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世界と繋がるソーシャルメディア戦略(全3記事)

「通信制限でイライラ」「誰も見てくれない」を防ぐ ツイキャスを2億配信突破に導いた凄い機能

11月、「もしもしにっぽんフェスティバル」とのコラボで開催された、日本のエンタテインメントの未来を語り合うイベント「THE BIG PARADE」。「世界と繋がるソーシャルメディア戦略」をテーマに、若者から圧倒的な指示を集める配信サービス「ツイキャス」を運営するモイ株式会社の西村氏が登壇。成長を続ける「ツイキャス」人気の秘密はファンとの距離感とコミュミケーションにあるようです。

モバイルに特化したライブ配信サービス「ツイキャス」

鈴木貴歩氏(以下、鈴木):今をときめくソーシャルメディアのお二方をお迎えしてお話いただきます。ソーシャルメディアは世界につながっているものなので、それを活用して日本と海外の壁を越えようというときに、どういうことをすればいいのかをお話いただければと思います。

まずは、ツイキャスを運営しているモイの西村さんです。よろしくお願いします。

西村顕一氏(以下、西村):ツイキャスを運営しております「モイ株式会社」の西村と申します。最初に、ツイキャスのご紹介させていただきます。

まず、ツイキャスをご存知の方ってどれぐらいいらっしゃいますか? 挙手いただいて……。

(会場挙手)

もう皆さんほぼ知っていただいていて(笑)、ありがとうございます。

モバイルに特化をしたライブ配信のサービスでして、スマートフォンなどから簡単に映像や音声ラグも少ない形で配信いただけるというサービスになっています。これが実際の配信の様子です。

ツイキャスをよく使っていただいてる方に、路上で弾き語りをされるような若いアーティストさんがいらっしゃいます。渋谷駅で路上ライブするよりもツイキャスで配信をした方が全国でいろんな方に見てもらえるということでご利用いただいております。

このcahoさんという方の配信では、右上を見ていただきますと同時で600人ぐらいが視聴しています。路上ライブで600人集まると、「中止して下さい」っていうことになると思うんですけれども(笑)。

ツイキャスの場合、テクノロジーで全国に繋げることができます。この左の部分はユーザーのコメントをリアルタイムに反映しています。今『愛唄』を歌われていますが、ユーザーさんからリクエストがあったので、それを今歌っています。

数値面では、現在のユーザー数は今年の4月に1,000万に到達して、年々倍々という形で250万、500万、今年で1,000万と、成長を続けています。

その中で、海外のユーザーの比率が20パーセントほどになっており、一番多いのがブラジル、次がアメリカ、その次が台湾や韓国のような、アジア諸国と、そのあとは中米南米などの国も入っております。

累計での配信数では、このサービスが立ち上がってからどれだけ配信がされたか、という指標なのですが、今年の9月に2億回に到達をしておりまして、日本のライブ配信サービスでは一番大きな規模になっております。

女性ユーザーが過半数を超える唯一のライブ配信サービス

特徴的な点がもう1点あります。昨年の9月に(累計配信数が)ちょうど1億に到達したタイミングから、1年で倍にできました。実はサービスが始まってから、1億に行くまでに4年半ぐらい時間がかかっていますが、1億から2億までは1年で達成ができております。このあたりからも成長の速度を見ていただけると思っております。

ユーザーの属性ですが、まずデバイスの比率では、モバイルに特化していることもあり、90パーセント以上がモバイルというかたちになっております。

年齢に関しては24歳以下の方々で過半数を超えておりまして、16歳から18歳ぐらいの世代の利用が最も高くなっています。

性別では、女性が60パーセントを占めております。日本のライブ配信のサービスのなかで、女性の利用者が多いのはツイキャスのみになっております。これは特徴的な点です。

リアルタイムコメントが放送を盛り上げる

次に機能の詳細に入らせていただきます。先ほど「累計で配信回数が2億回を突破しました」という話をしたんですけれども、弊社としてはかなり重要な指標かなと思っておりまして。

といいますのは、ライブ配信というのは、例えば、Instagramさんのように友だちが投稿した写真を後から見て楽しむ、といったかたちではないので、ライブ配信をしている時に誰も見てくれないと、「1人で弾き語りをしていて誰も聞いてない」という状態になってしまいます(笑)。

このような状態ですと配信していても心が折れると思うのですが、ツイキャスはそういったことにならないよう視聴をつけるための機能をかなり力を入れて開発しまして、それが実現できてきているからこそ、これだけ成長しているのだと思います。

その機能の1つ目は、配信が始まった時にスマートフォン上にプッシュ通知がいくこと。それによりスマホ上でほかのアプリを見ていたとしても気付いていただけるということです。

2点目は、配信が始まった時にコメントを投稿する機能で、TwitterやFacebookに同時に投稿されるので、例えば友達が見ているところから気づいて、入っていただけるようになっています。

多様な配信をさらに拡散、視聴者100万人越えも

最後にもう1点。ツイキャスの中で、同時の視聴数、コメント数、アイテムの数などが指標としてあるのですが、それがどんどん上がっていきますとツイキャスの全ユーザーに露出されます。

具体的にはツイキャスのアプリを開くと「おすすめ」という形でそのタイミングで配信中の人気配信が全てのユーザーに対し、表示されます。それを通じて全く興味がなかった方も含めて見ていただけるきっかけになります。

つい先日「SCANDAL」さんにツイキャスを使っていただいたのですが、まさにアプリのこの「おすすめ」に掲載されまして。それによって例えば「SCANDALって名前だけは知ってるけど聞いたこと、見たことはない」という方にもツイキャス配信を通じて知っていただくきっかけになったというわけです。

この時は、ちょうどシングルが出た時のリリース特番というかたちだったのですが、1時間で8万人が視聴されました。さらにツイキャスならではの効果というところで、Twitter上のトレンドに入ったほか、この配信前後でiTunesのチャートが15位上がる、ということも実現できました。このあたりの仕組についてはのちほどご説明します。

次に配信モードをご紹介します。ライブ配信というと、動画のイメージが強いかと思うのですが、ツイキャスの場合、ラジオという形で音声のみでも配信ができるようになっています。

このラジオモードをよく使っていただいてる方に、米津玄師さんというアーティストさんがいらっしゃいまして、だいたい月に1回ほどのペースで弾き語りをツイキャスで2時間から3時間ほどやっていただいています。毎回10万人以上視聴ほど集まり、既に累計での総視聴者数100万人を超えています。

ファンとのコミュニュケーションが可能

そして、コラボキャスというものもあります。これはGoogleさんのハングアウトのようなイメージで、配信中に視聴者が入ってきて、視聴者同士で会話している様子をいろんな方に見ていただけるというものです。

こちらをよく利用されている方で、神聖かまってちゃんの、の子さんという方がいらっしゃいます。こちらはファンの方から悩み相談を受けているところのスクリーンショットです(笑)。

この時はファンの方が「バイトの上司が気に食わないです」みたいなことを、の子さんに相談していて、の子さんは「辞めちゃえば?」といったことをファンの方と直接、会話されてました(笑)。

いろんな方に見ていただけるということで、の子さんは時間があればスマホからツイキャスをやっていただいており、累計で既に500回を超えています。

視聴者数の累計ではもうすぐ700万人に到達する規模なのですが、先日ご本人にお話しを伺った際、「ツイキャスやり始めて、若い女性がライブに来てくれるようになりました」と、おっしゃっていました。

どんな環境下でも視聴を可能に

機能のところでは最近、音質をよくするということにもかなり力を入れています。「Opus」という最新の音声の圧縮技術がありまして、世界で初めてこれに対応しました。

このOpusの何がいいかと言いますと、この図の今オレンジにハイライトした部分になりまして、この図の帯域という横軸はネット回線の速度で、右にいけばいくほど良く、縦軸は音質で上にいけばいくほどよいのですが、電車での移動中といったネット接続の悪い環境でスマートフォンからツイキャスを見ても、高い音質で聞いていただけるようになりました。

また、スマートフォンで動画というところでかなり重要になるのが、キャリアさんの通信制限です。月に5ギガ、7ギガなど制限があると思います。

この通信制限にかかってしまうと動画の場合、本当に「再生できなくなる、視聴できなくなる」という状態になります。それをツイキャスとして何か対応できないかなということで、こちらも世界初だったのですが、そういった通信規制がかかっている端末においても、画質を少し下げることで視聴できるようにするという機能を開発しました。これによって、ツイキャスはどのような環境に端末があったとしても視聴ができるライブ配信サービスになっております。

画質の面では、スマートフォンからですと、PCからの配信のように画質を良くすることが難しかったのですが、最近はそういった高画質での配信にも対応できるようになりました。

企業さんにおけるツイキャス活用においてはオフィシャルアカウントというものを用意しているのですが、高画質での配信が可能になるほかTwitterやInstagramのようにチェックマークが付くこと、最大4時間まで配信できるといった機能をご提供しておりますので、もしご利用いただける際にはぜひお声がけいただければと思っています。

ツイキャス配信のメリット

続きまして、ツイキャスの効果ですが、ツイキャスで配信をすると何が得られるのか、ということをご紹介させていただきます。

今3つ、ツイキャスで実現できることをお話していまして、それぞれ事例を含めてご紹介できればと思います。

まず一つ目に、新規のファンを獲得できますというお話をしています。先ほどお話した通り、ツイキャスの配信をしていただきますと、まずプッシュ通知で既存のファンに気づいていただけます。その後、既存のファンの方々からのコメントを通じてツイキャス配信がSNSで拡散され、その周りにいらっしゃる方に入ってきて見ていただけます。

さらにそこから配信の熱量が集まってくると、「おすすめ」に表示され、全ユーザーに露出されます。それらを通じて新しく知ってもらえるきっかけになる、ということがツイキャスで実現できます。

新規ファンの獲得という点では、露出して見てもらうだけではなくてTwitterやInstagramなどのツイキャス以外のチャネルで継続的にコミュニケーションができるという機能を提供しています。

実は配信画面の上をタップいただきますと画面が出てくるようになっているんです。上の2つは、ツイキャスで配信が始まった時にプッシュ通知が表示されるという機能です。「サポーター」のボタンがTwitterのフォロワーのようなイメージです。

その下に連携していただいていると、Twitter、Instagramのフォローボタンがあります。例えば配信が終わる時に「もしよければTwitterやインスタもフォローしてくださいね」とお話しいただくと、ユーザーはフォローができるようになっています。

一般のユーザーにもヒヤリングしますと、「Twitterのフォロワーを増やすためにツイキャスやる」などの声もありまして、一気に300人ぐらい増えたといった話も伺っています。

次に話題の拡散といった点では、コメントがSNSに連携されるので、特にTwitterでは、「ツイキャスをするとTwitterのトレンドに乗る」ということがかなり頻繁におこります。SCANDALさんの配信でも、配信中に設定したハッシュタグが、Twitterのトレンドにしっかり表示されることが起こってきていました。

しかもツイキャスの場合、配信する側で文言の設定ができるので、PRしたい内容を上手く入れていただいて拡散させる、ということが実現できます。

配信中に自在にPRできるテロップ表示機能

その仕組みを事例を含めてご紹介します。この夏に、長渕剛さんにツイキャスを使っていただきました。

10万人のオールナイトライブのプロモーションで、チケットの追い込みのタイミングでツイキャスを使って、ファンの周りの方にも買ってもらおうということで配信をしました。

何を配信したかというと、オールナイトライブのリハーサルの一部をツイキャスで配信しました。そうすると、ファンの方は、「絶対見たい!」ということで集まってきます。

そういったファンの方々にSNSで拡散していただいいた際に、「まだチケットが買えますよ」ということを広めるべくテロップにその情報を入れていただきました。そうすると、ツイキャスを視聴すると画面の下にそのテロップが必ず表示されるだけでなく、このように自動で拡散されます。

例えば、「剛のリハーサルは本番さながらだ」というコメントがあったわけですが、そこへ「チケット発売中」というテロップも同時に拡散され、このツイキャスを通じてTwitter上だけで70万人ぐらいに露出することができました。

ライブ配信を見ながら画面上で購入操作も

最後に購入への誘導もできます。ツイキャスの場合、コメントにURLを入れることができるようになっています。クリックするとアプリ内のブラウザが開き、配信を見ながら操作できるというかたちになっています。これがほかのアプリさんと違うところです。

よく「配信を見たいので、全画面で他のブラウザのサイトを見たくない」という声があります。そういった不満を少しでも解消できるように、このような機能を作っています。

スマートフォンの場合、iTunesやApple Storeなどのダウンロードリンクになると、強制的にそれぞれのアプリが立ち上がるということがあります。その場合にも、ツイキャスはバックグラウンドの再生に対応しているので、iTunesの音を聞きながらダウンロードして戻ってくる、ということもできます。

実際に使っていただいたプロモーションの事例です。昨年、歌手のMACOさんがアルバムの発売時に、「24時からダウンロードができます。アルバムの発売のカウントダウンをして、そのタイミングを一緒に迎えましょう!」ということで、23時から配信をされました。

「アルバム制作の裏話をしますよ」とツイキャスでお知らせし、「本人からその話が聞けるなら」ということで、ファンの方に集まっていただいて1時間ぐらい配信されました。そこへ、「今出ました!」とMACOさんが言われたタイミングで「じゃあ、ちょっと買ってきます」と皆さん買われて。

ファンから「ダウンロードしましたよ」といったコメントをいただき、コミュニケーションができました。そのライミングでランキングが上昇しまして、しっかり1位を獲得することができました。

世界中へ拡散できる連携機能

「ソーシャルメディアで世界と繋がる」という本日のテーマに合った事例では、アニメの主題歌などを歌われている藍井エイルさんというアーティストさんがいらっしゃいます。

先日、ワールドツアーの一環で台湾でライブがありました。その際、ライブの前後に現地密着ツイキャスをしていただきました。、まずライブ前日に「台湾の夜市散策の様子を配信をしてもらいました。

そうすると、日本のファンだけでなく、台湾のファンからも「エイルさんが台湾を楽しんでいるなら見に行こう」と、コメントが中国語でも入ってきました。

さらに台湾でのライブが終わった直後にもツイキャス配信をしていただき、ライブの感想などをお話いただきました。実際にライブにいらっしゃっていた現地のファンの方だと思うのですが、「すごくよかったですよ」というような片言の日本語がコメントにありました。

日本だけではなく世界へ、数十分ほどの配信でも、かつ数万人を超える方々へ配信ができました。ツイキャスを通じて世界と繋がるということを実現いただけた事例かなと思っています。

最後に「キャスマーケット」いう新機能のご紹介です。ツイキャス上でチケットを販売できるというものです。配信を見ていただくだけではなく、イベントなどのチケットをツイキャス上で販売できる機能になります。

例えば配信中に「今度ライブがあります」という情報解禁をしていただいた時に、そのチケットがこの場で配信中に買えます、といったことが実現できます。

具体的フローとしては、画面の右下のボタンから「アイテム」のボタンを押していただくと「チケット」が表示されます。クリックして、「クレジットカード払い or コンビニ払い」から「購入を確定して支払へ」というボタンでチケット購入が完了します。そうすると「〇〇さんがチケットを購入しました」という文章が画面中に表示され、配信者と視聴者にチケットが買われたことがわかる機能になっています。

このキャスマーケットには3つのメリットがあります。一つ目がライブの告知後すぐに買っていただける、という点でとても便利なこと。二つ目が、配信中と、配信後の1時間以内にこのチケットを買われますと、手数料が0円となっていること。クレジットカードの場合、手数料を弊社で負担させていただいています。

三つ目が、電子チケットで入場オペレーションが簡単にできることです。電子チケットでは特別な機材を導入することがあるのですが、うちの場合、そういったものはありません。入場のオペレーションにも入れ込んでいただきやすい仕組みになっています。

実際に使っていただいた事例としては、グッドモーニングアメリカさんがあります。地元の八王子でのイベントのチケットを、ライブ配信中に告知をしていただきました。「今この場所で、ツイキャス先行販売をします!」と、プレイガイドさんより先にツイキャスで販売しました。

結果的に用意していた100枚のチケットが1分で即売、手数料がかからないかたちで販売することができました。

以上、ツイキャスのご紹介でした。ありがとうございました。

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