日本で一番最初にiPhoneの電子書籍漫画を出した人物

小林琢磨氏(以下、小林):みなさま、こんにちは!

(一同拍手)

小林:バルクオムプレゼンツ「漫画経営塾〜東京ピストルの巻〜」ということで、今日は、東京ピストルの草彅社長にゲスト登壇していただきまして、主に何の漫画かは、まだ言えないんですけど。漫画の話をしていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。

草彅洋平氏(以下、草彅):イェイ!

(一同拍手)

小林:では、簡単に自己紹介をさせていただきたいと思います。私、漫画サロントリガーのオーナーの小林琢磨と言います。よろしくお願いいたします。

(一同拍手)

野口卓也氏(以下、野口):今、漫画とぜんぜん関係ない仕事なんですけど、化粧品のメーカーで、男性用化粧品のBULK HOMME(バルクオム)というブランドを経営しております。野口と申します。もともと、バルクオムを始める前に、日本で最初にiPhoneで電子書籍の漫画を出したのが僕です。

草彅:え!? そうなんだ〜。

野口:2008年にiPhone 3GSが出たときに、mixiで一般の漫画家さんを集めて、これを100円とか300円とかのアプリでポンポン出してくというのをやったところ……。

小林:早すぎたやつですよね。

野口:一瞬で潰れてしまって(笑)。

小林:早すぎたやつです! 時代を先取りしすぎてしまったという。

野口:倒産した次の月にiPad発売みたいな感じで、徐々に盛り上がっていったんですよね。

草彅:時代にいつも早い印象が。

野口:そうなんです。夜も早い……。あ、ちょっと……(笑)。

草彅:誰も聞いてなかったのに(笑)。

野口:(笑)。野口卓也です。よろしくお願いします。

(一同拍手)

サブカル界のイチロー?

草彅:僕は、東京ピストルというクリエイティブの会社をやっていまして、基本はサブカル全般、あと文学。どんなところでも僕はしゃべれるということで、「サブカル界のイチロー」という感じで。

野口:おぉ〜。

小林:トーク界のイチローですね!

野口:自分で言えるのがすごいですね。

草彅:そうそう、とりあえず1塁か2塁には出塁するというのが、僕のモットーなので。

小林:3割超えるって感じですね。

草薙:どんな話題でも。でもスポーツはぜんぜん苦手です。その話題だけは避けていただいて(笑)。よろしくお願いします。

(一同拍手)

小林:そんな感じで、この3人で行っていきたいと思っているんですけれども。今日は、パネルディスカッション形式で、漫画と経営について話していきたいと思っています。

この3人の共通点としては、3人とも経営者ということがありまして。漫画と経営って、実は密接な関係があると。日頃から、大切なことはすべて漫画から教わったと言っているんですけど。経営者って、漫画好きの人がすごく多いんですよ。というところで、「経営と漫画」というのをテーマに話していきたいと思っています。

草彅:僕は、本のほうが好きですけどね。

野口:すでに、雲行きが怪しいですね。

小林:さっき言ったのと違うじゃないですか!(笑)。打ち合わせと流れが違うじゃないですか!

野口:餃子食ってて、聞いてない(笑)。

草彅:ごめん(笑)。僕は本が本筋なんですよ。文学が本筋だけど、漫画もやっぱ好きだという。両方だと思うんですよね。

9つのキーワードを軸に話します

小林:やっぱり経営者は、漫画と文学、2つに影響を受けているということで。今日は、そのなかの「漫画」について話したいなと。一応、9つのキーワードを用意してまして、こちらです!

一同:おぉ〜! すごい!

小林:9つのキーワードが、デザイン・ジャンプ……ジャンプと言えば、なにかわかると思いますけど。人間関係・センス・お金・ギャンブル・意思決定……社長は意思決定大事ですからね。チームワーク・名言。

というかたちで、この9つをテーマにして話していきたいと思います。順番に1つずつ選んで話していこうと思っているんですけど。その3つが終わったあと、4つ目は、今日会場に来ていただいているお客さんに選んでいただこうかなと思っています。5つ目は、この動画を見ている視聴者さんに決めていただきたいなと思っております。

野口:コメントでいただければ。

小林:コメントがない場合、スルーになっちゃいますので、コメントよろしくお願いします。

野口:お店にいる方は、経験人数の少ない方から、順番に選んでいただいて(笑)。

(会場笑)

草彅:なんでそんなエロい話になってるのか、よくわからないですけどね(笑)。

小林:そんなかたちで進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。では、画面戻していただいて。

一発目のテーマは、このイベントのホストである、野口社長に決めていただくので。お願いします。

『ヒナまつり』の設定にはあやかりたい

野口:今回、経営者、起業家みたいなテーマではあるんですけど。ほかにも男女関係なく、ビジネスマンでも普通に暮らしている方でも、誰にでも当てはまるテーマがあるなと思っていて。普遍的なテーマが、3番の「人間関係」のところだと思うんですけど。

小林・草彅:あぁ〜。

野口:みなさん同じように、人間関係で悩んだことないという人は、今までお会いしたことがないので。掘り下げて話していけたらおもしろいかなと。

小林:なるほど。たしかにそうですね。

野口:では、小林社長から順番に……。

小林:僕からですか!? 草彅社長じゃなくて。

草彅:人間関係で漫画についてしゃべればいいんですか?

野口:人間関係と聞いて、パッと思いついた漫画について。

草彅:すっげぇムズイですね、これ。事前に教えてほしいくらいな。

野口:そうですね(笑)。

草彅:人間関係で漫画ってなんなんだろうな〜。今、僕が一番好きな漫画が『ゴールデンカムイ』なんですけど。

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

小林:『ゴールデンカムイ』!

草彅:『ゴールデンカムイ』、すごい追ってるんですけど。『ゴールデンカムイ』もいいけど、もう一個むっちゃ好きな漫画があって。

『ヒナまつり』って漫画が好きなんですよね。ヒナまつり、めちゃくちゃいい。

ヒナまつり

小林:あ〜、『ヒナまつり』ですか。ヤクザとサイキッカーの女の子の漫画なんですよね。

草彅:そうです。そうです。すごく清潔好きで、料理もできるヤクザがいるんですけど、その人のところに、いきなりサイキック少女みたいなのが現れて、ヤクザが養わなくちゃいけないみたいな。むちゃくちゃな境遇なんですよ(笑)。

小林:そうそうそう。

草彅:なぜその子が現れたかもよくわかんなくて、漫画のなかでは、まだ現れてないんですけど。いろんなサイキック少女が現れてくるんですよ。

野口:まだ、連載中の作品?

草彅:連載中です。7巻まであるのかな。

小林:トリガーにも置いてあるとは思いますけど。

草彅:僕めっちゃくちゃ好きなんですけど、あの人間関係はすごく好きですね〜。なんて言うのかな。瞳(ひとみ)ちゃんという女の子がいて、中学生なんですけど、なぜかバーテンダーのバイトをすることになって、すげぇうまいカクテル作れちゃうんですよ(笑)。

小林:未成年ですけどね(笑)。

草彅:ハンパないカクテル作って、先生とか飲みに来て、「瞳ちゃんのカクテル最高だ」とか言って。

小林:先生が生徒のカクテル飲んだらやばいですよね(笑)。

草彅:瞳ちゃんはバレないように、「ヤバい!」みたいな感じで変顔したりとかして。

野口:瞳ちゃんが作ったというのはわかってないんですね。

草彅:わかんないんですよ。店のオーナーも、ルーズな女性経営者だから、瞳ちゃんに任して、瞳ちゃんは「なんで私がこんなことやらなくちゃならないんだ」みたいな感じになってくんですけど。

最近、OLにもなって、お金もガッツリ稼ぐようになって、高級マンションに住んで、みたいな。瞳ちゃんのスピンオフ漫画みたいのがすごくおもしろいんですよ。僕、ああいうのが今、すごく好きですね。最近の好きな漫画ですね。

小林:人間関係では、そういったところも。

草彅:『ヒナまつり』みたいな、あやかり方をしたいですけどね(笑)。

小林:そういうあやかり方をしたいと。

草彅:したいだけですけどね(笑)。

野口:ラッキー関係。

経済学は『こち亀』から学んだ

草彅:最近のなかだとそうなんですけどね。僕、今日は『こち亀』の話をしに来ようと思ってまして。

こちら葛飾区亀有公園前派出所 1 (ジャンプコミックス)

野口:言っちゃいましたね(笑)。脈絡なくきちゃいましたね。

草彅:脈絡なく言うんですけど。

野口:たしかに人間関係といったら『こち亀』ですよね。これを差し置いてない。

小林:まぁ、『こち亀』ですよね。

草彅:そもそも、僕、今日、経済について漫画で話してくれと言われたときに、真っ先に思い浮かんだのが『こち亀』で。『こち亀』の影響がハンパないんですよ。今の会社を『こち亀』の影響下で作ったと言っても過言ではない!

小林:マジすか!

野口:そこまでですか。

草彅:同じことを言ってる人がもう1人いて、ユーグレナの出雲社長なんですよ。

小林・野口:へー!

草彅:ユーグレナの出雲社長は、『こち亀』と『ドラゴンボール』であの会社を作ったんです。もう明言してるんです。『AERA』のなかのインタビューで言ってて、どういうことかと言うと、「実行力」だと。

小林:実行力は大事ですよね。

草彅:何巻だっけな。ザリガニを釣りまくって儲かる話があるんですよ。それが。これですね。出雲さんが言っているのは、まずコミックの85巻が好きだと。絵本コンクールに挑んで……。

野口:ちなみにそこのシーンは今回は資料としては……。

草彅:ないですね。出雲さんが言っているのも僕はすごくわかって、『こち亀』の話したいなーと思って。でも人間関係では、考えてなかったですね。

小林:人間関係と『こち亀』はなかなか難しいところ?

草彅:そうですね、お金の話をするときに、僕はその話をしたいなと思うんですけどね。せっかくですし。いつか新書出したいと思ってるんですよ。『こち亀の経済学』って本はないんですよ。

小林:いいですね! 『こち亀の経済学』。

草彅:これは誰か書くべきだと思っていて、僕はすごく書きたいジャンルなんですよね。

小林:『スラムダンクの勝利学』なんかありますもんね。

スラムダンク勝利学

野口:あ〜。

草彅:あるんですか。集英社新書から出したらいいですよ。ぜったい。

やっぱり『こち亀』

小林:ちなみに野口さんは人間関係というと、なにか漫画ありますか?

野口:人間関係で言ったら、すごいいろんな漫画があると思うんですけど、やっぱ『こち亀』……。

小林:やっぱ『こち亀』!(笑)。

草彅:戸塚とね。

小林:今は亡き、戸塚。戸塚って、こち亀の初期にはよく出てた、顔に傷があるちょっとヤクザっぽい警官なんですよ。

野口:60、70巻くらいまで出てましたかね。

草彅:たまに思い出したように出てくる感じですかね。

野口:あまりにも、いわゆるその道の人みたいなルックスのため排除されたっぽいキャラみたいな。

草彅:ここ(顔)に傷が入ってますからね。

小林:今はあんまり出ない。擬宝珠兄妹でしたっけ? 擬宝珠が出始めたちょっと前くらいから出なくなっちゃったんですけどね。

草彅:そうですね。墨入ってますからね(笑)。

小林:警官なのに墨入ってますからね。人間関係はそんなところですかね。

小林オーナーおすすめは『懲役339年』

草彅:小林さん、最近のおすすめはないんですか?

小林:僕、最近のおすすめだと、『懲役339年』という漫画が好きだったんですけど。

懲役339年(1) (少年サンデーコミックス)

野口:この間あれですよね、HONZで『懲役339年』のレビューを書かれて、何百冊か売りましたよね。

小林:110……。

スタッフ:うしろにありますよ。

小林:これですね。(本を見せながら)『懲役339年』という漫画。僕、今イチオシなんですけど、この間レビューを書いて、アマゾンだけで112冊かな。けっこう売れてるほうでして、たぶん足立区より売ってると思います。

野口:あはは(笑)。

小林:足立区の全書店より、僕のほうが『懲役339年』を売ってると思います。足立区と品川区、かかってこいよくらい。

野口:渋谷区はちょっとすみません、今回は呼んでないです、みたいな(笑)。

小林:渋谷区とか、港区、目黒区はちょっとわかんないですけど。世田谷も(笑)。足立区は勝ったんじゃないかな。

草彅:(本棚を見ながら)『ヒナまつり』とかないんですか?

小林:『ヒナまつり』はここの棚じゃないですけど、どこかにあると。

タラレバは日本のSATC

人間関係でいうと、『タラレバ娘』とかいいかもしれないですね。

東京タラレバ娘(1) (Kissコミックス)

草彅:『タラレバ』いいですよね〜。

野口:『タラレバ』の話を深めちゃうと、ケンカになっちゃうかもしれないですね。

小林:そうそう。あと、勧めづらいんですよ。すごくおもしろくて、特に女性に読んでもらいたいんですけど、女性に読ませたあとのダメージ深刻なんで、読ませづらいんですけど。

草彅:僕もけっこう近いダメージくらいますけどね。『タラレバ』読んで。

小林:男もダメージくらいますね。でも、あれの「第4出動」とかやりたいなと思って。友達とかと飲んでるときに、「第1出動」「第4出動」とかいうのをやりたいなと思ったりしますね。

草彅:日本の『セックス・アンド・ザ・シティ』みたいな感じですもんね。

小林:近いです。近いです。リアルですしね。本当におもしろいなと思ってます。あとは、やっぱり『こち亀』ですかね。

草彅:あー! 素晴らしいですね。

野口:『こち亀』すごいですよね。

草彅:ありがとうございます。『こち亀』の話、ちょっと深堀りしていきましょうか。

お金に悩むと『こち亀』に行き着く

小林:では、人間関係の次のテーマにいきまして。そのなかの?

草彅:「お金」でいきましょうか。

野口:意外! 意外性高!

小林:まさかの!

草彅:やっぱ金っすよ。世の中、金! 金!

小林・野口:(笑)

野口:「お金ってなにかな?」というところから。

草彅:お金ってなんなんだろうなって。悩むと『こち亀』に行き着くんじゃないかな。

野口:書いてありますもんね。困ったなと思って、『こち亀』読むと。

小林:お金ってイメージで出てくる漫画って、やっぱ『こち亀』ありますよね。

草彅:ありますね。ジョージ秋山先生の『銭ゲバ』か、『こち亀』か、『マネーの拳』かみたいなね。

銭ゲバ 上 (幻冬舎文庫 し 20-4)

野口:前回、僕、『銭ゲバ』詳しく語っちゃったんです。大好きなんです。

草彅:そうなんですか。僕、ジョージ秋山先生も大好きなんです。

野口:素晴らしいですよね。

草彅:「私は人を殺した」とか言わないですもんね。

小林:『銭ゲバ』もいい漫画です。ドラマ化もされましたよね。ちょっと前に。『こち亀』の話しません?(笑)

草彅:あと、『ナニワ金融道』。お金の話で言うと。

ナニワ金融道 1

小林:『ナニワ金融道』もたしかに。『カバチタレ』とかもそうか。

カバチタレ!(1) (モーニングコミックス)

草彅:あんな金券ショップの使い方あったんだ、みたいな。けっこう意外な。

野口:(笑)。

小林:あれで悪いことする奴、増えたと思いますよ。

野口:ネット社会になって、手口使えなくなってきたんですよ。最近。

小林:あー、そっかそっか。