5億年の歴史が手のなかに

もしみなさんが化石を見たことがあるとしたら、こんな感じのものだと思います。

甲羅があって細くて、5億年近く前のものです。それが手のなかにあるなんてありえないですよね。

オルソセラス(チョッカクガイ)は1820年の東ヨーロッパの山で発見されて以来、人々を魅了してきました。

見た目は変ですが、磨くと綺麗になります。また世界のある地域においては、どこにでもあるように思われています。これからオルソセラスの歴史と、みなさんがどうやってこれを手にすることができるようになったかということをお話します。

オルソセラスの歴史

オルソセラスは原始時代、4億5千万年前の海に住んでいました。古生物学ではこの時代はオルドビス紀と呼ばれています。非常に長い期間続く二日酔いのようなカンブリア爆発によって、5億年以上前に多数の生命が出現しました。

カンブリア紀の間、世界の海は生命に多くの恵みを与え、今日存在する動物の門(生物の体制)のほとんどがこの時代に生まれました。

資源に対する競争と、新しい進化に対する適応が同時に起こり、捕食のための鉤爪(かぎづめ)やはさみが初めて現れました。防御の面で出て来たのが甲羅です。その初期のものとして知られているのが、頭足綱の動物(イカ・タコなど)のオウムガイ類(Cephalopod)と呼ばれるもので、オウムガイ(Nautilus)を含むその子孫はいまでも生きています。

この名前は「真っ直ぐな角」という意味で、おそらく細長い甲羅がクリームコーンのように見えるからそう呼ばれているのでしょう。

オルドビス紀の間、彼らは海を支配していたんです。15cmにも満たないほど小さいですが、機動力があったんですね。また彼らは他の生物のおかげで有能な捕食者でもあり、プランクトンのような生物を食べていました。また、より大きなこういう生物も常食としていました。

水のジェットで海底を泳ぎまわる

博物館で見たことがあるかもしれませんが、オルソセラスは海底を這うのではなく、泳ぎまわるんです。水のジェットによって自身を前進させるんです。

これは連室細管(siphuncle)と呼ばれる管から押し出されます。化石のなかにもこの連室細管が通っているのを見つけることができます。このへんにありますね。

世界で最もポピュラーな化石になった理由は

なぜこれらの古代種たちが、世界で最もポピュラーな化石になったのでしょうか。まずは、いろんな場所に大量にあったからです。スウェーデンやモロッコなどで主に見つかっています。一度にひとつの場所で数百、数千も見つかることもありました。

性交の直後に大量死が起こった集団もあると主張している古生物学者もいます。これは現代のタコやイカでも時折見られる現象です。

さらに、巨大な化石発掘現場では、数世紀に渡って眠っている化石も多く残っています。もちろん甲羅をもつ種が多く残っているというのも理にかなっています。ちょうどアンモナイトやカブトガニのようにね。

その甲羅はアラレ石(aragonite)と呼ばれる物質で出来ています。甲羅は方解石に化石化するために長い間留まっていることもあります。すべての部位を化石化できるほどの砂や土壌をキャッチできるまで長い時間がかかります。

化石を見てみると、内部に石でできた鋳型のようなものが見えることがよくあります。