2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
【第196回】軽減税率での有害図書規制はどう実現!?(全1記事)
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山田太郎氏(以下、山田):お、始まりました。
遊佐めぐみ氏(以下、遊佐):にゃんぱすー!
坂井崇俊氏(以下、坂井):にゃんぱすー!
山田:なんだ、こんな始まりは? こんなふざけた番組があっていいのか。
坂井:山ほど漫画がある……。
山田:じゃーん ! 不健全図書ですね。
坂井:これも不健全図書。
山田:『世界残虐処刑史』。それから何だこれ? 『まんが悪の世界』。こんなのもあります。これは何でだろうねえ? 『スマートフォンすぐに使える便利裏ワザ』。
遊佐:え、何でこれが?
山田:わかんない。違法な何かが……。『ドラッグの品格』これはね、しっかりとした本かなと。これもすごいね。『山口組対関東ヤクザ 首都圏進出』。
坂井:これね、半分くらいまで読みましたけどね。
山田:これ有名だよね。『完全自殺マニュアル』。これね、痛いとか痛くないとかね……。
坂井:首つりとか、飛び降りとか。何が良いとか書いてあるのね。
山田:そう、苦痛度とかね。
遊佐:苦痛度。それ実際に聞いたんですかね(笑)?
山田:でも、これすごいんだよね? 不健全図書指定されてるやつを買うとコストがかかるから、国会図書館で借りたという。
遊佐:おおー。
山田:だいたい、うちの事務所は何なんだよって(笑)。図書館から疑われてますよね。
山田:ということで、今日は有害図書指定の話をちょっと後でたんまりやろうと思っていますけれども、今日もてんこもりで始まりますので。最初は今週の国会ですかね。じゃあ、タイトルからいきましょうか?
山田:「今週の国会」ということで、まず最初は補正予算。今日(1月13日)、衆議院の予算委員会通ったんで、明日、本会議で通る予定で。明後日から参議院に送付されてくると。今日はちょっと補正予算に関して、しっかりやりたいというふうに思ってるんですが、3兆5000億円ですね。簡単にいうと、中身を見たんですが、はっきり言ってめちゃくちゃひどいぞ、と。
私もブログ等で「このままでは日本は潰れる」というのを書きまして、結構みなさんにクリックしていただいてるんですけども。どのくらいひどいのかと、何でこんなことやってたら日本潰れちゃうのかと最初にやりたいというふうに思っています。
まず「補正予算って何?」って話からですね。「本予算って呼ばれるものと補正予算はどう違うの?」って話からいきたいと思うんですけども。
坂井:遊佐さん、知ってます?
遊佐:わからない状態です(笑)。
山田:わからない状態です……。そもそも日本の本予算ってどれくらいあるか知ってる?
遊佐:へっ!? 日本の本予算……1兆円?
山田:そんな少なくない(笑)。答えは100兆円弱くらいなんですけども、毎回やってますから。
遊佐:はい(笑)。
山田:今回の補正予算3兆5000億円ということで、規模もそれなりにありますが。まず補正予算っていうのはざっくり財政法制上でどういうものかというと「緊急、ならびに臨時のもの」なんですよね。
基本的に補正予算っていうのは財政法上は、「いけない」と言うと怒られちゃうんですけども、予算だってことを知っておいてほしいわけですよ。それともうひとつは、財政法に基づいて日本は予算管理をしてる結構良い国。しっかりしてるんですよね。
基本的に赤字国債なんか出しちゃダメですよと。国の予算というのは税収をきちんと検討した上で、その範疇の中で歳入の中で算出を考えなさいと財政法政2条に書いてあったりするんですが。
山田:財政法の中でもうひとつ大事なのが12条というのがありまして、「各会計年度における経費は、その年度の歳入をもって、これを支弁しなければならない」。それからこれですね、42条には「毎会計年度の歳出予算の経費の金額は、これを翌年度において使用することができない」と。こう書いてあるんです。
これどういうことかというと、「その年度その年度でちゃんとお金は使うべきなのであって、繰り越しちゃダメ」よ。繰り越して良いってことが起こっちゃったら、国会でバーンと大きなお金をとっといて、次の年に使う。
そうすると結局、国会が予算でもって、きちんと行政を抑える。予算というのは行政が何をするか権限を与えてるってことになりますので、そういうことを超えちゃいますから。
基本的にその年度その年度というのは、たとえば国だったら3月31日が年度の区切りなんですけども、基本的に原則は使い切らなきゃいけないという形になっています。
しかも、国の予算は現金主義ですから。たとば民間だと契約をした時点だったりとか、そういう形で管理されるんですが、国の場合だと現金を使ったタイミングがどこなのかってことで。これ実は、バランスシート等持ってないんですね。
いわゆる仮掛けとか、売掛けみたいな、掛けの考え方がなくてですね。いわゆる、決められた現金に対する予算を年度末までに使い切らなきゃならない、というのが基本的な考え方なんですが。
さて、何が言いたいかと、だんだんわかってくると思うんですけども、「3兆5000億円を今から決めて使い切れるのか?」という問題が残ってきます。どういうことかというと、今決めている補正予算というのは来年の予算じゃないんですよ。平成27年度。
坂井:今度の3月。
山田:今度の3月までですね。再来月までの予算であって、しかもたとえば仮にですよ。明日、衆議院の本会議を通り、参議院に質疑をされて来週決議されると。ただ、後でちょっと話をしますが、土木関係なんていうのは、その何千億円って予算がこれから発注するわけですよ。
そうなると、たとえばいろんな見積もりをとったりだとか、入札をしたりということになると、実際には使えるのは3月に入っちゃってからだと。「1カ月間で数千億円とか、何百億円もの工事ができるんですか? 払えるんですか?」という問題があるので。
山田:結局どういう問題が起こるかというと、補正予算というのは結局ほとんどのお金が次年度に繰り越されてる。我が事務所の方で今調べてるんですけど、具体的な数字は今詰めてる段階で。これは私が来週の予算委員会でもやろうと思ってるんですが、今の目算では3割から4割くらい。
坂井:3分の1ですね、たぶん。
山田:くらいしか、その年度中に使われていない。しかもその3分の2は来年度に繰り越されてる。こういうのが実態なんですよ。何でそんなことをするんですかというと、いろいろあって。どこにいってるかというと、ひとつは基金だったり特別会計に書いちゃうんだね。つまり、はっきり言って官僚のお財布。
だから、本予算ではとりにくいから、補正を作っちゃって。本予算って何でとりにくいか、あるいは補正予算って何でとりやすいかっていうと、たとえば今回もそうですが、衆参合わせて6日。実際3日しか議論されません。3日しか議論されないのに、3兆5000億万円決まっちゃうんですよ。
本予算っていうのは、衆議院で1カ月間。参議院で1カ月間。ガチャガチャいろいろ何度も何度も議論されますので、非常に1個問題になると通らない事態に陥るような予算項目もあったりするので、そういう意味でスッと通しておきたい時には補正予算っていうのはいかにも使い勝手が良いというわけですよ。
しかも、すごい話になりますよ。経済産業省。笑っちゃうと怒られちゃうんですけど(笑)。今回、経済産業省は3500億くらい補正予算組んでるんですが、なんと本庁の本予算。8000億円のうち、5000億くらいとりますので実際は3500億くらいしかないんですよ。
つまり、補正の予算金額と経済産業省の本予算は同じ金額。どうして、そんなんでまわってんだと。補正予算は毎回恒常化してますけど、これは本当はあっちゃいけない。
臨時に何か問題が起こった時。緊急で、たとえば事故だとか災害だとか起こって、たとえば本年度だったら平成27年度の予算が足りなくなっちゃたというようなことを国会で承認をして、特別にしかもその年度中に使い切るというのを前提として臨時に出すものなのに、これが恒常化してしまっていると。こういうことなんですね。
ということで、どれくらいひどいかって話をちょっとね。これだけやってると1日できるくらいかかるんで、みなさんと共に少し見ていきたいと思いますが。
山田:ちょっとブログに書いたところもあるので。ひとつ見てもらうと国交省が今回出した補正予算で、「自然災害リスクを踏まえた緊急防災対策」って予算に3611億円、上がってるの。良いですか? 3611億円を2カ月足らずでこれから使わなきゃいけないんですよ。
名称から見ると、緊急っぽいじゃないですか? 自然災害リスクを踏まえた。しかもですね、国交省の言い分からすると鬼怒川決壊みたいな話がありました、と。そこで公安施設だとか道路設備の見直しをしなければいけない、と言ってるんですけども。
どう考えてもこれは、来年度の本予算でやれば良いでしょうと。何でかっていうと、これから3600億円ものお金を貸し付けっていうんですけども、どういう都道府県のどういう道路だったり、どういう公安に付けるか。
しかもそれ全部、入札をしなければいけませんから。現実的には間に合わないんですね。ということもありまして、こんなものは典型的に絶対使い切れないお金だよね。
坂井:ですよね。
山田:それ以外にすごいのがたとえば、地方創生加速化交付費に1000億円。何だかよくわからない。これもう地方にバラマキですね、どう考えても。2000億円、1000億円ですよ、まず。これは内閣府の予算です。
それから、文科省の中で、一億総活躍関連費用っていうのが出てるんですけど、一億総活躍関連費用の中で学校の耐震化、老朽化対策に443億円。これ、ちょっと待てと。
「一億総活躍って安倍総理が言ってる経済対策が学校の耐震化、老朽化なんですか?」と。何言っちゃってるんだか、わかんないよねという話で。しかも、耐震化、老朽化に関しては本予算の中からしっかり本来組まれてるんですよ。
「だけど議員、そんなこと言ったら学校の建物が朽ちて子供たちが事故に遭ったらどうするんですか?」と。ちょっと待て、と。「そういうものをこれまで放置してたのか?」って、言いたくなっちゃうし。
しかもこれはですね、一億総活躍関連予算だということで、安倍総理の言ってる一億総活躍の意味は学校の耐震化、老朽化なんですか? 結構すごいよ。443億だよ。しかも、このお金でどこの学校からやるかってことをこれから決まったら割り振っていかなきゃいけない。この1カ月半で。しかも3月末までに使い切るんだよ。
坂井:工事を完了しなきゃいけない。
山田:完了させなきゃいけないんですよ。それからですね、これまた原子力規制委員会の緊急モニタリング整備ってことで8億円で……。金額からするとね、国会にいると麻痺しちゃうんだけど、1桁億って言うと見逃すんだけど、よく考えてみたら。ちょっと待ってくれと。
日本の中で今、原発動いていません。しかも、川内原発しか今後動かさない予定なのに全国に緊急モニタリング設備を作るって言ってるわけですよ。3月末までには少なくとも川内原発しか動いてないんであって、「いらねえだろ、こんな物は!」て言ったら、「いや、議員。止まってる物だったとしても危ないです」ちょっと待て、ちょっと待てと。
「世の中は止まっていて危ないのか?」と。しかも、「それを3月末までにやらないと大変なことになっちゃうんですか?」「そうです」。もう……めちゃくちゃ。
それからですね、除染。この番組でもタブーを、リスクを承知で言うんですけど、除染に関してこれまでずっとやってきました。確かに除染っていうのは大事ですが、果たして除染をやって、東北のあそこの村に農作物を作ったからといって、本当にそれからその農作物を食う人いますかね?
実際、国も山間部に対する除染は諦めるっていうようなことをやっと言うようになりましたし、山とか森に降り注いじゃったものは実際ムリだと。
これまで2兆円使ったんですが、今年の補正予算で783億円積んだんですよ。「どれくらいこのままだとかかるんですか?」って話を環境省に聞いたら、わからん、と。1兆かかるか2兆かかるか、わかんないと。
しかも、原発の災害のお金はどうなってるかというと、東電の責任になるんですよ。将来、東電から返してもらうと。いわゆる国が管理をしてお金を出してというよりも、東電が事故を民間企業として起こしたという立て付けになってる。本当に東電はそれを返すのか。
実際、東電は総括原価方式だから積み上げになってるので、仮にコストがかかったとしても電力代金もいわゆる普通の損失にしちゃえば、それで成り立っちゃうって構図を持っていて、はっきり言ってめちゃくちゃです。
しかも、その除染の費用をまんまと783億円も積んでたぶん何かの土木工事に使うんだろうね。考えられません。
後どんなものがあるかというと、TPP関連対策ということで何億円も積まれてるんですが、「ちょっと待って」ということで経産省に言ってみたんですよ。いいですか? TPPは賛成反対置いておいたとしても、まだ批准していません。いわゆる国会にTPPは条定もされていないんですよ。法律が。
にも関わらず「3月末までにTPP対策費用を使っちゃおうっていうのは、おかしいよ! 絶対、おかしいよね!?」と。来年の予算の中でTPPを、国としては批准するつもりだから、行政としてはそれに対する対応の予算だとか、お金を当てておきたいっていうのは、まだ理屈としてわかる。
それでも本来は、通るか通らないかわからないはずの法案に関しては、それを議論した上で予算を精査するのが本筋だと思いますが。今回は3月末までTPPは上がってきませんから、全く。
にも関わらず、3月末までに使わなきゃいけないお金の中でTPPに関する対策対応費用っていうものに何億も積んでいくと。それは、おかしいって! いくら何でも。
遊佐:それの理由は何だったんですか?
山田:「事前にTPPは認められる予定なんだから」と。
遊佐:(笑)。
山田:強引もいいとこですよ(笑)。そんなの審議しなきゃ、わかんないじゃないかと。と、いうことだったりしますし、後はですね……毎日、怒っちゃってるんですけども……後「農水の基金」。
とうとう! これ、映りますかね? これ、開いた口が塞がらない。これが予算書の今回の補正の中の資料ですけども。たとえばこうやって。基金って、わかります? 「補正予算で基金化」。ふざけるな! 100億とか、500億ってお金。
ほかにも、農水のほうですね。見て、「基金」「基金」と。30億、20億と。
基金、基金と1000億近くのお金が、トータルすると。「基金」って書いてありますけど、良いですか? 1000億近くのお金が、補正予算で基金化するって、ふざけるなと。おかしいって!
坂井:基金っていうのは来年度以降に……。
山田:来年度以降に使うという話なんですよ。それは、来年の本予算でやれば良いじゃない。
坂井:どっかにお金をプールする……。
山田:そうそうそう。たとえば独法(独立行政法人)とか、基金でいう項目があるんだけど、そこにプールしますと。何でこんなものをやるんだと言ったらば、TPP対策ですよ。TPP対策でもって、農家とかに不安を与えないようにするためだということを言ってるんですけども。
でも、それはこれから審議する話だし、基金はおかしいって、補正(予算)で。いくら何でも。そう思うでしょう? これはね……本予算でやるのも問題ですけど。
すごいよね、これもね。警察庁でも「暴力団対策強化」(笑)。「指定暴力団山口組6代目が分裂し、一部傘下の神戸山口組が出資したことにより、対立抗争事件の発生が懸念されるところであり」ということで、20億円。対策費用が、補正でいるんだと。
坂井:まあ、これ項目はわかりますね。だけど、20億円はないでしょう(笑)。
山田:3月末までに山口組対策で、使いたいんだと。
遊佐:対策って……何をするのか?
山田:具体的に、わかんない。監視カメラとかつけるのかな? もうね、すごいんですよ。すごいの!
坂井:山口組系暴力団1人当たり、いくらでしたっけ? 1人1000万円くらいなんだって。
遊佐:高っ!
山田:極めつけは例の3万円のバラマキってやつね。いわゆる厚労省の低所得の高齢者の年金生活者支援のための予算ってことで。3万円を1280万人にまきます、と。国会の質疑を見ていてもすごいのは、「一度きりだから、バラマキではない」って言ったんだよね。
坂井:そう(笑)。
山田:ちょっと待て、と。一度きりをバラマキというんだろう! 選挙前のこの時に! ……もうね、理屈が通んない。すると、会話が成立しないんですよ。これは、はっきり言って。
遊佐:自分中心ですね。
山田:選挙で勝って、議員の数が与党が双方過半数を持ってるって、こういうことになっちゃうんですよ。少なくとも、衆参で参議院がねじれてた時はこんなもの出せませんでした、はっきり言って。全部、はねられちゃう。
結局これ、歳入足りないから国債発行するんですよ、結局。このお金も、国債発行するわけですよ。そうすると、国債発行するってことはいずれ返さなきゃいけないんですよ。利子ってものも付いてるわけ。
これ、次の世代、次の子供達なんかが返すお金でしょう? そうでしょう? だって、今の世代が何だかんだで必要だとか言って食いまくっちゃって、その食ったお金はどっかから降って来るわけじゃないんだから、いずれ誰かが返すわけですよ。
「誰が返すの?」って言ったら、次の人達が返すわけで。「良いのか!? こういうことやっいて」と。こういうことが当たり前で、誰も止められないんだよね。だから、こんなことやったら確かに潰れます、と。本当に。
補正って名前をつけておいて、平気で理屈なしに基金で積んでみても誰も何も悪いと思わない。国会であれ政府であれ、もっとまともな普通の、これ民間の、自分のお財布だと思ったらこんなことしないって! いくら何でも。
だから、国を愛するって言い方はあれかもしれないですけど、自分の国のことを思っていたら、こんな使い方、とてもじゃないけどできないでしょ? と。まるで人のお金。今使っておかなきゃ損! みたいな。
これで、来年度の予算が抑えられたという言い訳にも使えるし、独法にまわしちゃえば、天下り先のところにお金がまわることで、予算を獲得してきたという官僚が天下りしやすいという現実もあると思うんですよ。
というふうに、とにかく野党も政局話で総理に対して迫るのもいいんだけど、やっぱり予算委員会だから。こういう具体的なおかしいと思う予算について、1つ1つ、本当はどうなのか?
実際に時間がないというのは事実なんだけどね。というふうに思っていました。
ちょっとさっき言ったとおり、さっきうちで調べたとおり、調べた記事は新聞記事にもなると思いますが、補正予算の消化が非常に悪い。明らかに年度内に使えてないと。
事実上、財政法上違反なんじゃないのか。というようなことが平気で行われているということでして。もう、どうするんだと。吠えていてもしょうがないんで、予算委員会でがんばるということなんですけどね。
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