勝部氏の著書の恋愛ピラミッドは、どうやって生まれた?
おおしまりえ氏(以下、おおしま):じゃあ、次の質問なんですが。勝部さんへの質問。「『恋愛氷河期』の恋愛ピラミッドは、どうやって作られたんですか?」とあるんですけど。理論とかたくさん詰まってるんですけど、どうやって考えだされてたものなんでしょうか?
勝部:書籍に書いた図解のことですかね? 男性のほうが2極化が激しいって話ですよね。本当は序列化とか好きじゃないんですけど、やっぱりその仕組みを知るためには若干あったほうがいいかなと思って。あれ? 質問何でしたっけ?
おおしま:「恋愛ピラミッドはどうやって作られたんですか?」っていうことなんですけど。そもそも恋愛ピラミッドはどういうものなのか、ちょっと簡単にご説明をしていただいて。
勝部:中学生とかによくあると思うんですけど、一種のカーストになっちゃっているんですね、結局は。やっぱりカーストの上にいる人がどうしても、いわゆる恋愛を謳歌し、下のほうにいる人たちが謳歌できない。ちなみに私は下のほう出身ですけど。
(一同笑)
勝部:そういうのがあって、下にいる人たちはそれでコンプレックスを持っちゃったりとか、いろいろするわけですよね。
おおしま:例えば、男女同じ数を1つのグループとかにポイッて入れたら、平等に恋愛するんじゃなくって、モテる男の人と女の人が幅広くするから、そういうピラミッドができるってことですよね。
勝部:そうですね。小学生くらいからその格差は始まっていて。
おおしま:スポーツできる男の子に女の子が集中しちゃうみたいなことですよね。
勝部:そうそう。私、幼稚園が一番モテてたんで。
(一同笑)
おおしま:え?彼女がいたってことですか?
勝部:女の子何人もいましたね。たぶらかしていた記憶が……。
おおしま:マセてますね!
勝部:まあ、そんな感じです。
ピラミッドを克服するのではなく、自分に合ったやり方を
勝部:でも、自然にしているとモテる男性にどんどん集中しちゃうし、やっぱり経験ある人は好まれるじゃないですか、特に男性って。そうなると、どうしてもこんなふうにどんどん、ピラミッドがいびつな形になっていく。
だからできれば、スクールカースト自体をなくす仕組みが一番いいんですけどね。さっき言ったプロムみたいなトレーニングシステムがあれば、もっと平準化はすると思うんですけど。
でも、日本の恋愛ってのは若いうちは「やっちゃダメ」、後は「好きにやりなさい」だから。「どんどん格差が広がっていく、ピラミッド化していく現状のままで良いの!?」って思って作りましたね、これ。
おおしま:その恋愛ピラミッドは、それぞれいた場所は違うと思うんですけど。今言ったように、どうやったら克服できるんですか?
勝部:ピラミッド自体は、別に克服する必要はないとは思っています。自分に合ったやり方っていうか、合った人を見つければいいだけの話なんで。一番厄介なのは、ほんとコンプレックスですよね。
おおしま:うーん。
勝部:それによって、そのコンプレックスがどれだけ強く残ってしまうか。逆に言えば、解決しなきゃいけないのはコンプレックスを解消とまでは言わなくても、どう向き合っていくか。自分はこういうコンプレックスがあるんだとなとか、自覚を持つこととがやっぱり必要なんだと思いますんで。
正直言うと、カーストの上にいたからって幸せなわけじゃないじゃないですか。ヤリチンやナンパ師の人たちだって、数という他人軸で動かされているだけで、別に幸せなわけじゃないですか。
だから、そこは大人になったんだったら、もう上に上がろうとかっていうのは止めて、それぞれ自分自身のコンプレックスと向き合いながら、適切な相手を見つけるということじゃないですかね。だから本当はピラミッド出したくないんですよ。やっぱピラミッドとか出すと、「自分は下だからだ」とかなっちゃいそうな人もいるから。
おおしま:なるほど。
勝部:ですね。
レズビアンの場合は、モテアピールは逆効果!?
おおしま:志乃さんはちなみに、カースト的にどこにいたかは聞かないですけど、どうしたらそのカーストという呪縛から逃れられると思いますか?
杉沢:とくに女性に限ってだと思うんですけども、否応なく外見で損得が出てくるじゃないですか。経験値とかっていうのとはあまり関係なく、恋愛経験があってもなくても、外見である程度決まってきちゃうなって思うので。
そこは男性とちょっと違って、男性はいろいろ外見以外にカバーできる部分ってたくさんあるので。どっちが損か得かっていう問題じゃないんですけど、あまりそのピラミッドで現せない部分ってあるのかなとは思いますよね。
参加者2:ちょっと、すいません。ごく一部、ブサイクのほうが勃起できるって人もいますよね。
(会場笑)
おおしま:そうですね。そういう少数の方もいますね。
参加者2:あ~、ごめんなさい。酔っ払らっちゃったんです。
おおしま:ちなみに、レズにもこういう恋愛感覚ってあるんですか? レズビアンの方にも。
Juli:どうなんですかね。狭い世界なので、あまり皆言いたがらないんですよね。
おおしま:「あの子、すごいモテる」みたいな。そういうの、あるんですか?
Juli:ありますね。すごいありますけども、それを隠しますね。やっぱ狭い世界なので、いろんな人と付き合ってるぶん、いろんな人と付き合えなくなるんです。あの人の元カノとかあの人の友達とかってなると、その相手が敬遠するので。あまり私モテてるのよとか、自分からアピールみたいなのはなくて。
むしろそういう子は引かれちゃうので、ウブっぽい感じをアピールするほうがレズはモテたりしますね。だから、ノンケ(注:異性愛者のこと)とか結構好きなんです、皆。ノンケが食いたいとか言います。
小野:ノンケの人をですか?
おおしま:レズビアンの世界に染まってない子を、こっちに呼び込みたいってことですね。
Juli:はい。やっぱり新しい、何も関わりがない、誰かの元カノとかじゃない子を呼んできたほうが、自分が損しないっていう。
杉沢:それは、アプローチの仕方はあるんですか?
Juli:すみません。私、受け(注:恋愛において受け身の側)なので。
おおしま:なるほど、アプローチはせず?
Juli:それがしたいんですよね。そうすれば、間口が広がるんですけど。ただ、こっちから誘っておいて、いざセックスとかになった時に「じゃあ、お願いします」ってのは、私は申し訳なくて言えないですよ。そっちから誘って来たのに!ってなるじゃないですか。
それに、その子も分からないじゃないですか、レズのセックスってどうしたらいいか。なので、完全に私はそういう世界の子を狙って・・・、っていう感じですね。
おおしま:うーん、複雑ですね。
恋愛を成功させるために重要なことは?
おおしま:もうそろそろ終わりですか? もしかして。
小野:まあ、ラスト。
おおしま:じゃあ最後、「恋愛を成功させるために一番重要な要素は何でしょうか?」っていう質問です。
小野:究極の質問ですね、最後にふさわしい。
おおしま:何でしょうね、これはその人次第だとは思うんですが……いい恋愛をたくさんするために重要なことって何でしょうか? 例えばそれは容姿なのか、男の人だったら仕事ができるとか。何かそういうことじゃないですよね。
杉沢:これ、すごい厳しい言い方かもしれないですけど、私はやっぱり自分のレベルに見合った人というか……。女性ですごく理想が高くて、結婚ができなくって婚活とかに走る人が多いんですけど、やっぱ自分の背丈に見合った人と恋愛するほうが長続きすると思うんですよね。
おおしまなるほど、市場価値ってことですね。
杉沢:自分の市場価値を自覚することが大事なんだと思います。自分が今どのくらいでどの辺にいるのか、人にどう見られているのかがわかれば傷つくことも少ないと思いますし。
おおしま:それって変な話、どうやって理解すればいいんですかね?
杉沢:多分ね、それってわかっているはずだと思うんですよ、女性って。
小野:あ、本当はわかってて。
杉沢:そう、客観的に自分のこと見れてるのに。
小野:嫌いたくない、それを思い知りたくない。
おおしま:格付けする生き物ですものね。
杉沢:そうなんです。それで本当の自分と向き合えなくなると、そこを投げ出していろんなこと怠ったりし始めるわけですよ。化粧しなくなったりとか、ファッションに気を使わなくなったりとか。そうやって、その競争ラインから自分で離脱しようとしちゃうんですよね。そこに乗っかってるのが辛くなってきちゃうから。
だけどそこはもう我慢して、そこの中で少しでも自分のレベルをちょっと上げてみようとか、そういう努力をした上で、それに見合った人を探す。自分がここなのに「年収2000万じゃなきゃ嫌、私」って人、いっぱいいるわけですよ。お前、自分の顔見ろよと言いたくなります(笑)。
おおしま:なるほど、ありますね。
とにかく話すことで良い恋愛は作られる
おおしま:(Juli氏に向かって)どうですか、いい恋愛を成功させるために大事なこと。
Juli:キレイごとでもいいですか?
おおしま:全然いいですよ。
Juli:皆さんわかっているとは思うんですけども、やっぱり話し合いだと思います。コミュニケーション。絶対ダメなラインとか、まあセックスもそうですし、弊社のビデオでも言ってますけども、自分がいいこと悪いこととかを全部お互いに話し合う。
喧嘩するなら、そのままフェードアウトするんじゃなくて、ちゃんと話し合えば、お互い分かり合って高め合って、また長続きするわけで。長続きすれば、それだけお互いが分かって、いい恋愛に繋がるのかなと思うので。
おおしま:例えばセックスの話だったりすると、ちょっと言うのためらうとか、恥ずかしいみたいなのは、どういうふうに乗り越えたらいいんですかね?
Juli:もう本当に、そこは頑張ってもらうしかないと思うんです。だって話さなきゃ、テレパシーなんか現実じゃありえないので。好きの気持ちもちゃんと言う、嫌なら嫌と言う、してみたいセックスがあるなら、そういうセックスしたいって言うのが一番大切だと思います。
おおしま:話すことで、いい恋愛は作られるってことですか?
Juli:そうです、発言が大事だと思います。
おおしま:なるほど、ありがとうございます。
なぜ自分は恋愛したいのか、そこを自分でわかっていることが大事
おおしま:じゃ勝部さん、最後。
勝部:そもそも何で恋愛したいんですかね?
(一同笑)
おおしま:幸せってことですかね? まあ、いい恋愛を成功させるために一番の要素ですから。いい恋愛をしたいっていうことは向上したいってことなんで、今よりも人生の幸せ満足度を高めたいってことじゃないですか今は、幸せになりたいから恋愛したいと仮定しましょうか。
勝部:それもそうなんですけど、個人的にはもう少しゼロベースで物事を考えられるといいかなというふうに思いますね。
おおしま:と言うのは?
勝部:何で自分が恋愛したいのかとか、その動機を因数分解することが大事だと思うんですよ。自分がやろうとしている恋愛のプランニングが本当に自分に合っているかどうかってのは、動機を細かく見つめ直して行かないと見えてこないと思っています。。
おおしま:何事も?
勝部:そう。恋人って今あるから、当たり前だから皆やっていますが、本でも書きましたけど、結局は中世の発明品ですよね。結婚もそうじゃないですか。で、全然ない国だってあるわけじゃないですか。
だから、自分が一旦そういうシチュエーションになった時に、果たして本当にそれが必要なものなのか? 必要なものだと思うんだったら、どうして必要なものなのか? その辺が自分でわかってないと、やっぱり結局は周りの価値観に振り回されちゃっていつまでも「自分の幸せ」にたどり着けないまま終わってしまうんだと思います。
いい恋愛をプランニングするために、まずは「いい」を見つめ直す
おおしま:じゃあ、この質問をそもそも出してるってことは、そのプランニングがどうなのっていうことですか?
勝部:プランニングがどうなのっていうか。幸せとかいいって言いますけど、「いい」の基準の尺度がどうなっているかとかは気になりますね。
自分がいいと思うを基準にしているのか、周りがいいと思うを基準にしているのか、自分のちゃんと軸ができた上で良い悪いの判断をしているのか。というところはすごい気になります。だって、幸せの尺度だって全然違うわけじゃないですか。
おおしま:うーん。
勝部:ブータンで暮らしている人が、全然お金もなくて車もないのに幸せだって言ってるわけですよ。だから「いいって何だろう?」っていうのを、まず見つめ直してほしいなって思います。すごい抽象的ですけど。
おおしま:そこを見つめ直すと、幸せになれるんですか?
勝部:まあ、「幸せになりたい!」のように振り回されているよりかはましになるんじゃないですか、やっぱり。
おおしま:だったら、勝部さんにとって幸せって何ですか?
勝部:幸せって何か……。うーん、生きてることじゃないですか。
おおしま:じゃあ、今すごい幸せ?
勝部:ですね。何か、生きてる心地があることが幸せかな。幸せじゃない時って、やっぱり生きてる心地しないじゃないですか。
おおしま:何か哲学的な話になりましたけど。
勝部:なっちゃいましたけど。
おおしま:勝部さんの結論としては、いい恋愛を成功させるための一番の要素は、その自分のいい恋愛の定義みたいなものをしっかり持つことですかね?
勝部:そうですね。自分にとってのいいって定義をどう持つっかてことは、すごい大事だと思っています。
大盛り上がりの「女子SPA!」座談会、これにて閉幕!
おおしま:結構、三者三様な話が出ましたね。
小野:ねえ。
おおしま:ということで、そろそろいい時間ですかね。
小野:いい時間で、ずいぶん長いこと盛り上がりましたけども。
おおしま:ありがとうございます。
小野:今回、「女子SPA!」プレゼンツとしては第1回だったので、また機会を設けて開催したいと思います。本日はありがとうございました。
(会場拍手)
おおしま:ありがとうございました。後ろの景山さんのDVDとか、あと、勝部さんの本もちょっと。
小野:Now On Saleです。
おおしま:はい、Now On Saleなのでよろしければ。
小野:勝部さんは、ご希望とあらばサインもいたしますので。
おおしま:ぜひ、よろしければ。
小野:お買い求めください。よろしくお願いします。
おおしま:よろしくお願いします。