「女性は喉仏がない」は間違い

ハンク・グリーン氏:正しいと信じられている答えが実は誤っている、そんな質問には、喜んで回答したくなります。例えば、以下の疑問。

どうして女性には喉仏がないのか? 答えは……、いやこの質問に回答することはできません。なぜなら、女性にも喉仏はあるから。

喉仏は、咽喉部にある突出物を表す専門用語として知られています。実はこれは、喉頭を覆う軟骨の一部にすぎないのです。喉仏には、喉頭やその中にある器官を守る働きがあり、声を出すためにも必要なので、人間なら誰もに備わっています。

喉仏の保護機能はとても大切で、他の9種の軟骨と協力して喉頭を守ってくれているのです。喉の突出部を形成しているのは、その中でも最も大きく、重要な1つで、甲状軟骨と呼ばれます。

軟骨は、個体でありながらも柔らかく、結合性のある組織で、神経や血管は通っていません。2つの軟骨プレートが結合している部分が突出し、喉仏を形成しているのです。子どもの喉仏はみんな同じサイズですが、思春期を迎えると、喉頭付近の軟骨が急成長し、声変りします。

ただし、軟骨の成長の仕方は性別によって違うのです。女性の場合、軟骨プレートが交わる角度は120度で鈍角なため、突出のない、平らな喉になります。一方男性の場合、この角度が90度で、喉に突出部ができるのです。

そして、テストステロンが軟骨の発達を促進するため、男性の軟骨や喉頭は女性に比べて大きくなります。これにより声が低くなるだけでなく、喉仏も立派な大きさになるのです。

まとめると、喉仏は男性の特徴だと思われがちですが、目立たないだけで実は女性にも備わっているものなんですね。