2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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西野亮廣氏(以下、西野):(それで)テレビを切ったら暇になって。
田中研之輔氏(以下、田中):時間が余るね。
西野:テレビを切ったら超暇だったんですよ。週5ぐらいの休みになっちゃって。「収録?」みたいな。『はねるのトびら』やってるニートみたいになっちゃって。番組は急に終われないですから。日本テレビがやってるんですけど。
ニートみたいになっちゃって、「やることないな……」っていうときに1ヶ月くらい飲み歩いたんですけれど、なんかタモリさんに呼びだされて。そこで「お前、絵描け」って。
田中:「描いてみたら?」って言って。もともと描いてたんですか? 小学校とか。
西野:描いてないですよ。もともと(デジハリの)みなさんはそういう絵を描いたりされる方ですよね?
田中:絵も、はい。
西野:僕はそういう人じゃなくて。絵とかぜんぜん興味がなかったんですけど。今日いる皆さんには申し訳ないんですけど、本当に興味がなくて。
小学校のとき、田舎の子で超いばってて。なんか女としゃべる男をとっつかまえていじめてたんですよ。「お前、女としゃべんな」みたいな(笑)。
硬派を気取ってたと思うんですよ、本当に。その節は本当にすいませんでした。「俺は男だぜ」みたいな硬派を気取ってて。小学校は、「女子に興味ない」みたいなスタンスでずっときてたんですけど。
中2になったときに、女性の裸に急に興味が出てきて、女の子っていいなって思ったんですよ。それで、もう股間が破裂しそうで。
男たちはエッチな本を見たり、貸し借りしてるんですけれど、僕は今さら「貸して」って言えなくて。昨日まで興味ないっていうスタンスできてたんで。
呉京樹氏(以下、呉):硬派で。
西野:そう。「硬派の西野」できてるから。「貸して」って西野が言うわけないんですよ。それを「貸して」って言えなくて、買うお金もないから、「これはもう描くしかない」と。
ほんで、女性のお嬢ちゃんの顔を1回持ち帰って……いや、持ち帰らない。イメージだけ持ち帰って、家でお嬢ちゃんの裸を描いて、それでこうシコシコするという。完全に自給自足ですね(笑)。
田中:そんなに差し迫って(笑)。
西野:そう。必要に迫られたってことです。
しかも大将、問題が違うんですよ。大変なのは、下手だったら興奮しないんですよ。画力を上げないことには興奮しない。僕が興奮しなきゃ意味がないですから。
急いで絵がうまくなる必要があって、中2から僕がスケベだってカミングアウトする中3の頭までの半年間はすごく絵に向き合いました。
田中:ちょっと聞いて見ましょうか。西野さんの絵本を持ってる方、どれぐらいいるんですか? (会場を見て)いらっしゃるじゃないですか。どの辺がいいんですか? せっかくなので、西野さんの絵本の魅力を3つ。
参加者1:(初めは)西野さんってぜんぜん知らなくて、私は絵本から入りました。
田中:そうなの? それは素晴らしいですね。
参加者1:そうなんですよ。たまたま知ったんですけれど。
田中:たまたま。
参加者1:物語がすごい素敵だったのと。絵が緻密なんですね。
田中:そうですよね。
参加者1:一つひとつがすごい近くで見ちゃうような感じ。
西野:ありがとうございます。
田中:おお
参加者1:それでよく聞いたら、「お笑い芸人の方なんだ」って。
田中:そのギャップがね。
西野:ありがとうございます。
田中:お笑い芸人の方って多才な方もたくさんいらっしゃいますね。
西野:そうですよね。
田中:品川さんと今日飲むんでしょう? 品川さんも映画を撮ったり、漫画もやりますもんね。やっぱり「作る」というモードでいろんな活動を展開されてるんですかね。
西野:でも、職業名ってあんまり信用ならないなって思っていて。要はそのコミットしてる時間がすごく大事で。
例えば、イラストレーターって名乗ってて、僕より絵を描いてない人っていっぱいいると思うんですよ。やる人はやってるけど。
大事なのはそっちで、例えば、品川さんとか又吉とか。又吉より文章書いてない小説家ってけっこういると思うんですよ。そういう人たちってずっとやってるんですよ。
たぶん、いろんな人がコンパしたり、スキーに行ったり、いろいろあると思うんですけど。そういうのも僕は、全部素晴らしいと思うんですけれど。あの人たちは、そういう時間を全部文章の時間に使ったり、単純に向き合ってる時間が長いんです。
田中:大事なポイントですよね。やっぱり職業になってっちゃいますからね。例えば芸人だと、「芸人ってこうだろう」とか。「社長だったらこう振る舞うんだろうな」とか。
呉:聞いてると、やっぱり「集中力」だと思うんですよね。結局、人間って生きてる時間は一緒だし、1日24時間の中で働かきゃいけないので。結局僕らは、生産性をどうやったら上げられるかというと、集中力しかなくて。西野さんのブログもけっこう読ませていただいて……。
西野:マジですか? 長々しいですよ。
呉:いえいえ。すごい集中力だなって思って。やっぱり集中力が続かない人って多いんですよ。
田中:どうやったら続くんですか。
呉:一番わかりやすいのは、やりたいことは集中力が続くんですよ。やりたくないことは集中力が続かないです。やりたいことを見つけるのが早い人ほど、その集中力が研ぎ澄まされていくんだと思うんですね。
西野:女性の体をリアルに描きたいとかですね。
呉:ああ、そうそう。それもたぶんそうだと思っていて。そうすると、観察力が養われたり。結局「想像力」だと思うんですよ。
学生さんは、これから就職活動をするときに絶対突破しないといけないもので、企業も募集欄のところに「コミュニケーション能力」って書いてるんですけど。
「コミュニケーション能力って何なんだ?」という話になったときに、最近ずっと考えてて、たぶん「想像力」だと思っています。
相手が何がほしいかを想像する力を養うしかなくて。じゃないと、結局自分のエゴにしかならないので。
だから、今日のテーマにもある「アーティスト」といわゆる「クリエイター」の境目もここにあるのかなって、ちょっといろいろ考えたりしてるんですけど。
クリエイターってモノ作りをしたい人なんですけど、自分のモノを作りたいのか。アーティストって、自分の作りたい作品を突き抜けて作っていく人たちだと思うんですけれど。
西野さんはもともと芸人で。今絵本を書いてるんですけれども、僕から見るとアーティストに近い。
西野さんはどんなモチベーションでやってるのか、今日せっかくお会いしたので、ちょっと聞きたいなと思って。
田中:実は今日のポイントはそこです。呉さんと西野さんをマッチメイクしたかったのは。呉さんはクリエイターを育ててる? アーティストを育ててる?
呉:クリエイターですね。
田中:クリエイターを育てていて。デジハリのみんなはクリエイターっていう意識がある? アーティストっていう意識がある? 半々ぐらいですね。
そのアーティストとして生きてるのか、クリエイターとして生きてるのかでいうと、西野さんは間の子みたいな雰囲気で生きてる感じがすごいある。
呉:ハイブリッドな感じがあって。なかなか少ないなという空気を持ってるんですけど。
田中:どんな感じなんですか。
西野:なんだろうな……。これ記事に書いてもらっていいんですけど、僕は今年の27時間テレビを断ったんですよ。
ざっくり言うと、深夜に芸人がお化けの格好をして出て、フジテレビのスタッフの悪口を言う、しかも終わった番組の悪口を言う企画だと聞いて、断ったんです。
なんで断ったのかと言ったら、「今フジテレビそんなんしてる場合ちゃうやん」と思ったんです。ノッてる局だったらまだしも、すげー戦いまくってる局で、すげー傾いてるときに内輪揉めやってるときじゃないって思って。そこには協力したくないなと思ったんです。
なにかすごいおもしろいこと、生産性のあることをやるんだったら、僕はぜひだったんですけど。
スタッフの悪口を言って、キャッキャキャッキャ笑ってるだけって……。「勢いのない局のスタッフの悪口を言うコーナーに誰が興味あるの?」と思った。僕はすごく嫌だなと思って断ったんですよ。
そしたらナインティナインの岡村、あのバカが……俺嫌いなんですけど(笑)。あんまり書かんといて下さい。ここだけの話にしておいてください。
田中:全部書きますよ。
西野:全部書いちゃうんすか? でも嫌いなんですよ。なんで嫌いかと言ったら、「みんなやってるんやから出ろよ」って言うんですよ。
田中:集団主義みたいな。
西野:「芸人みんなやってるんやったら出ろよ」と言って。ここになにかすごいズレがあるなと思って。
なんで岡村さんとこんなに……僕は芸人が超好きなんですよ。たぶん岡村さんも芸人が超好きで。たぶん2人とも芸人のことがすっごい好きなのに、考えにすっげーズレがあるなと思って。
「なんでこんなズレてるのかな?」って考えたときに、たぶん芸人の定義がまったく違うんだと。
岡村さんというか、世間の人はほとんどそうだと思うんですけど。それこそ芸人を「職業名」としてて。ひな壇に出る人とか漫才をやってる人、コントをする人、グルメコメントをする人、リアクションをとる人。そういう仕事をする人を「芸人」としてる。
たぶん、消防士さんとか、先生とか、社長さんとか。その流れで「芸人」を職業名にしてる。
僕はそっちじゃなくて、芸人って、例えば高校を卒業して、みんながいい大学に行こうってなってるときに、「俺は吉本行っちゃう」って言うやつとか、あと1、2年で定年退職で、そこまで勤めたら退職金をもらえるのに、我慢ならなくなって、「沖縄で喫茶店開く」って言っちゃう親父とか。
そういうみんながこっちに行ってるときに、(反対の)こっちに行っちゃって、みんなを驚かせたり、心配させたり、「そんなことして本当にいいの?」っていう質問の対象になってる人たちがとってる姿勢の名前を「芸人」と言うなと思ってて。僕の定義はこれなんです。姿勢なんです。
だから、田中さんも呉さんも僕のなかでは芸人だなと思うんです。それはご本人が違うって思ったらそうかもしれないですけれども。
申し訳ないんですけど……なんか変じゃないですか? (呉さんのように)餅屋が潰れちゃって、次は映画監督になるとか言っちゃう、映画を撮るとか言っちゃうのって。みんなからしたらもうびっくりするし。そういう人のことを僕は芸人って呼んでて。
僕はいつもそのルールなんです。みんながこっちに行ってたら、こっちに行くとか。そのルールを結局あんまり逸脱してないんですよ。だから、変なふうに見られちゃってるのかもしれないですけれど。けっこうルール通りにはやってるんですよ。これ質問の答えになってます?
田中:なってる。今聞いててずっと考えてたのは、言葉ってけっこうパワーを持ってるから。
例えば、職業名だと、その職業名がイメージする行動パターンをやっぱり思い浮かべちゃうと思うんですよね。だから、逆に定義というのがすごい大事で。
だから、芸人とかアーティストとかクリエイターの定義をそれぞれがしっかり捉えることが大事だよね。
呉:仕事名みたいなものは、もともとはなかったんですよね。クリエイター業界もどんどん言葉がいっぱい増えている。
例えば、ハイパークリエイターが出てきて。ハイパークリエイターってなんなんだっていう話なんですけど。だから、職種にとらわれて生きようとすると、狭くなっちゃいますよね。
西野:狭くなっちゃいますよね。
呉:僕も同じです。意識しないように。僕は最後は牧場をやりたいと思ってるんで。
田中:ずっと言ってるもんね(笑)。
西野:急に出てきましたね、牧場が。
呉:僕はもう小学校の頃からの夢が牧場なんですよ。それは45歳の今も変えてなくて、だから本当にリタイアしてニュージーランドに移住しようと思っています。そのために今頑張ろうと思って、お金を貯めてるんですけど。それで海外行ったりしていて。
だから、そのときやりたいことって、やっぱり違うじゃないですか。ただ、モノ作りをしてるというところからブレないだけで。
この間も、とあるインタビューに出たときに、「呉さんは30回転職して、30回キャリアを捨ててきてるんですけど、不安はないんですか?」って言われるんですけど、まったく不安がなくて。
まあ、戻れるじゃないですか。(でも、戻ったら)前には行けないじゃないですか。だから、前に行ったほうがいいなと思って、どんどん前に進んでるんですけど。
田中:いろんな経験が積み重なる感じね。
呉:そうです。だから、モノ作りのプロセスってどの業界でも結局一緒なんですよね。そこにいろんな職種があって、でき上がっていくんですけれど。
例えばマンション建築でいうと、1年間で2万人ぐらいの人が入ってくるわけですよ。その2万人の人をマネジメントしないといけないから、現場監督がいるわけですよね。その中には左官職人がいれば、大工さんもいて。そういう人たちがいるんですよ。
ただ、みんなのモチベーションはこのマンションを完成させるというモノ作りを。
だから、みんなで1個のベクトルに向かってやろうという軸があれば、職種は正直あんまり関係がない。極端な話をすると、餅も一緒です。工程は違うし、道具も人数も違うけど、モノ作りをやってきてるという軸だけはずーっと一緒なんですよ。
だから牧場経営も、最後僕は競争馬の育成をしたいんですよ。自分でコントロールできない究極のクリエイティブだと思ってるんですよ。絵を描くって自分でコントロールできますよね。人もある程度マネジメントできるんですけど。
馬は言葉も交わせないなかで、世界一走れる馬に成長させるわけじゃないですか。あれは僕のなかで究極の美だと思ってて。「これってどうやったら育てられるんだろう?」みたいな。
田中:興味があるんだね。
呉:そうそう。だから、本当に去年ぐらいまで牧場見学に行ったりとか。
田中:そんなの社員が聞いてると、大丈夫なの?
呉:これは記事にされるとちょっと……。
田中:まずいよね。社員のモチベーションが下がっちゃうんじゃないですか? 「社長がこの会社売って牧場やる」みたいな。それがわかってて働き続ける社員みたいな。
呉:でも、西野さんの話はすごくわかりやすくて。やっぱり日本の方はほとんどこっちに寄っていて、「みんなと一緒が安心だ」みたいな。
でも、安心のなかでは何も生まれないので、突出していかないといけない。だから僕は30回転職してきてるんですけど、そこの業界で常にトップを目指してきて。なれなかったところもあるんですけど、基本は全部トップになって、やりたいことをやってきた。
(それで)今見つかったのが、クリエイターの育成という、今日本で一番足りない「人材育成」をテーマに会社をもう10年やってるんですけど。
西野:それはどっちなんですか? 転職されるときって、もうこれがやりたくて仕方なくて転職してるのか、時代の流れを見て「どうやらこれがくるぞ」みたいな。
呉:どっちもあります。見つからないときは、新聞の折込チラシを見て、「おもしろそうだな」と思ったらそこを受けて。それで中央市場とかやってましたからね。1日2000箱ぐらいのダンボールを(笑)。
西野:おもしろいですね。
呉:餅屋とか。掃除屋とか。
田中:いろんな経営者の方を応援してお話を聞くんだけど、呉さんのキャリアは異色中の異色で。ほぼいないね。今まで会ったことない。だから、「この先どうなるのかな?」みたいな。本当に牧場行っちゃうのかな(笑)。
呉:牧場はやります。
田中:行くよね。牧場やりながらだね、たぶんね。
西野:でも、30回転職されるって……。
田中:いないですよね。
西野:いないし。やっぱり、僕はすごく誠実だと思ってて。なんか「初志貫徹」みたいな言葉が美しいみたいになってるじゃないですか? でも僕はお客さん相手に娯楽を提供する側の人間なので。やっぱり15、16年もやってたら、漫才に興味がない時間帯もあるんですよ。
田中:わかる。
西野:そうなんですよ。漫才に興味がない時間帯ってあるでしょう、正直。
田中:慣れてきますよね。
西野:慣れてきて。そのときに、「漫才師やから」ということで、興味がないものをずっとお客さんに提供してるのってどうなんだって思って。
そのときに本当に一番興味があるもの、自分がもう「これ、おもろいで!」って言えるものをバシバシ提供できたほうが、本当はすごく正しいなと思っちゃうんです。
それがいつも、職業名がどうしたって邪魔をして、ブレーキを踏むきっかけになりがちなんですけれど。本当はぴょんぴょん越境していって、線もバンバン飛び越えていって、常におもしろいものを提供してる人のほうが誠実ですよね。
田中:いろんなところに行っちゃうと、さっきの不安じゃないですけど、やっぱりみんな、「リスクを背負うかな?」とか思っちゃうんかな。どうかな?
西野:あー。
呉:あんまり関係ないと思いますけどね。結局「集中力」ってさっき言ったんですけど、やりたくないことをやってるより、やりたいほうで集中力を伸ばしたほうが、結局だらだらやってる2年間より、キャリアチェンジして1年で吸収したほうが絶対伸びます。
西野:でも、なんかあるんですよ。日本人特有なのかな? わかんないけど。イチローとか格好いいじゃないですか。小学校のときから野球ずっとやってきて、そのままメジャー行ってるみたいな。それしかやってないみたいな。
田中:わかる、わかる。
西野:格好いいじゃないですか。格好いいし、受け手も整理しやすいじゃないですか。「あの人はプロ野球選手ね」という。
呉さんの場合は、たぶんやりまくってて、受け手もなんて形容していいかよくわからない。だからお化けみたいな感じになっちゃって怖いんですよね、たぶんね。僕もそっち側なんですけど。
だから、整理できない人からしたら、「何やってんだお前、浮気症だな」みたいな感じになっちゃうんですけど。僕も「呉さんは誠実ですね」って言いながら、結局は自分のことを言ってたんですけど。
田中:1つのことをやり続けて、まっとうしていくのがすごく素晴らしい文化だなって。だけど、会社は裏切るわけで。会社自体も潰れちゃう時代になってきてるわけだから。
だから、そんなふうに1つのことをやってる人は泣きを見るよね。まあ、それで成功する人もいるけども。そうじゃない人がいてもいいよね。
西野:本当ヤバいじゃないですか。今なんか職業名で区切っちゃうと、本当にロボットに仕事が持っていかれるから。本当にこの仕事は俺しかしたらダメって決めちゃったらけっこうヤバいと思いますよ。
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