金は星の爆発で生まれた

人間はさまざまなものに価値を見出してきました。例えば、コーンドッグやロシアのヒップホップポルカ、代数学のクラスで隣に座った女の子、ケンマックや雪花石膏、クリスタルの地下室など、いろいろあります。

これらのものは、一時的に心を満たしてくれますが、命を捧げるほどの価値はないでしょう。ですが、人間の金(きん)への執着心はほかものと違います。古代ではツタンカーメン、現代ではミスター・Tなどが、金への執着心がすごい人でした。

人間が金に惹きつけられる理由は、錆びにくく柔らかい素材であるために、加工してジュエリーにするのに最適で、その輝きが単純に美しいからでしょう。

地球上にあるすべての金は、星の爆発によって数十億年前に形成されたと考えられています。

星は莫大なパワーを持っているのですが、わかりやすく言うと高熱のオーブンのようなものです。そのなかで大きな原子の核を高熱で溶かして、混ぜ合わせ、より大きな原子を作ります。

2つの原子が組み合わさってより大きな原子となり、まったく異なる元素となる、このようなプロセスは「フュージョン」と 呼ばれます。

金ができるまで

金が形成されるまでを説明していきます。まず、全体が水素で構成された2つの星が組み合わさってヘリウムとなり、26番の鉄の原子ができるまで、どんどん元素を作っていきます。

星が鉄を作り始めたら、星はバラバラになり死んでいくのですが、このとき、あるしきい値を超えると、さらに大きな元素を生み出します。このときに産まれる元素が銅や亜鉛、そして金なのです。

これらの元素は超新星爆発によって宇宙に広がっていきます。そして、これらが一緒になって球体を作ります。それこそが地球なのです。

こうやって長い時間をかけて作られてきた金の小さな原子が、ジュエリーに加工され、T—ペインのグリルなどのアクセサリーになっているのです。

そのほか、プラチナやウラン、銅など、金とは異なるものもたくさん作られます。そのなかでも、本当にレアなものを探したければ、アスタチンについて調べてみるといいでしょう。

もしそれを手に入れたら、すぐにマーケットに持っていくことをおすすめします。なぜなら、数分後には放射性崩壊を起こし、まったく別のものに変わってしまうからです。