「相棒が毛むくじゃらなんだよ」 ハン・ソロとジョブズ、ゲイツの共通点

第21回『絶望に効く薬LIVE!~天才、柿内芳文登場!出来る編集者とはコイツの事だ!!』 #5/5

漫画家の山田玲司氏がフランスのドキュメンタリー番組で放送された「スティーブ・ジョブズ対ビル・ゲイツ」の特集をピックアップ。ジョブズがアップルをクビになり、ピクサーで大成功を収めた話や、Macを真似てWindowsをリリースしたゲイツとの戦い、仲直りまで、何度聞いてもおもしろい、世界一有名な起業家2人のお話。山田氏によると、ジョブズとアップルの共同創業者であるウォズニアックはまるで漫画家と編集者の関係であると語ります。その理由とは? その他にも「編集者めんどくせーと思ったらジョブズと仕事してると思え」といった、人間関係のストレスを軽減する仕事術を解説します。

ジョブズVSゲイツはコミュ障同士の戦い

山田玲司氏(以下、山田):編集のことをずっと考えてて。俺先週から今週までずっとネームばっかりやってるんだけど。ずっと、何度も何度も見てたのが、フランスのドキュメンタリー会社が作った、ジョブズ対ゲイツっていうBSドキュメンタリー。見た? 色んなVSをやってるんだよ。マルコムX対キング牧師とか。

おっくん氏(以下、おっくん):知ってる! でもその番組見てない!

山田:みんな見たんだけど、一番おもしろかったのがジョブズ対ゲイツで。それはさんざん見てるんだよ。映画にもなってるし、本も読んでるしさ。だから知ってるはずの話ばっかりなんだけど、やっぱり見てておもしろい。

「何がおもしろいんだろうな?」ってずっと思ってた。ジョブズって基本的にヒッピーなんだよ。ゲイツはオタクなの。ナード。だからヒッピー対ナードの戦いなの。ジョブズは一見オタクかなって思うんだけど、全然オタクじゃない。リア充でもないの。あいつヒッピーなんだよ。要するに、これ何かなと思って。

これ見てておもしろかったのがね、はい、まずこれ、ジョブズコンビ。スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックね。有名なスティーブ2人で始めましたっつって。こいつ(ウォズ)天才プログラマー。でこっちの方が本物のオタクなの。「僕パソコンしかできません」みたいな人なの。

「こいつすげーな」って(ジョブズは)思うんだけど、「こいつ使って一発儲けられんじゃねーか」ってMac作るのに至るわけだよ。それでハードウェア作るんだけど。おもしろいのが、ビルゲイツ陣営、マイクロソフト陣営は相棒はポール・アレンってこれまた同じような人なんだよ。これおもしろいでしょ。相棒が毛むくじゃらなんだよ。

それで、この人も天才プログラマーなの。この人(ゲイツ)もエンジニア。エンジニアとエンジニアが組んでんの。だけどこの男は天才的なビジネスの才能があって、本物のオタクでコミュ障なんだよ。だからね、潜伏して作戦を練るんだよ。

ジョブズもコミュ障なんだけど、積極的なコミュ障なの。ぶつかるんだよ。ゲイツは引きこもるんだよ。だからこの2つのコミュ障の戦いがパソコンをここまでのし上げたの。IT産業を。

要するに2人とも大学卒業してない。途中で辞めちゃってんの。「俺たちでやってやろう」っつってこいつら何したかっていうと、大人をやっつけたの。

絵ヅラがおもしろいんだよ。いたでしょこれ。有名なやつー! これジョブズとウォズニアックですね。

おっくん:はー、確かに確かに。

山田:思い出してください。この人、ウォズニアックって「ウォー」しか言わないけど、この人運転してますよね。

おっくん:はっ。

ジョブズと手塚治虫の共通点

山田:この人できるんです。それで文句言わないの。良いコンビなの。2人でアップル作ったんだよ。ミレニアム・ファルコン号ってアップル作って、でこれ帝国軍と戦うから。帝国軍はIBMですね。IBM倒したんだよ。ジョブズって、スターウォーズのルーク・スカイウォーカーなの。ハン・ソロであり。

おっくん:謎の説得力。

山田:この人ヒッピーなんだよ。ルーカスもヒッピー。みんなジョン・レノンにやっつけられた人たち。みんなインド最高。この人(ジョブズは)インド行ってますから。インド行って師匠探しに行くんだけどいなかった。それで戻ってきて……っていう話なの。これすげーおもしろいなーっと思って。

アップルはハード作って、マイクロソフトはソフト作るんだよね。Apple IIからMacintosh。Macintosh作ってる時にこの人たち(マイクロソフト)はソフトウェアの部分でBASICってのを作ってて、このBASICがないとパソコンが動かないって状態を作ってる。

Macintosh作るんだけど、こいつらのやつ(ソフトウェア)がないと動かないから。しょうがないからチームに入れるんだよ。それで一緒にMacintoshの宣伝もしてんの。

おっくん:へー。

山田:その間にこいつ(ゲイツ)、「ソフトのままだとぜってー終わるな」と思ってWindows作り始めちゃうの、内緒で。だから、いわゆるGUIって言われる、それをまんまパクって自分で勝手に作っちゃう。それで大喧嘩になるっていうのが有名な話で映画にも出てくる。そんな流れなんだよ。

こいつ(ジョブズ)は手塚治虫になるわけよ。手塚先生が虫プロ潰すときと一緒で、四面楚歌になってみんなから「お前で出てけ」って会社からクビにされるの。虫プロの治虫と同じパターン。これを救うのが誰かって知ってる?

おっくん:知らない。

山田:ジョージ・ルーカスが離婚のときにお金がなくって、しょうがないからコンピューターグラフィック部門を誰かに売りたいと思ってて、そんときにコイツ(ジョブズ)金持ってるし、NeXTって会社立ち上げたばっかりで、この人買うんだ。それがピクサーになるの。

おっくん:はーーー!

山田:それでトイ・ストーリー作るの。こいつは「彼らの夢を応援したかったんだ」って言うんだけど、トイ・ストーリー作ってるチームの人たちは「全部嘘だよ、あいつ金出しただけだから」っていうコメントもその番組にのっかってくんの。むちゃくちゃおもしろいでしょ。そんでトイ・ストーリーで株式公開してピクサーでまたこいつ大金持ちになるんだよ。

最後に仲直りしたジョブズとゲイツ

山田:そんでその頃だよ。こっちの時代になってるわけよ、Windows時代に。「Macも終わりだな」っつって。そして凱旋(がいせん)ですよ。

「俺のNeXT買わない? 買ってくれんならアップル戻るから」って、大人になって帰ってくるわけ。ピクサーで成功して、NeXTで失敗して、失敗も成功も学びましたっつってこいつ帰ってくるの。で、何するかっていうと今度はハードと同時にソフト作るの。それがiTunes。

iTunesってソフトを母体にしてコンピュータをハブにして、それを持ち出すiPod、iPadみたいなのを考えるのがなんと97年。97年に考えて、気がついたらガンなんだよ。「やっべー、時間ねえ!」ってギリギリやった仕事がいまのアップル。そん時にこの人(ゲイツ)何してたかっていうと、慈善事業始めてんの。それで関係が良好になりましたみたいなドキュメンタリーなの。

おっくん:仲直りしたんですか?

山田:最後に仲直りしました。すんごい喧嘩ばっかしてたけど最後は仲良くなるの。ゲイツがガンになってるジョブズをお見舞いに行きますからね。だけど最後まで「こいつ理解できねえな」って言って終わる。

俺、柿内くんにすごい言いたかったんだけど、すごいおもしろかったのが、ジョブズがNeXTにいてひどい目にあってるときに、Windows95出てバカ売れするの。ゲイツの時代来ちゃうの。

そのときジョブズにインタビューしに行ったやつがいるんだよ。そんなタイミングで行くなよ、と思うじゃん。「まあ、彼の仕事は認めるけど、とにかくセンスがないよね」ってジョブズが言うの。「ソウルがないね」って言ってる。要するに「お前センスねえな」って言ってる。

でもね、おもしろいのが、ジョブズは手塚治虫によく似てんだよ。すぐ反省して「言い過ぎた」って電話してんの(笑)。これはねー、石森章太郎が、『ジュン』って漫画で売れて『火の鳥』が売れなかった時に、手塚先生が悪口言うんだよ。それを謝るためにわざわざトキワ荘まで謝りに来るっていう手塚治虫のエピソードがあるんだよ。

おっくん:へー!

山田:これ似てるんだよー。この2人の話すっごいおもしろいっしょ。そんでね、ゲイツ「ありがとう。スティーブ。それを認めてくれて良かった。だけどあの発言はさすがにヒドイよね」。

ジョブズ「そうだよな。あれをテレビで言ったのは悪かった。だけど、本当の事だろう?」。って言ったっていう(笑)。「君の作品が、Windowsがセンスないのは本当じゃない」って言ったっていう、負けず嫌いですわ。

おっくん:負けず嫌いっちゅうか、なんちゅうか。

山田:もうフォース持ってるからさ。だから近くに寄れない、危ない。斬られちゃうからさ、この人。

ジョブズとウォズニアックは漫画家と編集者の関係

山田:そんなこんなで思ったのが、ここにエンジニアがいて、これ(ジョブズ)エンジニアじゃない。あれと似てますよね。漫画家がいますね、漫画を描きたかったんだけど、漫画は上手くなかった。

おっくん:はいはいはい。

山田:これねー、漫画家と編集者にすごい似てんの。で、これも漫画家と編集者なの。で、ウォズニアックはジョブズがいなかったら歴史の闇に消えてるはずなの。二人共そう。でも結果的に大金持ちになれたのは、横にこういう面倒くさいやつがいて、大した実力もないくせに「俺が売ってやる」ドヤァ。

「オゥー」ですよ。「アオー」ですよこれ! ハン・ソロいなかったらチューバッカはウーキー族のまんまですよこれ。

おっくん:はあー、なるほどね。そういう存在なんだ。

山田:俺、この人の並びでいうとこの人(柿内くん)ハン・ソロだよ。で、俺ウーキー族(笑)。「オーウー」ですわ。「オーウー」って言ってるところに、『山田さん、絵描いちゃだめですよ』ってのをやってくれるわけよ。

おっくん:はいはいはい。

「編集者めんどくせー」と思ったらジョブズと仕事してると思え

山田:だから編集者って、めんどくせーなと思った時にみなさん、ここが核ですよ。ジョブズと仕事してると思え。

おっくん:あっ、なるほどね。スーツ野郎じゃないんだと。

山田:そう、編集者ってのはジョブズだと思えば許せるんだ。……だって、デリカシーないんだから。

おっくん:あ、そういうとこも含めてね。

山田:しかも、寝るなって言うんだからこの人(ジョブズ)。「週に何十時間働くのは楽しいぜ」ってTシャツ作って配るんだからこの人。「寝ないで働くのってサイコー!」っていう。

おっくん:ワーカーホリックなんだ。

山田:そう。それでApple II作らせたから。みんなおかしくなっちゃって、周りが敵だらけになっちゃう。

おっくん:そりゃみんな怒るわ。

山田:でも時代は変わっちゃうし、すごいもん作っちゃうわけ。ウーキーは報われるわよ。だから、ウーキー漫画家に言いたい! 「お前の編集者は、ジョブズだと思え」って話っすよ。

そんなこんなを含めて、後半(有料)は、「俺たちがもし1億円もらったらどんな雑誌を作るか」っていうの。あと、柿内くんにキラークエスチョンしたい。創作の秘訣みたいなのが見えたら良いなっていうのと、お馴染みしみちゃんコーナーもありますんで、よろしくお願いします!

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