バーグハンバーグバーグTV、記念すべき第1回!
セブ山:こんにちは。ついにはじめまりました! バーグハンバーグバーグTV。この番組は、バーグハンバーグバーグが携わったお仕事、案件の裏話やボツネタなんかを、根掘り葉掘り聞いていく内容になっております。ナビゲーターはわたくし、セブ山です。よろしくお願いします。そしてお相手はバーグハンバーグバーグ代表取締役社長シモダさんです。
シモダ:どうぞよろしくお願いします。シモダです。
セブ山:よろしくお願いします。
シモダ:はじまりました。
セブ山:バーグハンバーグバーグTV、第1回! この番組がなぜ始まったかというと、「バーグハンバーグバーグがやっている案件って、外から見てるとおもしろいんだけど、その裏話とかも気になる。聞いてみたい。どうやって、ああいうネタを作ってるんだろう?」というようなお声が結構あったんです。ので、その辺をズバッ! と聞いていこう、質問していこうという番組なんですね。
シモダ:もう、なんでも答えておきたいと思います。
セブ山:いいですか? 結構踏み込んだことも聞いていこうかなと思いますけど……。
シモダ:もうぜ~んぜん。全てにおいて答えようと思っているので。
セブ山:いいんですか?
シモダ:大丈夫です。
セブ山:わかりました。お許しをいただきましたんで、じゃあ早速、第1回のテーマに行きたいと思います。まずはこちらです! インド人完全無視カレー!!
カレー作りのためインド人を招聘し、完全無視
ナレーション:こちらの案件は、インドからわざわざ招いた伝説のシェフ、イムラン・ドルティカーヤ氏のアドバイスを一切無視して、カレーを作るというプロジェクトです。インド人が「入れろ!」と主張したスパイスやヨーグルトを入れず、最終的にはタイの名物であるトム・ヤムクンをぶち込むことによって、日本人やタイ人の口にあう、おいしいカレーを作った企画になります。
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セブ山:さて、そんな案件に関わった社員ゲストとして、今回は原宿さんに来ていただいております。よろしくお願いします。
原宿:原宿でーす。よろしくお願いします。いやあ、作りましたね。完全無視カレー。
セブ山:ここはぜひ見て欲しい! というポイントなんかも教えていただきたいんですけれども。
原宿:まずやっぱ、イムラン! 伝説のシェフ、イムランを呼んだということと、イムランがそんなに黒くなかったこと。インド人感があまりなかった。
セブ山:肌の色が?
原宿:そうなんです。肌の色の黒さが、僕らがイメージしてたインドの伝説のシェフっていう黒さとちょっと違ったんで、重ねて塗ろう! っていう……。
セブ山:塗ろう!?
シモダ:プロのメイクさんを呼んで、もうガッツリ。
原宿:うん。
シモダ:写真で見てた時は、いいインド感、カレーっぽい肌の色をされてたんですけど、やっぱ宣材写真って多少、黒く塗られているんで……。
セブ山:そうなんですか? せっかく呼んだのにインド人ぽくなかったから、また重ね塗りしたと……。
原宿:そのことによって、よりインド感を増した。
セブ山:改めてページを見るとおもしろいかもしれませんね。これ、塗ってるんだって……。
シモダ:塗っているやつが、シャレてるんで。
セブ山:シモダさんも同じく、こういう部分で俺、苦労した、この点で悩んだ、みたいな箇所があれば……。
シモダ:悩んだ点……ですか?
セブ山:けっこう、デザイン的なところで悩んだって聞いたんですけど。パッケージとかで、インド人を完全無視しているってのをどう伝えるかというところで、けっこう悩んだって噂で聞いた。
シモダ:そうですね。無視することで、インド人から醸し出される悲しい表情ってのは、しっかり捉えていかないと、捉えてページに載せていかないと、無視感が伝わらないだろうと。
セブ山:なるほど。
シモダ:ふて腐れてるところで、タバコを吸っているシーンとか。しっかり撮って、見つけて。普段もちょっと冷たく、打ち合わせの段階からも、だいぶ冷たくあしらったりとか。
セブ山:カメラが回ってないところから?
シモダ:回ってないところから、けっこう積極的にイヤな奴。本当は仲良くしたいんですけどね。ヤな奴を演じてましたね。
セブ山:なるほど。
「"川越シェフ監修"ブーム」に乗っかった
セブ山:アイディア誕生の瞬間!
原宿:よ!
シモダ:はい。
セブ山:ありがとうございます。というわけで、今回の企画、アイディアがどのように生まれたか? というところを聞いていきたいですけども。こんなぶっ飛んだ企画、どういうときに思いついたんかな? ってところが、すごく気になる。
原宿:言っちゃいますか?
セブ山:教えてください。どんなときに思いつくんですか?
シモダ:どんな時にっていうか、一緒に協業させていただいたカリガリさんってあるんですけども、カリガリさんとは元々知り合いで、「いっしょになんか作りませんか?」って、お話をいただいて、打ち合わせをしてたんです。そのとき、「どういう感じでやりましょう?」みたいな話をしてて、喋っている間にふっと降りてきた! みたいな感じだったんです。
世の中的に、キム兄監修とか、最近だと川越シェフ? が監修したみたいなのは、よくある話じゃないですか? そんな感じで、呼んだ人を無視してー、みたいなコンセプトだったら、ちょっと捻りも入っていていいのかな? と。
セブ山:なるほど。権威のある人の意見を全部無視して。
シモダ:そうです。なんで呼んだんだっていう無駄感みたいなものを、商品に閉じ込めて、お届けしたいなみたいな話をしたら、(カリガリさんから)大丈夫ですか? みたいな感じになりつつも、一緒にやってくださるとカレー屋さんに言っていただいたんで、トントンと進んだ。
セブ山:そこのカレー屋さんに行くと、ちゃんとしたカレーも食べられるんですよね?
シモダ:他のちゃんとしたカレーも食べられます。それに「DA PUMPが来た」って、そこのオーナーがずっと言ってましたよ。DA PUMPが、食いに来るくらいおいしいカレーなんだと。
セブ山:自慢なんですね(笑)。
シモダ:DAPUMPが食べに来るから……。濃厚ですよ。
セブ山:インド人完全無視カレーを別にして、DAPUMPが食べに来るくらいおいしいカレー屋さんなんで、ひとつぜひ、みなさんも行ってみてもらえれば……(笑)。
イムランは本当に伝説のシェフなのか?
セブ山:というわけで、こちらの案件のいろいろ、お話聞いてまいりましたけど、これ、2011年6月7日、約2年前の企画なんですよ。(この番組が制作されたのは2013年です)
シモダ:はい。
セブ山:当時のことを振り返りながら、表には出てないけど、苦労した部分とか、実はこういう裏話、制作秘話があるんだよというところを聞いていきたいんですけど、どうでしたか? 当時を振り返って。
原宿:まず、伝説のシェフを呼ばなくちゃいけないってところで、考えますよね。伝説のシェフをどうやったら呼べるかな? って。
セブ山:僕の手元にある資料では、「伝説のシェフ、イムラン・ドルティカーヤ氏」とだけ。伝説のシェフって以外、一切情報が入ってきていないですけども、どう伝説なんですかね? この人は?
原宿:だから、伝説のシェフを知りませんか? って、カレー屋のカリガリなら知っているだろうと聞いたら、連れてきた。
セブ山:伝説のシェフだよ、って?
原宿:カリガリさんがそう言って連れてきたんで、まあ、伝説であろうと。
シモダ:相当、実績もある方だとは伺ってますけどね。
原宿:伝説なのでね、そこは。
シモダ:パスポート持ってたかはわかんないですよ。
セブ山:いやいやそれは、来てるから、持ってるでしょ?(笑)
シモダ:確かな人物だとは聞いてますね。
セブ山:本当ですか?
原宿:すごいまじめな人でして、敬虔なイスラム? ヒンズー教徒かな? だからひと通り終わったら、打ち上げとかでみんなでワ~っと行こうってなるじゃないですか?
セブ山:撮影、終わってね。
原宿:その後で、庄やで彼を囲んで話しているときに、やっぱり宗教的な理由からか「お肉とかお酒はとっちゃいけない」「僕はとらないですよ」って言うんですよ。だから僕ら、「やっぱまじめな人だなあ」って思いながら、目の前に食べ物置いて、「これ、食べ。おいしいですよぉ~」って言って……。
シモダ:けっこう、やるんですよ。おいしいから。
セブ山:え? おいしいって、それは何をあげているんですか?
シモダ:肉とか。
原宿:からあげとか。
セブ山:ダメでしょ!?
シモダ:酒とか、一杯だけって言うんですけど、完全シャットアウトでしたからね。
原宿:こうやって1回見ますけどね。一応見て「ああ。これ、僕、ダメです」って。そこは、まじめに……。
セブ山:それはそうなんですね。今の情報から入ってくるのは、本物のイスラム教徒なんだってことはわかったんですけど、伝説のシェフだってとこが、全然入ってこないですけど……。
シモダ:絶対に肉を食べないとか、まじめなところも伝説たるゆえんといいますか……。
原宿:そうでなきゃ、伝説にはなってないと思いますよ。
無事完売。
セブ山:じゃあ、ここまで来ましたけど、実際当時、どれくらい反響があったのか? というリアルな、真面目なところも聞いていきたいのですけれども。そもそもこの企画をやった意図。「なぜこの企画をやろうと思ったのか?」というところを、ズバリ! シモダさんにお聞きしたいんですけども。
シモダ:なんて言うんですかね。やっぱり、おいしいカレーを届けたい! というのも、もちろんあったですけども、こういうお仕事をやることによって、ウチってこんなことをやっている会社ですよ! ってアピールとかね。あと、カレー屋さんのカリガリさんにとっても、こういうカレー屋もあるんだよって知ってもらうための、自社のプロモーションも兼ねてって部分はありましたね。
セブ山:なるほど。こんだけフザけてるんだよっていうところを……。
シモダ:そうですね。クライアントがいないので制限がないものを作れるわけじゃないですか? 自分らの自己責任で出せるんで。
セブ山:今回のこれ、発注されたわけでなく、自分たちから作っていった?
シモダ:そうですね。ストップかかるところがないんで、だから、自分たちがやりたいことってこういうことなんだ、っていうのを、本当に制限なく出せた。こういうことできますよ! って宣伝にもなればいいかな? って。
セブ山:でもそうなると、今後、企業から依頼されていくわけじゃないじゃないですか?
シモダ:はい。
セブ山:自分たちでやっているからこそ、この企画は成功なのか? 失敗なのか? って判断する基準を決めるところが、難しかったんじゃないか? と思うんですけど。そこらへん、どういうふうに設定してましたか?
シモダ:在庫を残さない。
セブ山:なるほど。
シモダ:怖いんですよ。まだ、会社を作って1年経ってないぐらいの時にやったと思うんで……。
原宿:確かそう。
シモダ:僕らも貧乏。水呑百姓みたいな。
原宿:食パンしか食ってなかった。
シモダ:そうなんすよ。実際は(カレーの値段が)高い! とかいろいろ言われてましたけど、無事完売。
セブ山:よかった。
シモダ:それだけは本当によかったなと。
セブ山:とりあえず、成功かな? と。
シモダ:けっこう、大成功の部類じゃないですかね?
お客様から「国際問題にする気か!」の声
セブ山:反響はどうだったんですか? いろんなお客様の声とか。
シモダ:反響は高い。
原宿:反響が高いというのと、インド人を無視してるというところで、引っかかる人は何人かはいるだろうな~と。出す前からね。
セブ山:引っかかるって言うのは?
原宿:インド人に失礼じゃないの? みたいな意見も、まああるかな~と思いつつやったんですけど、実際、ちょっとクレームというか……。
セブ山:やっぱり、あったんですね。
原宿:電話がかかってきたりしましたね。
セブ山:実際、何件ぐらいあったんですか?
シモダ:2件。
セブ山:2件だけなんですか? もっとあったんかと思ったのですが……。
シモダ:でも、国際問題にする気か!? と……。
セブ山:ええ! そんな強い口調で?
シモダ:そう。国際問題にする気か! って怒られてたんで……もう、ねえ(汗)。 なる訳ないやんけ、って正直思っているですけど、こんなカレーきっかけで戦争なんて起こらないじゃないですか? そんな安いのかと。インドって経済とか伸びてる国が、そんな安いんかと。そういう気持ちはもちろんありますけどね。ま、「すいません」と。
セブ山:うーん。
シモダ:最終的に、ウチの社員の山口(むつお)が担当してて、結局そのお客さんと喋り込んでいるうちに買ってくれた。
セブ山:最終的に納得して買ってくれた。
シモダ:そうなんですよ。
セブ山:ああ、よかった。
シモダ:だからそいつが、国際問題をある意味解決したと言っても過言ではない。そいつがって、言っちゃいましたけど、その方がね。平和の使者ですよ。
セブ山:ちゃんとみなさんにご理解いただいて、無事に商品も完売して、大成功だったんじゃないかなという感じだったわけですね。