ゲストは鈴木おさむ氏

はあちゅう氏(以下、はあちゅう):今日は熱気があってうれしいですね。

経沢香保子氏(以下、経沢):今日のゲストは鈴木おさむさんですが、はあちゅうは、どうやって出会ったの?

はあちゅう:『伝え方が9割』の佐々木圭一さんと、あと○○という子と、おさむさんでご飯を食べたのがきっかけです。

おさむさんはとにかく顔が広くて、私の知り合いと全員がつながってるぐらい仲よしな人が多いんですよ。ラジオにも何回か呼んでいただいて。

今回は、おさむさんもなんですけど、もう1人この本の担当編集者さんともつながっていて。『編集会議』、みなさん読まれました? 私、ちゅうつねにいちおうリンクを貼ったんですけれど、『編集会議』で特集もされた箕輪(厚介)さんという編集者がいるんですね。

経沢:噂の、堀江さんとかも手掛けた。

はあちゅう:イケダハヤトさんのマガジンでもコラムを書かれてるんですけど、新人編集者って売れっ子の作家や大物著者を担当するのってすごい大変なんですよね。

そんななか、最初にアタックしたのが見城(徹)社長で。次、堀江(貴文)さん。そのあと、おさむさん。どんどんどんどん。私よりたぶん若いんですけれど、超大物の本をどんどん作ってヒットさせている編集者で。

経沢:私のところにも来ないかな?

はあちゅう:あ。来てくれるんじゃないでしょうか。今日は、そのおさむさんがお話してくれて、箕輪さんがお手伝いをしてくれるので、みなさんちょっと気合いを入れて聞いてください。

経沢:そうですね。楽しそうです。じゃあ、鈴木おさむさん、よろしくお願いします。

(会場拍手)

書籍のなかから企画術を伝授

鈴木おさむ氏:僕は昨年子供が生まれまして、今「父勉(ちちべん)」って言って、お休みさせてもらっているんですけれど。

ようやく半年ぐらい経って、自分のなかでもペースがつかめてきまして。それで、この本(『新企画』)を今回作ったんです。

新企画 渾身の企画と発想の手の内すべて見せます

なぜこれを書いたかというと、僕、今放送作家業というのをお休みさせていただいてます。で、毎日料理を作ったり、育児をやってます。そういうなかで、妻と子供がだいたい夜に寝るんですけれど、寝たあとに自分でなにかできないかと思って、たまたま本の話を箕輪君からいただいたので、書いてみようかなと。

僕は放送作家をして25年経つので、今回この本『新企画』は、企画術の本ですが、それだけ出すとすごいインチキ臭いので、実際に僕の新企画も本のなかで発表して、それとともに企画術を紹介しています。

今回はこの『新企画』を教科書に、企画術講座をします。この本で発表している新企画の内容と、それにまつわる企画術を伝授していきます。

では早速、企画2「恋愛再現バラエティ『50キュン—GOJUKYUN』」。この本のなかで一番好きな企画。これが一番技術としては使いやすい技術を使っています。先にどんな企画かを言いますね。

僕が今年44歳になるんですけれど、気づくとドリカムの吉田美和さん、ダウンタウンさん、ウッチャンナンチャンさんがいよいよもう50代に突入。桑田佳祐さんとかユーミンさんになると、もう60歳過ぎてる。

でも、そういう50代の人たちというのは非常に元気がいいんですね。バブルを経験している人たちなんです。

そのなかで僕は50歳こそ胸キュンしたいんじゃないかって思ってるんです。つまり、恋したいということですね。

どうしても50代の恋愛って取り上げると、ドロドロした、それこそ不倫とか重めの恋愛を取り上げそうなんですけれど。この企画は違います。

これを作ったきっかけが1個ありまして。僕がとあるバーに行ったら、51歳の女性がずっと付き合っていた年下の男と別れたという話をバーで大号泣しながら喋ってるわけですよ。

それを見た時に、「50代でもこんなに普通に恋をして、こんなに目を腫らして泣くんだ」って思ったんです。

その時に「50キュン」といって、50歳の人がキュンとできる恋愛再現ドラマを作って見せていくという企画を思いつきました。

出演はトレンディドラマ全盛の、W浅野さん、三上博史さん、陣内さん、賀来千香子さん、布施博さんなど、そういう人たちがいっぱい出てきて、曲もその頃のユーミン、サザン、達郎さん、ミスチル、ドリカム、渡辺美里とかそのへんがいっぱいかかるというものなんですけれど。

50歳がキュンとするストーリー

例えば、この本のなかに簡単な例も書いてあるので、読みますね。少し恥ずかしいんですけれど、これは全部、僕が書いたものです。

「同窓会」。テーマ曲、サザンオールスターズ「涙のキス」。

20年ぶりに高校の同窓会が開かれる。50歳記念で開かれた同窓会。アツコ。これは浅野温子さんのイメージです。アツコは、昨年離婚したばかり。心労の多い1年だったが、なぜか同窓会にワクワクしてしまい、ダイエットして体を細くしたりする。

そして同窓会当日。みんな歳をとった。が、野球部のキャプテンだったヒロシは、メタボな体型でもなくカッコいい。あの当時の雰囲気が残っている。ヒロシは仕事一筋できたため、結婚するタイミングを逃したのだ。

みんなお酒を飲みながら懐かしい思い出話に花が咲き、アツコはついに言ってしまう。「私、あの頃のヒロシ君のこと好きだったんだよ」と。すると、ヒロシは言う。「えっ、俺も」。

同窓会は終わり、みんなで慣れないLINEを交換。アツコとヒロシも慣れない“ふるふる”で送り、ちょっとドキドキ。

帰りの電車。スマホのLINEにヒロシからのメッセージが。そこには書いてあった。「今でも好きかも。いや、今日また好きになった」。「涙のキッス」を聞いて、恋していたあの時の気持ちが蘇る。

これ43歳のおじさんが書いたんですけれどもね(笑)。もう1個。

「元カレ」。テーマ曲、松任谷由実「リフレインが叫んでる」。

ユウコは惣菜屋でパートしている。結婚して20年。旦那は不倫しているようだが、それに腹を立てる気持ちすらなくなった。子供も大きくなり、つまらない日々。

すると、ある日惣菜屋にやってきたのは、大学時代の元カレ、ユウジ。2人、目が合い気づく。ちょうどユウコもパートを上がる時間。家までの帰り道、ユウコとユウジは話しながら帰ることにした。

ユウジは離婚して引っ越してきたのだ。離婚は奥さんに一方的に切りだされ、自分の浮気が原因ではない。

この日、ユウジが買ったのは肉じゃが。ユウジは昔から肉じゃがが好きだ。ユウコは言う。「まだ好きなんだね、肉じゃが」。あの時、結婚する約束までした2人だったが、彼のたった1回の浮気で別れてしまう。

歩きながら付き合った時の思い出話をして笑う2人。ユウコ「あの時別れてなかったら、どうなったんだろうね」。ユウジ「結婚してたかもな」。

ふと彼の家の前に着いた。小さなマンション。ユウコは思い切って言う。「今度は家で作ってあげようか、肉じゃが」。30年ぶりに恋のリフレインが叫び出す。

はい。こういうのを、書いてあるんですけれど。こんなストーリーを10分15分ぐらいで作って見せられないかという番組企画です、簡単に言うと。

器を変える技術

この本は、こういった企画のあとに解説と称して企画術を明かしています。この章の説明ブロックでは「器を変える技術」という企画術を紹介しています。

みなさん企画を作る時に0から1というのにこだわり過ぎてるんです。0から1って確かに大事なんですが、僕はそれよりも、0から1の、その1で生まれたものをどう見せるか、というのにすごくこだわるんですね。0から1作ったのはいいけど、それが認められないこともすごくあるんです。

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