ぶりっこ、ぶっちゃけ… 少子化を進めた「3つのB」を山田玲司氏が解説

第22回艶夜祭『エロコンテンツの闘争歴史論!~団鬼六とほんとうの自由スペシャル!!』 #5/7

「山田玲司のヤングサンデー」22回目を迎える今回のテーマは「エロコンテンツの闘争歴史論!」。このパートでは「少子化を進めた3B(ぶりっこ・ぶっちゃけ・バーチャル)」を解説。80年代の山口百恵引退から松田聖子の登場、おニャン子クラブからギャル誕生の流れ、そして初音ミクなどのバーチャルアイドルが登場した歴史背景について解説していきます。ギャルが誕生した90年代では女子高生の援助交際が社会問題となりました。同時期に放送されたドラマ『東京ラブストーリー』では「カーンチ、セックスしよ!」の台詞が有名になり、山田氏はその頃をエロのインフレ化が起きた時代だと解説。その他にも『不思議の国のアリス』や『オズの魔法使い』のストーリーの裏にある性的なメタファーなど独自の解釈を語っていきます。

少子化を進めた3つのB

おっくん氏(以下、おっくん):というところで60年代まで来ましたけど。

山田玲司氏(以下、山田):そんで問題はこのあとですわ。少子化を進めた3Bってのがあって。

おっくん:ん?

山田:解放された性、そして秘すらなくなった女たち、そして「私」っていうのが前に出てくる。これどういうことかっていうと、象徴的な事件として山口百恵の引退があるの。20歳で結婚するとか言い出して百恵ちゃん引退するの。それで、松田聖子登場なわけ。

まあ恐竜が絶滅したみたいな感じでK−T層っていうのが(アイドルにも)あって。70年代〜80年代にかけてできるわけ。それ以前に湿度のある、情念、下半身を持ってる人たちが上。そこから下の人たちはいわゆる、松田聖子から下の世代の人たちは全く違う。第1発目のBが「ぶりっ子」。ぶりっ子のBです。

これがまず最初に、かわいこぶってるっていうのが当時すごい流行ったの。あなたたち知らないよね。これが、まあ死語化するんだけど、当時これがまあ何かの社会現象になって。

どういうことかっつーと、女の子が「私可愛いでしょ」って見せるのは恥だったの。周りの女の子が敵になるから。でもそれを臆面もなくやるっていう。「私は可愛いでしょ」っていうのを宣戦布告して、勝負していったのが松田聖子。松田聖子は女の欲望は叶えるべきなんだ、叶えて良いんだってことを全部ずーっとやり続けるわけ。

だから結婚したり不倫したりいろんなことするんだよ。だから憧れの対象として何でもやってきたっていう。おもしろいのが、明菜が陰陽の陰の部分でこう、2人くるくる回っていって、これが80年代のカルチャーを牽引するわけなんだけど。ここについてった人たちが、いわゆる素人のおニャン子の世代の人たち。1つ下の世代。

ギャルの登場により、エロがインフレ化した

山田:これ(おニャン子)は可愛きゃいいじゃんって話なの。実力なくても良いわけ。これが、バブルの時にどんどんいくわけだよ。これがさらにインフレ化してって90年代の「ぶっちゃけ」になってくわけ。ギャルの登場。援交(援助交際)の始まり。もう「可愛きゃ良い」から「パンツ売っても良いじゃん」になるわけ。これが90年代までの流れだよ。

おっくん:あー、ここね。はいはい。わかってきた。

山田:これでエロがインフレ化してくわけだよ。援交って最初すごかったんだよ。その年代の人は覚えてるかもしれないけど、「オヤジとお茶するだけで5万円貰えるらしいよ」って言ってた事案があるわけ、その頃。そこからが入り口で、援交っていう風になった。「オヤジってチョロいよね」って言われた。団塊の世代以降のあの辺りの人たちの世代がこのエサになった。まあ岡田さん辺りの世代なんだけど。

おっくん:(笑)。

山田:その辺の人たちの。だからすごいんだよ、ルーズソックス世代ってもうすぐ40だからね。そんなこんなで、これがまた、汚ギャルってやつまでたどり着くわけだよね、インフレ化して。そして男子がリアル女子から離れてくっていう流れがありますわ。「バーチャル」。初音ミク登場ってなるわけなんだけど。3Bってちょっと強引に作ってみました。

おっくん:バーチャルって「V」……。

山田:すいません、いいんです。そこサラっといってほしかったんだけど(笑)。言っちゃった(笑)。

おっくん:コメントもあったんで。

山田:あ、バレてるね。それは良いとしまして。

不思議の国のアリスは少女がオバさんを倒す話

山田:この時おもしろいなーって思ったことが1個だけあって。団さんってでっかい犬飼ってたの、よぼよぼなの。団さんもよぼよぼだった。団さんの横に太ったよぼよぼの犬が転がってて、名前がアリスっていうの。

アリスって犬をすごく愛してたの、団さん。それいいなーって思ってて。アリスってまたやべーなと思って。アリスって、アリス出版とか、AVでもあるじゃん。アリスって、こっから俺の推測なんだけど、性的メタファーだよね。だから、「時間に遅れちゃう」って言って穴に入ってく少女の話なの。

そんで、大きくなったり小さくなったりするの。お茶会ではわけがわからない人たちがいるわけ。これ、少女が女になることのメタファーになってんなーって思うんだよね。そして最終的に戦わなきゃいけない相手が孤独なおばさんだったの。

おっくん:あー! 一番憎むべきはそこなんですね。

山田:それでアリスは「ヤバい! ヤバい!」って戻ってくんだけど。そんで夢夢夢みたいな。ドロシーもね、オズもちょっと近いんだよ。魔女と闘うから。

なんかこれおもしれーなと思ったら90年代のぶっちゃけのインフレにちょっと近いもんあるなと思って。なんでかっていうとオヤジギャルって覚えてる? オヤジギャルって、ぶりっ子がぶっちゃけになって、オッサンになってくんだよ。

おっくん:そうそうそう。

山田:オヤジになって「カーンチ、セックスしよ!」(注:『東京ラブストーリー』)みたいに言い出すわけ。

おっくん:(笑)。そこけっこう早くない?

山田:流れ的には。「カンチ、セックスしよ」はだいたい同じ時期。オヤジギャルのあたりだよあれ。時代的には。

おっくん:あ、そうだっけ。

山田:それで、オヤジギャル、「カンチ、セックスしよ」の先が、西の魔女ですか? みたいな。

おっくん:なになに?

山田:『WICKED』ですか? みたいな。なんだっけあの女王。アリスに出てくる女王。ゴルフしちゃう人。ヤバいオバさん出てくんじゃん。フラミンゴでゴルフするじゃん、あの人。まああんな感じの末路かなーみたいな感じがして。

おっくん:赤の女王。

山田:そんでおもしれーなと思ってたんだけど、最近は「少女がオバさんと倒す話かー」と思うとすごくおもしろいなあと。少女が「あ、こうなっちゃいけないんだ」と思って未来の自分でもあるオバさんを倒してくるって話だとすると、ドロシーの「お家が一番」てのもすごくおもしろいなーと思って。

おもしろいのが、飛ばされた世界は男のいない世界なんだよ。やっぱり。だから王子待ってないんだよ、あの世界って。

おっくん:へー。

山田:これもなんかおもしろいなーと思って。これ最近になるとどうなるかっていうと、『WICKED』もそうだし。『WICKED』は「(オバさんにも)理由があったのよ」って話じゃん。

『マレフィセント』(眠れる森の美女)もそうなんだよ。『マレフィセント』も「悪い魔女にも理由があったのよ」って。これね、「オバサンも大変なのよ」って流れになってるのがちょっとおもしろいなと思って。ワンコーナー入れてみました。

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