外猫の気持ちを知ってみたい

前田悟志氏(以下、前田):皆さんは猫とか動物を飼われてるんですか?

参加者:前に犬を飼ってました。

前田:今は?

参加者:今は飼ってないです。実家には犬とか猫がいたんですけど。いなくなっちゃったので。

前田:僕らも猫を飼ってもらえるような仕事をしなきゃですからね。

ヒロタ氏(以下、ヒロタ):そうですね。やっぱりそういう感じでやりたいなと思いますね。特に今、猫に関しては、これだけ人気があって、いろいろな所でイベントをやったりとかしてる一方で、殺処分されていたりとか、虐待に遭っていたりというような子たちもいて。

やっぱりそういう問題もあるので、ここからどんどん猫を里親として迎えてくれる人が増えたらなといった思いで、こういったメディアをやっているというのも私はありますね。

前田:すごくいいことですよね。次の質問ですけど、これもすごいマニアックな質問で、生まれ変わったら何猫になりたいですか?

ヒロタ:生まれ変わったら猫になりたいというのは確定なんですね(笑)。何猫になりたいか?

前田:君らは猫になりたいでしょうか?

ヒロタ:何猫になりたいか……考えたことはなかったなぁ。これは種類を聞いているのか、それとも家猫外猫なのかとか、その辺もいろいろあるんですけど。

私だったら、ょっと外猫にもなってみたいなという気がしますよね。家猫は家猫でもちろん飼い主さんに愛されてっていうのはあるんですけど。

外猫さんはどういう気持ちで普段暮らしてるのかとか、縄張りというか、普段どういう行動範囲で行動しててとか、結構謎が多いじゃないですか。

おーさき:たぶんこの辺が外猫さんですね。

ヒロタ:はい。何らかの形でやっぱり人間に面倒を見てもらって、ご飯もらったりとかしてる子たちも多いと思うんですけど。すごい大変なところもありつつだと思うんですね。

写真に撮ったりすると可愛いとか、そういうふうに見られがちなんですけど。やっぱりご飯の保証がなかったりとか。暑さ寒さもそうですし。いろいろすごい苦労している部分もあると思うんですよね。

そういう気持ちを知ってみたいというか。どういう感じでやっているのかなというのは、ちょっとそれを自分で実感してみたいっていうのはあるかもしれないですね。そういう意味では、外猫さんになって生まれ変わってみたいっていうのはあるかもしれないです。

外猫から拾われて家猫になると表情がやわらかくなる

前田:この写真を見る限り、外猫さんってちょっと表情が堅い……。

ヒロタ:違いますよね、確実に。家猫たちと。その辺の苦労とかもあるのかもしれないですし。

おーさき:こういう子が家に拾われていくと…。

ヒロタ:変わりますよね、本当に。

前田:やわらかい顔になるんですね。

ヒロタ:全然違ってくるんですよね。

おーさき:田舎の猫をかまってて、ボス猫が家の中にいるとすごくふてぶてしいんですね。外で5、6キロぐらい先で車で見かけたことがあるんです。

ヒロタ:そんな離れた所でですか。

おーさき:見ていたら、「何見てんだよ」ってすごい顔だった。

前田:別の子じゃなくて?

おーさき:同じボス猫なんですけど。図体が同じなので。その時かみさんが、「うちの子が居た」って。

ヒロタ:6キロ先って相当ですよね、それ。

おーさき:だいたいテリトリーは500メートルとか。

ヒロタ:よっぽど何かあったんじゃないかと思うぐらいですよね。そんなに離れていたんじゃ。

おーさき:すごい田んぼの端から端まで。

ヒロタ:見晴らしが良くて、やっぱり広い所だったんですかね。

おーさき:そう、田んぼしかない所で。

猫の生活に憧れる

ヒロタ:何猫になりたいですか?

おーさき:何猫というより、猫になりたいな。自由というか猫みたいな暮らしを今後、送りたいなぁみたいなふうに思うことがあるんですね。

ヒロタ:猫の生活って憧れますよね、確かに。

おーさき:どういう気持ちでいるのかっていうのは、もちろんわからないですけど。何か客観的に見ていると、すごく自由だし、毎朝、起こしに来るみたいな話もあったんですけど、そういう何か好きにできているような感じがいいなって思うことがありますね。

前田:猫は猫で辛いことがあるんですかね。

ヒロタ:あるんじゃないかと思いますけどね。

前田:家の子を見ている限り、何か出かけてお留守番をしている時とかね、辛そうですけど。

おーさき:でもまぁ、ポジティブですよね。猫って。

ヒロタ:表情とか見ていると、ふてくされてるなとかありますけど。与えられた環境で、ただ生きるだけじゃないですか。なんかそういう姿も猫らしいというか。そういうところに惹かれる部分っていうのはありますよね。

おーさき:猫って何か、その環境で120パーセントポジティブに生きているような気がするんですね。だからどんなお宅でも家しか知らないはずだけど、そこで一生懸命楽しく生きているみたいな。そんなイメージが、いろいろなお宅をおじゃまするとしますね。

ヒロタ:順応力があるんですよね。どの家でも自分のお気に入りの場所を見つけたりとか。

おーさき:そういうところは学ばなきゃなみたいな。

ヒロタ:そうですね。

前田:みんながみんな恵まれた環境っていうわけでもないんですけど。それでもいい顔してますものね。

おーさき:前田さんはどうですか?

前田:生まれ変わったらねぇ……やっぱり家猫で、逆に僕だと1匹で飼って欲しいな。すべての愛情を僕に注いで。寂しがり屋なので。

ヒロタ:自分を見てと。

前田:うん。となると三毛猫になっちゃうような気がするんですよね。三毛猫でできればオス。

ヒロタ:三毛猫のオスで(笑)。

前田:3万匹に1匹みたいな。

ヒロタ:人がいなくなると出かけた時に1人になっちゃいますよ。

前田:そうだね。それは寂しいですね。

ヒロタ:ちょっと寂しいね。あまり頻繁に家を空けちゃうような飼い主さんだと寂しいかもしれないですよね。

前田:そうですよね。おーさきさんは猫になりたいですか?

おーさき:猫になりたいです。

前田:本当に?

おーさき:なりたいというより、なってみたいというのが正しいですかね。本当にどういう目線でいるんだろうとか。どんなことを考えているんだろうとか。すごく気になる所なので。猫になったらそういうのもわかるのかなと思って、なってみたいなという気持ちが強いですね。

猫にも甘え上手と孤高に暮らす子がいる

ヒロタ:猫にも甘え上手な子と、孤高に暮らす性格の子がいるじゃないですか。ちゃっかりしてて可愛がってもらったり、ご飯をもらうのが上手な子もいれば、なかなかそう言わない子もいて。そういうのが個性ですよね。

だからもし自分がなったら、どっちになるのかなって思いますよね。私だとそんなに人に甘えるのが得意じゃないので、でも生きるからにはやっぱり。外の子だったらうまくご飯をもらったりしないといけないし、かつ危険から回避する能力も必要なんで。そう考えると結構大変だなとは思いますよね。

前田:本当に外猫さんって何食べて生きているのだろうって、すごい心配になるんです。食べちゃいけないものってあるんですよね。これは猫にあげちゃいけないとか。そんなのは食べないですよね。

ヒロタ:そうですよね。総合栄養食ばっかり食べれるわけじゃないですかね。時には人間の食べ物とか食べてたりもするでしょうし。

前田:今はボランティアの方でパンをあげたりもするし。10年前と比べると良い時代になったなーって。でもまだこれからですよね。

ヒロタ:猫にとっては暮らしやすい世の中になっているのかどうかっていうのはなかなか難しいですよね。

前田:そう思うと野良猫が正解であって、それを勝手に人間が捕まえて去勢して離すっていうのは、確かに人間のエゴかもしれなくて。それって生態系を崩すのかもしれないですね。

ヒロタ:都会だと特に完全に室内飼いというのが推奨されていて。やっぱり安全を考えるとどうしても事故のこととか、病気のこととか考えると、元気に長生きしてもらいたいという観点から言えば、絶対に中だけで暮らしてもらったほうがいいんですけど。

果たして猫たちはどう思っているのかという。子によってすごい外に出たがる子もいれば、全然そうでもない子っていうのもいるじゃないですか。だから一概にどっちがいいというのは言えないと思うんですけれど。そういうのもいろいろ考えちゃいますよね。

前田:この問題ってやっぱり触れにくいというか。

ヒロタ:なかなかデリケートで、難しい問題なんですけど。

犬についてどう思っているのか

前田:じゃあ次の質問なんですけど、これは僕宛だったんですけど。前田さんは犬は撮らないんですか?

ヒロタ:写真を。

前田:人も撮らないですけど(笑)。犬は怖いんですよ。

おーさき:そうなんですか?

前田:吠えられるのが、すごい怖くて。

ヒロタ:猫に鳴かれるのは怖くないんですね。

前田:怖くない。選択肢が猫しかなかったっていうことなんですね。なんでネコグラファーになったんですか? ってよく聞かれるんですけど。犬、可愛いですよね。でも吠えられるのがダメで。たぶん小さい頃、吠えられてすごい泣いたりとかしてたんじゃないかなと思って。トラウマなのかな。

ヒロタ:吠えない犬がいたらどうですか?

前田:だったらいい。

(一同笑)

ヒロタ:やっぱりじゃあそこなんですね。ポイントは。

前田:でも、その子を可愛く撮れるかっていうと自信がないかなぁ。違いますからね。犬と猫じゃね。

ヒロタ:そもそもネコグラファーになったのも、猫を受け入れてから。

前田:うん、そうですね。

ヒロタ:もしその時、たまたま受け入れちゃったのがワンちゃんだったら、イヌグラファーになってたかもしれないですね。

前田:しれないですよ、もちろん。おもしろいですね。

ヒロタ:そうしたらこの場もなかったですね。私は呼ばれてないですよ。確実に。

おーさき:僕はね、いぬ経済新聞をやっているかもしれない。「あぁ、良いのを見つけた」って言って。

ヒロタ:「イヌグラファーやりたいです」っていう人とか、いないんですか?

前田:聞いたことはないですね。

「いぬ経済新聞」のジョークでフォロワーが減った

ヒロタ:私もたまに、「いぬ経済新聞はないんですか」って言われることがあって、やりたい方がいたらやってくださっていいと思うんですけど。

1回、ねこ経済新聞でエイプリルフールの時に、毎年ネタを用意するんですけど。去年のエイプリルフールのネタは、「ねこ経済新聞が今日からいぬ経済新聞になりました」っていうふうにジョークで記事を書きまして。

どんな経緯かというと、愛犬家協会から「猫ばっかり贔屓で不公平だ」っていう苦情が来たので、「しばらくの間はいぬ経済新聞にします」って書いたら、どこまで本気にしたのかわからないですけど、向こうも冗談だったのかもわからないですけど、「がっかりしました。今日から見るのをやめます」というご意見がSNSとかTwitterでいただくことが多くて。フォロワーさんも一気に100人ぐらい減ったんですよ。その2行だけで(笑)。

前田:それはすごいですね。100人減ったんですか。

ヒロタ:1日だけで100人減りましたよ。やっぱり見てた方でどっちも好きっていう方は、圧倒的に猫のほうが好きっていう方が多かったのかなと思って。翌日に冗談ですよって言ったら、もちろんそれでまた戻ってきて。

前田:戻るんだ。へぇー。

ヒロタ:戻ってきてくれた方もいる、ということなんですけれど、そんなこともありましたね。それはねこ経済新聞でやっている中でもすごく印象に残っている出来事ですね。