「ブラックホールはない」ってどういうこと?
ホーキング博士の驚きの論文を解説

What Stephen Hawking Really Said About Black Holes

車椅子の物理学者Stephen William Hawking(スティーヴン・ウィリアム・ホーキング)氏が、2014年に「ブラックホールはない」という論文を発表して話題になりました。これはいったいどういうことなのでしょうか? なんでも吸い込んでしまうブラックホールはない? それとも、これまで考えられていたようなものはない、ということなのでしょうか? サイエンスチャンネル「SciShow」が専門的な知識のない人に向けた解説動画を作成しました(SciShowより)。

ホーキング博士は考えを変えたのか?

ハンク・グリーン氏:時折、最新ニュースが重要な概念をしっかりカバーしていないことが明らかになることがあります。ちょうどそんなことが先週ありました。スティーブン・ホーキングがGoogleニュースに登場し、突然「ブラックホールは存在しない」と宣言したというのです。

最近の論文からの正確な引用によると、「ブラックホールはない」のです。その通り。実際、それは全く正しくないのです。当然、インターネットではホーキングの論文全てを読んだわけはありません。それは充分理解できますよね。

たくさんの人たちが天体物理学における大発見が天体物理学の破綻を意味すると捉え、ホーキングが意見を変えたのだと勘違いしました。でも実際の発言をよく見れば、何が起きたのか理解することができます。

私たちが思い描くようないわゆるブラックホールの説をホーキングが最初に紹介したのは、約40年前まで遡ります。よく知られているブラックホールのモデルは、みなさんもよくご存知のあれです。イベント・ホライズンと呼ばれれている境界に囲まれたブラックホールは、無限に深く、どんなものも強力に暗黒に吸い込んでしまいます。イベント・ホライズンは観測することができません。

1975年、ホーキングは計算により、ブラックホールはエネルギーを放射状に放出し、最終的に消えてしまうと予想しました。そこで浮かんでくるのが、ものが消えてしまう前にそこでは一体何が起こっているのかという疑問です。

ブラックホールはない、というわけではない

ホーキングは今回、物質や光の情報はなんらかの形で放出すると持論を修正しました。少なくとも私たちの理解によると、物理学者たちはホーキングによってもたらされたブラックホールが蒸発するという考えに、多くの反論をしていました。

すべての情報は宇宙に保存されていて、情報がブラックホールに吸い込まれても消滅することはない。ホーキングのイベント・ホライズンに関する考えは修正の余地があるということです。

彼の最新の論文では、情報の保存とブラックホールの天気予報について述べられています。ホーキングはブラックホールにイベント・ホライズンがないかもしれないと示唆しています。かわりに、彼は境界を「アパラント・ホライズン」と呼び、この境界はブラックホール同様に一時的なものです。ブラックホールはアパラント・ホライズンとともに蒸発するのです。

というわけで、ホーキングが言っているのは、ブラックホールはないということではなく、「光が永遠に抜け出すことができないようなブラックホール」はないということなのです。しかしながら、一定期間存続するアパレント・ホライズンは存在します。

少し話のニュアンスが違いますよね。そしてホーキングが意見を変えたわけではないということがわかります。彼の功績は素晴らしいままで、実際、ホーキングの最近の研究では、彼は40年前に紹介された革命的な持論を強化しています。その研究ゆえ彼は我々の時代において最も重要な物理学者と言っても過言ではないでしょう。

フォーマット版のブラックホールについてはすごく難解なので、今回私は言及していません。彼の論文へのリンクも貼っておきますので、ご自身でご確認ください。ほんのちょっとフットボールより複雑でしたね。

SciShow

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