スマホサービスで狙うべきは女性

森川亮氏(以下、森川):今回はとっかかりとして、女性向けのメディアを考えました。これは理由として、もともとLINEも女性から広がったというところがあるんですけど、モバイル機器に関しては、圧倒的に女性のほうが利用時間、利用頻度が高いんですよね。

PCの時代は、どちらかというと男性、ディープな男性(から広がっていった)。Googleさんがいい例だと思うんですけど、Googleが流行ったのは、エンジニアが使いはじめたから良かったと。

でも、スマートフォンのサービスで、エンジニアが気に入って広がったものってのは無いんですよね。

基本、若い子供とか女性が使うようになって、そこからパパも使うようになって。昔はLINEもそうだったんですけれども、LINEの場合は、おっさんたちは完全に否定してこんなもの使うなと。それが自分が使わないと仲間外れになっちゃうということで使うようになって、それが日本だけじゃなく世界に広がるということで、まずは若い方から使っていただきたいなということが一つ。

あと、特に僕も含めたおじさんたちが、どうしても頭が固くてですね、今まで成功しなかったものは、これからも成功しないという、すごい強い信念があるんですよね。一方で若い女性とか、子供たちっていうのはすごく純粋で感覚的におもしろいと思う物は使いはじめるので、新しい物を、そういう人たちに響くようなものにして、そこから定着していくということを考えています。

映像業界の課題はスピードとコスト

次に映像業界の課題を、お話ししたいと思います。

皆さんご存知かもしれないんですけど、とにかくスピードが遅いということですね。職人たちが古いやり方で製作をしていて、かつ中間業者が多くて、意思決定に時間がかかって。じっくり時間をかけて作るので、作っている間に、トレンドが変わってしまうことがある。

かつ、代理店さんとかが入ると、コストも高くなっちゃうということで、今の業界のやり方では良いコンテンツが生まれるのにすごく時間がかかっちゃうかなということを考えます。

こういうことをいうと、いろんな職人の方々に怒られるんですが、これまさに僕が経験したゲーム業界が、そうだったんですよね。

昔のコンソールゲーム業界というのは、職人の人たちが手作りで細かく作っていて、もちろんものすごい世界観ではあったんですけど、時間がかかっていたと。

料理でいうと、フレンチのフルコースみたいなものを作っていた、ということだと思いますが、ただ、フレンチのフルコースをみんなが食べないですよね。

やっぱり、ファストファッションのように、いいものを早く届けるような、そういうサービスがウケている時代なので、そういうふうに映像業界も変わらなきゃいけない、と考えています。

高品質・スピーディ・大量にコンテンツを生み出す仕組み

そのためにですね、大きくこの3つをやりきろうと思っています。

高品質でスピードを速く大量にコンテンツを生み出す仕組みとして、まずオープンスタジオですね。

原宿に、ちょうどあそこの(アソビシステム株式会社の)中川(悠介)さんの会社の向かいに、文化屋雑貨店というお店があったんですが、その跡地を使って、1階をスタジオ、2階を事務室という、真っ黄色な建物を作りました。

ここで、いつでも好きな時に撮って、配信できると。映像の世界でいうと、どうしてもスタジオを予約する、そしてスケジュールを調整するということがあって、思った瞬間に作って出すって無理なんですよね。

自社の中にスタジオがあって、その場で作れれば、すぐに作って出せるという環境ができています。また、ファストファッションのように、考える人と作る人と流す人が一か所にいて、まるでSPAモデルのように速いスピードで出せるということもやっています。

ファストファッションが生まれたファッション業界がまさに、昔はデザイナーが考えて、工場に持って行って、職人と議論して作ったものをまた流通に載せていくと、中間マージンもものすごくかかってしまうし、ファッションのトレンドにいけないという状況があったんですね。

それをファストファッションという仕組みが変えたように、映像の業界に関してもまさにそうで、今やろうとしているのは、クリッパーと呼ばれる女性たちが、自ら撮りに行く場所を考えて、そして自分でしゃべって、かつ自分で撮って、自分で編集して、そのままアップできる。そういう環境を作りました。

今、僕たちが出しているのは、スマートフォンで動画を編集するアプリです。そして、そこから簡単にアップできるツールを作りまして。それで、世界中の人がそこで編集をしてアップするという状況ができています。

かつ、1分動画ということで。もうちょっと短いんですけど、スマートフォン上で映像を見るという文化に関しては、スキマ時間に見るということもありますし、また今パケット代がどうしてもかかってしまうので、いかに短い時間に楽しめるか。そしてまた、ただおもしろいだけではなくて、そこに情報性を盛り込めるか。そういったことを考えて作っています。

縦長動画の先駆者として

それで、機能的にはInstagram的なものに、動画が載っていて、かついろんな人が投稿して、それをキュレーションしていくような、そういう機能になっています。

縦長で始めまして。僕たちがかなり先行して始まったんですが、今SnapchatとかYouTubeとかInstagramも多用していて、縦長の時代が来るだろうと言われています。

(縦動画は)アメリカでむしろ注目されてまして、実際、広告に関しても、縦長のほうが広告効果が多いというデータも出ています。これからは動画広告も縦長なのかなと思っています。

それでアソビシステムさんを含め様々な方が参加しています、ということです。

C CHANNELのビジネス展開

戦略的な部分なんですが、今年の4月10日にサービスを開始しまして、当初動画のあるブログ的な形でいろいろ自由に動画をアップするということをやっていました。

ただ、初動がなかなか伸びなくて、いろいろ悩んだんですが、やはり勝手に自由に上げるだけだと、その情報に意味があるのかどうか分かりにくいという声もありまして。

それを次の段階として、キュレーションメディアと組み合わせようという考え方で、様々な女性誌であったりメディアと組み合わさってテーマ性を設けて、テーマ性と自由な動画ブログを組み合わせるような、そういう形にして月間250万再生と伸びまして。

さらに今ちょうど英語版と中国語版、あとアメリカと中国との提携も決まりまして、かつ個人参加もすることによって、9月は月間800万再生まで伸びたという状況です。