ご婚約内定に対するお気持ちと、両陛下からのお言葉について

記者:お二人にお伺いします。ご婚約が内定した、現在の率直なお気持ちをお聞かせください。本日、天皇皇后両陛下にはどのように報告し、どのようなお言葉がありましたでしょうか? 典子さまからお願い致します。

高円宮典子さま:陛下よりお許しをいただきまして、このように婚約内定の発表をさせていただけることを、とても嬉しく思っております。ただ、こちらの希望で国麿さんには大変長い間お待たせをしてしまったので、その点は少し申し訳なかったかしらと思っております。

両陛下には今日の午前中にご挨拶を申し上げまして、両陛下からとてもあたたかい言葉を賜りましたけれども、両陛下のお気持ちを私の口から公表するということは失礼にあたると、そう思いますので、これは私の胸のうちに大切にしまっておかせていただきます。

千家国麿さん:同じく、天皇陛下のお許しをいただきまして、また大国主の大神様(出雲大社の祭神)のお許しのもと、このような素晴らしい方とご縁をいただきましたことを、大変嬉しく思っております。またさぞかし、殿下のほうもお喜びになっていらっしゃるのではないかと思っております。

お互いを結婚相手として意識されるようになった時期と、プロポーズの言葉

記者:ありがとうございます。また、お二人にお伺い致します。お知り合いになってから婚約されるまでの経緯を、出来る限り詳しく、お願い致します。いつ頃からお互いを結婚相手として意識されるようになったのでしょうか? また、プロポーズの言葉も併せてお願い致します。

高円宮典子さま:私が国麿さんと初めてお会いしたのは、平成19年の4月でございます。それ以前から、私の両親と国麿さんのご両親とは大変懇意にさせていただいていた、というふうに聞いておりますけれども、私も成人を迎えましてからはいろいろな会に出席をするという機会が増えまして、千家様ご夫妻とも国麿さんとも、お会いする回数が増えてまいりました。

そういった家族同士のお付き合いをさせていただくなかで、自然と「結婚」というお話が出てまいりましたけれども、私はまだ大学に在学中でございましたし、卒業後も数年は、やはり成年皇族としてお務めを優先させていただきたいと申し上げて、その間は非常にゆっくりとお話を進めさせていただきました。

昨年、出雲のお社のほうのご遷宮が滞りなく終わりまして、今年は少し落ち着きましたので、そろそろ正式に発表してもよいのではないかとの結論に至りました。先程も申し上げたとおり、とても自然な流れで出てきたお話ですので、いつ頃から意識したということも特にはございません。

あとプロポーズの言葉は、ございませんでした(笑)。

(会場笑)

千家国麿さん:宮家の皆さまとお付き合いをさせていただくようになりましたのは、私が出雲に帰りましてから、妃殿下が出雲へ何度か御成りになられた時です。その時、(典子さまも)何度かご一緒においでになられまして、その頃からご一緒する機会というものがでて参りました。

私の家族でご案内をしましたり、地元以外でもいろいろご一緒する機会がありましたけれども、そのようななかで自然とそういうお話になり、今に至りますので、はっきりプロポーズという形ではお話を実はしていませんでしたけれども、こういう形に収まりまして、非常に安心し、また嬉しく思っております。

記者:では、プロポーズのような言葉、というのはなさったことはあるんでしょうか?

高円宮家典子さま:それもありませんでしたね(笑)。

千家国麿さん:(笑)。

(会場笑)

第一印象と現在の印象、また理想の家族像について

記者:最初に会われた時と、今の印象をお聞かせください。お互いのどういうところに惹かれましたでしょうか? また、結婚後にどういう家庭を築いていきたいか、理想の家庭像をお願い致します。

高円宮典子さま:最初にお会いした時も、また今も、おおらかで大変誠実な方であるという印象でございます。理想の家族像につきましては、私は元気な、かつ明るく楽しい家族であってほしいというふうに願っております。私の母もさることながら、国麿さんのご両親にも、出来る限り長くお元気でいらしていただきたいと思っております。

千家国麿さん:先ほどお話しましたとおり、何度か出雲のほうにお出でになられまして、その際、妃殿下と典子さまがお話をなさってます時に、典子さまが鋭い感じで妃殿下にご意見をおっしゃり、妃殿下が少しタジタジとされる機会がございました。

それは決して、厳しく怖いという感じではなく、お母様でいらっしゃる妃殿下との信頼関係、絆、そういうものが感じられまして、非常に失礼ではありますけれども、大変おかしく拝見させていただきましたし、また大変微笑ましくもあったということを覚えております。

また同じく、妃殿下が旅先で根付の撮影をなさいまして、なにかの景色でしたり、周りの様子と根付を一緒に撮影されますけれども、その際にすぐ横で、例えば物をお支えになったり、あるいはすぐ横でご助言をされたり、お二人の非常に深い絆というものを感じられることができました。

そのような暖かさ、優しさ、そういうものが当初から印象に残っております。こちらのエピソードはお会いしてからまだ初期のものでございますけれども、今も引き続き同じようなイメージを持っております。

また理想の家族像につきましては、私も笑顔の絶えない、そのような家庭ができたらいいと考えております。

出雲大社に皇族をお迎えするお気持ちは?

記者:宮内記者会の幹事者を務めさせていただいております、時事通信のヤスダと申します。本日はご婚約内定、誠におめでとうございます。

それでは質問に入らせていただきます。まず典子さまにお尋ねいたします。ご家族や、亡くなられたお父様には、どのように今回の婚約をお伝えされますか? また妃殿下からは婚約にあたり、どのようなお言葉をかけられましたでしょうか?

高円宮典子さま:父を含めまして家族には、結婚のお話というものが出てから、随時、報告をさせていただいておりますので、今回改めてなにか、ということは致しませんでした。また母からも、今回特別になにか、ということはございませんでした。

記者:ありがとうございました。では次に、千家さんにお尋ねいたします。出雲大社に皇族をお迎えすることについてのお気持ちをお聞かせください。

千家国麿さん:大変畏れ多く、光栄に思っております。私どもの家の初代が、皇祖・天照大御神の次男と伝えられております。2000年を超える時を経て、今こうして今日という日を迎えたということに、深い御縁を感じております。

女性宮家について騒がれるなか、皇籍離脱をなされるお気持ちについて

記者:ありがとうございました。では最後に、典子さまにお尋ねいたします。女性宮家に対する問題について結論が出ないなかで、皇室を離れられることについてのお気持ちをお聞かせください。また、出雲で新たな生活をされることへの気持ちも合わせてお願い致します。

高円宮典子さま:私は、女性宮家の話題についてなにか申し上げるという立場にはおりませんので、そこは切り離して答えさせていただきます。

幼い頃から、結婚をするという場合には皇室を離れると教わってまいりましたので、そのことに関して今改めてなにかを感じる、ということはございません。

生まれ育った宮家を離れるということに対しての、少しばかりの寂しさですとか、出雲での生活に対する多少の不安といったものはありますけれども、それは多くの女性がお嫁にいくという時に感じるものと、大差ないのではないかというふうに思っております。

記者:ありがとうございました。