「パパは1人目のとき手伝ってくれなかったじゃない」

娘(はるな):かぞく会議を始めます。議題は2人目をどうするか。

:はい、パパは賛成です。

:(私も)さんせいです。かわいい妹がほしいです。

:私は反対。はるなにもまだ手がかかるでしょう?

:俺も手伝うから。

:はるなのとき全然、頼りにならなかった。

:え、手伝ったでしょ? おむつ替えとか。

:あれはおしっこレベルだから。

<回想シーン> 父の昔の姿。おむつを開け、うんちを見て「うわー」と言って逃げ出す。

:うんちのときは逃げてたし。

:じゃあ頑張って、うんちも手伝いますよ。

:あのね、頑張るのは当たり前。大体さっきから手伝う手伝うって、なんで人ごとなの!? 当事者意識が足りないのよ、あなたは!

:次、いきませんか?(話題を変えるべく、娘に提案する)

子供が2人になると、お金も倍かかる?

:では次に、おかねのはなしです。

:そこだよなあ。ポイントは。

:学費、食費、その他もろもろ。はるなと合わせて倍になりますけど?

:だから、頑張りますよ。

:頑張っても収入が倍になる保証はありません。

:節約していこう!

:じゃあお小遣いは毎月2万円。そのなかでお昼ご飯と夜の飲み代、休みのゴルフまでなんとかしてくださいね。

<回想シーン> 父がゴルフをしていると、持っていたドライバーが掃除機にすり代わってしまう。

:む、むごい……。

:私だって普段から切り詰めてるんだから。

妹といっしょに遊びたい

:でも妹がほしい。妹とおままごとしたい。

<回想シーン> 娘がひとり2役でおままごとをしている。「あなたご飯よ」「ご飯の前にお風呂だな」。

:あ、落語だ。

:わたしも、がんばるから。

:はるなも?

:だってわたし、おねえちゃんになりたい。

:ほら、下の子がいると、上の子も成長するって言うじゃない?

:ママ、おねがい……。

:なによ、ふたりして! 私だって欲しくないわけないじゃない。産むのは私よ……。

:ん? (横を見る)

青年になった未来の弟、登場

:はじめましてお父さん、お母さん、お姉ちゃん。あ、自分、弟です、未来の。 (はるなに対して)妹じゃなくてごめんね。

:なまえは?

:おいおい、え、それ聞いちゃう?

<回想シーン> 弟が生まれ、姉弟が一緒に遊びながらどんどんと育っていく様子が映し出される。

:中2のとき、お姉ちゃんの身長を追い越したんです。

:私たち、2人目産むんだね……。

:いやこれは、あくまでも選択肢の1つです。僕を産む未来も、産まない未来もある。もちろん個人的には僕のいる未来を選んでもらえればうれしいけど……。

:わたし、弟でいい……。弟がいい!

:(席を立ち、父の腕を取って別の部屋に移動しようとする) (未来の弟に対して)お姉ちゃんのことちょっと見ててくれる? 

:は、はい。

:パパともう一度じっくり話し合ってくるから。

:(未来の弟に向かって)おままごと、する?