「すべてのパチンコ店が違法営業をしている」警察の調査でわかった驚きの実態

国会議員によるシンポジウム 「ギャンブル依存症対策を推進するには」 #1/3

11月28日に開催された「ギャンブル依存症対策推進フォーラム」に、依存問題に積極的に取り組む国会議員4名が参加。カジノを含む、IR(統合型リゾート)構想が持ち上がるなか、国内のギャンブルについて、今改めてどう考えていくべきなのか。ギャンブル依存症の8割を占めると言われている、パチンコ、パチスロを取り巻く問題から議論を深めていきました。

国会議員と考えるギャンブル依存

司会:2つ目のシンポジウムでは、国会議員の皆さまに「ギャンブル依存症対策を推進するためには」というテーマでお話をしていただきます。それでは、ご登壇いただきます先生をご紹介してまいりましょう。

まず衆議院議員、自民党、柴山昌彦先生。柴山先生は現在、内閣総理大臣補佐官を勤めていらっしゃいます。

柴山昌彦氏(以下、柴山):よろしくお願いします。

司会:続きまして衆議院議員、公明党、角田秀穂先生。角田先生は現在、厚生労働委員会所属でいらっしゃいます。

続きましては衆議院議員、維新の党、初鹿明博先生。

次は参議院議員、現在、無所属、薬師寺みちよ先生。現在、厚生労働委員会に所属されています。

進行役、ファシリテーターは元経済産業省で、現在は岡山県立大学の特任准教授でいらっしゃいます。宇佐美典也さんと、田中代表で行います。どうぞよろしくお願いいたします。

まずは、パチンコの問題から

田中紀子氏(以下、田中):それではシンポジウム2にまいりたいと思います。ファシリテーターを務めます田中と。

宇佐美典也氏(以下、宇佐美):宇佐美でございます。よろしくお願いします。

田中:よろしくお願いいたします。今日はまず、先生方とのシンポジウムに入る前に、今この業界を賑わしている話題提供を1つ、私たちファシリテーターの側からお届けしたいと思っています。

やはり今回、この話題に触れないわけにはいかないというぐらい旋風が巻き起こっておりまして。今日のギャンブル依存症の問題を考える上で絶対に必要な「パチンコ遊技問題」っていうことがあるかと思います。

1つに、ギャンブル依存症の8割はパチンコ、パチスロ依存症なんだっていうことが、厚生労働省の調査からもわかっております。

そして、次にこの問題ですね。ここらへんから宇佐美さんに解説していただいてもいいですか?

宇佐美:そうですね。今回、いろんな具体的な政策に関して議論させていただければと思っていたんですけど、柴山先生が途中でお帰りになられるということで、先にこちらのほうから具体的な問題提起をさせていただければと思っております。

上がり続けるパチンコの遊技費用

パチンコ、日本のギャンブルと言えばパチンコがやはり非常に多いので、今どういうことが起きてるかっていうことについて簡単に解説させていただきます。

平成元年から平成25年で、パチンコの遊技人口はだいたい3,000万人から1,000万人と3分の1に減ったんです。普通これだけ人口が減ると市場規模も下がるんですけども、15.3兆から18.8兆円と市場規模は拡大していって。それはなぜかと言いますと、年間の遊技費用が50万円から200万円と4倍に跳ね上がっていたと。1人当たりの年間の平均遊技費用ですね。

これがギャンブル依存症の解決に対する答えという方向ではなくて、ギャンブル依存症問題が拡大するっていうことに関して、「パチンコのギャンブル化」っていうのは非常に左右したと我々は考えております。

こういうなかで警察庁が、この問題に関しては非常に抜本的な解決に向けて手を打っております。これはグラフでございますけど、年間の遊戯人口がこれだけ減ったのに、1人あたりの平均遊戯費用が増えて産業拡大したと。

田中:こういうことですね。これだけ遊戯人口が激減したのに、市場規模自体は拡大して、こんなに遊戯費用が増えたよっていう。これを警察庁の方が言い出して、「徹底的にこの問題に対して対応する」とおっしゃったっていうことが、すごい画期的なことですよね。

宇佐美:そうですね。これまでこの問題は「あるんじゃないか、あるんじゃないか」って言われていたんですけど、ずっと見て見ぬふりといいますか。ずっと手をつけなかったんですけど、やはりギャンブル依存症問題は放置できないということで、警察庁は今年6月ぐらいから本格的な問題解決に向けて着手しています。

調査でわかったパチンコ店の違法営業

田中:それはもうあれですよね。先生方のご尽力のおかげで。

宇佐美:いや、本当にあります。

田中:ギャンブル依存症のことを盛り上げていただいたことから、これだけ警察庁もやろうっていうふうに動かれたのかなと思っていて。我々は今、本当に驚きをもってこの大英断を見守っていくような状況です。

宇佐美:はい。驚きは本当に次のページなんですけど、次のページに行っていただきまして、警察庁は今年6月から11月にかけまして、パチンコの遊技が実際にどういう状況かを確認する調査を、遊技産業健全化推進機構ということを通じてやってみたんですね。

そうしたところ、問題になったのは、パチンコの釘は不正改造でギャンブル性を違法に上げてるっていうことは以前から言われていたんですけれど、実際調査してみたところ、市場に1台も適法、風営法の基準に適合しているパチンコ機はなかったんですね。

つまり、これ何かっていうと、全国の全てのパチンコ店が今、違法営業してるっていうことが警察の調査で証明されてしまって。次のページにいっていただきたいと思うんですけれども。

これも警察庁自身、警察庁の担当の課長および課長補佐の講話で警察庁も認めていまして。「お客さんが求めるからギャンブル性を上げているんだ」っていうことは認めない。

ギャンブル依存症問題を我々が解決するんだ。するためにはやはり「適法な営業をとってください」と指導を始めていきます。

今、この現在においては全てのパチンコホールで違法な営業が行われているっていうことが、調査の結果わかっていることなんです。

ここに関してはメスを入れていただいて。私自身もパチンコをすごくやるので、産業を否定することはないんですけど、ギャンブル依存症問題、実際の社会における被害を抑えるためには一度ギャンブル性を下げて、年間50万円で遊べる、広く国民が遊べる遊戯に戻すべきなんじゃないかと思っています。

まずは適法営業化へ

先生方のご尽力のおかげでこういう流れができているなかで、現在の風営法、パチンコに関しての仕組み自体として、ホールを管理する仕組みがあっても、メーカーを管理する仕組みがないとか、産業として誰かが責任を持って所管をしていないんです。そのため、ある意味グレーゾーンがどんどん拡大していってこういう問題起きたということがありますので、カジノとかそういう議論をする前に、今ここにある問題を解決していただくということが大事じゃないかなと思ってます。

こういうことを責任持って、政府の皆さんがやっていただければなと思っております。年間50万でできる国民の遊戯に戻すべき、と。

田中:それはでも、あれですよね。これを、そもそもは警察庁が言い出したんですね。それは政治家の先生方が「ギャンブル依存症のことをやるべきだ」っていうことを発言してくださったおかげじゃないかなっていうふうに思っていて。

これは別に私たちが言い出したわけじゃなくて、警察庁がこういうふうに言ってることがもう本当に大きな決断だったんじゃないかなって思ってます。

それが今推進されていて、6月に警察庁が言ったのに、今現在1台も変更されてないっていうことで、本当に警察庁のほうが「それはもう早くやるべきだ」っていうようなことをおっしゃっていて。今「1月ぐらいに期限を区切ってやろう」って言ってるんですかね。

入れ替えのほうもスケジュールを組んでやろうとなってるんですよ。なので、本当に先生方にも行方っていうことを、これから先にも見守っていただきたいなと思っております。

本当に我々ギャンブル依存症産業というか、ギャンブル依存症業界からも驚いてますけど。それより先、半年前にパチンコ業界の方たちもすごく驚きをもってこの決断を受け入れられたようなんです。その辺ってやっぱりIR(統合型リゾート)の議論からこういうことって風が吹いたのかなって思うところはあるんです。

グレーゾーンを放置し続けてきたことの問題

今日、柴山先生が早めにお帰りになるということで、IRのことからこういうギャンブル依存症議論が盛り上がったということが1つあるかなと思うので、カジノの賛否ということは置いておいて、先生のギャンブル依存症対するご意見、伺わせていただけたらと思います。

柴山:先ほどのセッションにもありましたように、これまでともすると薬物の依存症については命に関わるということで、政府を上げて対策が打たれていたにも関わらず、このギャンブルに関しては賭博罪という法律で自己決定の制限をするっていう建前を立てておきながら、公営ギャンブルがあり、今大変大きな問題となっているパチンコがあり、そして依存症についてはほとんどこれまで実効的な対応を取られていなかった。

もちろん我々、政権与党の責任でもあるんですけれども。グレーゾーンというかたちで警察庁の裁量的な対応がされてきたということが大きな問題として指摘され続けていたわけです。

ところが今、ご指摘になられたようにIR、やはり日本の観光、特に統合型のリゾートの1つの目玉にするという議論がなされるにいたって、それでは海外からやって来る方々のみならず、自国のギャンブル依存症についてのしっかりとした海外並みの規制、あるいは依存症対策を講じていかなければいけないのではないか。こういう声が非常に大きく、IR推進側からも規制側からも出てきたということは紛れも無い事実であります。

警察庁も、それからもちろん警察庁以外の厚生労働省、あるいは文部科学省などの政府をあげてそういった対策、あるいは立法。そういうのに踏み切っていかなければいけない流れになっているのではないかと思います。

田中:ありがとうございます。それではこの流れを受けて、今、全体的なお考えを柴山先生に伺ったので、角田先生からも一言いただいてよろしいですか? ギャンブル依存症、国の今の問題、そして先生のお考えなどを一言ずつお願いできますか?

ギャンブル依存に関する相談を受けることも多々

角田秀穂氏(以下、角田):まずは一言、お話をさせていただければと思います。私、昨年の衆院選で初当選させていただきまして、その前は千葉県の船橋市というところで長く市議会議員を16年ぐらい務めさせていただいておりました。

船橋と聞いて、「最初にイメージするものはなんですか?」って言ったら、今でこそ「ふなっしー」なんですけども。

(会場笑)

一昔前は、オートレース場とかですね。船橋、オートレース発祥の地でありまして、更に地方競馬の船橋競馬場とか、中央競馬の中山競馬場とか。ある意味、非常に恵まれた環境にありました。

(会場笑)

そうしたなかで様々、特にこのギャンブル依存で借金を重ねて何ともならなくなってしまったとか、私自身の活動のなかでかなり相談を受けてきました。

ただ昔は、それが病気なんだっていうことを私自身も認識をしておりませんでして、何かというと「本人のせい」とか「自分がだらしない」とか、そういったことで片付けられてしまう。私もそういった見方しかできていなかったということを、今非常に痛切に反省をしているところです。

今IRの議論等もありますけれど、それを契機にこの依存症に光が当たったっていうことはそれはそれで意義があると思います。

けれども、それの議論とは別に、この依存症の問題っていうのは実は本当に薬物依存症と同じぐらい深刻な問題なんだということについての理解を深めるための取り組みっていうのを大急ぎでやらなければいけない課題だと思っていますので。その議論とは別の話かなと感じております。

依存問題に長年取り組む初鹿議員

田中:ありがとうございます。本当に既存のギャンブル依存症の問題について、おそらくこの国会議員で最初に興味を持っていただいて、話を聞いていただいたのが初鹿先生かなと思っておりまして。

アルコール依存のほうでもずっとご活躍されていたということもあって、依存症の問題にご理解あったと思うんですが。初鹿先生だいぶ長い間、関わっていただいてますから、一言いただければ。

初鹿明博氏(以下、初鹿):今、ご紹介いただきました。衆議院議員の初鹿明博です。今、田中代表からお話がありましたが、私2年間お休みをしていたんですね。2012年に落選をして、昨年戻ってきたわけですけれども、その前、1期目が民主党政権のときに、民主党の1期生で国会議員をしておりました。

そのときに田中代表が、IRの関係で党の勉強会に来られて、私はたまたま、ほかの会議の司会をやらなければいけなくて、そこに出れなかったので、秘書を代わりに行かせていたんですが、「とにかくおもしろいから絶対に(田中氏に)会ったほうがいい」と言われて。

先ほど田中さんからお話がありましたとおり、私はずっと薬物の依存やアルコール依存の問題、依存症の問題にずっと取り組んでいたので、ギャンブルのことも(興味はありまして)。実はある、私の地元にありますギャンブル依存の問題に取り組んでいる団体との関係もあったので、「一度話を聞きたい」ということで(田中氏と)お会いをしまして、そこからの付き合いですので、もうかれこれ4、5年になります。

ダブルスタンダードはもうやめよう

私が一番感じているのは、「ダブルスタンダードはやめようよ」ということです。「賭博はいけない」と賭博罪で刑を作っておきながら、公営競技という名のもとで競馬や競輪やオートレースが堂々とやられていて、テレビでCMまでやってるわけですよね。芸能人を使って。

そしてパチンコも実際に換金をしている。これ知らない日本人誰もいないですよね? 誰1人いないのに、国会の答弁で警察庁の官僚は「換金してるんでしょ?」という質問に対して、「そういう事実は承知してません」と言うわけですよ。「本当に知らないんだったら、あんたどこに目付いてんの?」って皆さん思いますよね?

(会場笑)

こういうダブルスタンダードをもうやめて、この際、本当にIRをやるということになって、カジノを特例で認めると言うんだったら、特例じゃなくて、もう「国が認めたギャンブルは国がしっかり管理をする」ということで。それ以外で「闇でやるのはだめですよ」ということは、当然ですけども。

まず賭博があるということは認めた上で、じゃあそれによって弊害が出てくる依存症の問題はきちんと解決できるように対策を取りましょうと切り替える必要が、私はあるんじゃないかと思います。

今のように「ありません、ありません」と言って、「ギャンブルがないからギャンブル依存もありません」ということを平然と言っているというのが、やはり私はおかしいと思うので、このIRの問題が出てきてるのがいいきっかけになると思うので、しっかりここは整理をしていきたいなと思います。

田中:ありがとうございます。本音と建前のような、この日本独特のギャンブル政策に対して、時代の転換点に今来たんじゃないかな、と。そして重要なキーパーソンに、今先生方になっていただこうとしている、なっていただいてる。そういうことなのかなと思っております。

制作協力:VoXT

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