ワンピースは恋愛しない

山田玲司氏(以下、山田):『ワンピース』いきますわ。

おっくん:またワンピースいく!?

山田:見るだけおっぱいでお馴染みのワンピースですわ。ワンピースって2巻までしか読んだことないんだけど。サンジって人出てくんじゃん。あの人女好きなんでしょ。

おっくん:うん、大好き大好き。

山田:バカにされてんでしょ。女が好きで女を口説くってことがバカだということで描かれてる。

おっくん:バカというか、いつも失敗するし。

山田:そういう位置づけで、中心には絶対こない。

おっくん:まあだからルパンみたいなもんですよ。

山田:そうそう。彼は、ルパン系譜でそれを言ってる。だけど時代の空気だよそれが。

おっくん:サンジが。

山田:いや、ワンピースが。ワンピースは恋愛しない。セックスしない。

おっくん:だってルフィがセックスしたらちょっと困るもん。

山田:だけど、エロいねーちゃんだらけ。

おっくん:まあ、エロいっていうか、そうですね。

文明が成熟するほど無垢なものに惹かれる

山田:そしてルフィの目には光はない。だからもう繁殖の意図がない、意志がない。

おっくん:うんうん。海賊王になりたいだけなんで。「俺、子供欲しい!」みたいなのはない。

山田:そういうニュアンスのキャラクターは見たことない。俺は読んでないんでわかんないんだけど。だからそういう感じはしますねーって。これ要は子供のエッチ感なんだよ。

おっくん:まあ、思春期入る前なんですよ。

山田:そう。これが国民的コンテンツっていうのもなんか変な感じするんだよ。

おっくん:いや、誰も傷つけないから。

山田:そこにロマンがないから。だから、男女のロマンがない。

おっくん:男女のロマンはないですね。ラブロマンスは全くないです。

山田:完全に切り離されてる

おっくん:だって少年漫画だもん。

山田:いや、違うんだよ。だって『タッチ』は少年漫画。

おっくん:あれは大人の漫画ですよ、ある意味で。

山田:だからまあ、そういうことになっちゃったの。『愛と誠』だって少年サンデーだもん。だから少年誌の中に、大人の性愛っていうのは入ってたんだよ。

おっくん:いや、だからそれは時代の空気感なんですよ。やっぱりまとめると、どんどんロリ化していく流れになっていくんですよ。文明が成熟すればするほど、無垢なものに惹かれていくんすよ。

だからAKBもももクロもそうなんだけど。AV女優が特にそうで。どんどん顔がロリコン好きの顔になってくんですね。

ピンクレディー対パフィー

山田:消えた下半身の話して後半にいって良い? 要はこれ、流れからいって、さっき言った松田聖子以前と以後って下半身があるかないかなんだよ。だから歌詞とか文化にセックスを想起させるものがあるかないか。何かないかなーと思ったら、あれですわ。ピンクレディー対パフィーですわ。

おっくん:ピンクレディー対パフィー!?

山田:ピンクレディーって、阿久悠イズムなの。だから情念と下半身の曲なんだよ。

おっくん:そうですね、こっちはもう演歌なんでね。演歌ってか歌謡曲なんで。

山田:なんだけど、ファンタジー入ってるの。情念と下半身と、要するに夜の女、夜の蝶みたいな「女」みたいなものを、『ウォンテッド』とか『カメレオン』とか言いながら『UFO』とか言いながらオカルトプラスファンタジーに寄せてんのがピンクレディーなんだよ。

パフィーに至っては、奥田民生とか陽水とかが作ってるけど「私たちしかいない世界」になっちゃってるの。男いないんだよね。これどう? って思わない。パフィーがいる世界って。

おっくん:まあ、隣にはハリソンフォードがね。

山田:ハリソンフォードで、白いパンダがいるんだよ。だからね、現実がそのままファンタジーになっちゃってる感がある。

おっくん:あ〜! なるほどなるほど。

どんどんセクシャルなものがなくなっていく

山田:そういうことですわ。だから現実がファンタジーになってる時にもはや繁殖ないから。結婚もしなくなるわこの先。これ、おもしろいのが女2人組でどうなるかなって思うと、HALCALIとかt.A.T.u.(タトゥー)とか出てくんだけど。

おっくん:t.A.T.u.(笑)。

山田:t.A.T.u.ってピンクレディー寄りだったんじゃないのってちょっと思ったりもするんだよ。

おっくん:まあ黒船ですからね。

山田:黒船t.A.T.u.。t.A.T.u.の話はいいとして、HALCALIとか出てくんじゃん。HALCALI脱力系なんでパフィーの延長だと思うんだよね。次世代パフィーだと思うんだけど、そっからまあちょっと出てこないなーって感じがすんだよね。

おっくん:なんかどんどんセクシャルなものがなくなっていくんですよね。ピンクレディーとか今見てもちょっと異常ですもん。何じゃその格好とか。

山田:うん。子供産みそうでしょ?

おっくん:産みそうっていうか、もう子供産んでそう。

山田:だから、まだ繁殖できた70年代と、90年代以降っていうのは、こっから繁殖しませんよって下半身を失うんだよ。

おもしろいなと思ったんだけど、このパフィーの浮遊感ってなんか、いまどこかなと思ったら少女時代ですわ。少女時代がわりとその浮遊感に近いなって俺なんかは思っちゃうね『Gee』と『GENIE』とかの感じが、繁殖感ないんだよね。ご存じない?

おっくん:全く!

山田:まあそんな感じですわ。そんで、こんな話とか限定でしようと思ってます。

おっくん:「シータはどこへ行った?」問題?

山田:はい。シータはどこへ行ったんでしょう。俺たちのシータは。いや、俺のシータじゃないけど(笑)。

おっくん:何を言うてんすか!

山田:俺、去年初めてラピュタを見たんで。

団鬼六氏の父は特攻隊だった

おっくん:(ニコニコ動画のコメントにて)「キャンディーズってどういう扱いになるんだろう」。

山田:キャンディーズかあー。でもピンクレディーの1個前の世代。ピンクレディー70年代だけどキャンディーズが先にいるの。でピンクレディーが追っかけるの。で、キャンディーズが普通の女の子に戻りたいっつって戻っちゃうの。それでピンクレディーだけになる。

おっくん:これ、みんなちょっと気になったでしょ。八代亜紀。気になってるよね!?

山田:皆さんご存知、八代亜紀ですね。

おっくん:セックスシンボル八代亜紀さんですよ。

山田:八代亜紀の下半身感。夜の女感。そして、トラック野郎の憧れ感。これは当時のワーキングピーポーのアイドルですわ。だからトラック野郎が流行ってたのも70年代ね。要するに60年代〜70年代っていうのは、労働者はヒーローだからね。ワーキングクラスヒーローだからね。

だからその中で八代亜紀っていうのはクイーンだったわけ。同時にアグネス・ラムっていう黒船もいたんだけど。元祖ラムちゃん。

だけど俺が本当に言いたいのは、団さんのお父さんの話! そして、これ限定でしか言えないのが悔しいけどお父さんは特攻隊の部隊にいたんです!

おっくん:あ、そうなんですか。

山田:そうなんです。団さんのお父さんは特攻隊の部隊にいたんです。俺は何でこのタイミングで団鬼六かっつったら、あの禿が目に浮かぶんだけど、そのことは限定(有料)の方で。

おっくん:ということで、話がむちゃくちゃ飛びまくりましたけど、みなさんどうですか? ついて来れてますか? 今日はこっからですからね。

ということで世代論のあれをだーってやって団さんのことも深くやりつつ最終的には表現自由と規制の問題そして『永遠の0』までいくんで。こっから『永遠の0』に行くんだぜ。まじで神回中の神回になると思うんで。

ニンニンのプリパラの話もゆっくりするんでね。で、エロ会は女性の目線からの腐女子回もやりたいと思います。