2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
The Teenage Brain Explained(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:10代の若者の間は、僕もそうでしたが、誰もこの恐怖混乱に満ちた時期から逃れられないのだと言われていました。他の動物たちは私たちよりずっと速く大人になります。それなのに、人間の成長というものはとてもゆっくりですよね。興味深い話じゃないですか。「10代の若者である私の体が変化しているのは赤ちゃんをつくる体になるためなのだ」と、あなたは思うかもしれません。
しかし、10代の若者の間に私たちの体に起こる体つきの急激な変化やホルモンの変化というものは、その間に体で起こっていることのほんのわずかな変化でしかないとされています。
より深く掘り下げて考えてみると、ほとんどの変化は脳の中で起こっていることがわかるのです。
幼稚園に通う歳になるころには、脳の大事な部分の発達は既に終えられてしまっていると私たちは思ってしまっていますよね。しかし、本当のところは、脳というものは数年もの間に脳神経を生み出す苦しみと共に、何回も生まれ変わり続けて行くものなのです。
目に見える体の成長のように。気に留めようが、留めまいが、そう言うことなのです。荒れ狂う10年を過ごした元ティーンエイジャーは知っています。より強く、より速く、より洗練された脳は10代の結果として残るのだと。20年前、誰かが僕に言ったことです。
厄介な生け贄である、私たちと悩みの種であるホルモンのことから始めましょう。ホルモンと聞いて、すぐに化学的なことを考えてしまうのは早合点というものです。凝り固まった考えは私たちの行動に影響を及ぼしてしまいますよ。
ホルモンは毛の生え方を決めたり、危険を察知させたり、はっきりとした理由があるわけでは無いのに落ち込んでしまうなど、自分の意思とは無関係に働いているものです。また、ホルモンは体組織の中で心臓を動かし続け、組織を成長させ、骨や筋肉、皮膚を形作るという働きもしています。
人が10代の若者のホルモンについて話すときは、だいたい性ホルモンのことを指しています。確かに、思春期はあらゆる性ホルモンの嵐に出くわす時期だと言っても過言ではありませんから。最初に、まだ小学校に上がる前に副腎がアンドロゲンホルモンの分泌を始め……
皮膚の脂肪層で皮膚をより脂っぽくするように働きかけます。
そして体からの指令により、アポクリン腺や汗腺の活動が活発化されます。この男子を狂わせるホルモンは下垂体からの黄体ホルモン、精巣に運ばれたテストステロンの放出によるものです。
何と、それまでより50回以上も多くのテストステロンの放出を受けるのです。思春期は男子の体つきをも変えます。女の子の脂肪が彼女たちの胸を成長させるために集ってくるように、体毛やヒゲが濃くなるのです。
このとんでもない時期を、生涯にたった1回経験するだけで良いということを考えると、人というものはとても幸運な存在だと言えますね。他の動物たちは発情期になると、さかりとも呼ばれる、このような多様なホルモン活動を幾たびと経験しないといけないのですから。オスの生き物は発情期になると、子づくりすることだけに夢中になるため、繁殖期の間何も口にしないのですよ。
10代はホルモンに縛られているわけではない、と多くの人は言います。例えば、10代の若者がケンカっ早く、不機嫌で、落ち込み気味か、霧の中のゾンビのようになるのは何か他の要因があるのだと。
しかし、これは眠りが足らない為に起こるもので、すなわちホルモンが関係しています。眠りは、全ての人にとって、活力の源です。特に、子供や10代の若者にとっては大切なものです。というのも、脳下垂体は眠っている間に体の発育を助ける成長ホルモンを分泌するからです。
規則正しい就寝時間のリズムをつくる習慣をつけることは、起きている間、体を正常に保つ働きを助けます。また、暗くなると自然と眠くなるようにメラトニンに働きかけることになります。しかし、眠りの体内時計がが狂ってしまうと10代の就寝時間がどんどん遅くなってしまうのです。
ほとんどの大人は夜10時以降にメラトニンが働きかけるとされているそうですが、10代にメラトニンが働きかけるのはほぼ夜中の1時近くになるという報告がなされています。
これはホルモンの熱狂によるもので、メラトニンの生成を遅らせているのでしょう。また、なぜ10代が夜遅くまで平気で起きていられるのかがこれで説明がつくでしょう。その代わり、目覚ましと共にベッドに起き上がることはできないのですが。
鶏と卵で、夜に毎日シンプソンズとブランク・アランの再放送を見続けることはメラトニンの放出を遅れさせてしまうのです。
研究者の中には生徒をより授業に集中させられるだろうからと、高校の始業を朝早くからにすべきだと提唱する人もいます。
睡眠不足は体内の性ホルモンを狂わせてしまいます。しかし、たくさんあるさまざまな証拠が示すように、10代を10代っぽくさせている原因は、他に何かあるのではないかとされています。
つまり、脳です。脳が完全に成熟するまでにかかる時間というのは、私たちが思っている以上の長さです。脳自体の大きさのことを言っているのではありませんよ。私たちの脳の大きさの95パーセントはたった6歳の時にもうできあがっているのですから。脳の回路のことです。
あらゆる側面において、大人だとされる人というのは、自分の選択や価値観によって物事を決められるという、決定権を持っています。それは、感情や衝動などを制御し、また、判断し、決定する前頭葉前部皮質によって行われています。神経は他の部分の神経やシナプスを通じて記憶や行動のやりとりを連絡し合います。
前頭葉皮質が完全に発育し終えるのは20代半ばくらいなので、10代の脳はまだそんなふうには働きません。青年期の脳の神経突起の発達は緩やかですが、10代のシナプスは驚くべき成長を続けているのです。
他の神経に信号を送っている神経のしっぽのような部分は、ミエリン鞘と呼ばれている脂肪質の層によって覆われ、遮断されています。この層は細胞伝達速度を大いに上げ、成人がより速く物事を考えられるようにするのですが、10代の脳では未だ完成されていません。
これらの変化は脳の後ろの、脳の基本的な部分が詰まっているとされる最も早くに発達した部分でゆっくりと始まります。そして、複雑で先進的な働きをする脳の前の部分も徐々に変化していきます。
前頭葉が発達し終えるのは最後になります。ということは、10代の若者がテスト前夜に明け方迄ゾンビ映画を見ているのを目の当たりにすると、怒りの炎が心の中にメラメラと沸き上がって来るでしょうが、それは決して彼らが怠け者であるとかバカであるとか言うわけではないのですね。
彼らの脳の構築は丁度佳境に入ったところで、だいたい同時期に全ての構築が終わります。脳の構築が終わるということは、シナプス除去と呼ばれる、使われていない神経のつながりを探し出す作業が始まったということです。つまり、いかにシナプスを使うかによってその先の脳の発達が決定づけられてしまうのです。
思春期というのは脳を使わなければいけない選ばれた時期なのでしょう。楽器を演奏したり、スポーツに力を入れたり、詩を書いたり、語学を勉強したり。そういうことをすれば、シナプスを伸ばし、理想的な形の脳へと発達させることができるのですから。じっと座ってキャンディクラッシュゲームをしているだけでは必要の無い繋がりが増えるだけですけどね。
10代の脳が理想的に形作られると、その効果は生活態度などの様々な面で発揮されます。
マサチューセッツ州のマクリーン病院の科学者のグループは成人によるグループ、そして10代によるグループと連携し、ある実験を行ないました。双方をMRI装置にかけた上で、1枚の写真を見せ、その写真はどんな感情を表している写真か聞いたのです。面白い事に、成人は皆、恐怖を表している写真だと答えたのに対し、怒りまたは驚き、ショックを表している写真だと、10代の意見は分かれたのです。
また、単に実験の結果のみならず、大人と10代の若者が使っている脳の部位は別々の部位だという結果をMRI装置は示してくれたのです。質問の答えを考えたとき、大人は理性を司るを前頭葉皮質使って考えていたのですが、10代は脳の後方に位置する感情を司る扁桃体を使って考えていたのです。
このことから、なぜ10代の若者は感情的である様に思えるのかが説明がつくでしょう。10代の若者は前頭葉皮質を使って物事に理性的に反応を示さないので、物事に感情的に反応してしまい、感情の起伏の激しさが頻繁に起こるのだということがその1つです。
また、つまり、こういうことではないでしょうか。若者はただ単に感情をうまく操れないだけで、そのために一見やる気が無いように見えるということです。
人と人とが分かり合うためには前頭葉皮質の働きが重要です。もし自分の伝えようとしていることとは裏腹に、全く別の捉えられかたをしてしまったら、誰しも怒り、または期待はずれの落胆の感情が沸き上がって来るでしょう。そんなことを歌っている歌もありますが。
両親と言うものは得てして10代の若者と言うものが理解できないものですし、10代の若者自身も自分自身のことが良く分かっていないものなのです。精神と、扁桃体がまだ未熟だからです。10代の若者にとって、感情を抑制し、生産的に働くということは中々難しいものなのです。
このような反動的で、衝動的な振る舞いが10代の若者自身を危険にさらすこともあります。思春期というものは、酒であれ、クスリであれ、目につくものはなんでも試したくなる時期です。不幸なことに、その時期の発達過程の脳は永続的な影響に最も弱いのです。
ティーンはクスリやアルコールに大人よりも依存しやすい傾向にあるとされています。というのも彼らの脳は快楽を求めるからです。10代の若者の前頭葉皮質、側坐核は発育過程にあり、いち早く形作られるのが喜びや快楽を司る部分だからなのです。
神経画像診断によると、両親がなんらかのご褒美を与えると匂わすと、10代の若者の脳は大人や子供の脳よりも反応が良いことを示しています。しかし、ご褒美が無いかもしれないと匂わすと、10代の若者の脳は少しも反応を示さないのです。
基本的に、若者は褒めることです。あなたは肩をすくめるかもしれませんが、彼らに勝てるゴールやドキドキするデートを与えてあげることは彼らの脳をラスベガスさながらに輝かせるのですから。
もちろん、いつでも最良の結果を出せるわけではないでしょう。車の免許や体の成長や見知らぬものへ近づくことなどの、プレッシャーがプラスされた心躍るワクワクする経験というものは、思わしく無い結果と結びついてしまう場合もあります。しかし、10代の若者の間という、長くて、退屈でさえある期間は決して悪いものではありません。
多くの科学者は、思春期を長引かせることが頭を柔軟に保つ秘訣だと言います。10代のような期間を長くする、ということでしょうか。ということは、大人の世界に適合し易くなるのかもしれないですね。
若者の怖いもの知らずの衝撃性は、独立した考え方なのです。そして、湧き出てくるような新たな感情と興奮の塊は、信じられないくらいたくさんのエネルギーが溢れ出ている証拠で、これから生きて行く世の中を見極めようとしている証なのでしょう。
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