2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
The Chemistry of Addiction(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:脳がなぜそんなにすごいかというと、行動に報酬を与えるという点があげられます。危険から逃れたりとかそういうことですね。
昔はちょうどよかったシステムですが、今ではちょっといきすぎることもあります。ドラッグによって、興奮できたりします。そうやって人生が犠牲になることもあるわけです。
そうして私たちが生み出したものこそが「依存」といえます。脳さまさまですね。コカインが欲しいとかキャンディが欲しいという行為は同じ脳の回路から発生しているのです。ギャンブル、セックス、食事。シナプスの数だけトラブルはあるのです。
依存は大脳辺縁系で起こります。ここは得た情報に対する感情や行動による反応を司ります。脳の報酬センターとも呼ばれ、ニューロンと呼ばれる化学物質を放出し、情報に反応します。
人間の脳は100種類以上もの神経伝達物質を生産しているわけですが、そのなかでももっとも重要とされるものは、生存や成功に関わる瞬間に生み出されます。
神経伝達物質には大きく分けて2つの種類があり、健康な脳内では、それらのバランスは保たれています。興奮性神経伝達物質と抑制性神経伝達物質です。抑制性神経伝達物質はセロトニンといってよく聞くと思いますが、注目すべきは興奮性神経伝達物質です。
例えばエンドルフィン。痛みやストレスを感じた際に発生し、痛みを和らげます。おそらくもっとも重要なのがドーパミンで、思い出さないといけないような強い出来事に対して放出されます。例えばヘラジカに追いかけられた時なんかがそうですね。生存に関わるような出来事です。
しかしそれは依存にも大きく関係しています。なぜならそれはドーパミンや神経伝達物質の量を狂わせ、それを未来にも期待するようになるからです。
科学者たちは、ドーパミンは気持ちよくなるのか、またはもっと欲しくなるのかということを実験しました。その結果、ドーパミンが快楽を生むのですが、願望をも生み出すということがわかりました。おそらくそれが、快楽を生んで効果が切れた後も求め続けるのではと考えられています。
脳はドラッグによる刺激を体験すると同時に、バランスを保つためにそれに対する防御も行っています。ドラッグを長期的に使用すると、脳のバランスを保つために、神経伝達物質と受容体を減らします。それが機能低下報酬系です。ドラッグを使うべきではない理由、そして依存者が使用前にはなかった精神病を訴えるのはこれが理由です。
ドラッグが脳の活動をめちゃくちゃにするのには、主に2つのパターンがあります。
(1)自然の神経伝達物質のフリをする。(2)神経伝達物質の量を変えてしまう。
例えば、アヘン、ヘロイン、コデイン、モルヒネというのは、エンドルフィンに構成が似ているため、地球上でもっとも依存度が高いといわれています。神経細胞受容体とくっつき、多幸感を生み出します。アヘンの反応はより強力です。脳は、一度人工的な快楽を味わったら、そこに戻ろうとします。
ニコチンはちょっと違って、アセチルコリンのフリをします。アセチルコリンは大量のドーパミン解放の引き金となる物質です。それと同時に、記憶生成に関係するグルタメートも生成します。
ドーパミンが「もっともっと!」となっている間に、習慣を強化するメモリーループを生み出す神経物質が活動します。
さらにニコチンは、抑制性物質のGABAを放出します。ニューロンを落ち着かせるのですが、20分後にはGABAの受容体は鈍感になり、ドーパミン処理しきれなくなります。
脳と体を1つにするための神経伝達物質のバランスを乱すのがアルコールです。アセチルコリンやセロトニンといった受容体と結合します。最初は快楽、後に鎮静作用があります。
しかしアルコールの長期使用によって、脳は興奮性神経伝達物質を出すようになります。定期的に大量のお酒を飲むと、脳のシナプスがコントロール不可能になり、落ち着かせられなくなります。手の震えはそれが原因です。
神経伝達物質のフリをする代わりに、そのレベルを狂わせるドラッグもあります。コカイン、メタンフェタミン、エクスタシー、バスソルトなどです。
エクスタシーはかなり刺激が強く、ドーパミンやノルアドレナリンに作用します。ドーパミンが快楽、ノルアドレナリンがエネルギーを生み出します。コカインを使用すると、もっとコカインが必要になるのです。
メタンフェタミンの効果は12時間続き、かなりたちが悪く、コカインのドーパミン再吸収と違い、ドーパミンを過剰発生させます。これがさらに悪い理由として、依存者の脳内では、自己防衛機能として、ドーパミン、そしてそれを発生させる脳の機能を破壊する酵素を発生させます。そうしてメタンフェタミンの摂取量が多くなってしまいます。
それ以外にも、バスソルトというものがあります。これについては個別でのエピソードもあります。カチノンという合成麻薬が含まれ、コカインとメタンフェタミンが合体したような感じです。
科学者たちは、薬物乱用による化学反応は、行動依存にも類似していると言います。例えばギャンブルで賭けるという行為は、リスクに対する報酬の査定でもあります。サバンナで2日飲まず食わずでどうしようといった状況に似ています。
ギャンブルでドーパミンを発生させるのは、賭けに勝った時だけではないのです。80パーセントのジャックポットの時のほうが脳への影響は大きいのです。
報酬が得られそうという状況では脳では奇妙なことが起こります。脳はそのパターンを捉えようとしますが、スロットマシーンのようなギャンブルではそれができません。
2012年度の精神病統計マニュアルでは、行動依存を追加する旨が発表されました。セックス依存症、食事依存症もです。この2つはよく議論されます。脂肪にたいするドーパミンは、人間の進化の過程で普通だからです。
しかし、ラットの実験では、通常のエサのほかに、糖分と脂肪分が高い、ベーコン、チョコレート、チーズケーキを与えた場合、通常のエサを無視するということがわかっています。そうしてジャンクフードへの科学反応に適応して行き、脳が薬物依存と同じ働きをするのです。
そういった実験により、ドーパミン受容体が比較的少なく、依存しやすい人がいるとも言われています。セックスも似ています。発射後の脳内はヘロイン使用者と似ています。どちらもドーパミンが少なくなって、次を求めてしまうですね。肉体的であり精神的な願望なのです。
インターネットですら、ドーパミン受容体はダメにされ、快楽物質を刺激されてしまいます。ほかもそうですが、報酬より期待のほうが依存的なのです。
メールをチェックしてしまうわりに重要な内容はなかったり、ゲームに没頭したり。脳の研究に関しては、現在は黄金時代と言えます。多くの原因、依存、治療法が発見されています。
インスタントな快楽を避けるのはもう困難な状態です。ただ、ドラッグ依存よりは、「ロシアでかわいいネコ発見」みたいなネット情報で楽しんでいたいですね。ドラッグはダメですよ。
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