環境問題はフィクションではない

女性司会:新たに国際連合ピース・メッセンジャーに任命されたレオナルド・ディカプリオさんです。

レオナルド・ディカプリオ氏:素晴らしい国際連合事務総長、そして皆さま、ありがとうございます。今日この場に立つことができることを非常に光栄に思っています。私は専門家としてではなく、日曜日にニューヨーク市内を行進した、世界を憂う400,000人のうちのひとり、そして環境問題を解決したいと願う世界中の何億人もの人々のひとり、いち市民として今日皆さまの前にこうして立っています。

私は俳優ですので常に演技をしています。作られた、フィクションの役を演じ、空想上の、フィクションの問題を解決するのです。人類は環境問題をこれと同じように捉えていたのではないかと考えます。それがあたかもフィクションであるかのように、環境問題など存在しないかのように、いつかはその問題はひとりでに解決するかのように。でもその意識は変わりつつあるのではないかと思います。

毎週我々は新たな、目を逸らすことのできない環境変化を目の当たりにしています。環境変化が加速している紛れもない証拠があるのです。干ばつが進み、海ではメタンプルームが海底から上昇しています。我々は大きな環境の変化に直面しており、西南極とグリーンランドではこれまでにない勢いで氷山が溶け出していくという10年後を見越した科学的推測が出ています。

これら全て大げさに話している訳でも、神経過敏になっている訳でもありません。紛れもない事実なのです。科学者、産業業界、各政府、アメリカ軍関係者ですらこの事実を把握しています。サミュエル・J・ロックリア米太平洋軍司令官は環境変化は最も大きな安全保障上の脅威であると最近発表されていました。

今こそ、問題解決に取り組むとき

我々は今歴史上最も難しい問題、しかし解決の余地がある問題に直面しているのです。我々の世代は歴史に残る功績を残すか汚名を残すかの岐路に立っています。もちろんこれは「皆さん、電球を変えて、ハイブリッド車に乗り換えよう」と言っているわけではありません。個人のこのような選択を促し変えることよりも遥かに大きな問題です。世界中の産業、政府が確固とした大規模な行動を示すことが鍵なのです。

今が行動する時です。炭素排出量に値を付け、石油・ガス会社への政府助成金を排除すべきです。自由市場の名のもとに工業汚染者達が受けてきた優遇措置を廃止しなければなりません。彼らに我々の税金を摂取する権利はありません。我々が彼らを監査すべきです。

環境が破壊されれば元も子もなく、経済は崩壊します。再生可能エネルギーは実現可能であるだけでなく、経済政策も改善するのです。

これは党派的議論ではなく、いち人間としての議論です。綺麗な空気、生存し続けるための環境は奪うことのできない人権であります。この問題解決のために考えねばならないのは政治ではなく人類が生存することができるか否かです。

これは早急に対応せねばならない問題です。皆さん、私は人生を演じることに費やしていますが皆さんは違います。この日曜日に世界中で多くの人々が声をあげました。そしてその勢いが止まることはありません。

次は皆さんの番です。人類が直面してきた中で最も大きな問題を解決する時がきました。皆さんに勇気と誠実さを持って対応していただきたくお願い申し上げます。ありがとうございました。