共感能力は今からでも身につく
ビジネスにも役立つ「感情移入」の重要性

Stanford Graduate School of Business Jennifer Aaker: Power of Empathy

他人に共感する能力は先天的なものではありません。訓練をしたり、教育を受けることによって、後天的に身につけることが可能な能力なのです。社会心理学者のジェニファー・アーカー氏によれば、共感とテクノロジーを上手く結びつけることができれば、私たちの普段の生活やビジネスはより伸び伸びとしたものに変わるとのこと。「自分は共感能力が低い」と諦めるのではなく、自分や周りをよく観察して、成長を目指してみましょう。

共感とテクノロジーが結びついてできること

ジェニファー・アーカー氏:共感。他の人が何を考え感じるかを理解することは、私たちを繋げてくれます。共感は自分と自分の家族、友人たち、そして同僚たちと繋げてくれます。そしてお互いにどう接するかに影響を与えます。

本能的に私たちはこのことを理解していますが、良い商品をデザインしたり、従業員の働きを向上させる点での、共感の重要性について私たちは十分に理解をしていないかもしれません。それに、その特質を培うのがいかに簡単かということを見逃す傾向があります。

「HopeLab」は非営利組織で、テクノロジーを利用して私たちの健康と福利を向上させるかということにフォーカスを当てています。

彼らの初めての商品は小児がん患者のためのビデオゲームでした。「HopeLab」の研究者たちは始めに子供たちの話に耳を傾け、若い患者たちはがんを恐れるのと同じくらい、がんの治療自体に恐れを抱いていることを知りました。

彼らは病院に行って化学療法を受けるために家を離れなければなりません。その過程は通常、自分で分かったうえでも苦しいものです。しかし通常の治療について行くことも、彼らにとっては生死にかかわる重要なことなのです。

「HopeLab」の挑戦は、そのような子供たちの態度を切り替えさせ、彼らが化学治療を、がんになったことによる悲惨な一部分ととらえる代わりに、ゲームの中で使える武器の一つとみなすことができるようにしました。

ゲームを通じてがん細胞と戦う

「HopeLab」がデザインしたゲームは「Remission」(再任務)という名前で、体の中でがん細胞を爆発させる、ロキシーという名前のロボットを導くという内容です。ロキシーの爆弾が少なくなったときは、パワーアップのために化学療法のマークを探してゲットしないといけません。そうすると彼女は更に有効にがんと闘うことができる、というゲームです。

ある研究によるとコントロールゲームに対して「Remission」で遊んだ子供たちはもっと定期的に抗生物質を摂取しましたし、医者たちは彼らの血液中で化学療法が、高いレベルで効果があることを発見しました。

さらに、他の研究結果によると、患者が「Remission」をやっている間、原動力に関係のある神経経路である、脳の中脳辺縁系が活発になりました。この活性化は化学療法に対する態度に著しい変化をもたらし、患者の治療への執着を高める助けとなりました。

共感の洞察により、若いがん患者からの視点で世界を見、「HopeLab」はそのような子供たちが自分の病気と効果的に戦える助けとなるゲームを開発したのです。

共感は学ぶことのできるスキルである

では次に従業員の仕事の出来栄えに関して見てみましょう。ある大学資金調達者たちは心理学者のアダム・グラントと同僚の目に留まりました。彼らは、資金調達する人たちが卒業生に寄付を呼びかける電話をして成功しているのを見て、その動機の原因に注目しました。

通常、資金調達者たちは、寄付から直接益を受ける立場である、奨学金受領者が誰かを知りません。それで、ある研究のなかで研究者たちは資金調達者たちの幾人かに、寄付集めの電話をかける前に、奨学生と5分間話をして個人的な関係を築けるようにしました。

結果は、生徒と個人的な関係を築いた資金調達者たちは、電話口で2倍の時間を費やし、対照群と比べて3倍近くの寄付を集めました。

共感を促進すると、仕事をパーソナル化します。ビジネスの指導者たちに朗報なのは、共感が、学ぶことのできる1つのスキルであるということです。

心理学者のカリーナ・シューマンとその同僚はある研究をしました。被験者の半数には、共感は生まれつきの特徴であると話し、もう半数には、共感が習得可能なスキルであると話しました。

後者のグループの方が、もっと共感を示し、他人の話にさらに時間を費やし、他人を助けるために進んで行動する傾向が見られました。

共感の促進はビジネスに役立つ

さらに、新しいテクノロジーは共感を教えることをさらに容易にしているのです。スタンフォードのジェレミー・バリソンと彼の同僚は、仮想現実を用いて被験者が他の人の立場で歩き回る経験をできるようにしました。

その研究結果によると、他人の視点で物事を体験すると、たとえそれが短時間であっても、共感を形成することができました。共感は私たちの結びつきを強め、他人をどう扱うかに影響を与えるということは、長い間周知の事実でしたが、増長する証拠によると、共感を促進することは、私たちがより良い商品を作り出し、従業員の仕事の内容を向上させる役にも立つということが分かります。

この深く力強い財産は、私たちの役に立つ未開発の場からすでに離れたわけですが、さらに重要なことに、これらの研究結果によると共感は習得可能であり、プロフェッショナルな私たちの生活に溶け込ませるか否かは、私たち皆ができる選択なのです。

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