CLOSE

人事のプロと話す、ほんとのところ(全1記事)

2016.04.22

Brand Topics

PR

リクルート人事が語る、視野を押し広げるキャリア観

提供:株式会社リクルートホールディングス

2016年3月19日、リクルートホールディングスが主催するキャリアイベント「REAL」が開催されました。社会人から学生まで、挑戦者を応援する本イベントでは、「修士・博士の自分の力は社会でどう活きる?」をテーマに、現場の最前線で働くデータ解析社員やエンジニアが参加者の質問や相談にとことん向き合います。個別ブースのパネルディスカッション「人事のプロと話す、ほんとのところ」に登壇した中村駿介氏と田村博司氏は、自身がリクルートグループで人事になるまでの意思決定や就活をきっかけにしたマインドチェンジの重要性を語りました。

人事のプロと話す、ほんとのところ

 中村駿介氏(以下、中村):中村駿介です。よろしくお願いします。新卒でリクルートに入って10年目になります。最初の6年半くらいは、分社化する前のリクルートという会社で、人事制度を作る仕事をやっていました。

そのあと、7年目の時に「自分の手で新しい組織を自分で立ち上げたい」と思い、ゼクシィやカーセンサーといったメディアや、今で言うとスタディサプリというオンライン学習サービスを提供しているリクルートマーケティングパートナーズという会社でネットのビジネス開発を行う組織の設立を提案しました。

当初は1人で始めたプロジェクトでしたが、2年半ほどの間で順調に人や組織が集まり、現在は300~400名ほどの組織になっているかと思います。

そして去年の4月に現在のホールディングス人事部に移って、グループ全体のIT組織の開発を推進するという仕事をやっています。ということで、リクルートのIT系の組織はどういう感じで、どんなふうに進化してきたかとか、活躍してる社員はこんな感じですよとか、そういった観点もお話できると思うので、聞きたいことがあれば気軽に聞いていただければと思います。 司会者:では続いて、「道のスペシャリスト」田村博司さん、お願いします。

田村博司氏(以下、田村):田村です。よろしくお願いします。僕は今9年目なので、3月でまるまる9年間リクルートで働いていることになります。なんで「道のスペシャリスト」という名前なのかという話も含めてなんですけど。

僕が大学4年生から修士2年生までの3年間やった研究が、交通工学という分野の研究で、修士論文でいうと、「どこに道路を作ればネットワークの強固さが上がるのか」ということをやるための、シミュレーションを回していくようなことをやっていました。

このあとのテーマともちょっと重なっちゃうんですけど、僕は「ドクターどう?」という話を先生からいただきながら、最終的にはリクルートに入る決断をしたのが約10年前になります。

そこからは、本当にたまたまなんですけど、人事の配属になって、そこからの8年半は新卒採用がメイン。そこにプラスして、人材の育成だったりとかをしていました。

それで、道路の研究から、人の人生の道をサポートする仕事に変わったというところで、「道のスペシャリスト」と自分で勝手につけたという意味で、この名前がついてます。

それまでずっと採用やってきていて、たぶん3000人ぐらいの人とは学生さんとお話させてもらっています。別にリクルートどうこうという話じゃなくて、せっかく来ていただいたので、「今後のキャリアでこういうことを悩んでいて……」というのをお話しできればいいかなと思っています。よろしくお願いします。

リクルートの人事になるまでの意思決定

司会者:ではさっそく、みなさんから事前にいただいた質問で多かったものを取り上げて進めていきたいと思います。まず第1弾、「田村さん、中村さんの今までのキャリアについて教えてください」ということです。

中村:キャリアの概要はさっきお伝えしましたが、修士や博士課程にいらっしゃるみなさんに向けてあえてポイントを立てるとしたら、僕は大学での勉強や就職先を決めることにおいて、専門的な知識の獲得や活用は意識的に考えないようにしていました。

僕は学部卒ですが、大学ではデザインを勉強していました。どうしてデザインを選んだかというと、自分は「モノを考える力」をコアなスキルとして価値を出せる人間になりたい、そして、それを高められるのがデザインという学問じゃないかと思ったからでした。

みなさんとは違って専門知識がまったくつかない大学生活だったんですよ。ゆえにそれを活かした就職というのもぜんぜん考えていなくて、人事になったのはたまたま配属されただけです。ただ、自分は自由な環境、いわゆる裁量のある職場じゃないとパフォーマンスが出ないというのは分かっていたので、自由だということを構造的に証明できる会社に行こうと思って……(笑)。

(一同笑)

みなさんは状況としては僕よりも田村に近いと思うんだけど、専門領域を極めていきたいという思いを持って研究を重ねてきたなかで、実は裏側で、そうではないメタな力というか、分析をするとか、構造的に考えるとか、問題の本質を見つけていくという力が養われているじゃないかと思っています。

なので、自分の持っている経験とか研究成果がどう活かせるかだけではなく、そういった力も自分の魅力と捉えて、どんなふうに社会や他者に価値を出していけるかを考えて、この先々の就活に取り組んでくれるようになってくれたらいいなと思います。

司会者:じゃあ田村さん、お願いします。

田村:僕もどうやって就職を決めたのかという話はしたんですけど、もうちょっと詳しくお話をすると、ドクターの声をかけてもらったのが修士1年の5月ぐらいだったんですね。

人によっては、夏ぐらいから就活モードに入っていったりするじゃないですか? まさにそうなる前に声をかけてもらったんですけど、「ちょっと考えさせてください」と言って。

もし今やっている道をそのまま続けていくんだったら、ドクターに行こうかなとは思っていたんですけど。国交省とか都道府県の交通課みたいなところしかやれる環境がないので。「研究のほうに行くんだったらドクターに行こう」と思ったのがそのときです。 最終的にリクルートを選んだ理由なんですけど、その時点で「この道で生きていくんだってことが決められない」と思ったのが1つ大きくて。

結局、「自分でなにか意思決定できる人になりたい」というのが、その当時のシンプルななりたい像で、その領域だったりには、とくにこだわりがなかった。

ただ、自分が「これあるといいな」とか、「これによって人が喜ぶな、世の中が良くなるな」と思うことに関わりたいという気持ちは強くて、そういうサービスをリクルートが持っていたんですね。

それともう1つ、「それで、お前はどうしたいの?」ということを投げかけられる環境で意思決定する機会が多ければ多いほど、意思決定をする力が身につくのは間違いないと思っていました。

「この両方が取れる場所はなかなかないな」と思って、最後はリクルートに決めました。

僕からキャリアでお伝えできることでいうと、僕は別に大したことを決めてるわけではないんですけど、「これで生きていく」ということは、「決められないことを決めること」だという。

要は、道路の研究をずっとしていくのは無理だということを、ちゃんと決めることだったり、その代わりに自分でキャリアを決めていくということを決めるとか。そういうことを自分の軸として持ちました。

なので、多少曖昧なものでもいいと思うので、自分のなかで「これはこだわりだな」と思うものを見つけられるといいんじゃないかなと思っていて、そういうものを考えるきっかけになればいいなと思います。

向いてる? 向いてない? 自分の道の見極め方

司会者:ありがとうございます。お二人からお話をしていただいたと思うんですけど、みなさんからなにか質問はありますか?

参加者:ちょっと個人的な話になっちゃうんですけど。自分は理系で研究をやって、論文とかを出して、ある程度できてるなと思うんです。自分はだいたいどこの役目とかに合わせて、そつなく生きられるという経験があって。

そうなったときに、この分野が本当に自分に向いてるかとか、得意なのかという決断があんまりできないんですよね。そのような決断を求められるときに、どういった情報をもとに決められましたか?

田村:僕も比較的、なにをやっても楽しめそうだなと思うし、なにをやってもそれなりにやれるだろうなという似たような感覚を持ってるんです(笑)。調子に乗るわけじゃないんですけど、だからこそ逆に、これに注ぎたいと思うものを見つけたいという欲求があって。

じゃあ、「交通工学っていう分野なのか?」って問うたときに、自分の経験からくる感情と向き合った結果、「ここだ」とは言えないから、まだ選ばないという、そんな決め方をしましたね。

ひょっとしたら、技術力を活かして仕事をしていくという道と、何かを実現するために技術をどう活用するかを考えて仕事をするという道があるとしたら、後者にモチベーションがあるかもしれないよね。

これまでを振り返ったときに、この研究のどこに喜びを感じるのかとか、過去にやってきたどういうことを自分が楽しいなと思えるかというところにヒントがあるかもなって思います。

ある研究分野を活用しながら、この技術をこういうふうに使えると自分はハッピーだと思えるかもしれないし、もしくは研究自体を探求することがハッピーだってなるかもしれないし。分野だけに視点を狭めて見ないほうが、キャリアの選択肢の幅が広がっていいんじゃないかなという気はします。

参加者:ありがとうございます。

これから必要なのは、グロースマインドセットへの切り替え

中村:でも、仮にそつなくなんでもできるというのも小さな才能だとすると、「自分には小さな才能があるかもな」と思ったら、危機感を感じたほうがいいかもしれないね。

その才能を「まあまあできる」という自信に変えてしまうと、本当に大きな才能は育たなくなってしまうというか。

田村:すごくわかる。この会社にいて一番いいなと思うことかもしれないですけど、やりたいことを持ってる人がすごくたくさんいるんですよ。「なんでそんなに思えんの!?」みたいな。

でも自分が器用貧乏だとそれがなかったり、弱かったりする。ただ、その環境に身を置くとすごく刺激があって、だからこそ自分は「ここをやりたいんだな」ということを意識するようになると、けっこう変わる部分はあって。それもリクルートにいる大きな理由の1つになってる気がしますね。

だから、そのマインドチェンジができるかどうか、就活でめっちゃ悩む人なのか、最初は悩んでたけど、途中で「なんかわかってきた」みたいな変化が大きなキーポイントになるかと思っています。

中村:みんなは社会に出て、有益な人間になりたいとか、収入もちゃんとほしいなとか、当然思うわけじゃないですか。そのときに、これから説明する2つの人間のタイプについて考えてみてほしいんです。

アメリカでニューロサイエンス、つまり脳科学が発達してきて、脳の活動がいろいろわかってきているみたいなんですが、それらの研究の中に、人間にはフィックスドマインドセットと言われるものとグロースマインドセットと言われるものがあるという理論があります。

フィックスドマインドセットというのは、「問題が発生したら、それは失敗だ」とか「問題が起こることを避けなければいけない」というような考え方や脳の反応のこと。

グロースマインドセットというのは、「失敗したら、それは成長のチャンスだ」と自然に思うとか、「失敗や障害が起こったら、より良くできるチャンスだ」と思う反応のこと。要は、前向きという話なんだけど、わからないことについての態度の違いとも言えると思います。

それで、この先々みんなも「これが正解!」と言える答えがない、ビジネスというものに携わっていくときに、どっちがより発展的に能力やキャリアを開発したり、新しい価値や成果をつくり出せたりするかというと、絶対にグロースマインドセットの持ち主だと思うんですよ。

そして就活が、多くの人にとってよく分からない未来について意思決定をする最初の経験になるんじゃないでしょうか。そのときに、フィックスドマインドセットとグロースマインドセットのどちらの態度で臨むのか。

就職する企業を選ぶという結果だけではなくて、選び方を通してどんな自身の在り方を選ぶのか、そういうおもしろい時期に立ってるということを自覚すると、就活の見方がちょっと変わるかもしれないですね。

大切なのは“質のいい自信”

参加者:お二人が就活のときは、どちらのマインドセットだったんですか?

中村:もちろん揺らぎはあるけど、俺はグロースマインドセットがすごく強かったと思う(笑)。

田村:僕もたぶんそうだろうな。なるようになるというのはあった。そのために必要なのは自信だったりするかなと思いますけどね。

中村:質のいい自信だよね。

田村:そう、質のいい自信がすごく大事。選考に落ちて、「自分はダメだ」みたいに捉えるんじゃなく、それはただ合わないというだけだし、落ち込むぐらいだったら、「落とす会社なんて見る目ないな!」ぐらいに思ったほうがまだ健全だと思います。

僕らは何人もいる候補者のなかから何人かを採用するということですけど、みなさんにとっては自分の人生だし、そこは自分を軸に考えたほうが絶対にいいと思います。

もちろん、それをやりすぎると過信になって、成長の機会を閉ざしちゃうから、相手に非があると思う一方で、自分側の非というか、伸ばせるポイントがどこにあるのかなというのはもちろん考えるべきだけど。

へこむぐらいだったら、自信を持つようにマインドを持っていったほうが絶対いいと思いますね。

司会者:ありがとうございました。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

株式会社リクルートホールディングス

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • サイバー攻撃者は海外拠点を“踏み台”にして本社に侵入する 「EDR」+「SOC」はセキュリティ対策の決定打

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!