「英語はあくまでもビジネスツール」流暢じゃなくても伝わる経営者の交渉術

グローバルで活躍する起業家に学ぶ #3/6

IVS SEEDS 2015 Winter
に開催

2015年12月10日、IVS SEEDS 2015 Winterが開催されました。Session2「グローバルに活躍する起業家に学ぶ」には、モデレーターを務める琴坂将広氏、エウレカ・赤坂優氏、コロプラ・千葉功太郎氏、メルカリ・小泉文明氏の4名が登壇。本パートでは、海外事業に必要なスキルについて、経営者たちが英語で交渉する際に気をつけていることを語りました。

海外事業に必要なスキル

琴坂将広氏(以下、琴坂):さて、少し視点を変えまして、みなさんはどうやって海外事業に必要なスキルを身に着けてきたのでしょうか? それは高田馬場で呑みながらとか、どうやって英語を勉強したとかの話ではなくて(笑)。みなさん、独自に自分の力で見つけてきたのでしょうか?

赤坂優氏(以下、赤坂):これ1つ目のセッションを見ていたので、たぶん一緒だと思うんですけど。全部さっきの(話の)「エイヤ!」(という勢い)でリリースしたあとの、改善活動につきると思っています。(株式会社FiNCの)溝口(勇児)さんが言っていましたけど、本当に「愚直に」というのが。

知らないことを初めてやるので、初めてやるということは「1個1個ピースを埋めていかなきゃいかない」ことの連続。必要なスキルはあんまりない気がしていて。唯一言うなら、たぶん5パーセントぐらい英語が必要とか。

琴坂:5パーセントぐらい?

赤坂:でも、英語5パーセントぐらいのパーツな気がしません?

小泉文明氏(以下、小泉):コミュニケーション能力と言えば、もっと別な視点があると思います。

Indeedの出木場(久征)さん(を例に)にこの前教えてもらったんですよね。リクルートは、indeedという世界最大の人材系のサービスを買収して、リクルートが買収したあと、伸びているんですけど。

出木場さんがトップで行って、あんまり英語話せないと言われていて、出木場さんがやったことはイエスとノーだけ、めちゃくちゃわかりやすく言ったという。「イエース!」「ノー!」みたいな。「ダメだー!」みたいな。

琴坂:誤解の余地がないんだ。

小泉:それだけを明確にしたら、「トップがイエスかノーか、すごくわかりやすい。そこはやっぱり肝だった」と言ってたので。

琴坂:ボディーランゲージで話してる感じですか?

小泉:なんですかね。絶えずやってたら暑苦しいんで、想像でという感じだったんですけれども。

赤坂:英語ができる新卒1〜2年目の子を海外事業にあてたとしても、「英語が話せる」という理由でうまくいくということは、とくにない。結局、事業を理解したうえで英語というパーツが乗って、さらによくなるというだけな気はするんですけど。千葉さん、どうですかね?

英語がヘタでも言いたいことは伝わる

千葉功太郎氏(以下、千葉):いや、おっしゃるとおりですね。あくまでもツールなので。英語ができるからといって、英語のビジネスができるわけでもないし。同じく中国語ができるからといって中国のビジネスは……。ビジネスができない人は、別に言語をしゃべれてもビジネスできないです。

赤坂:ベースはそうですよね。

千葉:なので、みなさんがもし海外でビジネスやりたいんだったら、やっぱり「ビジネスなり、プロダクトを作れる」「愚直に改善できる」という能力を身につけて、赤坂さんが言ったように、5パーセントの言語能力でコミュニケーションしていく。

とくに今時、例えば「Gengo」みたいなサービスがあって。ネイティブに翻訳していくサービスは別にいくらでもあるので、ネイティブチェック的な意味はあんまり関係がないんですよね。

と考えると、たぶん交渉ですよね、本当に。さっき言ったインド人の話もそうだけど。あるいは、たまたま自分がM&Aした会社にいっぱい外人さんがいて、そこを直接握らないといけないみたいなときには、つたない英語力でも。さっきの「イエス」「ノー」じゃないけれども、もうぜんぜん恥じずにドーンといったほうが、たぶんいいので。

そこではたしかに必要かもしれないけれども、それは逆に一部の人の話であって。別に、全員が全員必要じゃないですよね。

小泉:僕、海外のIRとかもやったこともあって、説明も何回もしてるんですけれども。僕もヘタなんです。ヘタだし、わかんないんですけど。ただ明確に、向こうが言いたいことはわかるんですよね。

あと、僕はけっこう言葉数少ないけど、明確につっこむようにしていますね。よけいなことはあんまり言わなくて、伝えていくときはシンプルに伝えるという。

そうすると、外国人から僕が言われたことがあるのは、「お前は日本人だけど、あまりファジーじゃないくていい」と。「表現がわかりやすい」と、すごく言われて。まあ、語彙力がないからなんですけど(笑)。

単に語彙力がないからなんだけど、そっちのほうが外人からすると、すごいストレートで。「日本人はあんまり、そういうコミュニケーションはしてこないから、お前はいい」みたいな。

僕は苦手だったけど、逆にそれから自信が持てたというか。まあ、大事なことだけ言えればいいみたいな。なので、あんまりたくさんのセンテンス並べないでも、言いたいことだけ明確に。「お前、間違ってる」とか、「これ、どう思ってんだ?」とか。

日本のマーケティング戦略は海外で通用する

赤坂:結論ファーストをすごい求められるんですよね。メールを打ってても、電話してても、Skypeやってても、テレビ会議やってても、「結論、何?」というところが、まず一番最初なんです。そこからあとは、理由を聞く。結論が違ったら、そこの時点で話聞きたくないというスピード感な気がするんですよね。

ただ一方で、英語の話からちょっとずれちゃいますけど、アメリカのグループ傘下に入って「すごい勉強になっている」みたいなことを、言ってはいるんですが。実際、僕らぜんぜん負けてないと本気で思ってます。

僕たち、バイアウト時はまだ「pairs」を2年半しかやってなかったんですが、15年以上やっている彼らと同じ分解式を独自で作っていました。

なので、もちろん、彼らの経験やデータから学ぶことはありますが、事業そのもの、サービスのドライブのかけ方、マーケティング戦略などは、まったくもって負けてないと痛感しましたね。

もっと言ったら、FacebookのマーケティングとかTwitterのマーケティングとか、(向こうが)「もっと教えてくれよ」みたいな感じですよ。本当に、別にアメリカ企業がレベル高くてビビる、みたいなことは一切ない

琴坂:逆に、グローバルマーケットはすごいところに見えるけど、そんなに距離はないんじゃないですか?

赤坂:いや、日本人のほうが細かいことは絶対得意だと自信つきましたね。

琴坂:なるほど。小泉さん、ここに関してはどうですか?

小泉:彼らはバジェットが大きいので、逆に細かいことやらないでバーンとやっちゃうんですよね。それで「どう、どう?」「どれどれ?」みたいな感じ。

赤坂:網があらい。ただ、網が大きいという。

小泉:そうじゃないと、逆に大きい魚が取れないから。だから、アメリカ人が得意なのは、そういうオンラインのマーケティングとかよりは、ブランディングするようなマーケティングです。そういう動画作らせたり、ブランドのイメージをどう作っていくかとか。プレゼンテーション文化がすごいので。そこはすごい勉強になるなと思いますね。

赤坂:プロダクト設計のレベルは、もしかしたらトントンかも知れないですけど。細かい新規ユーザーの獲得とかは、絶対に日本のほうがレベル高い。

小泉:プレゼンテーションのさせ方とかね。さっき、競合にPoshmarkと言ったじゃないですか。実はそこのマーケティング・ヘッド、日本人ですね。元グリー。なので、そこはあると思いますね。

日本のスタートアップの強み

琴坂:それはやっぱり日本市場のほうが、もしくは日本の人材のほうが強いところを活かして、海外で戦うということなんですか?

千葉:さっき、ゲームのことでカルチャライズの話したんですけど。うちで、日本でゲームを作ってカルチャライズするというときに、けっこうこだわってるのが混成チーム。多国籍混成チームで、最初の日本の元ネタを作っていたんですね。

よく、例えば、韓国版は韓国人のネイティブの人たちのチームがあって、USはUSのチームがあってみたいな。日本人のチームが作ったものをローカライズして、カルチャライズしてみたいな考え方しがちなんですけど。うちはどちらかというと逆で。

東京の最初の1本目、国内向けを作るときに、いろんな国のメンバーが最初から入ってるんですね。そこで『白猫プロジェクト』とかを作り、日本人の緻密で細かく作っていく感覚を、韓国のネイティブの人たちがいたら「韓国のところにやるにはどうしたらいいか」とか、「アメリカどうしようか」みたいなやり方をしているうちに(完成した)。

逆に、USにもほかのいろんな国のメンバーが入っているんですね。なので、最初からけっこう多国籍なチームをそれぞれ作っています。

赤坂:コロプラさんは、韓国やられているんですか?

千葉:やってますよ。

赤坂:日本との違いはどうですか? プロダクトとか。僕、けっこう韓国はUIとかデザインとかすごいレベルが高い、韓国スタートアップが高い気がしていて。

千葉:やっぱりゲームにおいては、韓国は歴史が長いので。オンラインゲームみたいなものもそうですし。日本よりも圧倒的にオンラインゲーム系、進んでいますよ。

ゲームにおける社会問題も、日本よりもずっと昔から起きているんですよ。ゲームに対する理解とか、国、社会からの扱いとかも、ぜんぜん日本よりも進んでいるわけですよ。ただ、スマートフォンのゲームは意外と、日本のものがチマチマと。いいものが出されていると。

赤坂:グローバルのランキング見ててもそうですよね。

千葉:『白猫プロジェクト』も、現地でCMスタートして。ただ、民族性がぜんぜん違うので、けっこう狩猟系民族のゲーム性に。激アツに戦うほうに寄せたりとか。

赤坂:歴史の長い韓国に、なんで日本のゲーム会社が勝てるんですかね? 売上、グローバルでも含めてなんですけど。やっぱり、日本国内のゲームユーザーの多さ?

千葉:たぶん。

小泉:けっこう韓国のゲームのスタートアップと話してると、「日本はうらやましい」と言われるんですよ。なんでかというと、国内マーケットがまあまあでかいんですよ。

千葉:2倍ちょいありますからね。

小泉:ファイナンスの集まるお金もぜんぜん違うし、ユーザーからの課金のところも違うし。やっぱり、そうは言ってもGDPで3位でしたっけ? 世界で。

そこをうまく日本のメーカーがいかして、韓国なりなんなり攻めていっているというのは。僕らもそうなんです。結局、日本のキャッシュを活かして、アメリカ攻めていってるので。活かせるものは活かしていこうという感じですね

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