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スタートアップ・ピッチ1 グラニ(全1記事)

豚小屋から六本木ヒルズへ「神獄のヴァルハラゲート」からはじまったグラ二の快挙

2015年6月26・27日の2日間にわたって、起業やスタートアップへの関心が高い大学生に向けて、起業家の生の声を届ける「IVS SEEDS 2015 Summer」が開催されました。初日のスタートアップ・ピッチに登壇した、グラ二・相川雄太氏は「起業・スタートアップアップのわくわくする面だけお話しします」と前置きした上で、自社で開発したアプリゲーム「神獄のヴァルハラゲート」の大ヒットからはじまったグラ二の創業ストーリーを紹介しました。

起業から六本木ヒルズに入居するまでの軌跡

相川雄太氏(以下、相川):グラニの相川です。よろしくお願いします。突然ですけれども、グラニって知ってますか? 

実際当社、すごく無名です。当然知らないと思います。今日ここに来ているみなさん、おそらく興味ある分野が「起業」とか、「スタートアップへの参画」とか、そういったところだと思いますので。

今日は、興味のある分野と関連付けて「グラニ」の起業当時を振り返って、みなさんにお話しできればなと思います。ただし、「わくわくする面」だけお話しできればと思います。

そのわくわく面だけをひたすら話して、ますます起業とかスタートアップとか、そういうところに興味を持ってもらいたいなと思います。ちょっとキャッチーな感じになっちゃうんですが、うちが今、六本木ヒルズに入っているということで、「起業から六本木ヒルズに入居するまでの軌跡」みたいなところをお話しできればなと思います。

実際、つらいこともたくさんあります。辛い面を知りたい人は、たぶん懇親会に出ると思うので聞いてください。当然、六本木ヒルズに入ることがゴールではないので、そこだけ認識をお願いします。

学歴コンプレックスを乗り越えた努力

その前に、簡単に自己紹介をさせていただければと思うんですけれど、相川と言いまして、取締役副社長としてやっています。さっきご紹介いただいたように、26歳ということで、そんなにみなさんと年齢は変わらないんじゃないかと思います。

実際この業界でも、私自身まだまだ学ぶ身でして、毎日四苦八苦しながらやっている状態です。出身校についても、「明治学院大学」、すばらしい大学なんですけれど……。おそらく、ここに来ているみなさんの大学と比べると、下のケースもたくさんあるのかなと思っています。

実際に私自身、入学したときから学歴コンプレックスが多少ありまして、焦っていましたね。当然「慶應大学」とか、「早稲田大学」とか、そういう人たちに勝つには、追いつくにはどうしたらいいのか、すごく考えました。

大学2年のときからいろんな企業でインターンを経験して、そんなこんなで3年前に起業して、今に繋がっているということです。学歴コンプレックスがあったんですけれど、常に前向きな姿勢で頑張っていくことの大事さみたいなことは、すごく体感しました。

裏を返せば、私より学歴があるみなさんは、いくらでも可能性があるので、羨ましく思います。

下に犬がいるんですけれど、これは愛犬です。名前は「ハク」なんですけれど、誕生日が私と近いです。好きな食べ物は「ささみジャーキー・チーズ入り」です。なんでここに(犬の)画像を入れたかというと、別に愛犬を見て欲しいからではありません。

おそらく将来起業して、成功してって(考えている)人いると思うんですけれど、犬飼うときは長考してください。何でかというと、一人暮らしの男性が犬を飼うと弊害がありまして。例えば婚期とか、たぶん遅れます。そういう弊害もいっぱいあるので、長考してください。ただ、相当かわいいので、私自身は全く後悔していません。

創業時のオフィスは「豚小屋状態」

会社の紹介です。創業が約3年前2012年9月19日で、ソーシャルゲームの開発をしています。今は「(神獄の)ヴァルハラゲート」というタイトルと、「モンスターハンター ロア オブ カード」というタイトルの2本があります。別事業で業界紙の「Grand Style」というのを発行しています。では、さっそく本題に入ります。

まずは、創業からサービスリリースまでを紹介します。2012年9月19日に、家賃24万円の3階建ての一軒家「西麻布コンパウンド」で創業しました。

この24万円が安いのか高いのか、ちょっとみなさん判断つかないかもしれないですけれど。1人暮らしで24万円(の物件に)住んだら高いですよね? ただ、このオフィスに当時10人以上いました。

そこに椅子、机、パソコン全部置くんですよ。正直「豚小屋状態」でした。すし詰めで、人の歩く間もない感じでした。創業当初は当然お金がないので、給料はアルバイト代程度でやってもらって。ほとんどのメンバーが貯金を切り崩して、そんな感じでやっていました。

ちなみに、写真の左下に写っている男性が、今うちの代表の谷(直史)なんですけれど、正直この当時、貫禄ゼロだったと思います。ただ不思議なもので、企業が成長していくにつれて、どんどん風格も出てきます。

ちなみに、右の写真が「西麻布コンパウンド」から見た六本木ヒルズなんですけれど、近かったので見えました。「将来ここに入りたいね」って言いながら、みんなで本当に頑張っていました。ちなみに創業からリリースまでのこの時期がなんだかんだ一番楽しかったです。

「神獄のヴァルハラゲート」の快挙

約4カ月後にリリースしました、「(神獄の)ヴァルハラゲート」。ここからが、本当にあっという間でした。

まず1ヵ月後、新規参入企業で初月1億円売上を突破というところで、1億円がすごいのかというところなんですけれど。

今でいうと、今日お越しのコロプラさんの前で言うのもあれなんですが、すごい数字なんですけれど、上はいっぱいいます。ただ、当時アルバイト程度の収入で、かつ本当に豚小屋みたいなところでやっていた我々からすると、かなりの快挙でした。

さらにリリースから1ヵ月半後、あのすばらしい大企業のグリーさんと業務提携を結びました。これによって、さらなる成長の加速が見込まれました。

リリースから2ヵ月後、豚小屋卒業です。ようやくオフィスらしいオフィスに移転することができました。

リリースから4ヵ月後、「神獄のヴァルハラゲート」がタイトル初めてのCMをしました。KinKi Kidsを起用しまして、全国でオンエアされたので観てくれた方がいるかもしれません。

余談なんですけれど、今「(神獄の)ヴァルハラゲート」は過去4回ほどCMをしていまして、そうそうたるタレントさんを起用してやっていたので、どれかを観たことがある人はいるんじゃないかなと思っています。著作権の関係で、画像は載せられないんですけれど……すいません。

リリースから約半年後です。「GREE Platform Award」という、グリーさんが主催している賞のイベントなんですが、そこで総合大賞という一番良い賞を受賞することができました。このあたりから、ソーシャルゲームとか、ゲーム業界では認知される企業になってきたのかなと思っています。

ちなみに、ここまでの業績推移なんですけれど、わかりやすく軽くいじっているんですが、それでも右肩上がりに順調に推移しています。

社員数についても、急激に増やす採用はしてないんですが、オフィスが手狭になるくらい右肩上がりでどんどん社員は増えていきました。

六本木ヒルズへの移転と福利厚生の充実

その中で2014年11月、リリースからわずか10ヵ月後に、六本木ヒルズに移転することができました。

実際の移転理由は、うちが求めていたオフィスの広さが六本木周辺であまりなくて、消去法でヒルズになった、というところも正直あるんです。とは言え、すごくうれしかったです。

本当にリリース10ヵ月前まで、みんなアルバイト程度の収入で、豚小屋みたいなところで生活していたので、一同すごい喜びがありました。オフィスもけっこうおしゃれな感じに仕上がったと思っています。

10ヵ月前……これですからね。けっこうな変化だと思います。

別の写真なんですけれど、みんなけっこう生き生きして、毎日仕事をしているという環境です。

今ちなみに社員が110(人)なんですかね。みんなでやっています。このあたりから、今までの会社の考え方や理念を言語化しました。「一生働ける会社にする」というところで、改めて理念を作りました。

その中の1つに、「快適を追及する」というものがあるんですが、「社員が働きやすい環境である」というのを作っていこうというところで、数多く福利厚生の制度があるんですけれど。

変わりどころで言ったら、「マイチェア制度」というのがあるんですが、これはどんなものかと言いますと、毎日使用する椅子を「上限20万円まで何を買ってもいいよ」としています。この業界、長時間座ることがすごく多いので、なるべく腰とかに負担が少ない椅子を選んでもらおうというのが経緯ですね。他にもいくつかあるんですけれど。

例えば、週2日マッサージ師の方が会社に来てくれて、1人30分までマッサージしてくれたり、あとは飲み物も缶ジュースや黒ウーロン茶、レッドブルなど、数10種類が無料だったり。終業後、お酒を無料で出しているので、けっこうみんなで夜交流して帰っていくみたいな光景も見られます。

IT業界にスポットを当てた「GrandStyle」を創刊

ここまで話してきたんですけれど、やっぱり認知度はまだまだ圧倒的に低いです。そういうところで、始めたプロジェクトがあります。それが「GrandStyle」、グラスタですね。

何かというと、ファッション誌テイストな感じで、IT業界の社員であるとか社風であるとか、業界知識であるとか、そういうところに焦点を当てまして、ファッション誌風に読みやすく、IT業界を理解できる感じの雑誌になっています。

実際にプロのカメラマンや、ヘアメイクを起用して、かなり凝った作りになっているので、読み物としておもしろい感じにしています。

これまで4号出していまして、2号からさまざまな企業様に出演していただいて、3号から本格的に業界紙としてスタートしました。3号はサイバーエージェント藤田社長とミクシィの森田社長に表紙を飾っていただき、4号では元LINE、今はC CHANNEL代表の森川さんに表紙を飾っていただきました。

このプロジェクトの目的なんですけれど、基本的には業界活性化というのがあります。あとは求職者であるとか、潜在的業界者にアプローチして、業界に興味を持ってもらって、業界者を増やしていきたいという思いがあります。

特徴は1号につき、30から40社の企業様に出演いただいておりまして、IT業界の雰囲気とか、出演企業の雰囲気とか、かなり具体的に知ることができる内容になっているのかなと思います。

というところで、ターゲットにIT業界の人が含まれるんですが、学生のみなさんもメインターゲットとして含まれています。

ですが、今まで認知してアプローチしていたところが、IT業界メインだったので、学生のみなさんにぜんぜんアプローチしていません。

ですので認知度もぜんぜんないという経緯があるので、GrandStyleセカンドシーズンとして、少しずつ、学生のみなさんの目にもとまるような展開ができればと思っております。ちなみにこちら、学生インターンも募集中ですので、興味がある方はご連絡いただけたらと思っております。本日はありがとうございました。

(会場拍手)

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