国会議員と考えるギャンブル依存

司会:2つ目のシンポジウムでは、国会議員の皆さまに「ギャンブル依存症対策を推進するためには」というテーマでお話をしていただきます。それでは、ご登壇いただきます先生をご紹介してまいりましょう。

まず衆議院議員、自民党、柴山昌彦先生。柴山先生は現在、内閣総理大臣補佐官を勤めていらっしゃいます。

柴山昌彦氏(以下、柴山):よろしくお願いします。

司会:続きまして衆議院議員、公明党、角田秀穂先生。角田先生は現在、厚生労働委員会所属でいらっしゃいます。

続きましては衆議院議員、維新の党、初鹿明博先生。

次は参議院議員、現在、無所属、薬師寺みちよ先生。現在、厚生労働委員会に所属されています。

進行役、ファシリテーターは元経済産業省で、現在は岡山県立大学の特任准教授でいらっしゃいます。宇佐美典也さんと、田中代表で行います。どうぞよろしくお願いいたします。

まずは、パチンコの問題から

田中紀子氏(以下、田中):それではシンポジウム2にまいりたいと思います。ファシリテーターを務めます田中と。

宇佐美典也氏(以下、宇佐美):宇佐美でございます。よろしくお願いします。

田中:よろしくお願いいたします。今日はまず、先生方とのシンポジウムに入る前に、今この業界を賑わしている話題提供を1つ、私たちファシリテーターの側からお届けしたいと思っています。

やはり今回、この話題に触れないわけにはいかないというぐらい旋風が巻き起こっておりまして。今日のギャンブル依存症の問題を考える上で絶対に必要な「パチンコ遊技問題」っていうことがあるかと思います。

1つに、ギャンブル依存症の8割はパチンコ、パチスロ依存症なんだっていうことが、厚生労働省の調査からもわかっております。

そして、次にこの問題ですね。ここらへんから宇佐美さんに解説していただいてもいいですか?

宇佐美:そうですね。今回、いろんな具体的な政策に関して議論させていただければと思っていたんですけど、柴山先生が途中でお帰りになられるということで、先にこちらのほうから具体的な問題提起をさせていただければと思っております。

上がり続けるパチンコの遊技費用

パチンコ、日本のギャンブルと言えばパチンコがやはり非常に多いので、今どういうことが起きてるかっていうことについて簡単に解説させていただきます。

平成元年から平成25年で、パチンコの遊技人口はだいたい3,000万人から1,000万人と3分の1に減ったんです。普通これだけ人口が減ると市場規模も下がるんですけども、15.3兆から18.8兆円と市場規模は拡大していって。それはなぜかと言いますと、年間の遊技費用が50万円から200万円と4倍に跳ね上がっていたと。1人当たりの年間の平均遊技費用ですね。

これがギャンブル依存症の解決に対する答えという方向ではなくて、ギャンブル依存症問題が拡大するっていうことに関して、「パチンコのギャンブル化」っていうのは非常に左右したと我々は考えております。

こういうなかで警察庁が、この問題に関しては非常に抜本的な解決に向けて手を打っております。これはグラフでございますけど、年間の遊戯人口がこれだけ減ったのに、1人あたりの平均遊戯費用が増えて産業拡大したと。

田中:こういうことですね。これだけ遊戯人口が激減したのに、市場規模自体は拡大して、こんなに遊戯費用が増えたよっていう。これを警察庁の方が言い出して、「徹底的にこの問題に対して対応する」とおっしゃったっていうことが、すごい画期的なことですよね。

宇佐美:そうですね。これまでこの問題は「あるんじゃないか、あるんじゃないか」って言われていたんですけど、ずっと見て見ぬふりといいますか。ずっと手をつけなかったんですけど、やはりギャンブル依存症問題は放置できないということで、警察庁は今年6月ぐらいから本格的な問題解決に向けて着手しています。

調査でわかったパチンコ店の違法営業

田中:それはもうあれですよね。先生方のご尽力のおかげで。

宇佐美:いや、本当にあります。

田中:ギャンブル依存症のことを盛り上げていただいたことから、これだけ警察庁もやろうっていうふうに動かれたのかなと思っていて。我々は今、本当に驚きをもってこの大英断を見守っていくような状況です。

宇佐美:はい。驚きは本当に次のページなんですけど、次のページに行っていただきまして、警察庁は今年6月から11月にかけまして、パチンコの遊技が実際にどういう状況かを確認する調査を、遊技産業健全化推進機構ということを通じてやってみたんですね。

そうしたところ、問題になったのは、パチンコの釘は不正改造でギャンブル性を違法に上げてるっていうことは以前から言われていたんですけれど、実際調査してみたところ、市場に1台も適法、風営法の基準に適合しているパチンコ機はなかったんですね。

つまり、これ何かっていうと、全国の全てのパチンコ店が今、違法営業してるっていうことが警察の調査で証明されてしまって。次のページにいっていただきたいと思うんですけれども。

これも警察庁自身、警察庁の担当の課長および課長補佐の講話で警察庁も認めていまして。「お客さんが求めるからギャンブル性を上げているんだ」っていうことは認めない。

ギャンブル依存症問題を我々が解決するんだ。するためにはやはり「適法な営業をとってください」と指導を始めていきます。

今、この現在においては全てのパチンコホールで違法な営業が行われているっていうことが、調査の結果わかっていることなんです。

ここに関してはメスを入れていただいて。私自身もパチンコをすごくやるので、産業を否定することはないんですけど、ギャンブル依存症問題、実際の社会における被害を抑えるためには一度ギャンブル性を下げて、年間50万円で遊べる、広く国民が遊べる遊戯に戻すべきなんじゃないかと思っています。

まずは適法営業化へ

先生方のご尽力のおかげでこういう流れができているなかで、現在の風営法、パチンコに関しての仕組み自体として、ホールを管理する仕組みがあっても、メーカーを管理する仕組みがないとか、産業として誰かが責任を持って所管をしていないんです。そのため、ある意味グレーゾーンがどんどん拡大していってこういう問題起きたということがありますので、カジノとかそういう議論をする前に、今ここにある問題を解決していただくということが大事じゃないかなと思ってます。

こういうことを責任持って、政府の皆さんがやっていただければなと思っております。年間50万でできる国民の遊戯に戻すべき、と。

田中:それはでも、あれですよね。これを、そもそもは警察庁が言い出したんですね。それは政治家の先生方が「ギャンブル依存症のことをやるべきだ」っていうことを発言してくださったおかげじゃないかなっていうふうに思っていて。

これは別に私たちが言い出したわけじゃなくて、警察庁がこういうふうに言ってることがもう本当に大きな決断だったんじゃないかなって思ってます。

それが今推進されていて、6月に警察庁が言ったのに、今現在1台も変更されてないっていうことで、本当に警察庁のほうが「それはもう早くやるべきだ」っていうようなことをおっしゃっていて。今「1月ぐらいに期限を区切ってやろう」って言ってるんですかね。

入れ替えのほうもスケジュールを組んでやろうとなってるんですよ。なので、本当に先生方にも行方っていうことを、これから先にも見守っていただきたいなと思っております。

本当に我々ギャンブル依存症産業というか、ギャンブル依存症業界からも驚いてますけど。それより先、半年前にパチンコ業界の方たちもすごく驚きをもってこの決断を受け入れられたようなんです。その辺ってやっぱりIR(統合型リゾート)の議論からこういうことって風が吹いたのかなって思うところはあるんです。