シモダテツヤ(以下、シモダ):はい。えー、第5回ミサワ公式ホームページをどないしましょうかっていう会議ミーティング、(じょじょにミサワの方へ顔を寄せながら)会議のミーティング……。

地獄のミサワ(以下、ミサワ):顔は寄せなくていいですよ。地獄のミサワの公式サイト、どうしようか会議と。

家入一真(以下、家入):そうですね。

ミサワ:前回きっちり作ってきてくれると、しっかり約束してくれたじゃないですか。なんでもう、今回で最終回でいいんじゃないですかね?

家入:そうね。

ミサワ:作ってきてくれたんなら。もう。

シモダ:今回はお金かかってますね。

家入:お金かかってます。人も動きました。

シモダ:人も動きましたね。本当に満足してもらおうと思って。クオリティが非常に高いものを、(家入の方を指して)彼、作ってきました。

ミサワ:社長が。

家入:最終回は最終回でいいです。それに相応しいものを、フィナーレを飾るものを作ってきました。

ミサワ:それはちょっと頼もしい。

シモダ:きれいに終わらせよう、最後は。

ミサワ:最後はおちゃらけじゃなくて、きっちり終わるのがカッコいいじゃないですか。面白いだけじゃなくてね。

シモダ:ちゃんとやったぞ、と。

ミサワ:そうです。

シモダ:なんたってクリエイターですから、我々。デザイナーですから。

ミサワ:そうですね。

シモダ:で、僕も僕でマーケッターですから。マーケットを分析し、それを社長に渡し、社長がその独自の美的センスでうまーく形にして、ミサワっていうイラストレーターの魅力を最大限に引き出した。今回のは。

ミサワ:なるほど。

シモダ:で、前回、今まででアリだったやつあった? って聞いたら、関羽じゃない桃じゃない、って言いながらも、1個だけちょっと気に入ったものありました、って言ってたよね。

ミサワ:そうですね。

シモダ:で、実際に、それをもとに作ったのがこちら。

家入:持ってきました。近くに寄っていいですか?

ミサワ:はい。

シモダ:これはねー、お金かかってますよー。

家入:シンプル。

シモダ・家入:でーん! どうですかぁー?

家入:これ、ミサワが唯一誉めてくれたデザインの部分に。

シモダ:トップページ。

家入:写真を省いてイラストを入れた、って形になりますね。

シモダ:そうですね。

ミサワ:これ、トップページですよね。

家入:トップページです。これは……どうですか?

ミサワ:これはちょっと……。

シモダ:余計なもの入ってないでしょ?

家入:で、今回ね、新しい試みを。

シモダ:おっ! なんですか?

ミサワ:新しい試み?

家入:実はTシャツになっています!

シモダ:これねー、世界初の試み、「Tシャツ型ホームページ」! すごい!

家入:お? これちょっと似合うんじゃない?

シモダ:ショップ店員みたいな感じですね。これ、いいんじゃないの?

家入:Tシャツ型ホームページ。

シモダ:無いですよ、他に。

ミサワ:……Tシャツ型ホームページって何すか?

家入:違う違う。

シモダ:違います、そこ。

家入:Tシャツ型ホームページ。まだ何も説明聞いてないでしょ。

ミサワ:はぁ。

家入:聞く前から否定するのはやめてください。

シモダ:いいって言ってたやん、最初。

家入:これはね、僕は、Tシャツはコミュニケーションツールだと思うんですよ。

シモダ:ほー、なるほど。

家入:昔ね、戦後とかさ。お金とか着るものとか余裕のない頃のシャツってのは確かに暖を取るためだけだった。乳首出てたら恥ずかしいじゃないですか。それを隠すため。

シモダ:乳首ねー。やっぱねー。

家入:実用的なツールだったんですよ。

シモダ:そうですね。隠すことしか考えてない。デザイン性皆無のね。

家入:そうです。だから戦後の服とか結構ひどいものが多いです。

シモダ:もう繊維ですね。

家入:でも、今は物資も豊かになって、ミサワだって無職なのに何とか暮らしていける世の中になってきてますからね。今日、珍しく服着てきてるよね。

ミサワ:いつも服着てきてますよ。服はいつも着てますよ。

シモダ・家入:……。

ミサワ:何で黙るんですか。

家入:……。でね、服の意味、シャツの意味ってのは昔と比べてだいぶ変わってきたと思うんです。

シモダ:ほら、すごいいいよ、このトップページ。

ミサワ:うーん。

家入:僕はシャツをコミュニケーションツールの一環だととらえて表現してみました。ホームページってのはまさにコミュニケーションの根幹になるものでしょ。

シモダ:やっぱり21世紀を感じさせるのがホームページ。未来です。

家入:そうです。最近「Web 2.0」だ、何だって騒がれましたけど、いわば3.0ですか、これは。

シモダ:そうですね。Tシャツ。新しい。これ、すげえいい。

家入:これをミサワが着て、(Tシャツに印字された「ENTER」のロゴを指さして)「ENTER」押してもらうわけですよ。

シモダ:これね、サーバーに置く必要がないってのが一番のメリット。電子空間内のホームページって今まであったんですよ。でも社長は同じ試みしててもしょうがないと。これからのホームページはTシャツだと。着てナンボの世界ですよ、今後は。

ミサワ:……え?

シモダ:これ、いい布。

家入:そう。これね、「バナナ・リパブリック」の。

シモダ:「バナナ・リパブリック」の。

家入:提携して。そこで金も落ちました。

シモダ:だいぶね。

家入:3000万。

ミサワ:3000万。……3000万!?

シモダ:持ってるの分かるやろ。社長持ってるやん、3000万ぐらい。友達のミサワのためにね、「バナナ・リパブリック」で。

家入:これ、新しいよねー。

シモダ:ねー。

家入:これいい。

ミサワ:でも、あのー……。Tシャツはホームページを名乗っていいんすか?

シモダ:ん?

ミサワ:TシャツはTシャツですよね。

家入:うん、コミュニケーションの。

ミサワ:そうですよね。コミュニケーションツールという点でつながってるのは説明してもらったんで分かったんですけど……でも、Tシャツですよね、これ。

シモダ・家入:……。

ミサワ:いや、これTシャツ……。

家入:着れるし。

ミサワ:着て、これどうやって見てもらうんすか。人に。(不服そうな2人に)何すか、その顔。

シモダ・家入:……。

ミサワ:これはサイトがあった上での、そのグッズ的な意味合いでのTシャツ?

家入:違う。

シモダ:そんなねー、色々手広くみたいなのはよくないですよ。

シモダ:よくないっす!

シモダ・家入:よくないっす!

ミサワ:……何で、そんな腹立つことやるんですか? これ見せられて腹立ってるときに。

シモダ・家入:……。