ネコ科の動物の「ゴロゴロ」の謎
ハンク・グリーン氏:もしあなたがベットに寝っ転がり、寝ようとするときに、猫があなたの胸に飛び乗り、あなたが欲しいとばかりに顔を叩いてきたり、コベット・アンドリューのようにゴロゴロと鳴いたりすれば、あなたはただイライラするでしょう。
なぜなら、あなたはそれほど猫の味を好きではありませんし、翌朝早く起きなくてはなりません。同時に、猫があなたに示す愛情がかわいく映るかもしれません。
でも、だまされないでください。ふわふわとした猫毛はきっとあなたを包み込んでくれますが、猫がゴロゴロと鳴くのは、彼らが痛みを感じている時でもあるのです。それは出産のときであったり、死のことだってあります。
アメリカライオンや、オセロット、ワイルドキャットといった、野生動物の中でも比較的体が小さい動物たちは、ゴロゴロと鳴きます。彼らは、喉と横隔膜の筋肉を使い、その振動がリズミカルな音となり出てきます。その吸って吐く頻度は、25から150ヘルツです。
それぞれが、面白いサウンドを持っており、「ミャーオ」や「ニャー」や「アーオ」といった音となります。私は「アーオ」という音が一番好きなんですけれどね。
それぞれに意味があり、「餌をちょうだい」や、「自分のことを認識して欲しい」というメッセージだったりします。ゴロゴロとという音は、「すごく幸せ!」なときか、「死にそう……」なときに表れます。
それは、違った感情段階で起こります。猫のゴロゴロは、ただの正しい有声コミュニケーションとしてはみなされていません。そうではなく、それはある一種のセルフメディケーションとしても働くのです。
「ゴロゴロ」が骨密度を上げる?
獣医たちは、猫は犬が骨を持っている音を聞くことができるということを昔から知っていました。注意力がない猫が、高所落下症候群と呼ばれる状況下において、高層階から落ちるということは普通ではあまりないことです。
でも、驚くべきことに、猫はどんな状況下であったとしても、90パーセントの確率で生き残ることができるのです。なぜなら、彼らにはある手法が組み込まれているからです。
19世紀後半の医者、クリントン・ルービン医師、そしてニューヨーク州立大学とその同僚たちが行なったセラビーで、猫のゴロゴロが、骨密度をあげる周波数のスイート・スポット内にあるということを発見しました。
猫のゴロゴロは、怪我を治し、彼らを健康に保つのかもしれません。このセラピーを経験した人々は、猫のゴロゴロが骨密度を上げるのに役立ったということを証明しました。
猫はなまけもので、ゴロゴロは形の決まったエクササイズとして行われます。他の動物は、健康な骨を保つために、投げられたボールのあとを追いかけたり、車を追いかけたりします。でも、猫の場合はただゴロゴロと鳴くだけで十分なのです。
この完璧なヘルツ数の振動は、10分から20分の間振動だけで、人間をも助けるかもしれません。
研究者たちは、重力の低いコンディションに置いて骨密度が下がってしまう宇宙飛行士に、この技術がどのように活かせることができるか研究しています。
もしかすると、飼い猫の数で世界記録を持つカナダ人ジャック・ライトとドナ・ライトは、NASAに電話するべきかもしれません。なぜなら彼らは689匹の猫を飼っています。689匹ですよ。私は、それらの猫たちが、訪れた宇宙飛行士を有益な振動でリハビリをする姿が想像できます。ちょっとクレイジーですが、うまくいくかもしれませんよね。