レストレスレッグス症候群とは

マイケル・アランダ氏:あなたが午後中ずっと座りっぱなしで作業をしていたとしましょう、そんな時にじっとしていることにとてつもない違和感を覚え、ストレッチをしたり脚をぶらぶらさせずにはいられなくなったことがありませんか?

長時間座っていた後に体を動かしたくなるのは普通のことですが、ごくまれに体を動かさずに長時間座っていることが困難な人たちもいます。もし、あなたが今までにじっと座っていることがとてつもなく困難に感じたことがあるのなら、それはレストレスレッグス症候群、略してRLSと呼ばれるものかもしれません。

このRLSは時に日常生活へ影響することがあります。RLSを患っている人は時に脚の筋を引っ張られているような神経の刺激を感じ、どうしても脚を動かさずにはいられなくなるのです。この症状は座っている時、または横になっている時にはさらに悪化し、眠ることさえ困難になるほどです。

たまに寝返りばかりうって眠れない夜は誰だって経験したことがあるでしょう。理由は風邪をひいていたり、部屋が暑すぎたりとさまざまですが、それが深刻なストレスの種となるのは確かなことです。

RLSはこれまでとくに問題視されてきませんでした。きっと疲れやストレスがたまっていたんだろう。そんなふうに思われていたんです。しかし、最新の研究ではRLSはなにかの副作用やストレスが原因でなるものではなく、1つの病状だということが明らかになっています。

家族全員がRLSであるという例もあるので、遺伝的なものである可能性や、鉄分不足が原因で脳のシグナルがおかしくなったのではないかという意見もあります。しかし、後者である場合RLSは深刻な脳の問題を示すものである可能性もあるのです。

脳のなかのドーパミンをコントロールしている大脳基底核という部分に異変が生じている可能性があります。ドーパミンは脳が体にシグナルを送る際に必要な物質であり、私たちが身体の筋肉を動かす時に使われているのもドーパミンです。

もし、私たちの体が必要な分のドーパミンを保持できているのなら、脳は何の問題もなく信号を送受信することができ、体の動きもスムーズにコントロールされます。しかし、もし体内のドーパミンが不足してしまっているのなら、脳はスムーズに体に信号を送ることができなくなってしまいます。

そしてこれこそがRLSやパーキンソン病の人たちにみられる手足を震わせたり、動かし続けたりする症状の原因なのです。

今日、たくさんの人が軽いRLSを持っていると考えられます。しかしほとんどの人がRLSというものの存在さえ知らないため、ほったらかしにされることが多いのです。

しかし、もしそんなうちに症状が悪化してしまったら? 対策としてはなにか振動を送り続けられるものを足元に置き、常に刺激を与え続けることで症状を穏和することができるそうです。また、ドーパミンを作り出すのに必要不可欠な鉄分を補うためのサプリメントを飲むのもよいとされています。

ドーパミン作動薬を使うことで脳にドーパミンをつくるように指示を出すという方法もあります。この薬は脳がドーパミンを出すように指示を受けたと錯覚させる作用があり、これを用いたことで症状が劇的に改善された例が多々あります。

いかがでしたか? 心当たりがある方もいらっしゃったのではないでしょうか。自分の意志とは反対に動き続ける脚、眠れない夜、簡単に我慢できるものではありませんよね。

ですが、もしあなたが長い間コンピューターにかじりつきでYouTubeなんかを観ているのなら、この辺で少し休憩がてら画面から離れてストレッチをするのもいいんじゃないでしょうか。