LINE LIVE「キンコン西野逃走中!」の結末
西野亮廣氏(以下、西野):この間、LINE LIVEやったんですよ。
山口トンボ氏(以下、トンボ):LINE LIVE。その話しましたか? のぶみさんも。
絵本作家のぶみ氏(以下、のぶみ):僕ちょっと見て、めっちゃおもしろかったんですけど。ごめんなさい、素人の質問なんだけど、あれは本当に(懸賞金)払ったんですか?
トンボ:本当に払った。本当なんですよ、のぶみさん。
のぶみ:24万。
トンボ:はい。
のぶみ:詳しく見てない人に言うと、まず20万払ったんですよ。それが16歳の少年だったんですよ。
トンボ:要は、そのLINE LIVEというところで、西野さんが鬼ごっこをやるという企画をやったんですよね。
のぶみ:見てる人全員が鬼。
トンボ:そうです、そうです。
西野:僕が1人逃げて、見ている全員が鬼。LIVE LIVEって、いいねみたいなハートのマークがあって、1人何回でも押せるんですけど。僕を捕まえたときのいいねの数がそのまま懸賞金になるという。
だから捕まえた段階でいいねが10万個だったら、僕が10万円支払わなきゃいけないという。
のぶみ:でも、あの実験の番組感がすごかったけどね。だってあんなんぜんぜん守られてないじゃないですか、正直。
トンボ:そうですね。本当にね。
キンコン西野 VS 地元のヤンキー
のぶみ:申し訳ないんですけど、僕高校のときにあそこら辺でチーマーをやっておりまして……。
西野:そうですよね、あの辺ですよね。
のぶみ:だから僕は、あれあそこの国道だ、あの店も知ってるしと思って。あそこら辺ってヤバいような気がするんだけど。輩とか集まってくる。
西野:いや、輩って何かいましたけどね。
のぶみ:今でも原付を何かちょっと改造したりして、悪いやついますからね。
西野:まあ、最初に僕を捕まえた子はそうじゃなかったですけど、2組目はもう完全にそういうやつらでした。
トンボ:そうです、そうです。
西野:でも嫌なやつじゃないですけどね。何かおちょけるみたいで。
のぶみ:僕、おちょけてるやつらの西野さんの対応がすごいなと思ってて。「イエーイ」って言って、画面のほうに来ようとしたんですね。そしたら西野さんが口を押さえてぐっとやったんですよ。その止め方すげーと思って。
トンボ:本当に上手です。
のぶみ:俺、どうすればいいかわからんぞと思って。
西野:ちょっとどうしてたかぜんぜん覚えてない。
のぶみ:いや、なんか口を押さえたんですよ。すげえなと思って。それでカメラマンさんも移動して、それでもそいつが来るんですよ。コメントを見て、「俺らのことディスってんじゃんって言って。「おい、来い来い」みたいなやつをこうやってまた口を押さえて。「あ、俺そうやって対応できないかもしれない」と思って。
トンボ:ヤンキーの扱い上手ですよ、西野さん。
のぶみ:あれなんで上手なんですか?
西野:なんだろ。でも、みんなあんなんじゃなかったですか? みんなあんな時代あったじゃないですか。
のぶみ:いや、そうだけど番組続けないといけないじゃないですか。それで、(コメント)見てたらその輩への批判がすごかったんですよ。「こいつらうぜー」みたいなことで、ガーッときてて。それに対して進行しないといけないじゃないですか。
西野:そうですよね。
のぶみ:いや、だからエライコッチャですよね。
西野:もう普通に殴ってましたしね(笑)。
のぶみ:殴ってた。
西野:「いや、お前ら」って言って、グーじゃないですよ。
のぶみ:傷害じゃないっていうことですね。
西野:グーじゃないですよ。「アホ!」って殴ってましたよ。でも、いいやつらでしたよぜんぜん。
のぶみ:そうやね。
トンボ:かわいらしかった。
西野:ちょっとトラブルで(カメラが)止まったときに話して、ワーワー言ったらお巡りさんが来ちゃって、もう進行できなくなるから、お前らちょっと黙っとけって言ったら、みんな黙ってくれたよね。
トンボ:そうです、そうです。本当にピュアな感じ。
のぶみ:コメントで、「だって信者の集まりだろ」って書いた人がいるんですけど、これはごめんなさい。信者の集まりじゃなかったんですよ。
僕もてっきり、LIVE LIVEで西野さん逃走中やったら、ファンの人が来るのかなと思ったの。ファンの人だったら対応できるじゃないですか。いや、ぜんぜん違ったから。
西野:地元のヤンキースやから。
のぶみ:フジテレビの番組で『逃走中』というのがあるんですけど。マトリックスみたいなやつがガーッて追ってくるやつとはもうぜんぜん違うね。
西野:いや怖かった、もう。
のぶみ:警察24時みたいな。
西野:原付で「西野!」って言って、こうやってくる。
のぶみ:すごかったよ。
トンボ:いちいち大きい声を出して、追っかけてくるという。
西野:そうそう。静かに迫りくるんじゃなくて。「ニシノーーッッ!!」て言って。
トンボ:「待てーっ!!」て。
企画のアイデアはオンラインサロン
のぶみ:あれってギャラ出たんてすか?
西野:いや、出てないんじゃない? どうしてんだろう、LIVE LIVEって。
トンボ:LIVE LIVEですか。
西野:微々たるもん出てんのかな。
トンボ:まあでも、微々たるもんじゃないですか。
のぶみ:ちょっと普通の人の頭で言うと、それはなんでやるんですか?
西野:そうなんですよ。
のぶみ:意味わかんないよね。なんでやるんだろう?
西野:そこなんですよ。だからLIVE LIVEのギャラ出てたとしても、僕はもう限りなくゼロ円に近いと思ってるんですけど。LIVE LIVEってまだ立ち上がったばっかりだから、限りなくゼロ円に近い。だから僕、がっつりマイナス23、24万ぐらいだと思うんですよ。
のぶみ:だって、例えばルミネ1回立ったらいくらぐらいもらえるんでしょうね?
西野:人にもよるでしょうけど、まあけっこうもらえると思いますね。
トンボ:けっこう大変ですよ。
西野:でもあれ、企画は僕じゃないんですよ。あれはスタッフさんなんですよ。「鬼ごっこしよう」と言い出したのと、「捕まえた時点のハートの数を懸賞金にしたら、みんなハート連打するんじゃない?」と言い出したのは、オンラインサロンのメンバーなんですよ。
それを聞いたときに、むっちゃおもしろい思って。明らかにドキドキするじゃないですか? こんなドキドキするものをもう人に渡したくないと思って。自分がやりたいと思うから、だから、マジで100万円くらいまでは覚悟してたんですよ。
のぶみ:そうなんだ。
西野:100万円ぐらいまではマジで覚悟してたんです。それ以降いったらちょっと言おうと思ったんですけど。でもそれぐらいおもしろいと思ったんですよ、あの企画が。
のぶみ:でも、ハートが24万くらいいったじゃないですか。あれってたぶん過去最高ですよね。
西野:どうなんでしょう。
トンボ:あのチャンネルでは最高かもしれないですね。
西野:早めに捕まったから良かったんです。18分くらいで捕まったから良かったんですけど。
トンボ:その翌日にLIVE LIVEがアップデートされて、ハートの連打機能が加わってたので。
のぶみ: 危ねえ。
トンボ:次の日だったらもう死んでましたね。
西野:あのときはまだハートの連打ができなかったから。ゆっくりしか。1回押したらちょっと待たないといけなかったんですけど、今はハートほんまに連打できるんですよ。だから、次あの企画やったら俺死にますよ、確実に。
のぶみ:番組の最後のところに、「もう一度やりますか?」というのを言ってたんですけど。
西野:こいつ(トンボ)でしょ。何言ってんねんと思ったんですよ。大丈夫かと思ったんですよ。
トンボ:悔しかったんですよ。
のぶみ:なにが悔しかったんですか?
トンボ:捕まったのが悔しかったんです。
西野:ブタ、お前、ちょっと待て。あれはマジで僕1人やったら絶対逃げれてたんですよ。スタッフの足が全員遅かった。しかも無駄に8人ぐらいて照明を煌々とたいてるわ、スマホをいじりながらボケーっとしてるやつもいるわ。
のぶみ:早々にはぐれましたもんね。けっこう大き目の人でしたよね、カメラマンさん。
西野:そうですよ。
トンボ:「あれはトンボが悪い」って書いてあります。
のぶみ:それ、謝ってください。なんなんだろうね。
「しばらくお待ちください」のワクワク感
西野:いやでも、終わってからみんなと話してたんですけど。それこそヤンキーが来ちゃう感じとか、ヤンキーがテレビで変なノリする感じとか、途中カメラも1回落ちているんですよ、本当トラブルで。「しばらくお待ちください」って出たんですよ。
あれ、もうこのご時世でなくないですか? 生放送とはいえ。テレビでないですよね。
のぶみ:僕、あれ(「しばらくお待ちください」)出ても見続けましたもんね。
西野:それみんなで言ってたんですよ。こっちは大急ぎで復旧作業に当たってたんですけど。でも、自分が視聴者だったら、「しばらくお待ちください」は結果が知りたいから、本当にこれ終わりで僕がはりつけにされてる、血だらけになっていろいろありまして……みたいに終わっているかもしれないじゃないですか。
のぶみ:その前の西野さんが、グワーってなってたんですよ。
トンボ:ちょうどね。
のぶみ:それで切れてるんですよ。
西野:そこで終わってるんですか。
のぶみ:だから、「えーっ!? 殴られた?」感が半端なかったんですよ。
西野:「刺された」ってコメントある。
のぶみ:そのコメントも出てたし、「どうなったんだ?」ってずっと出てたから。
西野:そうなんですよ。でもそれがすごいいいなあというのと。ドリフが停電になったときがあったじゃないですか? あのとき、生放送で懐中電灯でやってたじゃないですか。
懐中電灯でお届けしたら、もちろんそもそも用意していたクオリティはぐっと下がるじゃないですか。
だけども、視聴者の人はあっちのほうが楽しいんじゃないかと。つまり、生放送であんまり技術が上がりすぎていたら、結局生放送感はずいぶん薄れるなという話になって、あれぐらい雑な企画で、不良が入ってきて、あれぐらいのほうが実は生放送として活きているんじゃないかと。
のぶみ:でも単純になんですけど、西野さんが払い続けたら企画は絶対続かないですよね。
西野:いやどうなるんでしょう、あれ。難しいところですよね。
のぶみ:西野さんって無限にお金がある人なんですか?
西野:もちろんそんなことないんですけど。
トンボ:へこんでましたもんね、ちゃんとね。
西野:へこむよ。
のぶみ:へこむだろ、だって20万だぞ。
西野:あの日は盛り上がってたから、そのまま打ち上げ行って呑んで、わぁー、楽しかったみたいなのがあったんで。やっぱり2日後の朝とかに、ああ俺24万なくなったなって思って、やっぱり2日置いたらきますね。
のぶみ:それだったら、みんなにおごりたいくらいですよね。24万ね。
西野:そうそうそう。でも2回目ですよね。
のぶみ:あの(最初に捕まえた)タイチ君も、「ありがとうございます」みたいな感じで。
西野:おとなしい子だったんですよ。いい子が持ってったんですよね。
トンボ:いい子だった。
仕事の優先順位は「おもしろい」
のぶみ:貯金してやるって言ってたけど。でも僕ちょっと見てて思ってたのが、「なるほど、西野さんの優先順位というのがあるんだな」と。西野さんの優先順位は「おもしろい」なんですよ。
西野:はい、はい、はい。
のぶみ:だからギャラうんぬんって、普通に考えたら、芸能人だったら、まずそれをちゃんとしないとというのがあるんだけど、おもしろいが優先順位になってるから、ああいうのができるんでしょうね。
西野:僕、最近すごいわかったんですよ。もうおもしろいことしかしない。例えば芸人だったら、もう仕事を断っちゃいけないみたいな、仕事を選ぶなみたいのがあるんですよ。
のぶみ:ありますね。
西野:それが芸人の美学みたいな。
のぶみ:なんでもやるという。
西野:なんでもやるという。「なんやあいつ、仕事選んでるらしいで」みたいなことがあるんですけど逆で、もうおもしろいことしかしないというやつになっちゃったほうが。
のぶみ:そっか。そしたら、おもしろいことが思いついたら西野さんのところに行こうって。
西野:そうなんですよ。僕、完全に決めたんですよ。おもしろいことしかしないということを決めちゃってから、もうバンバン仕事断るんですね。そうしたときに、おもしろい話が増えました。
のぶみ:そうなんだ。
西野:「こんなおもしろいことをやろうと思うんですけど……」みたいに持ってきてくれて、去年あたりからガッと増えました。