A、B、AB、Oの決まり方

基本的なところで人間は誰もが似ています。しかしこと血液となると、我々はいくつかのタイプに分かれます。厳密に言えば8種類に。この事実は我々一人ひとりが免疫機能を携えていることに起因します。どのタイプであれきちんと機能するのですが、その機能が異なるのです。

皆さんの身体のすべての細胞は抗原に包まれています。これはある意味「この細胞はあなただけのものです」と示す名札のように働く特別なタンパク質マーカーです。皆さんの免疫機能が皆さんに属さない抗原を発見すると、外部からの侵入者を攻撃する抗体を分泌し、それを消滅させるまで追いつめます。

皆さんの赤血球で形成される抗原は2種類あります。それらは凝集原と呼ばれます。これらは力を合わせて、ラグビーのタックルのように侵入者を撃退する抗体を活性化させます。2つの種類の凝集原がありますが、それぞれAとBと呼ばれています。

つまり皆さんの赤血球には1つの種類の凝集原がある、またはその両方、またはどちらもない場合もあります。

もしも血液細胞の中にどちらも持ち合わせない場合、皆さんはそれに対する抗体を持ち合わせないという意味です。もしも持っていればこれら抗体は皆さん自身の細胞を攻撃します。

逆に言えば、皆さんが持っていない種類の抗原に対して攻撃をしかける抗体が皆さんの身体の中にあるということです。

例えば、皆さんの赤血球がA抗原を持っているとする。すると皆さんの血液型はA型になり、皆さんの抗体はBを攻撃します。血液細胞の中に抗原Bを持っている場合、血液型はB型で、Aタイプを攻撃する抗体を持っているということです。両方持っているあなたはAB型で、Aに対してもBに対しても抗体を持っていないという意味です。

どちらの抗原も持っていない人もいます。彼らの遺伝子は機能しない凝集原を持っていて、Aに対してもBに対しても機能する抗体を持っている。この種類の人々をO型と呼びます。

RhプラスやRhマイナスとは何か

おもしろくなってきましたね。実は凝集原とは別の働きを持つ他の種類の抗原もあるのです。これはRh抗原、またはRhシステムと呼ばれます。これは45の異なる抗原の集まりです。しかしこれらはひとつの集団として分泌されます。つまりこれは45すべてを持っているか、まったく持たないかに分かれます。

皆さんの赤血球にRh抗体がある場合、皆さんはRhプラスです。もし持っていなければRhマイナスです。

そう、これが我々人間には8つの異なる血液型がある理由です。A、B、AB、O、そしてそれぞれプラスかマイナスがあります。

輸血をする場合、血液型が合致するかどうかは命にかかわる深刻な問題を引き起こさないためにも重要なのです。しかしそれが合致するか否かというのは、血液型がA、B、AB、Oのどれであるかというよりも、そのうちのどれに対して抗体を持っているかが重要なのです。ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが説明させてください。

血液型がAB型の人はAにもBにも抗体を持っていませんのでA、B、AB、Oのどれでも受け入れることができます。しかしO型の人はAとB、両方の抗体をもっていますから同じO型の輸血しか受け入れることができません。

Rh抗体に関して言えば、プラスの人はプラスでもマイナスでも輸血を受け入れることができます。マイナスの人はマイナスの輸血だけを受けるのが安全でしょう。プラスを受け入れることはできるのですが、人生に一度だけしか受け入れることはできません。それ以後は受け入れたプラスに対してのRh抗原をつくり、プラスの血液を二度と受け入れることができなくなります。

人間の身体とは本当におかしなものですよね。どうもありがとうございました。