は、パソコンを知らなかった時には想像もしなかったような広い世界に私を連れてってくれたのです。素晴らしいです。10年経って母は100歳で亡くなりまして、私は一人暮らしになりました。でもその時に思いました。私がこの魔法の翼でこんなに元気になれたので、他のシニアの方にも是非これをお伝えしたい。ということで、シニアのICT学習のボランティアにも参加していました。

そんな時に気がついたんですけれども、シニアにとって、おもしろいパソコンの学習教材ってあまりなかったんですね。特にエクセルがそうでした。

(会場笑)

であれば、みなさん、エクセルをどうお思いですか? なんかね、数字ばっかり並んでて鬱陶しいみたいな。

(会場笑)

しかし、これをなんとかおもしろい教材がなければ私が作ればいいんじゃない? と思い立ちました。私は衝動的な人間なんですね。

シニアの女性というのは編み物とか手芸が大好き。ね、そうですよね?

(会場笑)

それで、私が考えましたのは、手芸の延長線上にエクセルを持ってくる。それで考えたのがエクセルアートなのです。

それで、セルの塗りつぶしでもって、グラデーションなんてあるでしょ。グラデーションを使ってこんなデザインを考えたり、それからパターンを使ってこういうデザインを考えて。

あと、罫線の持っているあらゆる機能を使うと。それを全部総合するとすごく楽しいものがいろいろできてくるんです。ちょっとこれを御覧ください。

これは日本古来の紋様にヒントを得てデザインしたものなんです。こちらもそうなんですね。ついでに申しますとこのボロ(着ている洋服)もですね、実は一見ボロなんですけども、私の曽祖父、祖父、母が着ていた大島の生地の、ボロボロになっていたところは捨てて良いとこを取って、この衣装を作ってもらったんです。ということで、やはり日本の紋様を使いました。

それからこちらはそういうのとは離れて「楽しい夏休み」っていうのをイメージして作りました。どうでしょう、楽しいかしら?

(会場拍手)

それからこちらはその日本の伝統的な模様の紺絣っていうものなんですね。それをイメージしました。

こちらは日本でなくてもどこもあると思うんですけど、家紋っていうのがありますよね。その家紋にヒントを得て作ってみました。

こちらはちょっと、まあ自由に作りました。

(会場笑)

それからこのブックカバーは、アラベスクっていうのに使うアラビア模様にヒントを得て作りました。こんなふうに世界でたった一つの私だけのグッズを自分で作れる。楽しいですよ~。

それで、これはエクセルでアートだけではなくて、私たち素人でも創意と工夫とそれからほんのちょっとの遊び心ですか、これがあれば自分でも何か教材なんか作れちゃうんじゃないかしらと思いまして、これ以外にも一つ二つ作っております。それからこのエクセルアートは、すでにいくつかのパソコン教室で使っていただいてますし、海外へも紹介しています。

シニア世代がデジタルライフを始めるなら今がチャンス!

若宮:みなさん、シニアのみなさん、さあ、デジタルライフを始めましょう。

私が翼を得てこんなに元気になったように、みなさんもきっと素晴らしいシニアライフを送れますよ。でね、もっと私が今お話ししたこと以外に、もっともっと楽しいことがいっぱいあるんです。例えば遠く離れたお孫さんとスカイプチャットで顔を見ながらお話するとか、そんなことも楽しめるんですよ。

そして、今はスマートフォンとかタブレットとか、情報機器もいろいろ増えてきましたし、使い勝手も大分シニアに優しくなってきました。そして、シニア向けのスマホ教室とかパソコン教室も街のあちこちに出てきました。さあ! やるなら今です!

(会場笑)

あなたのシニアライフが心豊かで活気にあふれたものでありますように、お祈りしています。そして、若い方々にお願いがあります。お帰りになったらこのお話を、お父様お母様、おじい様おばあ様に是非してあげてください。

そして、優しく背中を押してあげてください。本日はありがとうございました。

<続きは近日公開>

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