2016年注目のドローンビジネスは何?
航空法改正後のチャンス

ドローンの未来 #4/5

IVS 2015 Fall Kyoto
に開催

2015年12月7〜9日の3日間にかけて、インフィニティ・ベンチャーズLLP主催の「Infinity Ventures Summit 2015 Fall Kyoto」が開催されました。Session2A「ドローンの未来」に登壇したコロプラ・千葉功太郎氏、DJI JAPAN・呉韜氏、ORSO・坂本義親氏、ソラコム・玉川憲氏の4名によるパネルディスカッションでは、2015年12月10日の航空改正法の施行によるドローンビジネスについて、安全面と技術面の観点から将来の展望を語り合いました。

2016年注目のドローンビジネス

千葉功太郎氏(以下、千葉):ありがとうございます。残りの時間でパネルディスカッションにいきたいと思います。

呉さんからもお話があったように、小さい掌サイズのものから商業用まで、ドローンは本当に幅広く空を飛んでいます。

これからの日本でもそうですし、世界でもいろんなドローンのビジネスがあるんじゃないかなと思っているんですが、最初のお題で皆さんにお聞きしたいのが、この1年でビジネスになるドローンビジネスは何か。

とりあえず今日は(会場の)皆さんへのメッセージとして、なにかドローンでできそうなビジネスをネタとして感じていただいて、もしよければ自分の会社の中で着手していただきたいと思っています。

それに対して今、呉さんがお話ししたような法律的な問題。ちょうど今週の金曜日(2015年12月10日)に、新しい航空改正法が施行されます。

それによって事実上、日本人が住んでいる市街地はほぼ飛行不可能。夜も飛行不可能。遠くに飛ばすことも、目視外飛行は不可能というふうに大きく制定されるんですが。ビジネスにおいて、それがどんな課題になってくるかをお聞きしたいと思います。坂本さんから、いかがでしょう。

オペレーターの教育がビジネスの鍵

坂本義親氏(以下、坂本):僕は正直、飛ばしやすくなるかなと思ってます。いろんな事故や事件があって、僕らは空撮というか、ドローンで映像を撮りながらテストしてるんですけど、意外と警察に通報されたりということもありまして。

これからは届け出をきちんとした上で、これまで通りその土地の所有権を持たれている方にきちんとご連絡をさせていただいて許可を受けて、安全運行管理のマニュアルと、飛行データの提出をして、堂々と飛ばせるようになるので、撮影や飛行という点では飛ばしやすくなるかなと思っています。

千葉:なるほど。撮影以外ではこの1年、何が立ち上がりそうですか?

坂本:1年ですか? 難しいな。

千葉:すぐにできそうなもの。

坂本:やはりディスラプトと言われる、置き換えというところは、もしかしたらあるかもしれないですね。飛行機の代わりに、どこかに何かを届けるとか、物流もあるかもしれないですね。

千葉:ORSOさんでやった教育というのは、あれはビジネスなんですか?

坂本:そうです。ありがとうございます、普通に立ち上げてました。教育! 今、ドローン自体の裾野を広げるという活動でやっていまして、一般の方たちの認知というのももちろん重要なんですけど、いわゆるオペレーターの安全運行管理、あとは操縦テクニックというところをやっていきたいなと思っていまして、そこもビジネスとして継続できればなと思います。

千葉:なるほど。じゃあ、人が運転する技術的なところの裾野をとにかく広げて、オペレーターを増やすと。市場が大きくなるというお話ですか?

坂本:はい。

ドローンを使った農薬散布

千葉:呉さん、いかがでしょう。

呉韜氏(以下、呉):ちょっと長い名前なのですが、「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」というのものが霞ヶ関でスタートします。

その中に2つのキーワードがあります。1つは安全です。もう1つは技術の促進です。その2つは、たぶん来年のビジネスチャンスに一番つながると思います。

まず安全ですね。先ほどの(坂本さんの)お話の中でもあるように、いかに人を教育して正しく使わせるか、ということが1つのテーマになります。

もう1つは、IoTにつながるんですけど。どうやって機体を管理して、運用を監視できるかというのも非常に重要になりますので、安全という点でのビジネスチャンスの方向性かなと思います。

あとは技術の促進ですね。今ドローンは主に空撮用途で使われていますので、来年あたりから、まず農業をスタートします。

千葉:農業。

:農業ですね。弊社でも農業の専用機を発表したのが今月ですが、これまでの農業は1,000万円くらいの機体を購入して、毎年だいたい100万円の運用費で農薬散布をやらないといけなかったんです。

千葉:ヤマハさんが作る。

:こういうドローンは、実はこれから100万円単位で購入できて、農薬散布ができます。

もちろん種を散布することもできるし、圃場の生育状態を特殊なスペクトルカメラをつけることによって計測することもできるんですね。そうすると、農薬を重点的に撒くところはどこかというのもわかります。

千葉:最近よくニュースでよく観る、赤外線で生育の状態を調べたりとか。

:そうですね。さまざまなスペクトルカメラを使うことによって、得られる情報がさまざまなんですね。

千葉:それを例えば、AI制御で自動的に農薬の散布の量を自立的に変えたりとか。

:できるようになりますね、来年は。

千葉:来年?

:はい。実用化は可能ですね。そんなに難しい課題ではないです。より大きな話になっていくと、ドローンを使って地域のすべての農作物の生育状況を計測することによって、それで得られたビッグデータを使って、今年どれくらい値付けられるかというのが、事前にシミュレーションもできます。これはもともと衛星でやっていることですね。

先物取引でよくやられていることを、最近どんどんドローンに置き換えて、生育状況を計測して、先物取引の値段を決めていくと。

千葉:なるほど。

:アメリカでももうすでにやっていますので、来年はたぶん大きくなると思います。

千葉:なるほど。

:いろんな関連技術、関連分野がドローンによって変わっているのは実感していますね。

千葉:なるほど。わかりました。ありがとうございます。玉川さんは。

玉川憲氏(以下、玉川):1年というとけっこう難しいかなと思うんですけれども、法律も整備していきそうなので、そこからいろいろな動きが出てくるかなと思っています。ちょっと個人でおもしろい実験をやってみたので、紹介させてください。

「熱中小学校」というNPOがあって、山形の廃校を再生して社会人向けの教育をやっているんですね。実はIVPの小野(裕史)さんも体育教師で、実は私もこの熱中小学校の教頭をやっているんですけど、ドローンの実験とか、いろいろおもしろいことをやっています。

千葉:なるほど。ありがとうございます。

ドローンの自立飛行は実現するのか

千葉:では次に、「ドローンは人間が操作するのか、それとも完全自動運転になるのか」。これをお三方に聞きたいんですね。

この後、車の自動運転のセッションがありますが、個人的にたぶん地面を走るよりも空を飛んだほうが自動操縦が簡単なんじゃないかなと思っているんですけど。

まずは3年後、5年後ぐらいのタームで見たときに、人間は運転してるんですかね。何対何ぐらいなんでしょうかね? 呉さん、いかがでしょうか。

:これはたぶん、自動運転のレベルですね。なにもない空で自動で飛ばすのは、今でも可能なんです。本当に町の中で飛んで、荷物を運んで配達するまでやろうと思えば、たぶんそう簡単ではないですね。

ドローンは空中であって、車は二次元の空間でしか走れないので、逃げ道が少ないんですね。ドローンは空中、三次元の空間を使って、いろんなお互いの通信までできれば、ある程度自立飛行は可能です。ただ、密集地や建物の中で飛ばすための技術は、まだまだ開発が必要ですね。車でも実現していないので。

千葉:なるほど。

:そう簡単にはできないです。

千葉:ちょっと先くらい。

:ちょっと先ですね。ただ使い方によって、本当に向こうの島まで物を運ぼうと思うと、今すぐでもできますね。

千葉:なるほど。坂本さんいかがでしょう。

坂本:今、管理リスクアセスメントというところで授業をさせていただいている中で、結論はどこで管理して、リスクを軽減していくか、どういう方法で対策をするかというところで考えると、僕は両方持ってたほうがいいなと。

千葉:なるほど。

坂本:自動運転もしながら、かつ何かの事象が起こったときに、いかなる場合でも人間がきちんと操作するというところは、ダブルで冗長化していきたい。それがいいなと思っています。

千葉:なるほど。玉川さん、どう思われますか?

玉川:そうですね。基本的に適材適所だと思っていて、郊外のなにもないところで飛ぶのは、自動運転はできると思うんですけど。

ちょっと違う視点で言うと、最近Facebooさんはドローンを空に張り巡らせて、通信ネットワークを作ろうとしていますよね(笑)。

千葉:1回上がると半年くらい浮いているものですよね。

玉川:そうですね。あれは完全に自動操縦で、宙に浮いているだけなわけですよね。でも、その人たちがメッシュネットワークを引いて、通信をやるというようなところをやるので、そのレベルになると、それってもう自動運転なんじゃないかなと思います。

ドローンにSIMが搭載されたらどうなる?

千葉:そうですね。玉川さんにさらに聞きたかったのは、SIMプラスドローン。現在の法律ではNG。

玉川:そうですね。

千葉:だけど、もし法律が緩和されて、ドローンにSIMが搭載されたとすると何が起きますかね。

玉川:これはけっこうおもしろいんですよね。ドローンは今、操縦者がいる2キロ範囲でしか動かせないという制限があるわけですよ。

千葉:はい。

玉川:それでモバイル通信のいいところが、ハンズオーバーという仕組みを持っていて、基地局から基地局へ自動的に移っていけるんですね。

千葉:はい。

玉川:そうすると、ドローンの制約はないわけですよ。バッテリーだけが制約になるので。バッテリーも間接充電みたいな仕組みを持っているので。

千葉:アメリカ軍の空中給油みたいな感じですかね。

玉川:そうですね。

千葉:ドローンが飛んで来て、バッテリーをバッと入れ替えてくれるんですかね。

玉川:そのときにドローンの可能性が解き放たれるのかなと思っています。

千葉:今ドローンって、商用ふくめて何分くらい飛べるんですか?

:ドローンの種類にもよるんですけど、DJIの製品だったらだいたい30分くらいですね。ガソリンを使うと3時間くらいはできると思います。

千葉:なるほど。そうすると玉川さんの野望が。

玉川:そうですね。ある意味ずっと飛んでいくような。ドローンの通信ネットワークは空にできていて、だいぶ高い位置のドローンですね。その下をドローンが飛んでいくとなると、もう国境がないですよね。

海を越えて渡すようなドローンというのも可能になるのかなと。そうすると、完全自立制御と、ある程度通信を使った遠隔制御と、両方使えるんですよね。そうするともっと……。

千葉:安全に。

玉川:適材適所に安全に利用範囲が広がるかなと。

千葉:さっき坂本さんがおっしゃっていた、人間と自立制御の合いの子みたいなのを、ソラコムみたいな通信を使って、ネットワークからしっかりとサポートして基本的には自立、AIでも飛んでるみたいな感じですかね。

玉川:そうですね。

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