2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
Top 5 Deadliest Diseases(全1記事)
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僕らを殺そうと狙っている連中は、世の中にごまんといます。中でも手練の者を紹介しましょう。致死率の高い、上位5位の疫病です。
さて、皆さんはたとえば、これから食べようと思っている食品を身近に置いていますか? もし犬がいるのなら、そいつを別の部屋に移動させた方がよいかもしれませんよ。
皆さんは、怪物のような悪党、つまり致死率の高い「生物」についての話が始まるのだな、と思っているのかもしれませんが、実はそうではありません。今日これからお話しする疫病は、ウイルス性のものです。
ウイルスとは、皆さんもご存じの通り、蛋白質の袋にくるまった核酸でできた、ゴミ袋のような輩です。一般的に言われている「生物」とは、少々毛色が違います(訳注:ウィルスを生物と定義するか否かについては、長年の議論がある)。
ウィルスは、数千万年もの間、うようよと存在していました。私たちのDNAを海賊のように乗っ取っては、自分の複製を作ります。私たちのお尻にイボとしてできたりします。
でも、イボの話をしているわけではありませんよ。もっと悪いものです。極めて高い致死率の疫病についてです。ちなみに、専門家はどのように、疫病の致死率を計算するのでしょうか。その病気だと診断された人数のうち、その病気が原因で亡くなる率を、パーセンテージで表します。
スペイン風邪について聞いたことがありますか。1917年から1918年にかけて、世界中で300万人もの人が犠牲になり、世界史の道筋を根本から塗り替えました。これは、H1N1というウィルスの仕業です。致死率は10から20パーセントでした。
これから話す病気は、これよりもはるかに高い致死率を誇ります。これらに比べたら、スペイン風邪などはものの数にも入りません。
まず「ニパウィルス感染症(NIPAH)」があげられます。平均致死率は50パーセントです。1999年に発見され、マレーシアの町の名から名づけられました。養豚農家の人々が、重篤な呼吸器障害、幻覚やけいれんを引き起こす脳炎で、次々と倒れました。よくない幻覚です……よい幻覚なんて、あるんでしょうかね。
インドやバングラディシュでも流行が見られました。この時は、ウィルスの宿主であるコウモリに汚染されたフルーツを食べた人々が、感染したのです。これらの流行の中には、致死率が100パーセントに上ったものもありました。
ニパウィルスに対しては、治療薬もワクチンも存在しません。ニパウィルス感染症について、何が一番恐ろしいかと言えば、ブタやコウモリ、フルーツコウモリの媒介なしに、人から人へ簡単に感染することが証明されたことです。
2001年には、インドのシリグリ市で流行が見られました。発症例のうち、75パーセントが市内の病院施設に行った人だということがわかりました。その施設に行っただけで、感染してしまったのです。
まあ、皆さんにはあまり関係ありませんよね。皆さんは、養豚業者で、なおかつシリグリ市の自宅からこの動画を見ているのではないはずです。
大抵の人は、「H5N1ウィルス」について聞いたことがあるでしょう。以前は、鳥インフルエンザとして知られていました。主にアジアやヨーロッパでたびたび流行しましたが、鳥が死亡するのみでした。
幸運なことに、人に感染する例は少なく、人から人へ感染することもまれです。あくまでこれまでは、の話ですが。
さて以前に、研究者たちが、鳥インフルエンザをフェレットに感染できるよう、遺伝子操作を行なった話をしましたね。そしてここが重要なのですが、フェレットは、人と同じ免疫システムを持っているのです。理由は僕には聞かないでください。
この新たな系統は、人にも感染が可能になったと考えられます。これは大変なことです。なぜなら、WHOはH5N1では少なくとも感染者の54パーセントが、呼吸器障害で死亡すると発表しているからです。
世界には、この系統の病原体に対するワクチンが存在していますが、少なくともアメリカでは、政府が止めているため、一般には市販されていません。
哺乳類同士で感染する系統の病原体に関しては、現在はウィスコンシンの研究所とオランダに、厳重に管理保管されています。願わくば、指紋認証と音紋認証でがちがちに管理された、巨大な錠前がついていることを祈ります。
ウィルスを扱った研究者の弁によれば、ワクチンが開発できたとのことです! 少なくとも、彼らが開発した系統に対するものはできているそうです。世界にリリースして、販売してほしいですね。さぞや儲かることでしょう。
「オーケイ、ハンク。自分はマレーシアのコウモリ取り扱い業者ではないし、台所にキャンディやダイエットドリンクを持って籠っているから、鳥インフルエンザのパンデミックが起こったって、素通りするだけだ。まあドーナツでも食べようよ」とあなたは言うかもしれません。
ではこの話はいかがですか。
1967年、ドイツはマールブルグ市の科学者たちは、ウガンダから輸入されたサルを使って、ポリオワクチンのテストをしていました。さあ、ドイツ人科学者と研究所のサルから始まる、恐怖の殺人物語の幕開けですよ。
やがて科学者たちには、腸が捻じれるほどの苦痛に満ちた、だらだらいやな汗をかくほど恐ろしい症状が出始めました。高い発熱、下痢嘔吐、大量の内出血。やがて患者の循環器機能は停止します。
じきに科学者たちは、サルと感染症との関連性に気が付きました。自分自身を研究することにより、今日「マールブルグ出血熱」と呼ばれるウィルスの分離に成功しました。
この1967年の最初の発症により、科学者の23パーセントが死亡しました。それ以降、アメリカを含み、この致死率は依然変化していません。中央アフリカを主に、たびたび流行が見られ、患者のうち80パーセントが死亡し、ひとたび流行すると何百人もの感染者を出します。
空気感染するニパウィルスとは異なり、マールブルグウィルスの感染は、感染者の体液や組織への接触によりのみ起こります。ひとたび感染すれば、あたりはそういうものまみれになるはずですよね。
まあ、常識的には考えられない状況ではあります。だって、いったいどうやったら、感染者の便が身体につくというのでしょう。実は、患者の身体が爆発状態になってしまうからなのです。(空気感染しないことを)神に感謝しなくてはなりません。そうでなければ、大変なことになりますから。
WHOによれば、マールブルグウィルスは、人間に感染する病原体のうち、最も異形のもののうちの1つだということです。
国家安全保障当局は、マールブルグウィルスを、過激派に渡してはいけない、もっとも危険なウィルスリストのトップに載せています。
さて、先述の、初めてマールブルグウィルスを分離した、ドイツの科学者たちは、これまでとはまったく異なる、新種のゴミ袋を相手にしていることに気が付きました。異形のウィルスで、人の循環器システムを攻撃します。こうして彼らは、「フィロウィルス科」を発見しました。
フィロウィルス科には、マールブルグウィルスのいとこにあたる、本日のリストで2番目に危険なウィルスも含まれます。ザイール株エボラウィルス、「ZEBOV」です。
名前からもわかるように、5種のエボラウィルスの1つで、ほとんどの流行は、このウィルスが原因です。また、知られている限りでは、もっとも凶悪なものです。
マールブルグウィルスと同様、ZEBOVウィルスは、風邪に良く似た症状を引き起こします。笑顔でご紹介します。嘔吐、発熱。血管を破壊し、粘膜の皮下出血を起こします。笑顔の方がなごむでしょう?
しかし、致死率はマールブルグウィルスよりも高く、83パーセントに上ります。コンゴ共和国の流行では、2,000人が死亡しました。これは、感染者のうち実に90パーセントが死亡したことになります。
これより悪いことなんて、果たしてあるのでしょうか。致死率90パーセント以上に危険な疫病など、存在するのでしょうか。この地球上の、どんな片隅に、それははびこっているというのでしょうか。
これから話すのは、少々びっくりするようなことです。まず冒頭で、「犬を別室に入れなさい」と言ったでしょう?
世界第1位。かかるとシナリオの最悪の結末を迎えることは必至。打率100パーセントの致死率の疫病。それは狂犬病です。
「はあ? なんだって? 僕のかわいいゴールデンレトリバーが、人類最凶の疫病の媒体だって? そんなばかな。狂犬病なんて、普通にどこにでもある病気でしょう。ワクチンだってあるじゃないか」
みんな本当です。そして狂犬病の致死率が100パーセントというのも、事実です。つまり、一旦この病気の発症が診断された暁には、確実に死にます。狂犬病を発症して生き残った人は、10人未満です。生存者は10人に満たないわけです。
では、なぜ人類は狂犬病の餌食になっていないのでしょうか。理由は3つあります。
1つ。今日お話ししたゴミ袋の数々とは異なり、ワクチンがあるからです。狂犬病ワクチンは、世界中どこにいても手に入ります。1880年にルイス・パスツールが、狂犬病に感染して死んだ、ウサギの組織を用いて開発しました。
それ以来、人類は狂犬病を手の内に納めることができるようになりました。しかし骨身にしみるほどよく覚えておいてもらいたいことは、これはあくまで予防であり、治療ではないということです。
ここから、2つめの理由が導き出されます。狂犬病の潜伏期間が非常に長いためです。
潜伏期間とは、感染してから発症までの期間を指します。マールブルグウィルスやエボラウィルスの潜伏期間は、わずか数日ですが、狂犬病のそれはなんと2カら3カ月です。
つまり、たとえ感染しても、その後から予防接種を受けることのできる期間が12週近くもあるということなのです。ワクチンにより発症が抑えられます。ウィルスが体内に入っても、発症がまだの場合は、基本的には予防措置が可能なのです。
狂犬病を打ち負かした理由その3として、教育が挙げられます。少なくとも先進国では、公衆衛生教育が、長期間、広く行き届いており、誰しもが、動物に噛まれたらすぐに予防接種を受けます。ペットへの狂犬病予防接種は、多くの地域で法により義務づけられています。公衆衛生教育の輝かしい勝利と言えます。
しかし、狂犬病は、健康管理に対する公衆衛生教育が乏しい発展途上国では、いまだに深刻な問題です。
発症の過程は、おぞましいものです。初期症状は風邪によく似たものですが、2日後にはウィルスは攻撃対象として中枢神経に狙いを定め、犠牲者は興奮状態や錯乱状態に陥り、しばしば幻覚を見ます。
のどやあごが麻痺し、嚥下が困難になるため、患者は水を飲むことをいやがります。そこで恐水症というあだ名がつけられました。脈拍や血圧が乱高下して昏睡状態に陥り、やがて心停止します。
いかがだったでしょうか。
NIPAH、H5N1、マールブルグ、ZEBOV、狂犬病。これらの病気に共通の条件は何でしょうか。
皆さんもお気づきのとおり、これらは全て、人獣共通感染症です。つまり、動物から人へと感染します。もしくは、本来が動物に感染するものだったりします。
鳥インフルエンザを除き、他の哺乳類、特にコウモリなどから、簡単に人に感染します。皆さんがどうするかは知りませんが、僕はコウモリをペットにしようとは絶対に思いません。
では、感染はどのように起こるものなのでしょうか。
これらのウィルスは、モノネガウィルス目に属します。ためしに発音してみてください。僕は言いません。指さすだけです。
これは、1本の(−)鎖RNAをゲノムに持つ、弾丸型のウィルスで、動植物の細胞に侵入することを得意とします。ウィルスは細胞膜のような外壁を持たず、速やかで簡単に自らを複製したり、突然変異を起こしたりします。モノネガウィルスは、麻疹、流行性耳下腺炎、風邪など、あらゆる病気の原因なのです。
オーケイ、あなたの犬が、ちゃんと予防接種を受けたと見なして、部屋に戻してキスしてあげてください。キスしてもいいという気分ならね。気分を台無しにしていたらごめんなさい。まあ、誰かが教えてあげなくちゃいけなかったわけで、それが僕でよかったでしょう?
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