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第14回:実践的なペルソナの活用法とは?WEBマーケティングの観点で(全1記事)

マーケティングで使えるペルソナって何? 作成・運用の3つのポイント

マーケティング活動の際に使う「ペルソナ」。言葉自体はほとんどの人が聞いたことがあると思いますが、具体的に使用したことがなく、使ってみたいと思うけれど、どこから手を付けていいのかわからない、という方もいるのではないでしょうか。今回、ラウンドナップ・コンサルティング代表の中山陽平氏が解説するのは、ペルソナ活用・運用の最初の一歩。初めての人が陥りがちな失敗なども含めて、わかりやすく解説します。

ペルソナとは何か?

中山陽平氏:皆さん、こんにちは。ラウンドナップコンサルティングの中山です。

今回のノンスペシャリストのためのWEBマーケティングPodcastは「ペルソナ」ですね。ペルソナについて少し、実践的にどう使うかというところをお話できればと思います。

ペルソナというものは、たぶん一度は皆さん聞いたことがあるんじゃないかなと思うんですよね。おおざっぱに言えば、自分たちが売りたい「お客さん」を具現化したもの、というのが一般的ではないかなと思います。

このペルソナというものは、これからも非常に大事ですよ、という話をしていくんですけれども。全然設定したことがない、考えたことがないという場合には、ぜひ設定することをオススメします。きちんと決めることによって様々に良いことがあります。

今回はまず大きく3つですね。

1つ目は、何でペルソナというものが必要なのか、ということ。

それから、じゃあ、そういうペルソナはどういうふうに作っていって、そしてどうやって運用をしていかなければいけないのか。運用ってすごい大事なんですね。ペルソナは作りっぱなしだとすぐに枯れてしまいます。

それから、それをどう活かしていくのか。この3点をお伝えできればと思います。

ただ、先に前提として注意点なんですけれども。このペルソナもそうですし、それからコミュケーションデザインとか、そういう人間が関わってくるような手法、こういうものは人によって全然やり方が違います。

それは出自の問題もあります。例えば「ユーザビリティ」とかそういうところから入ってきた人が語っているコミュニケーションと、いわゆる「広告」とかから来た方が語っているコミュニケーション。

また、それとは別に、ネイティブに「Webのマーケティング」のところから入ってきた方にとってのコニュニケーション。それらで全然考え方が違うんですね。

考え方が違うこと自体は全然、良いことと言いますか、当然のことなので。ある特定の、1つの答えがあるというふうに思わないほうがいいです。たくさんの流派があると。その中で自分の事業にプラスになるようなかたちで使っていければいいと。それぐらいの気持ちで捉えてもらえればと思います。

決まったこういう概念がある、ペルソナというのはこういうふうに決めるんだ、みたいには考えなくていいです。それを考えてしまうと、定義にがんじがらめになって、結局何も生み出さないということになっちゃいますので。そこだけまずご注意ください。

ペルソナ作成の目的は「一貫性」

では、ちょっと前口上が長くなりましたけれども、ペルソナの話です。

何でペルソナが必要なのか、というのは結論から言ってしまうと、マーケティングの一貫性を保つためです。マーケティングというのは、一貫性を保たないと全然うまく回らないんですね。

一番わかりやすい例でいえば、マーケティングのターゲットが、おじいちゃん・おばあちゃんというあまり視力の良くない人だったという時。皆さんが「自分のターゲットはおじいちゃん・おばあちゃんだ」と。

「目があまり良くない。字を読むことがちょっとしんどくなっている」ということを共通認識として持っていれば、例えば送るメールマガジンがHTMLメールだったとしたら、フォントサイズを18ptとか大きくしますよね。それから、コントラストもかなりキツメにしますよね。

Webサイトなどもそうだと思うんですけれども、Webサイトも字を大きめにして、おじいちゃん・おばあちゃんが使い慣れているような言葉遣いとか、そういったものを使っていくと思います。

マーケティングの一貫性が取れていない、つまりお客さんに対しての意識が統一されていないとどういうふうになるかというと、例えば、すごく文字サイズが小さかったり、顔文字をたくさんつけたようなメールを送ってしまったり。

あるいは、画数が多くてごちゃごちゃっとした漢字を多く使ってしまったり。それから、書き出しの枕の文章が若い人向けの文章になってしまっていたり。最近の若い人向けのニュースとか。そういったことが起きてしまう。

それは、いわゆるマーケティングの一貫性が取れていない状態だからです。

マーケティングの一貫性というのはどうやって取るかというと、これはひたすらに意識合わせをするしかないんですね。

自分たちがものを売っている相手、お客さんはどういう人なのか、と。その人たちは、どういうことに困っていてあなたのサイトを見ていて、どういう年齢・性別とか。性別にも偏りがあるかもしれませんね。どういう暮らしをしているのか。

そういうことをきっちり全員で同じイメージを持っておくことで、その人たちに対してマーケティングしようね、いろんなことしようね、というふうに考えることで一貫性が取れるんですね。そうすると、先ほどのようなミスがなくなると。

これが、ペルソナの設定する上で一番大事なことだと私は思ってます。

もちろんペルソナそのものを精緻に細かく作っていくということも大事なんですけれども。というよりは、ペルソナというのはただの手段であって、目的としては、ペルソナを作ることによってマーケティングの一貫性をきちんと全員保つ。この目的のためにペルソナという手段・道具・ツール・やり方を使うんだよ、というふうに考えて見てください。

なので、一旦マーケティングに関わるチーム、それからセールスフロー全体、普通のB2Cの商売であれば販売の現場というところから、それからその商品を実際作っている現場、それからアフターサポート。それぞれの中でお客さんに対するイメージというものが合ってるかどうかというのをちゃんと確認したほうがいいです。

どれが正しいのかというのは、また決めていかなければいけないんですけれども、統一することが大事です。「あの人たちはこう思ってる。私たちはこう思ってる」というふうにバラけていては駄目です。統一することが大事です。

必ずリアルの人間をベースに作る

ここからは、じゃあ、その「統一するペルソナ」というのはどうやって作っていけばいいのか、ということになりますよね。ペルソナって作るのが大変ってよく言われます。それは「決められない」「いろんな人がいる」「人によって意見が違う」、いろいろありますけれども。

ペルソナに関してはどうやって作るかというと、結構確かに難しいんですよ。なので、押さえていただきたい点というのが3つあります。これを押さえていれば段々、すぐに一発でいいものができるかというと難しいかもしれませんけれども、いずれいいものになります。そのペルソナを作成する際の3つのポイントというのを今からお伝えします。

その3つのポイントというのは、1つ目は「必ずリアルの人間を基準・ベースにして作る」。2点目は「絶対にブラッシュアップする。賞味期限を付ける」。3つ目が「妄想で終わらせない」ですね。

1個目なんですけれども、必ずリアルから作ってください。なので、最初のペルソナというのは、私が例えばお客さんに「ペルソナ作ってくださいね」っていう場合には大体こういう質問をします。

どういう質問かというと、「最近、あなたの商品・サービスを購入したお客さんの中で一番喜んでくれた人を想像してください。具体的に」というふうに聞いたりします。

そうすると、スタートアップの人は除きますよ、もちろん。でも、商売やってる人だったら「う〜ん、まあ、最近だったら◯◯さんという人が本当に喜んでくれてね」と。

「その人ってどんな人なんですか?」と聞くんですね。そうすると「あの人はこういうことをやってね。こういう業界でこういう人でね。こういう趣味を持ってたりするんだけども」みたいなことを聞いていくと。

「やっぱり、お客さんのサービスを使う人ってそういう感じ人が多いんですか?」という質問をした時に、「ああ、そうだね。そういう人ってやっぱり多いよね」みたいな話になってきたら、まず一旦それで決めちゃうんですね。

というふうにリアルから出発することをオススメします。

これ、失敗しがちなのが、一番最後の「妄想で終わらせない」というところにダイレクトに繋がっていくんですけども。なんだか皆さんが自分の想像の中で「こういう人なんじゃないの?」みたいなものを勝手に設定して、それっぽいペルソナを作る。これが結構あるんですね。

まるで物語のキャラを作っているように、「ペルソナってあれでしょ?」っていう形で、「『こんな感じで、こういう人たちがたぶん買ってるんじゃないの?』みたいなものを作ればいいんじゃないの?」みたいにですね、本当に妄想でキャラ作りをしてしまう。これが一番失敗するパターンです。

それを避けるためにどうしたらいいかというと、リアルから出発する、なんですね。なので、絶対にリアルから出発することを忘れない。本当にいる実際の人間からスタートする。そのネタ元というのも実際の人間から得る。まあ、お客様ですね。ということを必ず押さえてみて下さい。それだけで全然精度が変わってきます。

定期的なブラッシュアップを行なう

じゃあ、このペルソナ作りましたと。1回で本当に良いペルソナができるかといったら、まずできないですね、余程運がよくない限り。偶然ですね、本当。絶対にブラッシュアップという作業が必要です。

ブラッシュアップというのはどういうことかというと、実際にこういうペルソナの人に売るという前提で、いろんなマーケティングのメッセージとかデザインとか、それからコンテンツを作っていく。

そうすると、どこかで「あれ、何かおかしいな?」というのが出てくるはずなんです。それはだいたいペルソナがちょっとずれている。

実は、こういう年代だと思ったけれどもこういう年代かもしれない、とか。休日にはこういうふうなことしてる人だと思ってたけれども意外と仕事してるね、とか。いろいろな仮説が出てきます。その齟齬の部分から、それをどんどんブラッシュアップさせてあげてください。

じゃあ、ブラッシュアップするとき、漠然と「ブラッシュアップしてくださいね」と言っても、なかなかしてくれないので、オススメは、これブログの記事でも書いたんですけれども、今あるペルソナを見直す期間というのを決めておくんですね。つまりこれ、私は「賞味期限」といってます。

今決めたペルソナの賞味期限は1ヶ月です、と。1ヶ月後にはもう一度見なおして、再度新しいペルソナにしてあげてください。新しいペルソナというのは、もちろん一から全然違うものを作れということではなくて。もう1回考え直して、より現実に近いもの、よりベターなものに変えていってくださいってことです。

これはもう仕組みとして、マーケティングの施策の一部としてスケジューリングしたほうがいいです。

1ヶ月に1回「ペルソナ再考ミーティング」みたいなものを必ず行なって。その中で、「ペルソナをこういうふうにしてるけれども、こういうのが違うような気がするんだよね」というものを各自持ち寄って。

で、「実はこういうものなのかもしれない」と。あるいは、「季節柄こうなっているのかもしれないから、今はこういうのをやっていこう」とか。そういうことをする場を作ることをオススメします。

妄想だけでなく、実戦的に使ってみること

ということで、まずリアルから作る。妄想を入れない。こういうブラッシュアップの仕組み、賞味期限というものを設定する。これをやっていくと、だいたい3ヶ月、それから半年ぐらい先では、何か生々しいものができてきます。

そういうものを基にマーケティングの様々なこと、いわゆるマーケティング・ミックスですね、ということを行なっていくと、前より反応は確実に上がっていくはずです。

彼らが喜びそうなビジュアル・文章・キャッチコピー・広告文、何でもそうですけれども、彼らが反応しそうなものをどんどん使っていく。その世代が見てみるもの、好んでいる雑誌とか、それから好きなものをどんどん取り入れていくことによって、彼らのことをもっと知っていく。こういうことができるようになっていきますので、どんどん反応はよくなっていくはずです。

ぜひペルソナというのは妄想するわけではなく、こういうふうに実践的に使ってみてください。そうすることによって、ペルソナはやっと命を与えられて、新たなマーケティングにプラスの効果を持つようになります。ぜひこういった形でペルソナというものを作って、運用して活かしていってみてください。

これは本当に絶対にやっていただきたいことなので、よろしくお願いいたします。今すぐにでも次のミーティングの予定を立てていただければと思います。うちもコンサルやる場合に、ペルソナがない場合にはこの辺から作っていきますね。

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