映画『シャークネード』は起こりうる?

ハンク・グリーン氏:やあ、この超特別版にようこそ……できないや。タイトルを見たよね。何が起ころうとしているかわかってるよね。シャークネードは可能か?

いいえ。

そしてみんなももうそれは知ってたと思う。でもこの奇妙な試みの映画がおもしろい疑問を何も引き起こさなかったって意味じゃないよ。

よし。疑わしきは罰せずってことにしよう。シャークネードは何を明確にしたんだろうか? トルネードは生きている動物を拾い上げたり落としたりできる、っていうシャークネードの元になった現象から始めよう。

これは実際によく確認されているんだ。トルネードはだいたい何でも拾い上げたり落としたりできる。

池がトルネードに丸ごと吸い上げられてそこがその後空っぽになったってこともあるんだよ。たまたまその池にいた魚やヘビ、カエル、サメなんかは吸い上げられて、どこかほかの場所に落とされるんだ。

これまでに起こって確認された事件には、死んだ鳥の雨や……

生きた魚の雨……

生きたカエルの雨……

クラゲの雨……

ミミズの雨……

大きな動物が引き裂かれた肉の塊の雨さえもあったんだ。

トルネードはさまざまなものを拾い上げるが……

だいたいいつもこういう事件はトルネードや水上竜巻に伴うものだね。みんなが考えるほど身近なものじゃないけど。でもこれ以外の動物の雨の原因ははっきりしてないんだ、おかしなことに。

そしてもちろん、ぼくたちがヘレン・ハントが出ていた『ツイスター』から学んだように、トルネードは問題なく牛を拾い上げるだろう。

あの場面はすごく印象的だったよね。でも十分に成長したホホジロザメは、2,300キログラムっていう牛3頭と同じほどの重さにまでなることもあるんだ。

もちろんそれはトルネードが拾い上げられないって意味じゃないよ。これまでにトルネードが動かしたことで知られる最大のものは、13,000キログラムを超える農機具だったんだ。

だから、そう。実際に、技術的にはトルネードがサメを拾い上げるのは可能なんだ。サメが意図的にトルネードに飛び込んだ場合は特にね。その動機を理解したふりをするのはやめておくよ。

もちろん、それはそんな遠くには行かない。重い物体は、トルネードによって数10メートル以上は運ばれない傾向にある。でもみんなが驚く資料があるんだよ。

1915年、トルネードが野生生物の保護区を通過した。同じ日に、トルネードが発生した場所から25マイル離れた所で、死んだアヒルの群れが空から降って来たんだ。

アヒルたちはトルネードに、その気象配置に吸い込まれて、トルネードのコースの終了地点から25マイルの旅をしたんだ。

そうなんだ。ハリケーンはトルネードや水上竜巻を引き起こすことができるから、そこも当たってると言えるね。ここがシャークネードが明確にしたことなんだ。

もし巨大なハリケーンが巨大なトルネード引き起こして巨大なサメが吸い上げられてみんなの上に落ちてきたら……

みんなは、はっきり言って、死ぬだろうね。むさぼり喰われて死ぬっていうより、巨大な死んだサメにぶつかられて死ぬ可能性が高いけど。

もしサメがたまたま地面に横たわっていたとしたら

さて、これは全部ばかばかしいほど滑稽な話で、もちろんみんなわかってると思うけど、まあおもしろいのはそれがどんなものかを理解することだ。

まず、もしトルネードが水の形態ならば、それは水上竜巻だ。

それはトルネードですらない。だから意味的に、サメが吸い込まれる前にたまたま地面の上に横たわってでもいない限り、シャークネードは不可能だね。でも「シャーク竜巻」というのは……

だれがそんな映画に資金を提供するって言うんだ?

次に、サンタモニカはハリケーンで知られる町じゃ全然ないし、事実、歴史に残っている限りでサンタモニカを襲ったハリケーンの数は、手を使わずに数えることができる。どう数えるかによるけど、同じ期間にカリフォルニアを襲ったハリケーンの数は、だいたい5つだ。

ここで驚くべきことに、トルネードがやって来たときにサメがとる行動に関するデータがあるんだ。1969年、トルネードがオーシャンワールドっていうフロリダの名所を通過した。

サメは当然、ほかのほとんどの魚と一緒に可能な限り池の最も深い場所へもぐった、要するに漏斗雲に飛び込もうとはしなかったってことだよ。

だからさ!

もちろんぼくたちはみんなシャークネードが不可能なことはわかってるけど、どういうわけか、いずれにしても質問をするっていうのは楽しいよね。