「情熱はきっと後からついてくる」ウォンテッドリー仲暁子氏が迷える若者たちにメッセージを贈る

仲暁子スピーチ

SLUSH ASIA 2016
に開催

2016年5月13日、14日に幕張メッセで開催された「SLUSH ASIA」。起業家やイノベーターたちが一堂に会するこのイベントで、WantedlyのCEO仲暁子氏が登壇しました。大学卒業後、ゴールドマン・サックス、Facebook Japanを経てWantedlyを立ち上げるまでの自身の経験や思いを振り返り、やりたいことがわからない若者たちに向けてエールを贈りました。

目指す使命は「Do What You Love」

本日はお越しいただきましてありがとうございます。

今日は「Do What You Love」というトピックについてお話ししたいと思います。Wantedlyの目指す使命でもあります。

まず自己紹介をさせてください。仲暁子と言います。Wantedlyという会社の創設者でありCEOをしています。

私は以前に日本のゴールドマン・サックスで働いていました。(スライドのオフィスの写真を指して)5年前私はここで仕事を始めました。とても小さな部屋で、実はここで生活もしていました。20平方メートルもなかったんですよ。

(新しいオフィスのスライドが映る)5年経って、今はここが仕事場になっています。1,200平方メートルはあると思います。どれほど成長したのかご想像いただけると思います。

昨年引っ越してきたこの部屋は最高です。スタッフ70人以上でサービスを展開しています。ここで短い動画をお見せしたいと思います。会社の雰囲気がわかっていただけるでしょう。

(会社紹介の動画が流れる)

オフィスは白金台にあって、渋谷からは2駅ほど離れています。朝にはヨガのクラスもあるんです。

私たちの使命は、働くことに対して人々が好きなことをできるようにすることです。そのことについてお話ししたいと思います。

(オフィスの写真が映る)まずここが私たちのオフィスです。素晴らしいミーティングルームもあります。そしてこれがサービスを利用しているユーザーの数です。数は過去5年間で毎年2倍、3倍と増えています。私たちのビジネスがいかに早いスピードで成長しているかおわかりいただけると思います。

そして海外でも同じようにビジネスを広げています。とくに東南アジアです。2ヵ月前ロンドンでもビジネスを始めました。今日は私が今まで通ってきた道のりとそこから学んだことについてお話ししたいと思います。

ゴールドマン・サックスを退社

(仲氏の画像が映る)これが1996年、12歳の時の私です。私は小さい頃からずっと、なぜ大人はみんな疲れて見えるのかと不思議に思っていました。まるで死んだ魚のような目をして疲れ切っているように見えたのです。

とくに朝、通勤電車に乗っているときにそう思っていました。子供の頃は大人というのは自由を持っているはずなのに、なぜ彼らは古い制約を変えようとしないのか理解ができませんでした。

そして私は大人になり、(スライドを指して)これは私の大学卒業式の写真です。卒業して、私は人生とはそんな単純なものではないとわかったのです。

単純に情熱を追いかけるわけにはいきません。多くの責任やプレッシャーと戦わねばなりません。友達や家族からのプレッシャーであったりです。結局、人は好きじゃない仕事でも、家族の食い扶持を稼ぐために働かないといけなかったりします。私もそういったプレッシャーの下にいました。

私はいつもクリエイティブな業界で働きたいと思っていましたが、結局大企業のゴールドマン・サックスに入社しました。それが2008年のことです。

その業界にいる人はみんな覚えていると思いますが、その年に市場に大打撃を与えたリーマンショックが起こりました。株価は大暴落し、多くの取引先も倒産しました。突然、私はお金を右から左に動かす仕事に対して情熱を持てなくなりました。

そして仕事を辞め、2010年にFacebook Japanに入社しました。コンピューターには非常に興味があったので、これはとてもラッキーだったと思います。

起業につながったFacebookでの経験

私の両親は両方とも大学教授で、小さい頃からマッキントッシュのコンピューターが家にありました。だから私はそれで遊んでいて、父はコンピューターサイエンスを教えていたのでサイト作りについて学べる本なども家にたくさんあり、基本的なコーディング、例えばHTMLやCSSを学ぶことができました。それらの技術を使って自分のウェブサイトを作っていました。

でもその頃、インターネット業界というのはとても胡散臭いイメージだったので、自分がFacebookに入社するなんてかなりの驚きでした。

そこはソフトウェアのエンジニアによる、ファイナンスとテクノロジーを牽引する企業で、2010年に原宿のオフィスで働き始めると、たった6人のスタッフしかいませんでした。

入社当時、MAUの意味がまったくわからず、User InterfaceとUser Experienceの違いも知りませんでした。しかし入社後、私はすごい勢いで会社のカルチャーや習慣を理解・吸収し、なにより、Facebookの、世の中をよりオープンにし、コネクトし、シェアさせるという理念に感銘を受けました。

私は、Facebookは本当に経済的にも政治的にも世界を変えると思いました。ソーシャルメディアができる前には、企業はテレビやビルボードにCMを出したり、ビヨンセやジェニファー・ロペスを使って消費者をマインドコントロールすることができました。

でも今は、人々は商品を使って良かったという誰かのコメントや声を信じます。それらは誰かの意見です。私はソーシャルメディアはこういった声を後押ししていると思います。

私は、この「個人をエンパワーメントする」というアイデアをとても気に入り、自分でもそのようなプロダクトを作りたくなりました。

2011年に私は部屋で自分のプロダクトに取り組んでいました。試作品が出来上がるまでに3ヵ月を要しました。私はそれをFacebook Japanで知り合った周りの人たちに見せました。そしてフィードバックをもらいました。それがWantedlyの始まりです。2012年の2月でした。

ゴールドマン・サックスを辞めたことはとても怖かった

多くの人たちが私に怖くはなかったのかと尋ねました。えぇ、もちろんとても怖かったですよ。とくにゴールドマン・サックスを辞めたことはとても怖かったですね。

おかしなことに、大きな会社を辞めるということは、別に入社する前の自分に戻るというだけで、なにかを失うわけではないのです。

ところがおかしなことに、人間には「Loss Aversion」という、ざっくり言うと「なにかを得る喜びよりも、同じだけのものを失う恐怖のほうが大きい」という傾向があります。

私はゴールドマン・サックスでの安定した生活を失うことが本当に怖かったのです。毎月末に給与をもらえることが当たり前だったので、もうそれがなくなるのではと恐れていました。年金はどうなるかなんて思いもつきませんでした。

そして友達がどんなリアクションを取るのだろうと怖がっていました。被害妄想にも陥っていました。友達は私が大きな会社で働いているから付き合ってくれているのではないか、と。

しかし同時に、なにも達成できずに年をとってしまうことをなによりも恐れていました。私は自分自身が、たまたま21世紀のこの瞬間にこの地球に生まれただけの大勢のうちの1人だと思っています。そして私の人生など宇宙の歴史から見たらなんの影響も及ぼさないようなものだと思いました。

だから私は自分の人生を価値のあるものにしたかったですし、意味を持たせたいと思いました。今日、多くの若い人たちがこの会場でとても真剣に話に耳を傾けてくれています。ウィリアム・スミス・クラークはこう言っています。「Boys Be Ambitious」。私は今日みなさんに「Boys and Girls Be Ambitious」とお話ししたいのです。

自由が権利として約束された今日を生きるみなさんには、好きなように生きる権利があります。でもみなさんになんらかの才能があるならば、その才能を使って社会に恩返しをしなくてはなりません。なぜなら私たち一人ひとりが、先人の起こしてきた変革の上に生きているからです。

「あなたを取り巻く生活は、あなたとそんなに変わらないような人たちが作ってきたものだ。あなたはそれを変えることもできるし、それに影響を及ぼすこともできるし、ほかの人たちも使うであろうなにかを作ることもできる」とスティーブ・ジョブズは言いました。

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