自分を尊重できないと人を尊重できない

<ダヴ: 美しいを選ぼう | 世界中の女性が美しいを選んでいます>

前納有紀子氏(以下、前納):「美しいを選ぼう」という動画を公開した時に、Twitterのコメントで結構たくさんあったのが、「こんなに綺麗な人なのにそんなこと(自分の見た目に自信が持てないと)思っているんだ」というような感想で。

外国の方々が5都市で今回撮影しているのですけれども、外国の人たちも自分と同じような悩みを抱えていると言うようなポイントで共感されている方もすごく多かったようで。そういう意味で日本人としては「外国の方って美しい」と思いがちなんですけども「でもそれは、持っている悩みは皆一緒なんだよ」というのは裏メッセージとして1つご理解いただけたポイントだったのかなと思います。

司会:工藤さん、やはりコミニュケーションをとるという上で、セミナー等たくさんされていると思うのですが、コミニュケーションを円滑化する中心になる想いが自己肯定感だったりするのではないでしょうか?

工藤紀子氏(以下、工藤):そうでうすね。自己肯定感というのは、「自分で自分をどう思っているか」という感覚なんですね。それで自分を受け入れるということは、さきほど申し上げましたように、「自分が自分であって大丈夫」という自分の存在への自信を持つことなんです。

司会:やりながらで良いんだと?

工藤:それが実は、他者を受け入れるという、そういう関係性もそこにあるわけなんですね。

高橋真麻氏(以下、高橋):そうか……。

工藤:ですから、自分を受け入れられないと自己肯定感が低くて、自分を尊重できないと人を尊重できないのです。

司会:なるほどね。

工藤:そして人からもなかなか尊重されにくい。それがやはりコミニュケーションに影響している部分だと思います。

司会:高橋さん、番組上初めてお会いする人たちがいたりですとか、先輩や年齢層もいろんな方にお会いすると思うのですけど、他の方とのコミニュケーションという意味で、高橋さんが気持ちが変わったということはありますか?

高橋:そうですね。自分に自信が持てない時は「もう私なんて」と思って皆様が談笑している場の中に入れなかったり、結構ネガティブになってしまって人とコミニュケーションをとるのが難しくなったりとか。

どうしても内に内に入ってしまって、対人関係が狭まってしまうという傾向はありました。でも今は自信では無いですけれども、私はこういうパーソナリティで、こういう見た目でこういうお仕事でと、全てを受け入れることによって。

もちろん、機嫌が悪い日とか調子悪いなんて日もありますけれども、基本仕事場ではニコニコ笑って人とお話したり、人が何か食べたら「それはどういうものなんですか?」って積極的にコミニュケーションとるようになったら、やっぱり現場の雰囲気も良いですし、良かったんじゃないかなと思います。

司会:随分違うものですね本当に。

高橋:私の父親は、いつも現場で大声で笑って、いろんな人に話しかけて、いろんな人とコミニュケーションとって、誰構わずスタッフさんでも技術さんでも皆とお話していて、やっぱりそういう人ってすごく人が寄ってくるし、現場の雰囲気も良くなるし、やっぱりポジティブな人っていうのは良いんだなって。

司会:そうですね。私も高橋英樹さんとお仕事させていただいたことがありますが、真麻さんのお話をすごくされていて、そういった家族の「こんな可愛くて良い子なんだよ」というお話をすることも大事ですよね。

高橋:いや~ありがたいです。そんな言っててもらっていたなんて。

コンプレックスを愛おしいと思ってくれる人と出会う

司会:はい。本当にもっとお話を伺いたい所なんですけれども、お時間が迫ってまいりましたので、会場の皆様へ向けてお一人ずつメッセージをお願いしたいと思います。ではまず高橋さんからお願いします。

高橋:はい。まだまだ私自身も自己肯定が完全にできているかといったらそうではなくて、自分のコンプレックスとか、これからもっと自分のことを好きになりたいなという所はたくさんあるので、皆で一緒にまず自分のことを好きになり、他者を愛して、そして良い社会を作っていけるようにということを目指していきたいなと思います。

そしてまた、自分が感じているコンプレックスを愛おしいと思ってくれる人と出会うということが一番良いのかな、なんて思っているので、そういう出会いに期待しております。

司会:はい、ありがとうございます。では工藤さんお願いします。

工藤:はい。今日はありがとうございます。自己肯定感というのは、人が生きていく上でとても大事な感覚です。真麻さんもおっしゃっていましたけれども、ありのままの自分を受け入れるというのと同時に、人とのコミニュケーションにもとても影響してきます。

そして最後に私がお伝えしたいのは、例えば今自己肯定感が低いなって感じられている方も、それはいつからでも本当に高めていくことができます。ですので、安心してください。そして皆さん自分をますます好きになって欲しいなって思います。ありがとうございます。

司会:ありがとうございます。気がついた時に変わらないと損ですよね。本当に。では浅野さんお願いいたします。

浅野万里子氏(以下、浅野):はい。ガールスカウトでは来年、2016年の3月までに17000人にこのプログラムを経験していただき、伝えようと思っています。今、15000人ぐらいまでいっています。あともう一息です。

1人の少女がこのプログラムを経験すると、多分おしゃべりだから、2人のお友達に伝わるだろうということで、1人に伝えて更にプラス2人で17000人は多分、実現すると思います。もしもガールスカウトの子供が、一生懸命このプログラムのことを伝えようとしていたら、どうぞ聞いてあげてください。

そして今回、こういう機会をいただいたことと、もう1つ、とっても私にとって嬉しかったのは、お隣の工藤さんがなんとガールスカウトだったのです。経験者とこういう機会にまたご一緒できて、本当に仲間がこれだけいるんだって、とても嬉しかったです。皆さん本当にありがとうございました。

人のハッピーを自分のハッピーと思える人に

司会:はい。ありがとうございます。では、最後に前田さんお願いいたします。

前田 はい。ダヴとしても来年も引き続きこの自己肯定感を高めるためのワークショップを運営していきたいと思っております。少女に対してはもちろんですけれども、私たち大人のための「大好きなわたし~FreeBeingMe(フリービーイングミー)~」という大人をターゲットにしたものも日々やっておりますので、2016年、より拡大して展開できるように頑張っていきますので、皆様どうぞサポートいただければと思います。

司会:本当に女性活躍の時代ですからね。

高橋:ね~。ハッピーな人の周りにはハッピーな人が集まるから皆がハッピーでいてほしいですね。

司会:今皆さんもう、会場暖かくなってハッピーになっていただいて(笑)。

高橋:人のハッピーを自分のハッピーと思える人っていうのはすごく重要だと思うので、人を妬んだり嫉んだり羨ましいとじゃなくて、「私もああいうのやりたい」とか、彼女が幸せで私もハッピーって思える社会であると良いなと改めて思います。

司会:そうですね~。皆さんどうもありがとうございました。それでは改めて、会場の皆さんから質疑応答ということで、こちらでお受けしたいと思います。

招待者の方に限らせていただきますが、質問のある方は手を挙げていただいて、スタッフがマイクをお持ちしますので、ご発言をお願い致します。では、早速どうぞ。何か質問がある方いらっしゃいませんか? どうぞこの機会に。では、メガネの方お願い致します。

自分自身が自分の一番の味方になること

質問者:素敵なお話ありがとうございました。私は人事をやっているのでやっぱり自己肯定感だったりだとか、いろんな学生に会ったり、もちろん社員もそうですし家族もそうです。

今日の皆さんからのお話、大変「なるほど」と思って、特に自分を受け入れるということで他人も受け入れられるという、ダイバーシティにもつながってくるなということで、いろんな点で確信を深められました。どうもありがとうございます。で、質問はですね、とても個人的なものなんですけども、ぜひ工藤さんに。

工藤:はい。

質問者:さきほど、再現性のある自己肯定感の高め方ということをおっしゃられていて、多分会場の皆さんも何かちょっとヒントがほしいなと思っていると思うんですね。それで、今日私の息子が誕生日なんですよ。

工藤:おめでとうございます!

質問者:ありがとうございます。ちょうど、何かできることがあったら今日早速子供に試してみたいと思いまして、何かいただけるアドバイスがあればお願いします。

工藤:はい。その方法というのは、実は自分を愛することなんです。「ラブ・マイセルフ」と言っているのですけれど、まず息子さんには、ぜひ皆さんから「大好きだよ」「どんな時も私はあなたの味方よ」と、その言葉をいっぱいかけてあげてください。

それで子供だけではなく、まず大人である私たち自身が自分の一番の味方になることがすごく大事です。そして、どんな時も自分を励まして勇気づけてあげて、そのままの自分で良いんだよ、大好きだよ、ということを言ってあげることがすごく大事なんじゃないかなって思います。

質問者:ありがとうございます。早速いっぱいやってみようと思います。

工藤:はい。ありがとうございます。

高橋:自分の味方になるというと、自分を可哀想だとかって思うことではないんですよね。

工藤:はい、そうですね。さきほど真麻さんがその通りのことをおっしゃっていたなって思うんですけれども、どんな時も自分を肯定してあげて、「大丈夫だよ」て言いながら元気づけてあげる。それがとても大事なのかなって思います。

司会:はい。ありのままの自分を受け入れるという言葉ですよね。

高橋:ありのままの自分を知るということもすごい難しいですよね。私もたまに「真麻さんらしくやってください」て言われた時に、私らしさて何? みたいなことは思うんですよ。だからまず自己分析というか、ありのまま自分を知る術というのも知りたいな~なんて思います。

マイナスの感情にこそ自分の本当の想いが隠れている

司会:そうですね。やっぱりワークショップ等で知ることができますよね?

工藤:そうですね。あとは、ここにいる皆さんにお伝えしたいのは、自分をより理解できるようになると、もっと自分を好きになれるんですね。あとは感情を大切にしてあげることだと思います。

司会:感情?

工藤:いろんな感情を私たちはもっています。そしてプラスの感情はたくさん感じたいと思うのですが、なかなかマイナスの感情は見たくないとか、感じたくないと言って無視してしまいます。実はそのマイナスの感情にこそ自分の本当の想いが隠れていたりするんですね。ですので、それをちゃんと受け止めてあげて、感じ尽くしてあげるというのも自分を知る1つの大事な方法だと思います。

司会:はい。ありがとうございます。ではその他に何かご質問はありますか? いかがでしょうか。聞いてみたいということありませんか? はい、では黒いセーターの方。

質問者:先ほど高橋さんのほうから出されていました、自己肯定感が自信過剰になってしまうというような話だったのですけれども、自信過剰って実は自己肯定感の無さから生まれるんじゃないかな、というふうに思っているんですけど、そこらへんをどなたか説明していただければなと思っています。

工藤:はい。では私から、まさにおっしゃっている通りで、本当に自分を受け入れて自信のある人は、自分を良く見せようとかはしないわけですね。そして自信過剰というのは、膨れ上がった自己愛といいますか、自分をある意味ちゃんと等身大で見られていないということかもしれません。

よく「自惚れ」という言葉がありますが、自惚れという言葉は読んで字の如しだと、自分に惚れているという意味だと思うんですけども、私たちが広く一般的に使っている「自惚れ」というのは、人と比べて自分が優れていると感じているんじゃないかなと思うんですね。

そうすると、ものさしが外なんです。そして人と比べて自分は優れていると思う時にはハッピーになって、それで人よりも劣っていると思うと「あ~」ってなる。それが劣等感を持ちやすいんですけども、多分自信過剰というのはそういう所にも関連しているのかなというふうに考えています。

高橋:ということは、自己肯定感は自分の中のものさしで自分のことを受け入れて自分のことが好きということですよね?

工藤:はい。そうです。

司会:よろしいですか? はい、ありがとうございました。それではお時間ですので、これでトークセッションは終了させていただきます。皆様に改めて素晴らしい拍手を。ありがとうございました。

(会場拍手)

一同:ありがとうございました。