“自称・クール”はCOOLじゃない
行動の先に生まれる、日本文化の真の価値

パネルディスカッション「クールジャパン -次のステージへ-」 #4/4

12月15日、「クールジャパン官民連携プラットフォーム」の設立を記念して行われたパネルディスカッションに、自動車、ファッション、飲食など、さまざまな分野から4名が登壇。「クールジャパン -次のステージへ-」をテーマに話しました。ファッション・ジャーナリストのミーシャ・ジャネット氏は、クールであることは自称するものではないと指摘します。

海外ハイブランドは実は日本で作られている

梅澤高明氏(以下、梅澤):ミーシャさん、日本の地方のコンテンツ(どうですか?)。

ミーシャ・ジャネット氏(以下、ミーシャ):ファッションですか?

梅澤:ファッションじゃなくてもいいです。これはおもしろいなと思うものってあります?

ミーシャ:そうですね。まずアメリカ人の私にとっては、あんまり地方、この地方に行けばこういうものが食べられるっていう文化はないんですね。

なので、日本人がわかってるそういう地方に行きたいとか、こういうものを食べたいとか、ここに行けばこれがおいしいとか、すごくそこまでじゃないので、そういった文化のある国の人たちをまずターゲットにして。アメリカ人はわからないかもしれないから、とか。

梅澤:いやいや。アメリカ人の中にも田舎派と都会派がいるので。ミーシャさん、都会派だったんですね。

ミーシャ:冗談なんです(笑)。なんですけど、私さっき、地方っていうと何だろうと思ったんですけど。

私ファッションの分野なので、実は日本の地方には工場がいっぱいありますね。工場がどんどんなくなっていくんですね。仕事がないから。

で、思ってるのは、海外のハイファッション、そういうシャネルさんだったりイタリアのプラダさんとかアルマーニさんだったり。アルマーニさんだったらイタリア製。シャネルだったらフランス製。

実はそのブランドは、日本の工場をよく使ってますね。生地だったりとか実は日本製だったりする。なぜそれは一般的に知られてないんだろうっていうのがまず1つ問題なんですね。PR力が弱いですね。自分のことを自慢できないとか。

海外のほうがちょっとピックアップするんですけど、もうちょっとそれが知られているようになったら、非常に地方も伸びるんじゃないかなと思うんです。

岡山とかもデニム好きな人は知ってるけど、岡山イコール世界のデニムキャピタルとかは知られてないと思います。

本田が考える「移動する喜び」

梅澤:そうですね。小橋さん、思うところありますか?

小橋慎一郎氏(以下、小橋):はい。やはり我々モビリティメーカーなので、地方創生に対してもモビリティというところの視点では、よく我々のなかでも議論になります。

本田にはいくつか「喜び」という考え方があるんですけど、移動する喜びってあるよねと考えてます。

何を言ってるかというと、例えば今はもうネットもすごく普及してますし、家のなかでこもってしまって、何でも知ることもできるし、何でも自分のものになったかのような感覚を持つことはできるんです。

でも、いやそうじゃないでしょうと。実際の体験をして、外に出て出歩いて、自分で実体験をするっていうのはすごく大事だし。それは別に年齢に依存せず、地方で高齢の方が多くても、ご高齢の方でもすごく簡単に出ていけるようなもの。そういうモビリティができないかっていう視点で。

例えば我々は、狭小四輪、MEVって呼んでますけれど、非常に小さい四輪で電気の超小型自動車、それが宮古島や熊本というところで、そういったものが使えないかだったり。

我々のUNI-CUBのような、小さな乗り物で先ほどのラストワンマイルの話もありましたけど、少し出るときに手助けしてあげれるようなことができるというテクノロジーで地方を創生できれば非常にいいなと思ってます。

梅澤:自動走行車、最近話題ですけど。あれも一番ニーズがあるのは多分、トラックやバスの運転手さんとそれから極めて高齢化が進んでる地方部。

小橋:そうですね、我々もご高齢の方々を手助けできるような自動運転を作っていけないかというのを本田として一番最初の、大きく3つに掲げてるなかの1つとして掲げてますので。そういったものも地方創生の非常に大きな役割、一助として、やはり人のためになるものを技術としてやりたいって思ってますね。

梅澤:しかも世界に先駆けて自動走行車が走り回ってる日本を作れば、これ自体がクールなので。

小橋:そうですよね。

梅澤:ぜひ頑張ってほしいなと思います。

版権の問題をどうクリアにするか

そろそろクロージングしなきゃいけないんですけど。せっかくなのでフロアから、2つ3つご質問を頂いてクロージングにしたいと思います。

何かご質問ある方いらっしゃったらお願いします。

(会場挙手)

梅澤:後ろのほう、お願いします。

質問者:株式会社○○の○○と申します。鳥取県でハンドバッグのメーカーをやっております。

クールジャパンで僕らも結構海外に今、輸出してるんですけど。さっきの資料のなかにもあったんですけど、今後キャラクターとのコラボとかっていうのは。特にクールジャパンの場合は衣食、コンテンツとかって言われるんですけども、特にそのなかでもやっぱり食とコンテンツ。特にコンテンツが強いんじゃないかなと思っています。

ただそのなかでやってくのに日本のコンテンツ、特にアニメなんかがベースとして非常に強いっていうのは事実だと思うんですけども、ただそれを海外戦略に使用しようとしていくと、いろんな地域でかなりいろんな版権の問題が出てきて。

例えば国内では全然問題なくできても、例えばこれがアジアに行くと、この国では駄目とか、ここじゃ駄目みたいな話になってくるというのを今からかなり想定できるんじゃないかなと思ってるんですけど。

梅澤:その版権問題をどうクリアしてくれるのかという質問ですか?

質問者:そうですね。何か国家財産みたいにできないのかなとか思ったりしてたんですが、そのあたりはどうでしょうか?

梅澤:はい、ありがとうございます。ほかの方はいかがでしょう?

じゃあ、今の質問は多分夏野さんに答えていただくのがいいかなと。

夏野剛氏(以下、夏野):そうですね。やっぱり知的財産に関しては日本は本当に厳しくて。厳しいだけじゃなくて、結構自粛しちゃってるところがあるんですよね。

梅澤:そうですね。

夏野:かなりきわどいところをやってきたのがニコニコだったりするんですけど。

やはりGoogleが出てきたときに日本で議論があって。検索エンジンって何か知財を犯してるんじゃないかみたいな議論があって。Googleに対抗するものを作ろうっていうんで、情報大航海プロジェクトっていう今はなきプロジェクトがありましたけど。

勝手に検索した結果を表示することはいかなるものかみたいな議論をしてる間に、Googleにさっとやられてしまったっていうのがあるんですね。

ですから、やっぱりチャレンジすることが大事なんですけど、チャレンジするには当たって砕けないと駄目なので。その使いたいコンテンツがあるんだったら、日本の場合は幸いなことに誰がそれを提供してるかっていうのを割り出すのはすごく簡単なので。

ですからまずはそこへ行かないと。行って門前払い食らったときに、ここに来るっていうのがいいですね。ここにコンテンツ関係者がいるんで、誰かの友達ですから。この特に前のほうに座ってる人に訴える。そうするとこの人たちが動いて何とかすると思います。

梅澤:ありがとうございます。

クールは自称するものではない

じゃあミーシャさん、小橋さん、楠本さん、お三方にそれぞれ1つ特に視聴者の方に対してメッセージを頂いて終了にしたいと思います。

ミーシャさん、お願いします。

ミーシャ:私が1つ言いたいのは、こちらのクールジャパンに対しても視聴者さんに対しても、やっぱりクールっていう文化は日本と海外はかなり違うと思いまして。

まず日本だと著名人とか結構立場のいい人が「これクールだね」とか「クールでしょう?」とか言うと周りがちょっとずつ「あ、そうね。クールだね」「あ、そうだ、クールだ」って言う。みんなが連鎖みたいになるんですけど。

海外だとクールと最初に言うんじゃなくてクールだと思わせる、自然に。自分がクールだって言ったら海外では相手は「いや、私はそう思わない」「私そう思ってないから。あなたと違うから」って言う。主張する個性が海外なので。

日本がクールだって推してると、逆に反対されるかもしれない。なぜ日本がクールジャパンになってるかっていうと、自然に外国人が自分でこれクールだって思ってくれてるから。まずおもしろいことやってる市長さんだったりブランドやってる方だったり、まず情報をいっぱい流してほしい。英語とか海外の言葉で。

それが自然にピックアップされることがあるので、じゃあピックアップされたものがクールだと思われてるからそれに噛み付いてクールジャパンが支えてあげるべきだと思います。

梅澤:はい。まずは英語でどんどん情報を流せと。

ミーシャ:はい。流してください、情報を。

梅澤:そのとおりですね。

スーパーポジティブが生む正の連鎖

小橋さん、お願いします。

小橋:はい。ワンワードにしてしまうと私もまったく同じで、どんどん情報を発信していただきたい。ここにいらっしゃる皆さんにも、視聴者の皆さんにも。それが非常に大事になるし、クールって感じていただいたんであれば、それをどんどんいろんなかたちで発信していただければ、例えば製造業でも、それが1つ大きな力になりますし。

やはり異端なことをやってるという意味でいくと、そんなに順風満帆に社内でも開発できるわけでもないっていうところがあって、「いやいや、外の力はこうなんだ」って発信できる非常に大きな助けになるということも含めて、そういった部分のパワーを頂ければなと思います。

梅澤:はい、ありがとうございます。楠本さん。

楠本:はい、ありがとうございます。僕、ずっとやっててクールジャパンっていうと、「クールジャパンって言ってることがクールジャパンじゃないから」って100パーセント言われるんですよね。

だからそうなんですけど、ちょっとその議論はもう置いておいて。皆さんに言うことで言うと、そうなんですけど、でも「参加しようよ」「何かやっていこうよ」っていう一言に尽きると思います。

僕、いろんな都市に遊びに行って思うことは、クリエイティブだなとか、かっこいいなとか刺激を受けるなっていう町って、必ずスーパーポジティブなんですよね。ポジティブな連鎖が町の活力をすごく作っている。世界的にやっぱりそうだと思うんで。

多分、何かやっていくうちにポジティブの連鎖が生まれることが、結果的にクールだよねって言われていくクールジャパンの神髄じゃないかと思うので。一億総云々じゃないですけども、全員で参加していく場を作っていくべきだと思うし、産官民連携ということで本当にプラットフォームができたのはすばらしいことだなと思います。

最後に1つ、金担保主義ではなく、金融とかそういった分野も新しいこれは何か世界的に可能性があるかもしれないみたいなことに対して、積極的に参加していくことをプラットフォームでもぜひやってほしいなと思いますので、ぜひ金関係の皆さま、よろしくお願いいたします。以上です。

梅澤:ありがとうございます。

皆さんにおっしゃっていただいたとおり、どんどん情報発信をしましょう。それからまさに最後楠本さんが言われた、ポジティブな連鎖をつくっていきましょうということで、この後まさにそのための場がありますので、皆さまぜひ有効にご活用いただければと思います。

それでは4人のパネリストの皆さんに盛大な拍手をお願いします。ありがとうございます。

(会場拍手)

制作協力:VoXT

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