「ほとんどの人は世界一を目指していない」駐車場業界を席巻するakippaの軌跡

スタートアップ・ピッチ2 akippa

IVS SEEDS 2015 Summer
に開催

2015年6月26・27日の2日間にわたって、起業やスタートアップへの関心が高い大学生に向けて、起業家の生の声を届ける「IVS SEEDS 2015 Summer」が開催されました。初日のスタートアップ・ピッチに登壇した、akippa・金谷元気氏はIVS Launch Padで優勝するまでのakippaの歴史と、会社の転換期に社員全員で考え直したakippaのビジョンとそこから生まれたサービスについて語りました。

世の中のほとんどの人は世界一を目指していない

金谷元気氏:初めまして。akippaの金谷です。まず、簡単に私の自己紹介をさせていただきます。

1984年12月生まれの現在30歳です。高校卒業から4年間、サッカーの地域リーグというJFLの1つ下のカテゴリでプレーしていました。後に、J2のクラブ練習生契約をして、群馬でサッカーをしていたのですが、同級生が大学を卒業するときにプロ契約ができなかったら引退しようと決めていました。最後のチャンスのとき、プロ契約できなかったので引退しまして、22歳より2年間、上場企業で営業を経験しました。

2年後の24歳のときに会社を設立しました。例えば、同じ歳にはラクスルの松本(恭攝)さん、FiNCの溝口(勇児)さん、スマポの柴田(陽)さん、フリークアウトの佐藤(裕介)さん、佐俣アンリさんと同じ年です。

もう1人、マーク・ザッカーバーグも同い年です。今名前を付けるなら確実にザッカーバーグ世代と言われると思うんですけど、これを10年後には金谷元気世代に変えてしまおうと思っています(笑)。

こんなことを言っていると「お前は何を言ってるんだ!」とよく怒られるんですが、けっこう本気でして……。少なくとも世の中のほとんどの人は世界一を目指していないので、目指している時点でけっこうな位置までいけるなと思いました。

2歳年下に同じ大阪出身で本田圭佑選手がいるんですが、彼は中学のとき補欠だったんですが、ずっと「世界一の選手になる!」って言い続けていたんですね。

世界一の選手を目指して、今では格上だった日本の選手を全て追い越して日本で一番の選手になっている。マインドってすごく大事だなって思います。本田圭佑のスキルって、どう見ても日本の中でトップクラスではない。

ただ、マインドがすごく高くて。本人はいろいろなところで、どこで勝てるかというのを研究して、戦い方を変えてやっていった結果、今では日本で一番の選手で、ACミランの背番号10番にまでなっています。過去に一緒にサッカーをやってた人たちにはそういうのがすごく多いです。自分も本気で世界一を目指してやっているので、気づけば日本一になっていれば、と思っています。

IVS Launch Padで優勝する前のakippa社の歴史

そもそも、うちの会社のことなんて1年前までインターネット業界では誰も知らなかったんです。1年半前は、このIVSのイベントに行きたくても行けないという状況でした。例えば、運営スタッフに応募しても落選しましたし、参加したいって送っても無視されましたし(笑)。

(会場笑)

IVSで優勝する前ですが、書類選考でさえも落ちたり。そんな状態だったんですけれど、今こうして登壇させていただいているということは、チャレンジすれば何か起こるなということを改めて思いました。

元々うちの会社、本当にひどかったんです。これはakippa社の歴史です。

まず、24歳になって2009年2月に資本金5万円で会社をつくりました。でも正直、会社をつくったときには目的が全くなかったんですね。サイバーエージェントの藤田(晋)さんや、ライブドアの堀江(貴文)さんを見て経営者になりたいと思って、何がしたいとかではなく「自分で会社を起こしたい」だけでした。今考えると、これはかなり危険なんですけど。

目的はそんなんで、1人暮らしをしていたワンルームの部屋で求人サイトをつくって、という感じでした。1人で始めたのですが、自分はエンジニアでもなくて、2009年なのにWindows98でホームページビルダーを使って求人サイトをつくったんです。営業には詳しかったので、その求人サイトで広告枠が売れるわけがないとすぐにわかりました。

ということもあり、携帯電話の代理店としても活動しました。法人向けに携帯電話を売って、その会社に無料で求人広告枠を提供するというやり方をずっとやってました。そして、2011年4月に株式会社にしたときに、それまで社員が営業と事務しかいなかったのですが、エンジニアを初めて採用できました。

どうやってエンジニアを採用するかも全然わからなかったんですが、副社長が調べると「『Find Job!』というのに載せればエンジニアが採用できるそうです!」という、それぐらいひどい状態だったんです。

そこからエンジニアが1人入って、サイトをきちんとしたものにつくり変えました。2011年の9月には、携帯電話の代理店を辞めて、東京支社もつくって、求人サイト1本でいきました。

20人の社員のうち、営業17人、エンジニア1人、事務が2人なので、インターネットの会社ではなく、まだまだ営業会社でした。それで、2013年5月までガンガン営業をして、毎月売上目標を達成して「やったー!」と喜んでいたのですが、お客さんからクレームばかり来て。みんな売ることしか考えてなかったという状況です。

会社のビジョンを見つめ直してからの好転期

その頃、「自分たちは何のために会社をやっているのか」という疑問をすごく感じました。そこで、「自分たちは、本当は何がやりたいのか」と、時間をかけて考えて、やりたかったことが今のビジョンである「“なくてはならぬ”をつくる」です。

「世の中に“あったらいいな”ではなくて、“ないと困る”ようなものをつくらないといけないな」と。それまではビジョンなんてあってもなくても一緒だと思っていて、京セラの稲盛(和夫)さんが「ビジョン経営」の話をされていても、正直何を言ってるのか全然わからなかったんです。でも、これが超大事でした。ここから、会社が一気に変わりました。

まず、社員、アルバイト全員で「生活していて不便に感じること」を200個、壁に書いていきました。ここから生まれたのが2014年に始めたakippaです。

この頃からDeNAさんや三菱UFJキャピタルさんから出資を受けたり、過去に参加したいと思っていてもできなかったIVSのLaunch Padに出場するだけでなく、まさかの優勝までさせていただきました。その後、名古屋に拠点をつくり、会社名をakippa株式会社に変更しました。

やはり、「何のために会社をやっているのか?」という自問自答が大きかったです。その後IVSのLaunch Pad優勝でインターネット業界に一気に認知された、という形です。

駐車場業界にイノベーションを起こす

では、akippaがどういうサービスなのかを説明させていただきます。akippaは駐車場シェアリングのサービスで、駐車場が予約できるアプリです。使っていない個人宅の駐車場や、契約のない月極駐車場に、1日単位で予約して駐車できるというものです。

今世の中で起きている問題なのですが、東京で63,000台、大阪で31,000台が毎秒路上駐車されています。

しかしその一方で、駐車場を持っている人にも悩みがあります。例えば、家の駐車場を使っていなかったり、月極駐車場にはたくさんの空きがあります。そこで、この駐車したい人と空き駐車場を持っている人を、1日単位でつなぐのがakippaです。駐車料金の60パーセントを駐車場を貸した人へ成果報酬でお渡しする、という仕組みになっています。

akippaはコインパーキングにあるような精算機は一切なく、予約も決済も全てスマートフォンでできます。設備投資が一切ないので、価格に反映しています。全く同じ住所にタイムズさんと横に並んで駐車場があったりするんですが、例えば渋谷のタイムズさんで12時間停めると4500円かかるところを、akippaだったら1800円で停められます。

さらに予約もできる、(これは)便利と好評で、一度使っていただいた方にはリピートしていただいています。

コインパーキング業界では1位のタイムズさんが15,000箇所、2位の三井のリパークさんが9,000箇所。akippaはまだ2,000〜3,000箇所しかないのですが、パラカさんなど既存の上場している駐車場企業よりは多くなってきています。これから計画通りにいくと、あと2年くらいで約15,000箇所は準備できそうなペースです。

今はまだ、すぐ近くにakippa駐車場がないという場所も多く存在します。駐車場業界にイノベーションを起こすにはもっとやるべきことがある、ということで、私たちは今akippa+(akippaプラス)というシステムも始めました。

これは、人に車を預けて、代わりに駐車してもらえるというバレットパーキングシステムです。こちらのムービーをご覧ください。

(ムービーに合わせて説明して)akippaで検索したけど見つからないというときに、このakippa+を使います。まずは日付を選択して、預ける時間を設定します。続いて車種を入力して、預ける場所を地図上で指定します。この動画だと、渋谷の預けたい場所を選んで設定しています。あとは内容を確認して、間違いなければ支払いのボタンをタップします。

これは、目的地の目の前で車を預けて遊びに行けるというシステムで、予約できるという形になっています。例えるなら「どこでもパーキング」で、車のドアがどこでもドアのようになるというような形です。

日本の駐車場業界は3.5兆円以上の市場規模があると言われているのですが、需要に対してまだ手付かずの状態なので、市場は成長しています。akippaは今、DeNAさんと自動車×インターネットのプロジェクトを始めたり、全国250箇所にある丸亀製麺さんの従業員さん用駐車場を提供したり、ソフトバンクさん、ナビタイムさんとも連携してakippaへ集客できるように提携しています。

これは全て先方様からアプローチいただきました。なぜ先方様からいただけたかというと、全てはこのIVS Launch Padの優勝があってからです。それまでは全然問い合わせはなかったのですが、この優勝で大手企業からどんどんアプローチいただいています。

会社の拡大と求める人材

IVSの優勝で社内も一気に賑いました。そして社員採用もうまくいきました。

社員の紹介をします。akippaは大阪の本町に本社があって、渋谷と名古屋にもオフィスがあります。60名のスタッフがおりまして、内アルバイトが17名、正社員は43名なのですが、実は半分が新卒です。2011年より新卒採用を行っています。

新卒採用をしたメンバーから役員も出ています。社員の出身校はさまざまですが、関西出身者が多いです。

インターンも募集していまして、2016年卒から2019年卒の方が対象です。もう内定が決まっている人も来てほしいと思っています。実は今、2016年卒で内定がDeNAさんに決まっている方も、エンジニアでインターンに来ています。

東京のベンチャーに内定が決まっていても、関西から東京にインターンに行くのは難しいと思います。そういった方はぜひ、akippaで修行していただきたいです。2016年新卒の方はまだ募集しています。

akippaは、ビジョンである「“なくてはならぬ”をつくる」の実現のために、まず駐車場業界にイノベーションを起こすことを目標にしています。 以上、ありがとうございました。

(会場拍手)

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